瑠璃色の風始まる場所、その後に


 この場を借りまして、作品をお寄せくださったBryan様に、深く御礼申し上げます。
 おかげさまで、R計画も第二十三弾を迎えることと相成りました。
 これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 さて、峻祐が作品から初めて受けた印象は、中世ヨーロッパの町並みでした。
 「ロミオの青い空」の舞台となった街並と世界観が、ふと浮かんだのです。

 もちろん、この作品の舞台はそれとはまったく違いますし、結末に至る展開も、装いがかなり違います。
 それがどうして、中世ヨーロッパが浮かんだのかと言うと、その書き方にあるのではないでしょうか。

 バトルシーンもなく、アクセントと言えば孤児院での昔の顔見知りとの顔合わせぐらい。
 それなのに、ラストシーンでは見事に立ち直った主人公が、どうしても「ロミオの青い空」に出てきた、煙突掃除の子供たちに見えてくる。
 どんな状況でも決して諦めることなく、自らの力と仲間とともに、真っ直ぐに生きていく。
 本当に、どんな子供でも、真っ直ぐに生きる力を持っているのだと思いました。

 

 昨今、少年犯罪は多発する一方です。
 宗教色の強い国家に行けば、それこそ幼少から反政府ゲリラに身を寄せる子供も少なくない。
 そんな中で、私たち大人、教育者が忘れてはいけないのは、このことに尽きると思います。

「子供たちは、本来、真っ直ぐに生きていく力を持っている」

 真っ直ぐに生きる力を、上手く引き出してやれるような、そんな大人になりたいものです。
 やり方は違っても、どんな場所でも、子供に見せられる背中と、子供を信じる心を持っていたいですね。

 

 もし、これを読んだ道に迷っている子供がいれば、私はこう言ってあげたい。

「お天道様に向かって、正直に立ってなさい。君の学ぶべきものは、太陽に下にあるのだから」

 ……少し、照れますけどね。
 真っ直ぐに立ってきたとは言い辛い人生だったから。

 

 太陽の下に出てきた主人公の笑顔が、全てを物語っているとは思いませんか。
 お天道様の下で生きることの素晴らしさと、楽しさを。

 

H17.10.11
小田原峻祐