お手洗い5本め
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女子トイレ

経験の強制

男子トイレ

小部屋の扉を後ろ手で閉めて、いつものようにしゃがみ込む。あれ? どうしたことだ。使えんぞ。きのうは使えたのに、急に使えなくなった。わけがわからない。念のため、いま一度作動を試みるが、やはり駄目だ。小部屋の中で小一時間ほど格闘した。それでも駄目だった。自力での復旧を諦めて電話をかけることにした。あそこに電話するのは実に5年ぶりだ。
MS社「こちらはMS社サポートセンターです。音声ガイダンスに従って、あなたのIDをプッシュボタンで入力してください」
自動音声ガイダンスが命じるままにID番号を入力すると、「あなたのIDは認識不能です。サポート担当につなぎますので、しばらくそのままでお待ち下さい」と自動音声におこられてしまったので、しゃがみこんだままの姿勢で待った。数分後、女性のサポート担当者が電話口にあらわれた。
MS社「サポート担当の●●です。まず、数十桁のID番号を読み上げてください」
おれ「123456789-123456789-123456789-123456789-123456789-123456789-00です(さっきの入力作業は一体なんやったんやろ?)」
MS社「・・・・・・・・・・・(カタ、カタ)。はい、確認しました。では、詳しく状況をご説明ください」
おれ「ええっと、11月にWinxxxsMeからWinxxxsXP Professional Editionへアップグレード・インストールして、オンラインでアクティべーションしまして、それ以後きのうの夜までずっと快調に稼働していたんですが、さっき帰宅して起動したらアクティべーションの警告画面が出て、ログオンできないんです。なぜか、オンラインでのアクティべーションもできないんで電話しました。あ、それからもちろん、ハードウェアの変更もとくにやっていません」
MS社「お買い求めになられたWinxxxsXPの外箱は何色でしたか?」
おれ「え、青色でしたが・・・」
MS社「では、Professional Editionをお使いということですね」
おれ「はい。(さっき言うたぞ??)」
MS社「最近なにかプログラム等をセットアップしましたか?」
おれ「とくに入れてませんが・・・あぁ、先日MS社のサイトで配布が開始された、Internet Explxxxr 6.0のセキュリティ問題を解消するパッチファイルを入れましたけど・・・」
MS社「それはパッケージソフトかなにかですか?」
おれ「ですから、MS社のWebサイトで配布されている修正パッチです。もちろん、ご存じですよね?」
MS社「そのプログラムの導入に際してなにかハードウェアの変更をなさいましたか?」
おれ「いえ、一切変更していません。(IEのパッチあてただけでボードとかいじる奴おるんか?)」
MS社「このWinxxxsXPをお使いになられているパソコンは何台ですか?」
おれ「1台のみです」
MS社「それはデスクトップパソコンですか?ノートパソコンですか?」
おれ「デスクトップです」
MS社「それでは確認してみますのでしばらくお待ち下さい。・・・・・・・・・・・(カタ、カタ)」
MS社「(数分後)では、お客様はユーザー登録もしておられるようですので、これから新しいID番号を読み上げます。画面へ入力をおこなってください。123456789-(以下略)」
このようなワケのわからないやり取りを経て、ようやくWinxxxsXPにログオンすることができた。WinxxxsXP自体は非常に安定して動作しており不満はないのだが、こんな面倒なアクチべーションなしでは自分のパソコンすら自由に使えないとは、いたクチも塞がらない (ちょっと寒いか...w)。百歩譲って、きちんと応対してくれるのだからアクティべーションも仕方ないとしても、自社のサイトでバグ潰しのパッチを配布しておいて「それはパッケージソフトか?」はないと思うが・・。
ファーストフード店のアルバイトのお姉さんが販売マニュアル通りに注文を受けるロボットのような存在だとしても、それはそれで気にならないのだが、MS社サポートのような大人の女性が何とかの一つ覚えのようにマニュアルに書いてあることしかしゃべらないのは、ちょっと気味が悪い。ユーザーとの臨機応変な会話を拒否することで、ユーザーにつけ込む隙を与えまいとしているのか。それにしても疑問なのは、MS社側でユーザー登録情報をすぐに確認できるなら、電話口でID番号の全桁を読み上げさせる必要はないんじゃないか?

(2001年12月26日)
おがみ大五郎
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