「えい、」

ぺた、とガラスの部分に触れられる。
何度もぺたぺたぺたと触られ、眼鏡が指紋だらけで見えなくなった。
何を無駄なことを、と思いながら眼鏡を外すと、ちゅ、と軽く口付けられた。

「…眼鏡が邪魔なら邪魔だと言って下さい」
「うんごめんね」

じゃぁ気を取り直してもう一回、と彼が言うので、指紋だらけの眼鏡を机に置いて彼の白い髪を乱暴に掴んで引き寄せた。