日本のとなりあわせの朝鮮半島  

朝鮮の人々とその生活

1987年6月1日 1年3組
授業者:K先生

(ワーッと最初から大歓声が起こる。授業者がパジ・チョゴリを身にまとって登場。)
 「気を付け!」
 S。アンニョン………。みんなでこれ言うぞ。これで挨拶するからな。ええか。
 「アンニョンハシムニカ」(と口々に)
 はい、みんなで言うて。
 「アンニョン・ハシムニカ」(笑い)
 アンニョン・ハセヨ。座り。
 これ何語かわかる。
 「大韓民国。」
 ええ、少林寺語?(爆笑)これ何語かわかる。聞いたことある。
 あのこれ、「アンニョン・ハシムニカ」言うて声かけたら、「アンニョン・ハセヨ」言うて答えるねん。「こんにちは」さきに声をかける方は、「アンニョン・ハシムニカ」や。「アンニョン・ハシムニカ」言うたら、「アンニョン・ハセヨ」言うて答えよ。先生が「アンニョン・ハシムニカ」言うて声かけたら、みんな「アンニョン・ハセヨ」言うんやで。

 これは実は韓国朝鮮語。今日は韓国・朝鮮の事を勉強します。
 今日は日本と隣合わせの朝鮮半島。おい、世界地図出せな。(黒板には、世界全図が掲げられる。)日本ここや。韓国、朝鮮言うてどこや。韓国、朝鮮あるとこ、どこ。はい、お前出てきて、さして。みんなよう見とってな。もう一回、ゆっくり押さえてな。はい。日本な。朝鮮半島、ここやからな。このちょっとつき出ているところ、ここですよ。はい、みんな、自分の地図帳で場所を確認します。ええ、23ページ、24ページ。ここですよ。場所だけ確認してください。このつき出ているところですよ。いいですか。はい。指で押さえてみ。23ページ、24ページ。大丈夫やな。渡辺、ええな。押さえられてない人おらへん。
 はい。おい。神戸からな、ここの半島の一番近いところへ行くのと、北海道へ行くのとどちらが近い。どっちが近そう。
 「朝鮮。」
 朝鮮の方が近いの。
 この辺から沖縄へ行くのと、朝鮮行くのとどっちが近い。
「朝鮮。」
 朝鮮やな。朝鮮ね、ものすごく近いんです。飛行機で行ったらな、一番近いところへ1時間半でつくねん。大阪から。1時間半で。ビューッと上がって、ちょっとまっすぐいったら、また下り始めるねん。1時間半。たった、1時間半。北海道行くより近い。沖縄行くより近い。
 船も出てる。大阪から。船だったら、一晩やな。今日の夕方出ると、明日の朝、10時につきます。むっちゃくちゃ近い。
 今日は近い、ものすごく近い朝鮮、韓国の事を勉強します。はい、朝鮮・韓国と聞いて思い浮かぶこと、なんでもいいから言うてみ。はい。
 「ええー、オリンピック。」
 オリンピックな。はい、○○。
 「ジャッキー・チェン」(笑い)
 ジャッキー・チェンな。(笑い)他のクラスも当てたら、ジャッキーチェンが出てくるんや。ジャッキー・チェン、あれほんまに韓国か。朝鮮か。さっき勉強した香港やで。な。中国とまちごうとる奴、ようけおるねん。中国と、おんなじとちがうからな。別の国やからな。ジャッキー・チェン違うねんで。
 「朝鮮づけ。」
 横のY。(笑い)
 「キムチ。」
 キムチか、言おうと思っていたら言われた!?
 手、あげんでいいから、なんでも言うてみ。
 「朝鮮人参。」
 朝鮮人参が出たな。
 「まさむね。」
 正宗に出てくるの?(笑い)
 おい、他にないか。
 「加工貿易。」
 加工貿易?
