<ベトナム北部の概要>

気候と国民性

 ベトナムは南北にのびた細長い地形をもつ国だ。

北部は政治・文化の中心である首都ハノイ市が、南部には商業中心のホーチミン市がある。

全体の気候は高温多雨、年間平均気温が22℃以上の熱帯モンスーンだが、地域によってかなり異なる。

北部には四季があるが、南部には四季がなく雨季と乾季だけである。


地図

ベトナム人は老人や祖先を敬う傾向が強く、客間にはどこの農家でも祖先の写真と果物の絵が飾られている。

ベトナムが南北に分かれて支配されていた時代の名残で、北部は純朴・懐疑的で分配型思考(社会主義的傾向)、南部は生活力旺盛な西欧型思考(資本主義的傾向)にあるという特徴がある。

気候による季節感の差も、各地域の人々の気質や暮らしの差に影響を与えているようだ。

北部農業

ベトナムは全人口の8割が農家である農業国だ。

農作物は米が中心であり、世界第5位の生産量・第3位の輸出量を誇る。

ベトナム農業は食料供給だけでなく、外貨獲得にも一役買っているのだ。

しかし、輸出できる米には一定の栄養分を含むことが義務付けられており、現在では米の栄養分を高くすることがベトナム農業に求められている。

近年、特にドイモイ政策が施行されてからは、肥料の流通の向上・北部における多収穫品種の使用・南部における作物時期の早期化などにより作物の生産量は増加傾向にある。

以下のグラフは、ベトナムの米の輸出入量をあらわしたものである。

(鳥取大学農学部農業情報管理学分野伊東研究室)

北部農業の中心は紅河デルタである。

北部の主な地域では、米の二期作が冬春作(ふゆはるさく)と雨季作に分けられる(以下の表参照)。

米の二期作+畑作(トウモロコシなど)の形が1番多い。

二期作が出来ない地域は一期作+畑作などして土地を有効利用しようとしている。

ただ、二期作をして米が多く収穫できるといってもその土地面積が狭く、税金や肥料に取られていく分を考えると収入は多くない。



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