夏休み企画

〜これで自由研究をやり過ごそう〜

 

夏休みといえば、漠然とした自由研究。

小学生の定番といえば、キットや廃品を使った貯金箱。
中学生の定番といえば、廃材を利用した不思議なオブジェ。

そんなあなたに送る、一夏の新聞記事。

教師の目をごまかせる視点を、エセ教師が教えます。

 

 

!注意!

あくまで企画ページです。
自由研究としての完成度を求めるものではありません。

くれぐれも、アテにはしないようにお願いします。

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8/1(月) 『賠償交渉は31日まで』

 

「ふむふむ。何とも不思議話ね」
「何を読んでるんだ」
「中国の新幹線の事故処理問題。一千万で忘れろだってさ」
「一千万円なら、中国の平均月給で換算すれば三十年分か」
「そう考えると、えらく太っ腹じゃないの」
「どうだろうな。都市では家を建てるのに三千万はかかるらしい」
「田舎に一軒家を立てられるぐらいじゃないの」
「その感覚だろうな」
「国の補償としては、いいのか悪いのかわからないわね」
「それより、大事なところは交渉を脅迫してるところだと思うがな」
「でも、見習いたいくらい迅速に物事が決まるわよ」
「国家事業の火消しとしては、拙速というべきだと思うが」
「いやいや、あたしも見習うことにするわ」
「どこを見習うんだ」
「来月の貴方のお小遣いの請求は、前月の三十日までとします」
「こっちが忘れたらどうするんだ」
「もちろん……交渉打ち切りです」
「見習うのはそこかよ」

 

さすがに交渉打ち切りの締め切りは、拙速に過ぎる気がしました。


8/2(火) 『米独のトップが日本化』

 

「何を見ているの」
「いや、面白い風刺絵が載ってるんだ」
「何よ、これ」
「まぁ、日本のように煮え切らない態度を風刺してるんだが」
「呆れた。いつまで忍者と芸者と将軍の国のイメージなのかしらね」
「和風といえば着物だし、それも仕方ないんじゃないか」
「それに、日本化って悪いイメージになってるじゃない」
「ファジーで煮え切らないのは、日本のお家芸だからな」
「それは仕方ないわ。後進国が他所を追い抜くには必要なことだもの」
「否定はしないが」
「それにしても、上手いものね」
「英国は、こと他国の風刺に関しては世界一センスがいいらしい」
「世界が日本みたいになれば、とりあえず平和にはなりそうね」
「そうかな。いろいろと問題も多いぜ」
「大丈夫よ。最後は誰かが解決してくれるわ」
「誰かって」
「新しい税金の回収者が宇宙から現れるのよ」

 

前任の総理大臣が宇宙人の国ですから。


8/3(水) 『子ども手当廃止へ』

 

「子ども手当廃止だって」
「児童手当に戻るんだろう」
「児童ってことは、当てはまるのが小学生までだよね」
「そうだな。中学生からは生徒と呼ぶわけだし」
「対象も減らして、減額にもなって。お母さんたちは大変だね」
「どうだろうな。破れかけのコートを子ども全員に配るから、国民一律千円出してねって感じだったし」
「うーん……それは微妙だったのかな」
「法律に疎い人間ばかりなら、ごまかせるだろうけどな」
「法律屋とか行政屋の人って、簡単に裏技使うよね」
「日本は法治国家だから仕方ない。と、いうより、勉強するのが当たり前なんだがな」
「でもさ、一つだけいいこともあったと思うよ」
「相変わらず勉強しようという空気にはなってないぞ」
「でも、世のお父さんが偽装離婚して住民票移してって小細工しなくて済むようになったんじゃない」
「あとは公立保育園の入園資格の是正が必要だな」
「あたしも子どもが生まれたら、引越しを考えるわ」
「どこへ引っ越すんだ」
「放置してても子どもがたくましく育てる田舎の一軒家」

 

昔、母子家庭の家に家庭訪問をすると、普通にお父さんが出てきたときがありました。


8/4(木) 『化粧水でミスト』

 

