他作解説
R計画第21弾は、燕優灰人様よりいただきました。
この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
たった九行の詩ですが、たくさんの意味を含んでいると思います。
作品を送ってくださったメールには、「隣人を互いに知り合えば、流れた血は少なくて済んだ」とありました。
確かに隣人を深く知り合うことができれば、戦争なんておこらないかもしれません。
究極的な完全平和というものが成り立つには、互いを知り合うことが前提です。
ですが、もしもの続く文章と、最後の二行との間の空間。
これがこの作品の妙ではないでしょうか。
たった一行の間が、たくさんの本音を含んでいる。
やさぐれ気味に聞こえてくる、「どうせそうなっても争いは起きるんだ」や、「無理無理」といった声。
次にくる、逆説的な問いかけ方に、どうしても間にある本音を意識せざるをえない。
これが詩の美しさですね。
行間を読ませることができる詩は、それだけで立派なストーリーを構成する。
小説とは違った構成の世界観を、どうぞ御堪能くださいませ。
H17.3.3
小田原峻祐