うーんうーん、と腕を組んで考え込んでいると、うるさい、と怒られた。 どうでもいいと思ってるくせに、彼は、どうしたんだ、と訊いてくる。(こういうとこがすき) 「うーん。おれさぁ、すきだから、アンタのこと殺したくないんだよなぁ」 言ったら、彼がことりと首をかしげた。 「そうか? 俺はきみを殺したいけどね」 「どうして?」 訊いたら、彼は笑って、はっきりと言い放つ。 「すきだから」 思わずぽかんとした顔をした。けれどすぐにくしゃりと顔をゆがませる。 「嘘ばっか」 「当たり前だろ」 笑いあってキスをした。 珍しく彼は何の抵抗もしなかった。 さっきのは本当に嘘? と訊こうとしたけれど、彼が珍しく目を閉じているのが気になって、結局何も言わずに自分も目を閉じた。 |