#9





空は晴天。
広い場所で向かい合って立つ。
少し離れたところに、立会人なのか、金色の髪の少年と、赤ん坊が立っていた。
すらりと剣を抜いて、前に立つスクアーロに向ける。
ちら、とスクアーロの手に視線を落とした。

「左手、落としたいのかい」
「あぁ」

ばかだなぁ、きみは。
言って笑った。
涙が出そうになった。
顔を上げて、表情を消す。
初めて、鋭い眼光をスクアーロに向けた。

「それじゃぁ、始めようか」

トン、と地面を蹴った。




















私はね、気付いていたんだ