総合学習「生きる」学習の手引書 14
〜発表用の原稿を作る場合〜

自分が調査・研究した内容を報告するために、事前に発表用の原稿を作ってみよう。
人前で落ち着いて話すためにもぜひ準備しておこう
 
○なんのための原稿かを考えて
 「発表に原稿が必要なの?」。こんな疑問をもった人がいるかもしれませんが、発表全体を要領よくまとめるためには必要です。分量と所要時間を推測し、構成や項目を確認かつ把握するための重要な手がかりとなるのが、発表原稿です。
○書いてみることのメリットは
 発表を成功させるためとはいえ、原稿作成を面倒に感じている人もいることでしょう。しかし、話す前に「書いてみる」とそれが無駄でないどころか、いろいろとメリットがあることに気づきます。
 まず利点のひとつに、全体の流れが容易につかめるとともに、要点と記憶のあいまいな部分がはっきりします。その補強のためには、必要な部分を繰り返し読めばよいのです。
 また、分量(時間)の把握もでき、その増減の調整も、ちゃんとした原稿さえあれば、頭の中で考えるより、ずっと早く確実にまとまります。ちなみに分量の目安は、1分間の発表に対して300字前後といわれています。
○原稿は必ず「話し言葉」で
 発表原稿は必ず「話し言葉」で書くように習慣づけましょう。「〜だ」「〜である」などの「書き言葉」では、実際の感じがつかみにくくなります。また文面がどうしても堅苦しくなるので、本番にもその影響が出たり、長い話になる可能性があるのです。したがって原稿の文体は話し言葉が基本で、身近で聴衆に受け入れやすい表現を心がけて書くようにします。
○発表原稿のスタイルは
 話し言葉で書く発表原稿は、あくまで実践を想定したものでなくてはなりません。
 慎重を期すならば順序立てて内容(言葉)のすべてを書いてしまってもいっこうにかまいません。初めてや慣れない段階では、そのほうが安心できます。もうひとつの書き方は、まず構成を考え、見出しを立てたあと、その項目ごとにひとつずつ要点に肉づけをしていくというものです。
 前者ほど完全な形ではありませんが、各ブロックごとにほぼそのまま読んでよいぐらいの状態にしておけば、項目が見出し代わりになって内容と流れが一目瞭然となります。

大切にしたいこと
 原稿を書くということは、人前で話すことを想定しています。いかに聴衆を引きつけるかを意識することが大切になります。
  ・分量(時間)の目安は、1分間の発表に対して300字前後
  ・原稿の文体は話し言葉が基本
 
《以上は、『「学び方」を身につける総合学習『とびら』の学習活動』(岐阜市立陽南中学校著、明治図書刊)を参照した》