胃X線検査と胃内視鏡検査のどちらを受けすまか?

 このホームページの別の所にも書いていますが、胃ガン・乳ガン・大腸ガン・子宮ガンで死ぬ方は「現代医学の恩恵を全く受けていない」と言えます。そしてそれぞれ、検診で発見されるケースは100%近く助かります。逆に言うと早期ガンには症状がほとんどないということです。だからこそ元気な時(何も症状のない時に)検査を受ける必要があります

 当院では胃内視鏡検査、胃X線検査のどちらもやっています。どちらを選んで頂いても結構です。どちらの検査を受けて頂いても約10〜20分位かかります。胃X線検査でも胃集検のように簡単ではありません。正しく正確な診断をするためにはそれだけの手間と技術が必要なのです。しかし、組織をとる必要がある時は、もう一度カメラを飲まなければなりません。

 私個人的には、胃内視鏡検査をお勧めしています。それは下記のような理由からです。
 技術の発展により、経鼻内視鏡がとても楽に飲めるようになりました。スクリーニングの検査にはおあつらえ向きだと思います。しかし診断能力がかなり落ちます。

 オリンパスの内視鏡は、技術の発展により診断能力が格段に進化しました。喉頭・咽頭の診断が可能な場合もあります。早期食道癌はこの内視鏡でないとわからないと思います。

 当院の内視鏡設備について
★オリンパス社製 EVIS LUCERA SPECTRUM NBIシステム 
  
経鼻内視鏡 経口内視鏡 大腸ビデオスコープ  
      (☆1特殊光観察:NBI装備 ☆2拡大内視鏡 ☆3ハイビジョン画質装備)
 
  ☆1 狭帯域光観察NBI(Narrow Band Imaging):食道癌、胃ガン、大腸ガンの早期病変の
      観察 において有用性が期待されています(血管や粘膜の詳細な観察ができるため) 
  ☆2 拡大内視鏡:病変部を拡大して紋様を観察、分類することでその病変の状態が把握
      できるようになってきました 
  ☆3 ハイビジョン画質:走査線と水平方向の画素数が大幅に増大したモニターと、ハイビジョン
      対応の高画質CCDとの組み合わせによって、飛躍的に鮮明な画像が得られるようになりました

 ガンなどを疑う時は、組織をすぐにとる事ができます。これらの理由から内視鏡お勧めしています。

当院の透視設備について
東芝ラフィーネ(最新鋭の透視設備です)
64bitCPU搭載の高速画像処理と,143μmピッチの新開発FPD

胃と腸(消化器病の権威専門誌)vol.33 No4より
 「胃癌の診断にX線検査は不要か

胃X線検査推進派の立場から
 八尾恒良先生
  胃癌の深達度及び浸潤範囲の決定に不可欠である
  内視鏡検査でも推定誤診率22.6%もある
 菊池陽介先生
  技術が伴っておれば、早期胃癌の拾い上げ診断能にX線検査と内視鏡検査に差はない

内視鏡検査推進派の立場から
 西沢 護先生
  集検のみによる救命率は76%ある
  細径パンエンドスコープをバックにしたX線による逐年検診の救命率は86%である
  隔年細径パンエンドスコープ検診による救命率93%と高い
  集検には無駄が多すぎる
 大井田正人先生
  拾い上げ診断率はX線検査58.3%、内視鏡検査96.1%である

共に必要とする立場から
 藤野雅之先生
  共に補完し合うことが必要である
 川口勉先生
  拾い上げ診断は内視鏡検査、深達度・浸潤範囲はX線検査で行っては?
 杉野吉則先生
  共に技術が伴っていれば大差はない
  マンパワーの面ではX線検査も必要だろう

お断り
 上記の説明はある一面を私が勝手に抜粋したに過ぎません
 詳しくは、必ず原著をお読み下さい(原著は白畠内科にあります)
Started on 20th. July 1997 and last modified on
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