#2 ふらりと来てみた真夜中の教会。 そこに佇む少年を見つけ、ゆらりと気配を消して後ろに近づく。 後ろからぽん、と肩を叩いた。 「やあ」 銀色の髪の少年が、ばっと後ろを振り向く。 さらに跳んで距離をとると、すらりと剣を抜いた。 けれどこちらが剣を抜く気がないのに気付くと、ぐっと眉を寄せた。 ぴりぴりと辺りに殺気が飛び交う。 「きみ、ヴァリアーにスカウトされた子だろう」 「…お前、何者だぁ」 にこにこと笑っているこちらを睨みながら、少年は剣を握りなおす。 そんな彼に紳士のように優雅に軽くお辞儀をした。 「こんばんは。初めましてが遅れたね。初めまして、S・スクアーロ。私の名はテュール」 顔を上げてにこりと笑った。 「私は独立暗殺部隊ヴァリアー」 ぽかんとしているスクアーロに、「の、ボス、」と付け足すと彼は、はぁ?!と叫んだ。 |
正直に言ったのに、きみは信じてくれなかったね 信じたと思ったら、いきなり斬り込んできたし でもその後の追いかけっこは楽しかったよ |