#8





「S・スクアーロと戦ってもらいたい」

突然呼び出されて言われた言葉に、テュールは素直に頷いた。
9代目は悲しそうな視線を向ける。

「スクアーロがお前と戦うことを条件に出してきた。お前に勝てば、スクアーロはヴァリアーに入隊する」
「彼はまた、随分なわがままを言ったのですね」

テュールの言葉に9代目は苦く笑う。

「貴方がそんな顔をされる必要はありません。あちらも私と戦いたいらしいので、ちょうど良かった」
「すまない…」

すまない、と9代目は繰り返す。
いいえいいえと、首を振った。

「9代目が仰るのであれば、私はそれを実行するだけです」

にこりと笑った。
深く頭を下げて、部屋を出る。
後ろ手に扉を閉めて、目を瞑った。

(そう。ちょうど、良かった、)

そう思わないと、いけない気がした。





















家に帰ったらきみはいなくて、次の日もその次の日も来なかった
一度だけ街できみを見かけたけど、きみはザンザスと一緒にいたね