 「豊臣秀吉。」
 豊臣秀吉?豊臣秀吉、どなしたん。
 「朝鮮出兵。」「出兵。」
 よー知っとるな。朝鮮出兵。
 そんだけか思い浮かぶもの。
 「ラーメン。」(笑い)
 ラーメン!これもようけ出たんや。ラーメン、酢豚、これもようけ出たんや。中国と間違っとるな。もうでーへんか。
 今日はオリンピックやら、いろいろ思い浮かぶやろうけれど、朝鮮の人、いったいどんなもん食べてるやろ。そんな事。衣・食・住、中心に朝鮮の人の生活を見ていきたいと思います。
(板書)
 日本と違うところ、似ているところを考えながら、衣食住順番にみて行きたいと思います。
 (自分のパジ・チョゴリを生徒にみせながら)ええやろ。(クスクス)おまえら、これ見て、パッとなに思い浮かべた。
 「空手。」
 空手?少林寺。(生徒いろいろ口々に)
 これな、5組へこれ着て行ったら、「先生、これはー。(手で△を作る)いうて言うねん。(笑い)人、殺しよるねん。(笑い)これ実は何着てるか、わかるな。わざわざ着て来たんやから。朝鮮の人の衣装。
 「みんな、そんなん着とるのん?」
 これな、男の人の普段着や。これはずれるねん。これ、実は外套や。外套や、これは。普段着や。それで、白着せられたら、なんや、棺桶入れられた見たいやけど、向こうではな、白いうたら昔から貴い色や。一番貴ばれる色が白やからな。
 うえ、これだけ短いやろ。先生、結ぶのへ多やけど、本当はもっときれいな結びかたやるねんけど………、いいやろ(笑)………、な。
なに思い浮かべた。
 「空手。」
*空手?少林寺。(生徒いろいろ口々に)
 これな、5組へこれ着て行ったら、「先生、これはー。(手で△を作る)いうて言うねん。(笑い)人、殺しよるねん。(笑い)これ実は何着てるか、わかるな。わざわざ着て来たんやから。朝鮮の人の衣装。
 「みんな、そんなん着とるのん?」
*これな、男の人の普段着や。これはずれるねん。これ、実は外套や。外套や、これは。普段着や。それで、白着せられたら、なんや、棺桶入れられた見たいやけど、向こうではな、白いうたら貴い色や。一番貴ばれる色が白やからな。

9.展開

学習活動 指導上の留意点
導入 1.前時の復習をする。
 北の朝鮮、南の朝鮮の正式国名、首都、面積。 既習の知識なので、できるだけみんなで声を出して、唱和できるようにする。
展開 2.地形のあらまし、気候を調べて、農業によい自然条件を持つのは、北か南か考える。
 地図帳で地形、気候をしらべ、発表する。農業に適しているのは北朝鮮か、韓国か予想する。 朝鮮の自然環境を調べ、農業の適しているのは韓国であることに気づかせる。
3.実際に地図帳で調べ検証する。
 米、小麦、じゃがいも牛などについて調べる。 北朝鮮は畑作中心、韓国は米作り中心の農業であることに気づかせ、中国と比較もする。 韓国は米の生産量で上回っていることを確認させる。
4.北朝鮮は、本当に米作りで韓国に劣っているか、考える。 国民一人当りの米の生産量を計算する。 米の自給可能になっている北朝鮮の現状と最近まで「米なしデー」が残っていた韓国の話をする。
5.地下資源について、圧倒的に北朝鮮が上回っていることを教科書で調べる。 圧倒的に北朝鮮が上回っていることを気づかせたい。
6.工業生産はどうなっているか、同様に調べ、発表する。 鉄鉱やセメント、コンピューター、テレビ、造船、テレビなどで韓国がアメリカ、日本に次ぐ工業国になろうとしている事を指摘する。
農業も工業も自然条件だけでなく、人間の知恵と工夫で生産高などは変わってくることを気づかせたい。
7.身の回りの韓国製品を発表し、その影響について考える。 最近の円高不況や失業倒産問題にも触れる。 新聞記事 2枚の拡大コピー


8.まとめをする。 まとめと次時の予告をする。

南北朝鮮を比べてみよう
1987年6月 1年8組

*このあいだは、朝鮮が二つの国に分かれてしまった事を勉強しましたね。はい、では北の国の名前、復習しましょうか。はい、みんなで。
 「ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく」
*これを先生は、「正式国名を書きなさい」言うて、テストに出したるねん。困るやろ。難しいから。これ、覚えにくいやろ。大丈夫、これでても。
 「大丈夫。ソ連でも覚えられる。」
*ほんま。ほんなら、見んと言えるか。いくぞ。せーの!
