酪農への想いー私が得たことー

私はこれまで酪農とはただ漠然と牛にえさをやり、搾乳をすれば良いものだと思っていた。

しかし、本当の酪農とは「たぶん」や「適当」と言う言葉が通用しない厳しい世界であった。

この酪農を象徴する言葉として「治療に10万かけるのなら予防に10万かけろ」がある。

例えば、おがくずを撒くときでも「このくらいでいいや」という考えで作業をしていたら、牛がすぐに乳房炎になったり、足を痛めたりする。
その結果、牛乳の質が低下し生産性が減少し、多くのコストを浪費することなる。

1つ1つの作業を確実かつ丁寧に行ない、常に牛のことを考えてなければならない。

さらに、獣医からのアドバイスを受けるとき、牛の栄養価を考えてえさをやるときに獣医学や薬学といった知識が要る。

そして、この知識を現場で生かしていかなければならない。

つまり、酪農は知識と体力が必要とされる労働なのだ。

何度も言うが、酪農で1番大切なことは、牛を自分の子供のように愛するということだ。

眠くても毎日4時には牧場に行く、牛のために難しい薬学や獣医学を一生懸命勉強することである。

本当に牛のことが好きでないと酪農という仕事は勤まらないのだ。

最後になりましたが、貴重な体験をさせていただいた藤井さん、おばあさん、おじいさん、らくれん土居事務所のみなさま、有馬先生、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。

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