○「春の女神」と呼ばれる美しい蝶です。 その土地のソメイヨシノの開花頃に羽化し、4月終りには ミヤコアオイの葉に卵を産んで姿を消します (夏秋冬は蛹で過ごします)。 成虫は晴天の日に飛びますが、少しでも曇ると飛びません。 カタクリ、スミレなどの蜜を吸います。 ♂は開けた頂上に上ってくる習性があります。○京都府では採集禁止です。 ギフチョウは日本特産種です。 秋田県から山口県の本州のみに分布します。 里山の奥山に棲息していますが、近年は特に太平洋側で 減少が著しく、環境省は絶滅危惧種U類に指定しています。 京都大阪でも、いくつもの生息地がなくなりました。 小塩山は良好な環境が保たれており、毎年見ることができ ます。京都府は1984年天然記念物に指定していますので、 府下では届なしに採集はできません。 ○なぜ減ってきたのか ギフチョウの生息する落葉広葉樹林は、薪炭林や堆肥用に 利用されてきた森林です。 炭焼きは、ある谷を伐採すれば、次の年は隣の谷というよ うに順次伐採します。伐採したあと傍芽が育ち、十数年で 元の森林に戻ります。 ギフチョウはこのような森林を渡り歩く蝶と言えます。 この森林が1960年代から大きく変貌しました。 @都市化やリゾートで開発された。 A石油燃料の時代に入って放置され、暗い森林が増えた。 Bスギ、ヒノキの植林地が増やされた。 これらがギフチョウの生息地を奪ってきました。 温暖化の影響が言われていますが詳しくはわかっていません。 topページ