牛の出産に立ち合って

1、人工受精

人工受精の前に胎盤にできている卵の状態を確認して、排卵の時期を逆算して人工受精の時期を決める。液体窒素により永久的に保存された優秀な精子を正常に戻るまで、人肌の温度の水につける。正常に戻った精子を細い棒の先につける。その棒を牛のお尻の穴に入れて受精する。


(精子を保存タンクの中から取り出す)                (人工受精)

2、出産

最初に牛の足が出てくるのでロープで結んでひたすら引っ張る。胎盤を体内の中にとどめておくと腐って病気になってしまうので、母牛は胎盤を体外に排出する。生まれたばかりの牛は免疫力をつけさせるために、10日ぐらい母牛のミルクを飲まさなければいけない。



(子牛を生んだ母牛)                (生まれた直後の子牛)

3、出産を終えての感想

 ある夜、藤井さんから「明日、子牛が生まれるかもしれない」と聞いたとき「テレビでしか見たことがない牛の出産を生で見られるなんてすごい」と興奮してなかなか眠れなかった。次の日、藤井さんは私に、「牛の様子が変だったら電話してくれ」と言い会議に出かけた。夕方牛を見たときお尻から透明な液体が出ていたので急いで藤井さんに連絡した。そのあとに、スタンバイしていた獣医が駆けつけた。私は無事に生まれて欲しいという気持ちでいっぱいになり、無我夢中で藤井さんに言われるがままに作業した。そして、子牛が生まれた。獣医が言うにはまれに見るほどの安産だったという。私の気持ちが通じたかのように子牛が無事に生まれてくれたので本当に嬉しかった。



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