 「ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく」
*漢字で書かれへんやろ。
 「書ける!書ける!」
*じゃあ、南の国の名前。せーの。
 「だいかんみんこく」
*で、こちらの国の事は、略して「韓国」、こっちの国の呼び方はいろいろ難しいねんけど、まあ、普通北の朝鮮と言うことで、北朝鮮、でも共和国の人は、「北朝鮮」と言われるのいやがるねんけど、普通日本では、「北朝鮮」と呼んでいますから、こちらを「韓国」、こちらを「北朝鮮」と今日は呼ぶことにします。
 それでは北の首都、覚えてるかな。首都言ってごらん。
 「ピョンヤン」
*南の首都、はい。
 「ソウル」
*よーし、よく覚えていましたね。この北と南の国ね、大きいの、どっちや。
 「南」「北」
*まず、面積で大きいの、どっちやろ。
 「北!」
*北の方が大きいと思う。
 人口はどちらが多いと思う。 
「南!」
*南?調べて………。
 「人口、大韓民国で、面積が朝鮮で………」(などぶつぶつ)
*はい、2班。
 「えっと、人口は大韓民国で………」
*なんぼですか………、
 「3,995」
*はい、3,995………人か?」
 「95万人。」
*万人やな。
約でいこか。ごっつー、大ざっぱに言うて
 「4,000万人」
*もう、えいとふやしてな、4,000万、北の方、ないか、6班!
 「2,000万」
*2,000万、約で言ってくれたんやな。
 はい、と言うことは、南の韓国の方が、おお、すごいな、人口倍やな。2倍、ものすごう多いな。
 面積はどちらが多いかな。おっ、1班。
 「北の方は、12万平方キロメートル」
*はい南の方。同じ人ばっかりやで。おっ、3班いこか。
 「10万キロメートル。」
*10万キロメートル、10万平方キロメートルやな。どっちが大きいかな。
 「韓国。」
*こっちの方がちょっと大きいな。
 さあ、今から色々な物、調べるで。特に今日は両方の国の産業、農業とか、工業とか、そういう風なん調べるからな。
 はーい、ではここで両方の国の自然比べようかな。地図帳開け。21ページ。
 地図帳忘れた人立ちなさい。だれもおらへんな。じゃあ、みんな見れるな。
 山が多いの、どっちやろ。
 「朝鮮。」「朝鮮。」「僕、大韓民国。」
*反対に平野の多いのは、どっちやろ。
 「韓国。」「大韓民国。」
*みんなに聞いてみようかな。山が多いのは、北の方やと思う人。
 「はーい。」
*南の方が多いと思う人。
 「………。」
*はい、だいたいみんな同じ考えやね。やっぱり、茶色が濃いのは、どっちやろ。北やね。やっぱり北の方が山が多いんやね。朝鮮で一番高い山、金剛山、クムガンザン、2,700mくらいあるんかな。その山も北にあります。
 はい、ほんなら気候を調べてみて。どこのページで調べられるやろな。
 「10ページ。」
*おお、さすがに早いな。地図帳の10ページで調べてみて。北の方の朝鮮は、どんな気候や。南の方の韓国はどんな気候や。 
ひさびさやな、そこ、2班いこか。どっち言うてくれる。北の方?南の方?
