ばちりばちりと電撃が空を飛び交う。
その間をひらひらと燕が飛ぶ。

「ホント、アンタにはよく会うよな」

電撃を避けながら、山本は前にいるγに呆れた顔を向ける。
γは下がっている眉をさらに下げた。

「俺のところにおまえがわざわざ来てるように思うんだが?」

あぁ、それきっと気のせい、と言って、山本はにこりと笑う。
飛んできた雷の狐を避けて、γの懐に入り刀を下から振り上げる。
けれどそれもすんなりとγにかわされてしまった。
何度か技を繰り出しながら、山本は困ったように笑って首を傾げた。

「なーんでお前はγなんだろうなぁ」
「なんだい、それ?」

小さく首を傾げるγに、山本もまた同じように首をかしげた。

「うーん。ロミオとジュリエットごっこ?」
「ふぅん。なら、俺は毒でも飲んで死のうか?おまえはあとを追ってナイフで自分を刺すといい」
「いやいや、それじゃ俺だけ死んじゃうじゃん」
「あぁ、そうだな」

笑顔で頷くγに、山本も笑った。