隣に立ったとたん睨まれ、がっ、と足を引っ掛けられて床に転がされる。
上に乗られて、噛み付くようなキスをされた。

「何、怒って、んの」

息継ぎの合間に声を放つが、答えは返ってこない。
背中が痛くて起き上がろうとしたが、押さえつけられて動けなかった。
ぼんやりと目を細めて彼を見上げる。
彼の首や腕は、自分よりもひどく細い。

「…そんなに細いのにどこに力あるんだよおまえ…」

ぽつりと呟いたと同時に、ゴッと鈍い音がした。
自分の額と彼の額がひっついている。

「ななな、なんでいきなり頭突き…!?」

彼は何も答えずぱっと上から離れた。
のろのろと起き上がって、彼の背中を眺める。
それから少し首を傾げて、

「もしかして自分が小さくて細いの気にしてる?」

そう言う。
銃弾が耳の傍をかすった。