 「南の方。」どうぞ。「南は温暖湿潤気候。」
*温暖湿潤気候。温暖湿潤気候言うてどんな気候や言うて説明できる人。黄色やぞ。黄色やぞ。5班、言うてみ。
 「四季がある。」
*四季がある。なるほど。はい、1班。
 「冬は寒さがきびしく、夏は暖かくて、降水量は多い。」
*はい、三重丸。夏は暑いですね。わりと気温が高くて、雨が多い。ええかな。
 じゃあ、北の方誰か、発表してください。新人。ニューフェイス。新人。
 「新人、新人、新人やで。」
*2班の方がようけ手が上がってるから、2班の新人。
 「亜寒帯。」
*亜寒帯気候。またの名を、「つめたい!」つ・め・た・いと言うねんな。(笑)
 さあ、亜寒帯気候を誰か説明できる人ないかな。これもむずかしいから、黄色やぞ。できる?ニューフェイスおらへん?「ニューや、ニューや!」はい、6班。
 「夏は短い。」
*付け加えて。
 「はい、自信ある。」
*2班。
 「はい。針葉樹林が多い。」
 「はい、付け加え。夏の気温は高い。」
*付け加えて。
 「降水量は少なく、冬は寒さがすごくきびしい。」
*他にありますか。
 「夏と冬の気温の差が激しい。」
*そうですね。気温の事を取り上げたら、冬特に寒い。雨は少ない。
 じゃあ、ここまでノート、書いてください。書けたら、予想してな。ここから考えて、北の方は、人口が少なくて、面積がちょっと少なくて、山が多くて、冬寒くて、雨が少ない。ねっ。南の方は、人口が多くて、面積はちょっと少なくて、平野が多くて、気温が高くて、そして雨が多い。こういう二つの国の特徴が出たと思うねん。二つの国を比べて、農業のやりやすいのは、どっちかな、と言うことを次ぎ考えといてな。ここまでノーとして、自分の予想した方に○を付けといてください。 さあ、どっちかに○入れて。手をあげてもらおう。じゃあ、一旦書くのやめてもらおう。全員、手をあげて。
 このことから予想して、農業のやりやすいのは、北だと思う人。一人。はい、南だと思う人。はい。わかりました。
 ほんなら、調べてみよか。どんなん調べたらいいやろ。どっちが多いとかな。
 「121ページちゃうか。」
*うん、だから米とか、「小麦」小麦とか、なんページで調べたらいいんかな。「121!」うん、121ページ、しっとるな。こういうの調べるときは、いっつも121ページやで。
 米、発表できるか。新人、新人のみ。新人!新人だけ。
 よし、3班。どっち言うてくれる。韓国?どうぞ。
 「540」「えっ」「795」
*795万トン。約、800万トン、約でいこか。
 北の方。新人、新人。
 「新人新人」
*新人やな。5班。
 「540万」
*おー、540万トン。どっちの勝ちや。まあ、勝ち負けやないけれど。
 「大韓民国。」
*大韓民国の方が断然リードやな。
 代表的な穀物の2番目。小麦調べよか。はい、小麦。新人新人。おっ、4班。どっち言うてくれる。北の方。はい。
 「60万トン。」
 はい、南。「はい!」新人。2班。2班すごいな。
 「1」
*この差、60万トンと1。1勝1敗。引き分けや。勝負つかへんから、もう一個、なに調べよか。「じゃがいも。」じゃがいも調べよか。
 「行けや。」「新人やでー。」
 「北。」はい、どうぞ。「170万トン。」
*南。
 「言えや!」「44。」44。「ああ、負けたー。」
*もうないか。「砂糖。」砂糖?「牛!牛!」
*ほな、牛!「新人。」おっ、新人。3班。どっち。
「朝鮮。約103」
*100万頭にしてしまおか。南。3班。
 「220」「同点や。」
*困ったな。
 「木材。」
*木材!?
