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第四章
こうして私たちの大和、いやオフィスがここに開設された。
総て一からの始まりである。もっとも瓶野と矢島の二人は以前にエアガンを持っていたとの事。
本当は、何を狙って撃っていたのかは判らないが。矢島の家の周りには猫や犬がよく怪我をしていた
という噂も。噂ですよ、噂。
それにしてもたぶん正式なサバイバルゲームを、するのは初めてであろう。しかしそこはそこ、5人とも
もっともらしい顔で受付に入り、それぞれゲームの申し込み手続きを行った。多仲、盛山に至っては銃
どころかゴーグルももっていないので、レンタルすることにした。
銃の方は私がハンドガンをお貸しした。多仲にはベレッタM92、盛山にはM11А1イングラム。
私はMP5K(クルツ)。瓶ちゃんはタクティカルマスター。矢島はM93だったか。なにせ自分一人
だけ初速の速い、ひき・・・いやすばらしい銃だっけかを使用している。この辺は適当に思い出して書い
てますので異論があればよろしくです。ともかく素人の集まりである。そのうえマイガンも持たない2人。
卑怯な2人。私はこんな連中とサバゲもどきをやってるのです。
一回目は2対3の殲滅戦をやることにした。もっともそれしかしらないので他に仕様がないが。
さて始めてみると、12月とはいえ一応室内戦だ。ゴーグルを着用すると視界は悪いは、ベルトがきつく
頭が締めつけられる。息が苦しい、汗でゴーグルが曇ってくる。何の備えもしていないので無理はないが。
その上インドアなのですぐ接近戦になってしまう。結果当たるとさすがに痛い。「ヒット」の宣告よりも
「いてっ」という悲鳴の方が先にでてくる。
いろいろと環境は最悪だったが、実際やってみると面白い。童心に帰って遊べる。もっとも始めから
ずっと子供のような人間の集まりだが。2対3という少人数戦はあっというまに終了してしまう。ドキドキ
はらはら。はらはらドキドキ。メンバーを代え(それにしても2対3だが)たり、バスの中と外との闘いという
ようにバリエーションを代えて楽しんだ。そのようにして一日は終わった。
それから、しばらくの間OTGは冬眠に入る。
その間というわけでもないが、私たちは装備品をそろえることにした。と言ってもたいしたものでは
ないのだが、まず迷彩服を購入する事にしてコーナンの作業服売り場に行った。あることはあったのだが
不思議な色合いの服で、これまで同じ迷彩服を着た人と逢った事がない。タクティカルカモとシティカモの
合いの子みたいな感じ。後に購入したもう一着のスカィカモもあまり他では見ない。別に奇をてらったわけ
ではないのだが、めだちすぎるのかすぐ的にされてしまう。あとタクティカルベスト、ブーツ。小物全般。
これらは『一番』でそろえた。瓶野も同じころスワット仕様で揃えだした。その間にはフィールド探し。
メンバー集め。
思えば私的には、このころが一番楽しかった用に思われるのだが。(飽きるのは早すぎるちゅうねん
という神の声を聞きつつ。)
さてバトルネームは、いつのまにか広報担当(これもいつのまにか)の矢島が適当に付けた。適当
にすればなかなかうまいもんだ。
私がリーダー?、瓶野がスワット、多仲がゴルゴ、盛山がヒットマン。そして矢島本人は仕事人。
何か自分だけカッコよくない?もっとも他人に紹介する時、ちょっと照れますわな。この前の『サバガッチョ』
の時も少し照れていた。まあ、バトルネームは自己申請ですのでいつでも代えれるのですが。
皆さん、代えてもいいんですよ。瓶野なんぞ、スワット→スクワット→スワットと何回も代えてるんで
すよ。もっとも本人が変えたわけではないのですが、いわゆる矢島のいじめですね。
私はリーダー?(クエスチョン)と半場、否定されていたのでリーダークエスチョン→リクエストと
代えました。あまりどうでもいいことなんですが。どうでもいいついでに私は30年前にも漫画同好会を
作ったのですが最近その事をよく思い出します。確かあの時は3年で解散したなあ。
年が明けて(2003年)、数ヶ月が経ち飽きもせずまたやろうぜと言う声をを無理やり搾り出して
2回目のバトルをする事にした。私はかねてよりいやがる瓶野に運転をさせ、矢島と3人で泉州
のとある山の一角で砕石場跡を見つけていた。そこでかってにする事にしていた。
OTGにも春がきた・・・・・のかな。
ロックにて、左から多仲・輪島・矢島・瓶野の各氏。
カメラマン役の盛山氏
第四章終わり、
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