ぺたり、と雲雀の頬に触れる。
瞼を優しく撫でてから、山本はうーん、と首を傾けた。
「なぁヒバリ」
「なに」
「ちょっと泣いてみてくれないか?」
「どうして」
「人ってさ、涙の数だけ優しくなれるらし」
最後まで言えずに言葉が途切れた。
トンファーを使わずに鳩尾に蹴りが一発。
そうとう怒っているらしいので、目が覚めたらちゃんと謝ろう。
そう思いながら、山本は意識を手放した。
虹
色
の
涙