ひろいしろいへや。 「賭けをしよう」 黒髪の男の言葉に、金髪の男のはいいよ、と頷く。 「この賭けでお前が勝ったら、ぼくの全財産をあげるよ」 「んじゃ、お前が勝ったら俺の全財産あげるね」 いいよ、と返事をして、黒髪の男も頷いた。 「で、賭けの内容は?」 金髪の男の言葉に、少しだけ間をあけてから、黒髪の男は自分の頭を指差す。 「脳が壊れて死ぬか」 次に自分の心臓の辺りに触れる。 「呪いで死ぬか」 最後に真っ直ぐな目で金髪の男を見た。 「さぁ、どちらでぼくはしぬかな」 とても綺麗な笑顔をつくった。 金髪の男は、にぃ、と笑うと、 「俺は、お前が死なない方に賭けるよ」 と、言った。 思わず、涙が出そうになって。 おさえきれなくて。 少し、泣いた。 賭けにもならない賭けだった |