「うわ、何だコレ」
「あぁ、霧吹き」
「いや、中に入ってるのだよ」
「化粧水」
「お前、コレって整髪料の入ってた奴だろ」
「そうよ。形が可愛かったから、捨てるのもったいなくて」
「それはいいけど、整髪料だと思っちゃったよ」
「その化粧水なら、ちょっと麝香っぽいからいいんじゃないの」
「なんで男が髪から麝香の香りをさせなきゃいけないんだよ」
「ふーんだ。黙って外出しようとする嘘吐きさんには、ちょうどいい虫除けよ」
「あのなぁ、近くの飲み屋に行くだけだっての」
「連れてけ」
「連れてけって、女の仕度は時間がかかるだろ」
「待ってる時間も楽しみなさいよ」
「わかったよ。でも、香水は無しだからな」
「どうしてよ」
「人間の嗅覚なんて、すぐに意味をなさなくなるからだよ」

 

詰め替えという文化が出る前は、空容器は子どもの想像力の元でした。


8/5(金) 『為替相場介入』

 

「ねぇ、急に円安になったみたいなんだけど」
「新聞見ろよ。日銀と政府が介入したって書いてあるだろ」
「でも、かなり昔に介入したときは、もっと急激に円安になった記憶があるわ」
「あの時は三日間くらい、常に円を売り続けてたからな」
「円を売ると円安になるの」
「それだけ需要に対して供給量が増えるってことだからな」
「需要と供給曲線か。社会科でやったわね、そんなのも」
「そういうこと。今回は数時間だけだし、他の要素が円高に振れてるし、こんなもんだろ」
「もう少し介入を続けないと、意味がない気もするわね」
「海外に嫌われるだけの自信もなければ、援護してくれる仲間もいないってことさ」
「それじゃ、あまり焦って買わない方がいいのかなぁ」
「何を買うつもりだったんだ」
「輸入雑貨のベッド。閉店セールもあって、安売りしてるんだけど」
「値段を見て決めればいいだろ」
「実は、ベッドのスプリングが壊れちゃってて」
「それは今すぐ買いに行こう」

 

米ドル債、もう償還時の損失確定なんですけど。


8/6(土) 『蓄電の敵はコスト』

 

「お、充電中か」
「そう。しばらくしてなかったしね」
「便利になったよな、最近の携帯ゲームは」
「昔は乾電池でしか動かせなかったものね」
「そうそう。アダプターが売られたときは嬉しかったなぁ」
「それが今や充電してコードレスだものね」
「世の中は進化するよなぁ」
「まぁ、そうは言っても、車の鉛蓄電池は進化してないわけだけど」
「コストの問題らしいな。リチウムバッテリーは不安定だし、発熱量がな」
「リチウムなんてイオン化傾向の高いもの、危険なのは危険よ」
「世の中の開発者には頑張ってもらわないとな」
「でも、電池の仕組みって解明されてないんでしょう」
「それができたらノーベル賞だよ。大体、理科は現象の学問と呼ばれるぐらいだからな」
「それじゃ、あたしも理科の最先端を実験してきますか」
「何をするんだい」
「カレイの煮付け。これに勝る魚の煮付けなんてありえないのよ」

 

あの脂身のない淡白な魚のくせに、何故あれほどカレイの煮付けは美味しいのだろう。


8/7(日) 『慰霊祭で脱原発』

 

「情けない話ね」
「そう言うなよ。本人は本気なんだろうから」
「小学校で習わなかったのかしら」
「学問を追及する人間は政治家にはならないし、役人にもならない」
「科学の進歩は戦争とともにあり。技術の汎用化は平和とともにあり」
「もはや古い言葉なのかもしれないな」
「慰霊祭は慰霊のためにあるもので、別にお祭りでもスピーチの場でもないわ」
「平和論文を書かせるためのものでもないな」
「素直に先祖の霊を迎えて、無事に送り出してあげればいいのに」
「それじゃ、そろそろ行こうか」
「どこへ行くの」
「暑い中を法衣で駆けまわっている住職にお茶を出しに行くのさ」

 

何が正義かとは問いませんが、お天道様に顔向けできるように生きていこうよ。


8/8(月) 『38年ぶりの初戦突破』

 

