乙訓の自然を守る会とは

乙訓の自然を守る会は1983年に結成しました。乙訓には西山の山地、丘陵地、平 野部、桂川の河川敷という地形の変化があり、1410種類の植物を育んでいます (芦生の原生林は944種)。植物が豊かであれば昆虫や野鳥など動物も豊かです。 こうした多様性を皆さんとともに守っていきます。

1)主な活動は

@自然観察と交流
A自然保護
B里山の保全と活用
C調査 研究

2)組織

参加できる行事に自由に参加してください。 これをやりたいという人が集まっていくつものグループを作っていますのでそれにも自由に参加してください。 またグループが大きく発展して別の組織に育ったり、また他の組織と共同組織を作ったりもしています。 これは別ページで紹介します。

会費は年1000円。郵便振り込みは00930ー6ー42574                                     
年2回のニュース(行事の案内などお知らせ)と会報を届けます。
連絡は乙訓の自然を守る会 代表 宮崎俊一
〒617−0824長岡京市 天神3丁目14−5
TEL/FAX : 075−954−1429  携帯090−7346 - 3059

3)乙訓の自然を守る会 会則 


第1条   (名称)      本会の名称を乙訓の自然を守る会と称す。

第2条   (事務局)  本会の事務局は代表世話人宅に置く。

第3条   (目的)   本会は「自然を楽しみ、知り、学んで、守る」ことを目標に活動を進める。
            またこうした活動を通じて人と人との友好と交流を大切にすることを目的とする。

第4条   (事業)   本会は第3条の目的を達成するために、次の事業を行う。
            1)自然観察会 2)自然保護活動 3)里山の保全と活用  4)調査研究
            5)啓蒙広報活動 6)研修会  7)その他本会の目的に沿った事業を行う。

第5条   (会員)   本会に加入するものは趣旨に賛同する個人、団体とする。
	        会員の中から、世話人(運営を補助する人)を置くことができる。

第6条   (会費)   会員は総会で定める会費を収める。

第7条   (役員)   1)本会の目的を円滑に遂行するために下記の役員を置く。
            (1)代表世話人  若干名   (2)運営委員 若干名
            (3)会計    1名    (4)会計監査  2名
            2)代表世話人、運営委員、会計は運営委員会を構成する。
            3)役員の任期は1年で、総会で決定する。ただし再任は妨げない。

第8条  (会議)    1)会議は総会、運営委員会とする。
            2)総会は代表世話人が年1回招集し、その1名が議長を務める。
            必要に応じて臨時総会を招集することができる。 
            3)運営委員会は代表世話人が必要に応じて招集する。
            4)運営委員会は本会の運営、方針に関する重要事項について協議決定し、
            決定事項を実施する。
            5)会計監査は年1回会計監査を行い、総会にて報告する。

第9条  (会則の改正) 本会則は総会の決議にて変更できる。

第10条(会計)    1)本会の運営は会費、寄付金、その他を以って行う。
            2)本会の会計年度は1月1日より翌12月31日までとする。

付則          1)本会則に定めのないことについては運営委員会において協議決定する。
            2)個人年会費は1000円とする。
            3)本会則は1999年12月29日より施行する。
            4)2004年12月12日改定
            5)2007年12月9日改定


4)世話人

世話人の職業は、会社員、公務員、学校の先生、主婦、植物園 の技師などさまざま。 自然とのかかわり方もさまざまで、カエルが好き、哺乳 類、蝶、植物、野鳥が好きというひとや、写真をとること、 自然のなかを歩く ことが好きというひと、 子どもに自然とのふれあいの機会をつくりたい、生き物を守る活動をしたい というひとなどさまざまです。

5)自然観察会(他の会との共同開催もあります)

4−2 四季に合わせて観察会(年2回発行のニュースにて案内)
    ○春はつみ草ハイキング、植物探検隊、
    ○6月中旬の夕方に蝶(ウラジロミドリシジミとオオムラサキ)とホタル、
     カエルの鳴き声 観察会
    ○秋の花観察会  子どもたちとドングリ祭り
    ○冬は野鳥観察会     ○会員交流や友好の場をつくるようつとめています。
    ○秋のドングリ祭りは子どもたち100人に自然に親しんでもらおう、
     そして親の交流もはかろうと実行委員会方式で毎年やっています。

