
「それと、盛土の若いもんも集合かけといてくれ。」
矢継ぎ早に命令をだしながら、小髯は最後に
「坂虎と花丸の戦争じゃ。」
といいながら携帯の通話をきった。
あくる日の朝、産経病院の廻りは異様な雰囲気が漂っていた。黒い服を着た男たちが何十人
と病院を取り囲んでいた。その中で一番、目立った動きをしていたのは三井墨友興業の若手の
面々で、その数三十人はいるだろう。若頭の那賀しょうを筆頭に補佐三羽ガラスの中田久、真丸
亀、森森司の三人がそろっている。



それに元、補佐を勤めていた平河美野里。この男はえたいの知れない五人の男たちを伴って
いる。

この男たちは一様に懐に、料理用の包丁を呑んでいるらしい。
流れ板・平河
その他に、百人程の集団がいる。彼らは東京司馬浦興業の大阪支部の連中らしい。その中
でも行動派の岡山元八が率いる、精鋭部隊である。
同じく天間支部の長である九尾茶もいっしょである。岡山は元三井墨友興業の理事長をして
いたが七陸と同じ時期に破門されている。
彼らとは一線をしいているが、大和の独立組織のアップル総業のギャング達も十人ほど参加
していた。花丸一家系の人数をあわせれば合計で二百人を超える。
さらに花丸一家は、植山、盛土らを中心に三百人をホテルや旅館に分散させとまらせ、いざと
いう時に備えさせている。浪花のまちは花丸を中心に緊張の輪を広げだした。
相手は坂虎か、千葉毬組か。
その14、おわり
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