『甲賀忍法帖』とは
忍法と言う造語を定着させた記念すべき山田風太郎の出世作。
四百年に渡る怨敵同士の伊賀と甲賀忍者。
その忌むべき仲を断ち切るために、甲賀の次期頭首、甲賀弦之介と伊賀の姫君、朧の婚約で解決するはずであった。
だが、徳川三代将軍を決めるのに、徳川家は、この伊賀と甲賀の忍法合戦で決める事に!
血みどろの忍法合戦が始まり、この甲賀ロミオと伊賀ジュリエットは再び会うことは出来るのか?
大まかな話ですが、40年以上たった今も、古さを感じさせない小説です。
奇想天外な忍法の始祖であり、コミック、アニメで『バジリスク』として再び人気を集めている作品ですが、この悲劇の弦之介と朧のカップルより、伊賀の夜叉丸&蛍火カップルのほうが人気が高いのはどうしてだろうか?(笑)
団結、個性的な仲間と個性的な技。ドラゴンボールや、NARUTOなど、少年漫画の王道にも影響を与えた傑作です。その割には、正義、友情、勝利の内、正義が皆無なのが凄いです。
*こっちは映像化されていたのを見たような記憶が、峻祐にはありますね。
もしかしたら、似たような話で脚本は別のものかもしれませんが。
伊賀の姫君が本当に大名家の姫君みたいで、あまり彼女の印象がなかった気もします。
『伊賀忍法帖』とは
伊賀の抜忍(任務を放棄したり、忍者を辞めようとする忍者。掟により殺されるのが普通)である、笛吹城太郎が、妻を悪逆非道な根来忍法僧に誘拐された。
妻の篝火は、城太郎を想い、自決するが、悪逆な根来忍法により、死んでまでも非道な目に会う。
それを知った城太郎が、悪鬼羅刹なる七人の根来忍法僧に完全と立ち向かう。
大まかな話はそうですが、この二次小説では、『三日月剣』と『毀れ甕』が、登場します。
前半はかなりエログロなので読むだけで疲れますが、城太郎の復讐を誓うところから一気に話は面白くなっていきます。
運動神経は超人的でも、異形の忍法を持たない城太郎が、怪異なる七人の忍法僧にどうやって立ち向かうのかが、この話のミソです。
*こっちは峻祐も小説を読んだことがあります。城太郎、いいキャラクターですよ。
ありえないキャラクターです。彼みたいな人間がいたら、どんな戦いにも勝てる気がする。
「海王記」の主人公を粗暴にして、人間的魅力を取り払って……よりも、もっと簡単な説明を(笑)
Bryanさんのスカサハを、さらに特化していくと彼になるのかと思います。
峻祐的には人間的魅力が薄かったですね。シナリオを押し通せるぐらいのパワーがある感じはしますけど。