第13回 日本臨床死生学会 抄録

(1)演題名 終末期医療を考える
  〜この1年8ヶ月に関与した在宅患者(グループホームを含む)53名から考える〜

(2)発表者名 白畠俊治

(3)所属   白畠内科 大阪府内科医会監事 堺市医師会内科医会監事

 2007年4月9日に厚生労働省は終末期医療における延命治療中止に関する基本的指針を発表した。指針は、終末期医療の進め方として、医師の独断を避けるため、医師らによる十分な説明と患者の意思決定を基本とすることが最も重要な原則と位置づけた。その上で、治療開始や中止について患者の意思決定を踏まえて、医療チームで慎重に判断するよう求めた。治療方針の決定は、患者の〈1〉意思が確認できる場合〈2〉意思が確認できない場合の2通りに分け、〈1〉では患者の意思を基に医療チームが決め、その合意内容を文書に残すこととした。合意した内容が、時間経過などで変化することもあるので、患者に再確認することが必要と明記した。
 この1年8ヶ月に当院が関与した在宅患者(グループホームを含む)53名から終末期医療を考えてみた。在宅看取り14名(うち3名はグループホームでの看取り)、在宅から病院での死亡5名、在宅看取りのうち、在宅看取り希望者(家族を含む)は13名、不明1名だった。また、事前指示書を書いていた患者は1名であった。病院内死のエンドステージの希望は全員不明であった。結果として、1)在宅療養支援診療所として在宅看取りを行うことはすごく大変である。2)在宅看取りを完結するには、家族やグループ診療、医療関係者、ボランティアなどのコラボレーション無しには不可能である。3)尊厳死を達成するために、事前指示書が不可欠であると痛感した。

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Started on July 20th.1997 and Last modified on