Web拍手ログ8


過去にWeb拍手で公開していた小ネタたちです.
本編ネタばれもあるので,ご注意ください.


Web拍手をありがとうございました.
ここから先は,
シリアスなんだかコメディなんだか,よく分からない本編を
さらに意味不明なものにさせる
『水底呼声』7−5話のおまけをお楽しみください.


セシリア「スミとは,九日前に初めて会ったの.」
バウス「お前が首都神殿から脱走した日か?」
セシリア「うん.街を歩いていたら,声をかけられたの.」
バウス「…….」(ナンパみたいだな.)
セシリア「二人ともおなかがすいていたから,一緒に食事をしたの.」
バウス「…….」(ちょっと待て.それは完璧なナンパじゃないのか!?)
セシリア「それで色々とお話をして仲よくなったの.」
バウス「…….」(あのガキ,ただじゃおかねぇ!)


バウス「体を触られたり抱きつかれたりはしなかったか?」(心配)
セシリア「うん.」
バウス「そうか,よかった.」(ほっ)
セシリア「あ,でも,肩をたたかれたり,腕をつかまれたりはしたわ.」
バウス「…….」(あのくそガキ,殺してやる!)
セシリア「どうしたの,兄さま.顔が怖いわ.」
バウス「別に,なんでもないさ.」(にーっこり)
セシリア「とにかくスミは悪い人じゃないから,すぐに牢から出して!」
バウス「あぁ,もちろんさ.」(牢の中にいるやつをいたぶる趣味はないからな.)


バウス「ちょこまかと逃げるな!」(どたばた)
スミ「……!!」(どたばた)
ベテラン騎士「狭い牢の中で,よく追いかけっこが続くなぁ.」(ため息)
新人騎士「さすがバウス殿下です.ご立派です!」
ベテラン騎士「…….」(子どものけんかにしか見えないのだが.)


バウス「いさぎよく,一発ぐらい殴られろっ!」(ぜーはーぜーはー)
スミ「……!!」
ベテラン騎士「あぁ,殿下.息が上がっていらっしゃる.」(普段,運動不足だから.)
新人騎士「殿下,おいたわしい.」(涙)
ベテラン騎士「…….」(明日は筋肉痛だろうなぁ.あぁ,バウス殿下,不敬だとは思いますが,……動物園のおりの中を見ている気分になってきましたよ.)


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ここから先は,『水底呼声』8−6話のおまけ『密談』をお楽しみください.


バウス「というわけで,スミには騎士になってもらおうと思う.」
みゆ「はい.……ひとつだけ聞いてもいいですか?」
バウス「何だ?」
みゆ「お給料は,――手取りで月にいくらなのですか?」
バウス「あぁ,一応,軍隊のエリートコースだから,高いぞ.日本円に換算して,約35万円だ.」
みゆ「じゃ,年収にすると,……これからもスミ君を,よろしくお願いしまーす.」(ハート)
バウス「…….」(現金な女だな……)


バウス「というわけで,これがスミの制服だ.」
みゆ「はい.……あの,だいぶサイズが大きいような気がするのですが.」
バウス「基本的に軍人の制服は,前に働いていたやつのお下がりだからな.これでも一番小さいものを選んだのだが.」
みゆ「新しく服を仕立てないのですか?」
バウス「どうせ汚れるのだから,もったいない.」
みゆ「……合理的なのですね.」
バウス「遠慮なく,けちだと言ってくれて構わないが?」
みゆ「……倹約上手なのですね.」
バウス「無理やりに,ほめなくてもいいぞ.」(なんで気を使っているんだ?)
みゆ「…….」(そんな風に言われると,けなしたら負けのような気がする.)


ウィル「ねぇねぇ,王子様.」
バウス「何だ?」(初めて口を開いたな,こいつ.)
ウィル「スミと一緒にセシリアを,カリヴァニア王国まで持って帰ってもいい?」
バウス「いや,それは迷惑だろう.……あの子は世間知らずだし,」(おいっ,セシリアがもの扱いじゃないか!?)
ウィル「別に迷惑じゃないよ.ミユちゃんの方が世間知らずだし.」
バウス「しかし,セシリアは何の役にも立たないぞ.君たちは,王国の救済のために帰国するのだろう?」(何気にひどいことを言うな,こいつ.)
ウィル「ミユちゃんも役に立ってないからいいよ.」(にこにこ)
バウス「セシリアはわがままだぞ,お嬢様育ちだし,あと,えっと……,」(ほかに何か,世間知らずは最初に言ったよな?)
ウィル「わがままにもお嬢様育ちにも慣れているよ.それから,変な味の料理にも.」
バウス「ウィル……,ミユの顔を見た方がいいと思うぞ.」(こいつ,歯に衣を着せないタイプだな.俺でも恋人に対して,ここまで言わん.)
ウィル「え?」
みゆ「ウィルのバカー!! どうせ私は世間知らずで役立たずで,わがままでお嬢様育ちで,変な味の料理よ!」(激怒)
ウィル「どうしたの,ミユちゃん? なんで悲しんでいるの?」(おろおろ)
バウス「…….」(あー,アホくさー.)


