カチャカチャと食器が触れあう音がする。
晩御飯の後の片付けをしながら、キッチンに二人並ぶ。
テュールがふ、と思いだしたように手を止めて口を開いた。

「ねぇスクアーロ。 この先きみと、10年、20年、もっともっとずっとずっと、一緒にいれたらいいのにね」

急に言われた言葉に、スクアーロは思いきり嫌な顔をしてテュールの方を振り返る。
テュールはひどく真面目な顔をしていて、それが余計にスクアーロを呆れさせた。

「テメェもう32だろうが。20年後なんて50だろ。そんなジジイと一緒にいる気なんざねぇぞぉ」

いやぁまだ現役かもよぉ、とテュールは笑う。
笑って、また手を動かす。
カチャカチャと食器が触れあう音がする。
あとはただ、沈黙が水と一緒に流れた。





 た未来