 「あんなん、入るん?」
*ええわ、もういてまえ。
 「もうなんでもええやん。決着決めよ。」
*6班。
 「朝鮮は、6.2」
*はい、南。「はい、はい!」5班、5班。
 「10.2」
*どないなった。1勝、2勝、3勝。「漁獲量!」ええ、漁獲量も調べる!?「大差をつけるねん。」よし、4班。もう、両方言うてくれ。
 「あかん。」あかん?「160万」ほな、南の方誰か変わって。「はいはいはいはい」1班の女の子。
 「240万。」「またおんなじになっともた。」
*はい、まとめるで。
 南の方は、お米作りを中心とした農業がやりやすい。漁業も盛ん。林業も盛ん。 北の方は、普通からいったら、農業しにくいねん。お米作りたいと思っても、気温は低いし、雨は少ないし、言うてな。だから北の方は、お米作りすごくむずかしいねん。
(テープの入れ替えで切れる。)
 だけど、全体の数で負けとるけど、国民の数で割ったら、韓国をリードするねんな。韓国はね、米作りが有利で、ごっついやっとるねんけど、国民の数が多いから、お米たりんようになってね。韓国は今から10年くらい前は、米なしデー言うて、米を食べたらあかん日があってんて。それからね、外国から米を輸入しないと国民に米を食べさせられない国やったんや。
 まあ、そういう事から考えると、北の方の朝鮮は、自然の条件はごっつい悪いねんけど、やっぱりそこで努力してな、ダム作ったりとかな、して米作りをやろうとごっついがんばっとるんやね。
 それじゃあ、石炭とか、鉄鉱石を調べてみたいと思います。これはね、教科書の38ページで見ていってください。
 石炭比べてみて。 
「北。」
 北の方がごっついおおいな。2倍はあるな。
 鉄鉱石比べてみて。完全に勝ちやろ。10のうち9は、北にある。どない。すごいやろ。
 じゃあ、農業しやすいのは、南。同じように質問したら、工業のしやすいのどっちやろ。「北。」北の方。北朝鮮やな。何でやいうたら、地下資源がむっちゃくちゃ豊かやな。これが北の特徴や。
 はい、石炭と鉄鉱石を使って何を作るんですか。
 「鉄。」
*はい、できあがった鉄はどっちが多いですか。調べてん。
 「大韓民国。」
*ところがなできた鉄はどちらが多いかと言うと、韓国、大韓民国の方が多いねん。南の韓国は鉄の生産、これは北をリードしとるねんな。
 セメントの生産。どないや。「韓国」大韓民国や。韓国の方がすごいやろ。
 ほんまやったら工業がやりにくいはずの韓国は、鉄やセメントで北をリードしとるやろ。これ、どういうこっちゃ。材料がないのに、製品がたくさんできてきとるちゅうことは、どういうこっちゃ。はい、2班。
 「加工貿易。」
*加工貿易。もっとくだいて言うて。石炭や鉄鉱石あんまりないんやろ。どないするねん。おお、つけくわえ。
 「輸入する。」
*輸入する。原料や材料を輸入して、作った製品を輸出する、こういうのを、
 「加工貿易」
*そやな。そのやり方やな。韓国は、資源の面から言えば、乏しいわけやから、今度は農業とは逆に、工業面では劣ってるかなと思うんやけど、これまた逆やねん。資源の少ない分、条件の悪い分、外国から輸入して、製品作りをしているんや。こうゆうやり方でごっつい伸びてきとるねんな。韓国が生産世界一という電気製品あるねんで。
 「ラジオ。」
*ラジオは香港やがな。
 「テレビ」
*テレビ。そうです。白黒テレビ。
 「白黒?」「白黒?」「そんなんまだあったん?」
*あるねん。これもう日本で作ってない。全部韓国でつくっとる。白黒テレビが韓国、世界一。
 「カラーテレビは日本?」
*カラーテレビは日本。カラーテレビ、韓国はな………。
 「げび!」
*第3位。日本、アメリカ、韓国。世界で3位やで、お前。
 「ソ連は?」
*ソ連はそんなにいってない。
 すごいやろ。まいったか。
 その次、造船。
 「1位か、2位ですか。」