「作新学院って、聞いたことあるわね」
「江川投手の出身校だろ」
「でも、私は現役の江川選手を知らないのに」
「意外とテレビで流れてるぞ、当時の映像が」
「それだけ怪物だったってことかしら」
「怪物の名に相応しい実力だったからな」
「最近では松坂投手とかかしら」
「高卒ルーキーがプロで活躍するのは、かなりずば抜けてるんだよ」
「打者はどうなのかしら」
「打者になると松井選手以降は出てないな」
「やっぱり、高校生で身体ができているっていうのは稀なのね」
「特に男は生物学的にみても成長途中だからな」
「その点、女は成長の安定期を早く迎えるから、中学生が世界大会に出たりするのね」
「まぁ、生物学的な特徴だな。安定期も長いから、オリンピック三大会出場とかも多いし」
「私も今から世界を目指すわ」
「さすがに今からだと難しいだろう」
「各国の料理をマスターするぐらい、一年に千回以上も料理するんだから余裕だわ」

 

やはり夏の大会は打てないと厳しいものがありますね。


8/9(火) 『宇宙医学実験』

 

「ねぇ、目をつむって両手の指先を合わせてみてよ」
「……あ、ずれた」
「ずれないでよ」
「難しいぞ、これ」
「宇宙ではさらに難しくなるんだって」
「あぁ、ISSか」
「あとは力を抜くと自然に関節が曲がるって」
「重力下だと、座っているだけでも筋肉に力が入ってるからな」
「あ、肩こりに効く場所を見つけたわ」
「宇宙に行くのか」
「その逆よ。重力と浮力を相殺したら、頭の重さから解放されるんじゃないかしら」
「そのダイビングスーツを着るだけで頭が痛くなるな」

 

腰痛と肩こりは人類の永遠のテーマですね。


8/10(水) 『輝きを増す星』

 

「どうしたんだ、双眼鏡なんか持って」
「今ね、星が輝きを増してるんだって」
「節電での街の明かりが暗くなって、星がよく見えるようになったんだな」
「そういうわけで、久しぶりに天体観測をしてみようかと」
「それはかまわないが、その格好は蚊に刺されるぞ」
「街中へ見に行くのに、それほど心配かしら」
「蚊は少しの水溜りでも繁殖するらしいからな。蚊取り線香は大事だぞ」
「何を勘違いしてるか知らないけど、今から天体観測に行くわけじゃないわよ」
「そりゃま、お昼には星なんて見えないよな」
「出かけるのは今からだけど」
「天体観測にも席取りがいる時代か」
「ある意味そうかもね。今からプラネタリウムで予習しに行くのよ」

 

今もプラネタリウムで2時間待ちとかはあるのでしょうか。


8/11(木) 『校長先生を公募します』

 

「校長先生になります」
「いきなり、どうしたんだ」
「大阪府の学校で公募するんだってさ」
「東京とかいうところで思いっきり失敗してた記憶があるぞ」
「だよねぇ」
「これから落としどころを探るんだろうけど、あの府知事だからなぁ」
「しかも、本人は市長選に出ていくという」
「まぁ、教育委員会を揺さぶっていきたいんだろうな」
「校長先生が良くなっても、生徒は良くならないんだよねぇ」
「担任教諭のやる気を引き出せる校長がいれば、飛躍的に伸びるところもあるだろうな」
「メリットとしてはわかるけど、デメリットまで考えてないよねぇ」
「まぁ、政治家なんてそんなもんだ」
「と、いうことで、私も校長先生に公募します」
「何を公約にするんだ」
「給食後のお昼寝タイムを取り入れます」
「一応、成功例のある提案だな」
「納豆のかき揚げは認めません」
「いや、好きな人もいるだろ」
「クラスに一つ冷蔵庫を設置します」
「どれだけお金かかるんだよ」
「温くなった牛乳を紙パックで飲ませるなんて、いろんな意味で犯罪よ」
「そりゃ、冷えてたほうが飲みやすいが」
「もちろん、こんなものは序の口よ」
「一応、本丸まで聞いておこうか」
「給食がカレーライスの日は、ご飯の量を倍にします」
「栄養士さんが泣くぞ」

