昼寝をしていたら急に体が重くなったので、ぱっと目を開いたらツナが上に乗っているのが見えた。

「てめぇ…何乗って…」

苛、としながら殴ろうと拳を振り上げたところで、手が止まった。
ツナの目からぽたり、と涙が落ちてきたからだ。
ぽたりぽたりと頬にしずくが落ちてくる。

「なに、泣いてんだ」

ぱたりと行き場をなくした手を下ろすと、ツナはのろりと口を開く。

「ザンザス、が、」

真っ直ぐな、とてもきれいな目でツナはこちらを見てくる。

「ザンザスが、起きないような気が、した」

昼寝をしていただけでコレか。
ぎゅっとツナがザンザスを抱きしめる。強く強く。抱きしめた。

「俺をおいてゆかないで」

ぽたりぽたりしずくが落ちる。

「こんな世界に、俺をひとりにしないで」

子供のように、必死にすがりついてくる。
返事はしなかった。
きっと自分はツナより先に死ぬだろうから。
ただじっと、抱きしめられたまま、天井を睨んでいた。





 口約束すらできないけれど











ただ、こいつが俺に、共に死んでくれという時がくれば

素直に、死んでやろうと思った