*1位は、日本や。
 「2位、2位。」
*これは、2位や。コンピューターの大事なLSI言うのあるやろ。あのLSIの生産、第………、
 「2位。」「1位や。」「3位。」
*日本、アメリカに続いて、
 「3位や!」
*3位やねん。
 今ね、韓国の製品と言うのは、世界でももうナンバー1、2、3、こんなところに入ってきとるねん。韓国の人の技術と言うのは、世界でも一流になってきとるねんな。技術オリンピックと言うのあるやろ。旋盤と言うのわかるかな。鉄の棒を丸く、ピューッと削るとかね。そんなやつあるねん。やすりのかけ方とか。そんな作業のオリンピックがあるねん。10年前、いや、15年前、金メダルバンバンとりよったんほとんど日本人や。今は違う。金メダル、ほとんど韓国の人や。こういう手を使ってやるように仕事ね。スポーツの世界のオリンピックみたいにね、そんなんや。かなり技術力高いです。
 そういう韓国製品がみんなの身の回りにいっぱいあるねんな。どんなもん、あったかな。調べてきたと思うんねんけど。はい、身の回りにある韓国製品。この前、すごいの、見つけたな。みんなのはいている上靴は、「MADE IN KOREA」だ。他にどんなもの、あった。
 「釣竿」
*えっ。
 「釣竿。」
*釣竿!へぇー。釣竿やて。はい、他に、4班。
 「ジャンバー。」
*はい、1班。
 「服。」
*はい、他に。全然宿題やってない?
 家に全然なかったと言う人………。
*あとの人あったんか。他にあったと言う人。3組の人どーんと持ってきてくれたけどな。ぬいぐるみとかな、灰皿とかな、人形、Tシャツ。だいたい靴、衣類、着るもの。こういうのが多いですね。最近はね、電気製品が多い。韓国製のもの多いですね。先生が10年前に買ったテープレコーダー。ソニーのテープレコーダー。まだ今でも動くんですね。これが、ほら。
 「韓国や。」
*書いてあるやろ。ね。「MADE IN KOREA」
 「何で、ソニーやのに。」「ほんまや、まねしとる。」
*でもソニーなんです。ソニーに会社があるんです。和信ソニーと言って、韓国の人とソニーとがお金を出し合って作った会社があるんです。なかなか性能いいですよ。今でも結構使えるんです。ステレオと違うから使ってないだけで。
 「ウォークマン。」
*ウォークマンにしたら、おもたすぎるねん。これ韓国製なんです。
 今年ね、こんな記事、出てましたよ。新聞に。ちょっとコピーしてきたんやけどね。「扇風機商戦 安売り合戦」読むわな。「扇風機商戦。安売り合戦。円高異変。韓国、台湾製が進出。大手松下、投げ売り。」ジャスコがね。今年、韓国からね、ものすごい数のね、電気製品を輸入して、それを日本で売り出そうとしてるんです。安いんです。どれくらい安いと思う。
 「100円。」
*チャイ!(笑い)
 「500円。」「1,000円。」「ただ。」「12,000円。」
*チャイ!
 「5,000円。」「10円。」
*ここにも記事があるねんけど。「韓国、台湾の家電 ジャスコが本格発売 国産品に比べ3割から4割安い。修理も万全だ。」205リットル入りの大きな冷蔵庫、みんなの家にあるかも知れないね。日本で買うとだいたい10万円位なんです。現金正価でね。今度ジャスコが売り出す価格。69,800円。7万円。3割安い。ここから値引きがありますからね。だから日本の現金正価の値段の半分くらいになる。
 それでね、ビデオテープレコーダーがあるでしょう。扇風機。冷風扇。加湿器。白黒、カラーテレビ。冷凍冷蔵庫。VTRのテープ、こういう八つの製品を一斉に売り出した。
 今年の夏、扇風機、お買得ですよ。扇風機、買うときこないし。(とこのあと、どうやって値切れば、やすく買えるかの話をする。)
 (授業案では、大量に輸入されている韓国製品の日本、特に中小企業に与える影響をする予定だったものが、次時に持ち越された。)