小説の目次へ

          その6、(申しておきますが、この諸作品に登場してくる個人名や団体名は、すべて創作ですので
                この件に関しての、作者に対するいわれのない、中傷やご意見はすべてうけつけませ
                ん。)
          
          抗争勃発か。
          あの一枚岩を誇った男たちに何が起こっているのか。
          組長と呼ばれている男の動向が何かおかしい。第一に定例会に出席する事が少なくなってきた。
         組織のトップが疑われると言うのも何か変だが、私が監察している分にはそう思えるのだ。
          1週間ほど前のことになるが、久しぶりに訪れた相談役と組長が密談していたが、何かそのことに
         関係しているのではないだろうか。相談役の男はあまり読者のみなさんには、馴染みが薄いと思わ
         れるが、よく登場してくるメカ音痴お土産好き顧問(顧問、いつもお土産有難うございます。)とは、
         もともと兄弟関係にあった。らしい。と思う。

          有ったと言うより、つい最近まで同じ系列の組織に属していた。と思われる。その辺のところはあまり
         詳しくない。(あたりまえじゃー。)まあ、それは置いといて二人の密談の事であるが、内容はあまり
         はっきりとは判らないが(たぶん隠語なのであろう)チヌとかアジ、イカなどわざと魚の名前を出して
         判らなくしていると思われるのだ。最も私も真剣に彼らの話を盗み聞きしているわけではない、ママ
         さんとの会話の方もいそがしい。何せ最近やっと話相手になってくれるようになってきているのだ。
          そちらの方が大事と言う事でもないのだが、何せこの二人組みは声が小さい。ひょっとして跡目相続
         の件なのか?3代目に譲るという話なのだろうか。そういう話はなににしても面白い。

          それにしても魚の名前ばかりで、人の名前が一向に出てこない。
          それが符牒なのかもしれない。そうすると顧問がタナゴで、かしらがガシラかしら。で・・・
         あとがうまいしゃれにならない。少し強引過ぎた展開にしてしまったか。
          そういうことで、普通に考えれば跡目はかしらかしら。(もうええちゅうーねんと神の声)のはずなの
         だが、何かその辺に謀略の嵐が吹き荒れるのか。かしらは顧問とは叔父、甥の関係になるのだが
         この二人も最近微妙な仲なのである。そうなるとあとは、かしら補佐の動向がきになるところだ。
          補佐には若手のいけいけ集団が多くついている。発言力も大きくなりだしている。さらに流れ者
         にも親派がいるし、殺し屋兼鉄砲玉のふたりも補佐とはかなり近いときいている。
         
          この最近力を付けてきた補佐と、かしらの間がおかしくなってきていると思われるのだ。
         つい最近も2人の間で
         「新しい花丸を作る。」
          というかしらのだみ声が聞こえた。補佐はなんとかなだめていた様だが
         「応援しているのはワシ1人しかおれへんやないか。」
         「お前らは、ほとんどきょ・・・▲X○△。」
          あとは小声で聞こえなくなったが、そのあと
         「組長も相談役も、みんなきょ・・・・。」
         「・・・・んやないか。」
          やはり、かしらが1人で浮いているようだ。かしらの応援している誰かと、組長と相談役が押そう
         としているイカとの戦いになるのか。この結果は今シーズンが終ればあきらかになるかも。

         「ビールもう一本ください。」
         「はいっ。
         「それと何か魚ありますか。」
         「えーと、カレィにサバ。シャケが。」
         「じゃあ、サバやいてください。」
          きょうは、じゃまな男たちは珍しくだれもいない。
          そのかわりに彼らとは親戚関係の客分である東西、前川、山口さんたちがいた。


             その6、おわり

            小説の目次へ