 

最近は給食のレシピが各家庭に配布され、中には家庭の味が給食と同じ味になる家もあるそうです。


8/12(金) 『県知事、訪米へ』

 

「県知事が訪米して、変えられるものなのか」
「行かないよりはいいんじゃないの」
「無駄足になってしまったら、県外の道は断たれると思うんだが」
「その辺も踏まえてでしょ」
「現実問題として、シーレーンの後退はあり得ない話だからな」
「その場にしかわからない問題もあるけれど、ミクロな視点では解決できないこともあるわ」
「目先の欲に囚われて本筋を忘れてはいけない典型だな」
「入浴剤と同じね」
「入れたらダメなのか」
「疲れをとるために入浴剤を入れたのに、普段より疲れるお風呂掃除が残るのよ」

 

入浴剤が残らないお風呂ってないものですかね。


8/13(土) 『地球の生命は宇宙から』

 

「ワレワレハウチュウジンダ」
「扇風機の前で、何やってんの」
「昔、流行ったよね。この宇宙人ごっこ」
「今でも音声ソフトのエフェクトにあるぐらいだしな」
「DNAの成分が隕石から見つかったんだって」
「塩基が発見されたらしいな」
「もしかして、生命の起源は宇宙だったのかな」
「広い意味ではそうかもしれないな。塩基は非常に他の物質と結びつきやすい物質だから」
「浪漫が広がるよね」
「隕石落下の高温と酸化が原因で、無機質と有機物の中間物質ができたと考える説もある」
「そんな学術的なことはいいから、浪漫を感じなさいよ」
「学術的な見地あってこその浪漫だと思うが」
「隕石に乗った宇宙生物が地球上で大繁殖とかさ」
「MIBかよ」
「そう考えたら、なんか私たちのご先祖様ってカビみたいね」

 

今回見つかった塩基はコンビを組まない塩基同士のようで、浪漫がありますね。

 


8/14(日) 『市民主義の限界』

 

「おい、洗濯物が干しっぱなしだぞ」
「あぁ、夕立が激しかったから、もう諦めたの」
「服の生地、傷むんじゃないか」
「洗濯機の中に戻すにしたって、とりあえず乾くまでは待たないと」
「そういうものなのか」
「少なくとも私の家ではそうだったわよ」
「カルチャーショックだな」
「そんなことで受けないでよ」
「てっきり、取り込みを忘れているのかと」
「雨の臭いは結構きついのよ。だから、もう一度洗いなおすわ」
「それならいいんだけど」
「でも、洗濯物はやり直せるからいいわよね」
「何かやり直せないことでもしたのか」
「やり直すべきかがわからない状態なのよ」
「今時の政府じゃあるまいし。別に百年先に評価されるってものでもないんだろう」
「そう言われると、このままでいいのかなと思うし」
「何なんだよ、それは」
「テレビ台を組み立ててたら、ボルトが三本も余ったの」
「一緒に組み直そう、それは」

 

とりあえず、今も千年先も批判しかされないような政府はどうすればいいのでしょう。


*8/15(月)は新聞の休刊日でした。


8/16(火) 『火星の生物を探せ』

 

「今度は火星の生物調査だってさ」
「無人宇宙船の大気圏再脱出が成功するかどうかだな」
「火星の大気は地球と同じか、それより少し重いって聞くけど」
「重力を考えればそうだが、気体の質量は地球よりも重いらしいからな」
「摩擦を考えるとかなり難しいのかなぁ」
「今までの火星探査は画像データや、片道切符の探査機を送り込むのがほとんどだったからな」
「この間のハヤブサで本気になるところが出てきたってことなのかしらね」
「本気になって欲しいところだな」
「それじゃ、スーパーへ未知の生物を買いに行ってきますか」
「お、今日は鰻丼か」
「クラゲの酢の物です」

 

酸化鉄を利用できる生物に耐熱性があれば可能なのかもしれません。


8/17(土) 『代表候補乱立へ』

 

