『はいからさんが通る』 から大正デモクラシーを学ぶ 

《史料A》「はいからさんが通る」
 「時は大正、ロマンの時世、花村紅緒は一七さい。さて、はて、紅緒のゆくては波乱か恋か。
 ロマコメの決定版」
 ひと昔前の活動大写真で活躍した弁士の口上をおもわせる、七五調の大時代的なキャッチコピーだ。大和和紀『はいからさんが通る』 (<花の東京大ロマン>Kodansha Comics フレンド 第一巻 )の帯に書いてあった文章である。
 このマンガを使って、子どもたちを大正デモクラシーの歴史現場にまず立たせたい。ここから授業が始まる。マンガを読ませただけでは効果がうすいので、二ページ分をプリントして配り、ポイントは教師が指示する。
 @色エンピツで彩色しよう。彩色することでマンガをこまかいところまで見るようになる。
 Aこの場面にふさわしい題名をつけさせる。いってみれば、この場面にピッタシのコピーをつけさせる。「ハイカラさんは進歩的」「大恋愛こそ女の命」 「星とすみれと大恋愛」。なんでもいい。
子どもが歴史にのめりこんでくれたらいいのだから。
 B大正時代に誘うためにいくつかの質問をする。
・先生が「バチあたりな思想かぶれ」といったのは、どんな思想なのか。
・女学生たちはなんのために勉強するといっているのか。

 『日本史の教材づくり』川島孝郎著,日本書籍刊より