6)自然保護の活動
    ア)1989年第2外環状高速道路で小泉川流域の植物60種が消滅するという見解を発表。 2009年から工事が始まり、生物保護や街路樹で提案をおこなっています。

    イ)1991年 ポンポン山のゴルフ場計画反対運動をおこしました。植物調査をおこない550種類 を記録。この 結果から貴重な環境を守れと運動し 当地は京都市の「大原野森林公園」として残されました (2000年春)。今も「ポンポン山の自然をまもる会」として運動をしています。詳しくは別項参照

    ウ)1984年から長岡京市西山総合公園計画の予定地の自然を守ろうと運動を続けています。 新たに河川改修計画がすすみ、自然との調和を求めて運動しています。 「オオムラサキとウラジ ロミドリシジミの棲息環境を守る会」が活動しています。別項参照

    エ)チョウの森つくり。上記のチョウをまもるために1995年から放生池西の埋め立て地を貸していただき、その 食草を植林しています。 また2001年から光明寺の西の山を貸していただき、伐開、植林をおこなっています。

    オ)大山崎町の久保川の河川改修から希少植物カリガネソウを守るような工法を要求 し、それが実現しました (2001年夏完成)。 そのカリガネソウを増殖し保全する活動をおこなっています。詳しくは別項参照

    カ)小塩山の春植物保護。 1999年から西山自然保護ネットワークという組織で春のパトロールなどをやっています。

    キ)保護すべき動植物ごとに対策を立て、その対象ごとに保護組織をつくることをめざします。組織は当会だけ   でなく、広く賛同する団体、個人をつのってつくります。 もちろん地主や自治会に了解を求め、また協力をお願いします。行政にも協力をお願いします。別のページ参照。

    ク)生態研究園の活動保護。 現地の環境を保全できない場合に借りている休耕田や山に生態研究園の区画を作り、そこで増殖など保全作業をおこないます。 別項参照。

7里山の保全と活用の活動
    多様な生物を育んできた里山は最近は利用されず、暗い山になっています。 そして生物の種類も減っています。ここをボランティアで手入れし明るい山にしていこうということがこれからの課題です。 それをめざして乙訓里山倶楽部というグループをつくっています。 当面毎月第4日曜にチョウの森つくりを続けていますが、その作業を通じて伐開、下草刈り、竹林の進出阻止などの作業を学んでいます。別項参照。

8)調査活動
    私たちは「調査なくして発言無し」を合い言葉にしています。 開発に対抗して自然をまもるにしても また遷移をくい止める里山管理をするにしても、 まず調査をしてその上で発言、行動しようということです。
  • 8−1、第2外環状高速道路で小泉川流域の自然が壊されないよう調査 1989年から一年間、蝶、野鳥、哺乳類、植物の4グループで調査、
  • 8−2、ポンポン山の植物調査
    ゴルフ場に反対する運動のなかで、植物調査結果を1991年に発表。 続いて調査を乙訓全域に拡大し1999 年にまとめました(6年間のまとめで1200種類を 記録)。まとめは「京都西山周辺の植物目録」の冊子ですが 今は在庫がありません。 改訂版を出す予定ですが資金面からもいつになるかわかりません。
  • 8−3、当面の調査活動  別ページ                          


乙訓の自然を守る会の経過

・1983年 結成。動機は「西山公園計画、人口急増による宅地開発、学校、 公共施設の建設ラッシュで自然破壊に危機感」。合い言葉は「自然に親しみ、知り、学んで守る」

・同年 オオムラサキとウラジロミドリシジミの生息環境を守る会発足(その後も課題ごとにグループを作って保護活動をすすめる)

・同年 市民参加のウラジロミドリシジミ観察会を開き今日まで続けている

・同年 四季ごとに観察会を開催(今も続く)。 貴重種偏重でなく、身近な自然を観察し、そこから自然を守る運動を広げる方針。

・1985年 長岡京市キャンプ場建設に申し入れ「車の道路は作らない、広葉樹を残すこと、他」

・1988年 第2外環高速道路のアセスやり直せの請願を出す。会独自で環境調査→1990年に記者発表 

・同年 市街地の大木を残す取り組み(天神交差点の大エノキ移植 神足駅や向日生協の大エノキ)