「代表選が始まるそうね」
「前首相が罵詈雑言に耐えてきたとか、大笑いだな」
「民主党のMADなんて、見ていて面白すぎるわよ」
「あまりにも同じ笑いが続いて、飽きてくるほどにな」
「まさか同じ人間のセリフだけで、あれほど面白い討論を作れるなんてね」
「人材の宝庫だな」
「困ったときには民主党の記事を探せばいいんだから」
「本当は科学分野で作りたかったんだけどね」
「こればっかりは時事だから」
「とにかく、これでおしまい」

 

一番最後に書いたものが、この日のものでした。

 

 

 


8/18(木) 『ビラの配布を中止』

 

「子供手当はなくなりませんって、ビラをまくようなことかね」
「ビラをまくっていう手段をとること自体、誇張宣伝のいい例よね」
「昔から赤い人たちがよく使う方法だよな」
「赤い人っていう表現も懐かしいものね」
「過去の間違いを認めることは、それほどいけないことなのかね」
「現在だけを見て、未来を見ていないからでしょ」

 

過去を知らなければ、未来を予測することはできませんよね。


8/19(金) 『火力発電故障』

 

「火力発電に故障が出てるんだって」
「夜は休ませて使うものを夜も稼働させたら、早く壊れるにきまってるだろ」
「当たり前の話ね」
「どこかにしわ寄せは出るんだから、それを管理不備というのは無理があるな」
「一日五キロを定期的に走っていても、一日十キロ走れるとは限らないものね」
「むしろ二日に十キロの方が身体にガタがくるものさ」
「それを無視して非難されてもねぇ」
「因果関係を考えると何も言えなくなるものだ」
「無責任こそ真理をつくってことね」

 

無責任な人間ほど、痛いところを突いてくる。


8/20(土) 『家の中の金を売る』

 

「何を探してるんだ」
「金の買い取り価格が上がってるんだって」
「いらなくなったアクセサリーを売るのか」
「いらないアクセサリーなんて、元々ないわよ」
「だったら何を探してるんだ」
「金の延べ棒」
「どこの家庭にそんなものが落ちてるんだよ」
「本当は携帯電話」
「買い換えるのか」
「古くなった携帯電話を廃品回収に出すのよ」

 

携帯電話の中には、レアメタルがたくさん使われているそうです。


8/21(日) 『大阪で区民自治を』

 

「大阪の区長さんって、選挙してないよね」
「まぁ、地区会長さんとか自治会長さんを選挙するほうが手間だしな」
「選挙するとしたら、どれくらいお金がかかるのかしら」
「それより先に、戸籍を把握しないといけないから面倒だぞ」
「住民票を写さない人もいるし、下手をすると生きてない人もいたりするかもしれないわね」
「あまり踏み込みすぎると、あからさまに危ない地区もあるからな」
「それに、選挙をするとしたら公民館や小学校の体育館が貸し切られることになるでしょう」
「何か問題があるのか」
「生涯スポーツを推進する側が、体育振興会の活動を邪魔するってのも妙な話だと思わない」
「小さな矛盾はどこにでもあるさ」
「それじゃ、ママさんバレーに行ってきます」
「それは小学校のPTA活動だ」

 

自治体の体育振興会って、知らない人はまったく知らないけれど、いい活動だと思います。


8/22(月) 『電子ソロバン』

 

「電子ソロバンでお勉強だって」
「今の小学生はパソコンも使うのか」
「違うみたい。黒板がタッチパネルみたいのになってる」
「スクリーンみたいな感じか」
「そうね。画面上でソロバンを弾けるんだって」
「あのすべりの悪かったり、常に手で押さえていないと落ちてしまうソロバンがなくなるんだな」
「あったねぇ、でっかいソロバン」
「三桁になると先生が辛そうなんだよな」
「上の玉だけ異常に固かったりするんだよね」
「たまに、ここから先は見るなって言う先生がいたりしてな」
「あれも、もうなくなるんだねぇ」
「世の中が便利になっていいことじゃないか」
「ソロバンといえば、無駄に鳴らして遊んだよね」
「それと妙に小さいプラスチックのソロバンだと音が鳴りにくいんだよな」
「さて、そろそろ家計簿でもつけようかな」
「ソロバンを使ってか」
「えぇ。昔からある電子ソロバンを使ってね」

