その16、その後
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とある居酒屋の廻りに、平和な時間が流れている。
話は変わりますが、2006年は野侠界は浪花猛牛会に関東巨大会を追われた番町皿屋敷清
と、米の国マフィアから逃げてきた髯魔王海苔が、スカウトされてきたので多少は面白いかもしれ
ません。まあ、所詮は草野球リーグでの話ですが。ついでですが巨大会の最後の4番軍団の1人
の絵藤君も、東部にトレードに。
さて、ここ『はなまる』では、4ヶ月程前に日の本を揺るがす大抗争事件があったとは、とても思
われない程、平穏で静かな日々が続いていた。花丸一家の面々もそれぞれのその後の人生を
過ごしていた。
すでに抗争のあと、現役から引退して普通人になった二代目、伊原剛三は今までの荒事生活
を、すべて忘れさったようにサラリーマン生活をエンジョイしていた。
そして驚くべき事に、仕事の合間をみて善本興業の新喜劇の、くわはら和夫の代わりをたまに
務めているらしい。
「ごめんください。いらっしゃい。」
とやっている。そういえば昨日もTVでみたっけ。
さらに元相談役の山路とは、いまだに茶飲み友達の関係らしく(酒も一緒に、飲みまくっている
らしいが)、去年も釣りに一緒に行ったとか、忘年会もやったとの事。
現役当時は、死神伊川と恐れられた元二代目と組んで、暴れ狂牛の良(山路良平)と呼ばれて
勇名を馳せていたのだが。その面影は見られなくなった。
顧問役だった短は、完全に酒とケーキとサンドイッチの密売人に。現在花丸に卸そうと美人ママ
にケーキを貢いだり、いろいろと影で動いているがママの頑強な抵抗にあって、計画は頓挫してい
る。
世の中は移ろう。
2005年、12月某日、とある所でかしらとかしら補佐が集まり新たな盟約を結んだ。
世に言う豊潤同盟である。会談の内容は不明であるが2006年の事が話し合われたのは、
間違いない。
その16、終わり
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