・1990年 ドングリ祭り−子どもとウラジロミドリシジミを守るためにドングリを植える。今も継続。

・同年 ポンポン山ゴルフ場反対に取り組む。1992年に京都市がゴルフ場不許可。 2000年大原野森林公園として開園。現在当会はポンポン山の自然をまもる会、環ポンポン山ネットワークの一員。

・1994年 西山公園第2期計画に対し「プール再検討を求める会」を作って運動を始める。 当初案を撤回させたが2001年にこどものチャブチャブ池完成。

・1997年 西山公園予定地内の坂川改修と砂防ダムの計画。 「西山公園予定地の自然を守る会」をつくり、設計を質す。 また府、市、地元に要望書出す。2000年に再評価委員会にむけて運動。かなりの設計変更となり、2002年着工。 その後も周辺の環境調査を続け、提言を続けている。

・1998年 毎月の朝の光明寺を歩く会を始める。

・同年 久保川のカリガネソウを守るため「久保川の改修と自然を考える会」を作る。 地域住民とともに数年がかりで改修工法を大幅に変更させる。

・同年 桂川宮前橋で希少植物9種を発見。2001年地元との話し合いで湿地を一部残すことになる。 その後、植物調査を続ける、そのデータに基づき2003年から河川事務所の協力で部分的にアシを刈り取る実験を進めている。

・1999年 京都西山周辺の植物目録物を発行、8年間の調査の結果1206種類の植物を記録した。 「目録を出せば、その保護に責任を負おわねばならない」を合い言葉に、一層保護に力を入れる。

・同年 小塩山のカタクリを守る「西山自然保護ネットワーク」をよびかけて結成する。 コースロープを張り観察路をつくり、入山者との対話する。この活動が定着し、会員は現在700名。

・同年 京都新聞洛西版の連載写真記事−植物写真を1年半提供し続いて野鳥を提供してきた。

・2000年 サントリーウィスキー工場にカリガネソウの里親を依頼。その後、企業の協力がひろがり  サントリービール 阪急電車西向日駅 松栄堂で希少種の栽培保全をしていただいている。

・2001年 ウラジロミドリシジミの棲息地拡大のために光明寺山に「蝶の森」として伐採,植林を始める。

・2002年 希少植物保全のための生態研究園を2ヵ所作る。また保全の5原則を作る。

・同年 写真集「京都西山の自然」を発行。京都西ライオンズクラブから支援をいただいた。

・同年 「ポンポン山懇話会」の結成に参画。ポン山愛好グループが寄り集まり野草パトロール開始。

・2003年 子どもでも使えるCD植物図鑑を発行。これは長岡京市から委託を受けて製作した。

・2004年 20周年記念写真展(近藤和男、深瀬伸介、村田泰隆各氏が写真提供)を開催、1600名が参観。

・同年 「桂川生物多様性フォーラム」開催に協力する。

・同年 当会のなかで「桂川の生態系を保全するグループ」を編成し、生物多様性を保全運動をすすめる。

・2005年 大原野神社のご厚意でフジバカマ苑を開園(9月に一般公開、以降毎年実施)。

・2006年 第2外環高速道路(にそと)について自然保護で行動する方針を決めた。国道事務所からワークショップ(2年間)の参加要請があり協力する。

・同年 旧小泉川でオオタニシなどを発見し、これを含め小泉川の環境対策を進めるため小泉川倶楽部を結成する。

・同年 西山森林整備協議会に協力(WG委員に選任され、伐採地の生物調査を担当)。

・2007年 守ろうフジバカマキャンペーン(呼びかけKBS放送)に協力する。

・同年 乙訓桂川愛護会の結成に協力する。 ・同年 天王山周辺森林整備協議会に協力(WG委員に選任され、伐採地の生物調査を担当)。

・同年 第2外環にかかるヒメボタル生息地(大山崎中学横)の移植を検討する委員会に協力する。

・2008年 乙訓・水生生物調査グループをつくる。

・同年 希少野生生物保全条例に応募しオグラコウホネが指定される。

・同年 環境省モニタリングサイト1000。カヤネズミ研究会が応募。また西山森林整備協議会の応募に協力(野鳥、植物、蝶、哺乳類)。

・同年 西山自然保護ネットワークの防獣ネットに協力(カタクリ食害を防ぐ)。

・同年 カシノナガキクイムシが乙訓で広がる。対策グループをつくる。

・2009年 「第12回全国ヒメボタルサミットin天王山」の開催に協力する。