 

ウチの家には五つ玉のソロバンがありました。


8/23(火) 『企業のトップが急死』

 

「うむ。見事な先手」
「死人に口無しだな」
「ストレスからくる急激な体調の変化って、どうにでもとれる文章だよね」
「実際に体調を崩す人に聞くと、通勤電車もかなりのストレスになるそうだ」
「完全に他人のテリトリーと自分のテリトリーが重なるしね」
「あれは動物としての人間が非常に弱いことを示す好例だな」
「ストレス耐性が低いってことなの」
「逆だ。縄張り意識が弱いということは、群れで暮らさなくては生きていけないということさ」

 

個体としての縄張り意識の低さと、団体としての縄張り意識の弱さは意味が違いますがね。


8/24(水) 『シュシュ』

 

「シュシュを買いに行きます」
「あぁ、あの髪の毛をまとめる」
「お酒です」
「そういう名前のお酒があるのか」
「ワインを炭酸で割ったものなんだって」
「普通にスパークリングワインじゃダメなのか」
「飲みやすいとか、軽く感じるとかじゃないの」
「度数や味でいえば、普通にシャンパーニュの方がいい気がするけど」
「まぁね。今は量販店も多くなってきて、安いなりの味ならあるし」
「そら、美味しいものは高い。お酒ではそれが真実だな」
「日本酒なんか、その典型だものね」
「と、いうか、ついに広告にまで手を出すのか、このコーナー」
「さすがに辛くなってきたんだって」
「まぁ、毎日更新も無理だったしな」
「夏休みが終われば無理になるって、最初に気付かなかったのかな」
「無謀な挑戦だが、とにかく日付は埋めるそうだ」
「毎日お酒ばっかり飲んでないで、たまには熱いお茶で心を落ち着かせなさい」

 

さすがに広告に手を出さないといけないぐらい、この日は新聞を読んでて楽しくなかったんです。


8/25(木) 『吸い込まれた星』

 

「ブラックホールって凄いんだね」
「どうしたんだ、急に」
「星がブラックホールに吸い込まれたんだって」
「そういえば、観察できたらしいな」
「何でも吸い込む〜って、昔そんなキャラクターいたよね」
「滅多にないことだろうな」
「でも案外、星と星の距離が近いものもあるんじゃないの」
「相対性理論を真っ向から無視する発言だな」
「でも、吸い込まれた星はどうなっちゃうんだろう」
「恒星はほぼガス体だからな。吸い込まれたらもう戻れないだろ」
「ホワイトホールはブラックホールの排泄口とかいう噂もあったのにね」
「入ったら出るって、動物じゃないんだから」
「それじゃ、我が家のブラックホールを掃除しに行くわ」
「そんなのあったっけ」
「お風呂の排水溝が詰まったので、パイプユニットしにいくの」

 

たまたまX線が地球方向に放射されていて、見つかったらしいです。


8/26(金) 『2日で選挙』

 

「立候補者確定後、2日で決まる選挙があるんだって」
「AKBだっけ」
「違うわよ。本物の選挙」
「そら、日本は立候補前に絞ってるからな」
「いやいや、実質的に当確っていうのじゃなくて」
「高校の生徒会だって教師の傀儡のくせに、一週間は選挙期間あるぞ」
「それが国の総理大臣を決める選挙なんだって」
「頭が痛いというのを通り越して、選挙する意味ないだろ」
「こうなったら、私も立候補するわ」
「何になるつもりだ」
「我が家の総理大臣になって、実家に援助を要求します」

 

選挙ではなく相談で決めましたと言えばいいのに。


8/27(土) 『113系、月末で引退』

 

「スカ色って知ってるか」
「スカイ色だから、青色か何かじゃないの」
「違うんだな、これが」
「スカだから、スカンク色……って、スカンクの毛皮ってどんな色なの」
「横須賀色だよ。スカジャンって知ってるだろ」
「あぁ、あの時代遅れの派手なゴテゴテしてるやつ」
「時代遅れとか言うな」
「あれに決まってる色なんてあるの」
「横須賀線を走ってる電車の紺とクリームのラインをスカ色というんだよ」
「じゃあ、このセミの抜け殻はサナギ色ね」
「それにはベッコウ色という名前があるんだが」
「セミの抜け殻とベッコウと、どっちがよく見られるかで決めるのよ」

