<ドアイ村に想うこと>

1週間の農村生活で最も印象に深かったのは、村人の話である。

「子どもには好きなことをさせたい」

という言葉を聞き、親の気持ちのあたたかさを感じると同時に、少し残念にもなった。

それほどに農家の暮らしが苦しいということだからだ。

実際農家の収入は少ない。

工業化が進む中で農家が今までのように農業を営み続けていくことは難しい。

さらに国の政策も伴って、農業の衰退は避けられない。


だが、ドアイ村は一般的な農村とは違う。

この村にはEMやアロエの普及を率先して試みているDOWACENがあるからだ。

DOWACENは、日本企業の一部が一企画として取り組んでいるものではない。

それ自体が村の中に存在するので、全体的な接触ができる。

今後、機械化よりもDOWACENと村人の相互協力に重点を置くことで新たな農業経営の可能性が広がる。

ドアイ村独自の農業の在り方が期待される。



最後になりましたが、ベトナム農村ステイを実現させて下さった杉原さんはじめ日本ベトナム友好協会大阪府連合の皆様、現地で毎日行動を共にしていただいた通訳のトゥイさん、農村で出会った全ての農民の方々、そして農村生活のすべてにおいてお世話になった野坂さんはじめDOWACENの方々に心より感謝いたします。

ありがとうございました。

(参考文献)

ベトナムの事典             桜井由躬雄 桃木至朗  角川書店(1999)

新 ドイモイの国ベトナム          矢島欽次 窪田光純  同文館(1996)

変貌するメコンデルタ ―ファーミングシステムの展開―

                                    農林統計協会(2001)

EM産業革命                    比嘉照夫  綜合ユニコム(1995)



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