 

スカジャンは知ってましたが、スカ色ってのもあるんですね。


8/28(日) 『在宅中でも留守電に』

 

「回覧板だ」
「在宅中でも留守電にしよう……だって」
「振りこめ詐欺の対応策らしいな」
「留守電なら、後で聞いても大丈夫なのかしら」
「リダイアルするより、自分の携帯でかけるからだろ」
「相手が声を残さないようにするらしいわ」
「確かに録音されると証拠になってしまうからな」
「今の留守電って、性能もいいもんね」
「しかし、一番の対策は一人暮らしを減らすことだよな」
「それは難しいわよ。価値観のまったく違う人たちが同じ屋根の下で暮らすのは」
「いくら血がつながっていても、そういう点では難しいか」
「二世帯住宅にしたって、それなりの広さがないと意味がないしね」
「頻繁に顔を出すっていうのも、義理の親族には負担になるよな」
「だからこそ、みそ汁の冷めない距離がいきてくるのよ」
「同じ町内に別の家か」
「電話よりも走って駆け付けられる距離。いい意味で空気でいる必要があるのよ」

 

走って駆け付けられる距離に親戚がいすぎると、思わぬところで出くわしますが。


8/29(月) 『合意再考』

 

「何が何だかわからないわ」
「まるで昔の、欧州事情は複雑怪奇なりだな」
「それほどこみいった考えがされてるのなら、それで納得するけどね」
「単純に、どこかの誰かさんに、再考する代わりに票をやるって話だろ」
「そんなことで国が動かせるのかしら」
「数の暴力がまかり通る民主主義だからな」
「民主主義とは名ばかりのような気もするけどね」
「四年に一度嘘をつき通せばいいだけの、簡単なお仕事ですから」

 

今必要なのは、プルータスのような気がしてきました。


8/30(火) 『合成の仕組みを解明』

 

「灯りを点けましょ、ぼんぼりに」
「ひな祭りは季節が外れすぎてないか」
「甘酒と言えば、ひな祭りでしょ」
「そもそも甘酒が出てきた理由がわからないんだが」
「甘酒に含まれてる栄養素の合成の仕組みがわかったんだって」
「こうじ菌の構造の一部が解明されたんだな」
「今ひとつ、すごいのかどうかはわからないけどね」
「ミクロもミクロの解明なんだが、こうじ菌はよく使うものだしなぁ」
「早速その恩恵に与るために、美味しい塩辛を買ってくるわ」
「塩辛は、また別の発酵方法じゃないのか」
「美味しいおつまみは、焼酎の消費量を増加させるのよ」

 

米麹に黒麹に湿気。日本は発酵がなければ生活できないと思います。


8/31(水) 『30人で決闘』

 

「30人で決闘だって」
「ついに党が分裂したのか」
「結党じゃなくて、戦う方の決闘」
「どこで」
「京都」
「やくざ屋さんか」
「中学生」
「世紀末武闘伝か」
「タイマンを張るところから団体戦になって、ついに乱闘になってみたいね」
「そもそもタイマンを張るところからして理解できん」
「それじゃ、私も決闘に行くから車を出して」
「加勢しようか」
「男性は戦力外よ。デパートの秋物バーゲンに行くんだから」

 

バーゲンの後に残った商品の、あと一歩足りない感は異常です。


 

終わってみました

 

意外と時間さえあればできるものだと思いました。

もう少しタイムリーに更新できればよかったんですが。

今の峻祐のキャパでは、この程度が限界かと。

 

書いてみて思ったことは、昔に比べてシニカルな部分が影を潜めたなと。

やはりいろいろと壁にぶつかり、幾分かマイルドになっていたようです。

 

政治関連はあまり書きたくなかったんですが、あまりの報道の多さに書かざるをえなくなりました。

科学分野は少し調べておかないとひねることができないし、難しいと再確認。

 

こんな感じの自由研究もいかがでしょうか。

 

H23.9.4
小田原 峻祐