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ここから先は,『水底呼声』8−7話のおまけ『教えて! バウス王子』をお楽しみください.


バウス「あそこの家の子どもたちは,俺が行くといつも怖がる.」(はっはっはっ)
翔「分かる気がする.」(ぼそっ)
みゆ「うん,私も.」(ひそひそ)
翔「子どもって結構かしこくて,自分をかわいがってくれる大人にしか懐かないんだよなぁ.」
みゆ「バウス殿下,いかにも小さい子どもが嫌いそうだよね.」
翔「むしろ相手にせずに,ガン無視しそうだな.」
みゆ「よし,直接聞いてみよう!」
翔「え? やめた方がよくないか?」
みゆ「ソフトな言い方で聞くから大丈夫よ.」(にっこり)
翔「…….」(女って度胸あるな……)


みゆ「殿下,幼い子どもは苦手なのですか?」
バウス「え? 子どもの相手なら得意だぞ.」
翔「…….」(意外だ……)
バウス「セシリアのおむつを替えたことも,ゲロの始末をしたこともあるぞ.」(はっはっはっ)
翔「…….」(この人,一応,王子だよな……?)


翔「じゃぁ,なんで子どもから嫌われているのだろう?」(ひそひそ)
みゆ「目つきが悪いからじゃない?」(ひそひそ)
翔「確かに,ヤバい目をしているよな.」(苦笑)
みゆ「よし,直接聞いてみよう!」
翔「え? やめた方がよくないか?」
みゆ「ソフトな言い方で聞くから大丈夫よ.」(にっこり)
翔「…….」(女って度胸あるな……)


みゆ「殿下,どうしてそんな抜き身のナイフみたいな目をしているのですか?」
翔「…….」(すげーたとえだ)
バウス「…….俺,そんなに怖い目をしているのか?」
みゆ「はい.」
翔「……!」(肯定した! 古藤さん,ひでぇ!)
バウス「多少,自覚はしていたが,やっぱりそうなのか…….」(がーん)
翔「…….」(自覚ありだったのか……)


翔「いつもふんぞり返って,態度がえらそうだから,子どもから敬遠されているのじゃないかな.」(ひそひそ)
みゆ「あー,分かる分かる.」(納得)
翔「王子だし,長男だし,――立場的に,えらそうにしないといけないのだと思うけれど.」
みゆ「いいえ,あれは純粋に性格だと思うわ.」(きっぱり)
翔「…….そうだな.」
みゆ「よし,直接聞いてみよう!」
翔「え? やめた方がよくないか?」
みゆ「ソフトな言い方で聞くから大丈夫よ.それにいざとなれば,ウィルが力づくで何とかしてくれるもの.」(にっこり)
翔「…….」(女って……)


みゆ「殿下,どうしてそんな食器棚の上に座って,ふふんふーんと家人を見下ろす猫のようなのですか?」
翔「…….」(ええ!? 分からねぇよ,そのたとえ!)
バウス「あー,俺は一応,第一王子だからな.立場上そうしないと,まわりが困るだろ.」
翔「…….」(通じた! 今,俺は初めて,バウス王子を尊敬した!)


翔「俺,バウス王子よりも,さっきから全然興味なしな,古藤さんの彼氏の方が気になるのだけど.」
みゆ「そぉ?」
翔「会話にまったく加わってこないし,何を考えているのだろう.」(てゆうか俺,ウィルに,にらまれていないか? 誤解されるような態度は取っていないのに.)
みゆ「ウィルは私のことにしか興味ないから,気にしないで.」(にっこり)
翔「…….」(古藤さん,変わったな……,いろいろな意味で…….)


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ここから先は,『水底呼声』8−10話のおまけをお楽しみください.


バウス「予想以上に,服がぶかぶかだな.」
スミ「そうですね.」
バウス「メイドに頼んで,サイズを直させようか?」
スミ「いえ,結構です.」
バウス「……自分で繕うのか? 遠慮しなくてもいいぞ.」
スミ「そういうわけでは…….」(ごにょごにょ)
バウス「…….」
スミ「…….」
バウス「……そうか.そういうことか.」(セシリアにやってもらうのか.こいつ,しめ殺してやりてぇ……)
スミ「!!」(ひぃぃぃぃ,怖ぇ!!)


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ここから先は,落ちも盛り上がりもない,
『水底呼声』野球対決―カリヴァニア王国 対 神聖公国ラート・リナーゼ―
を,お楽しみください.


一回の表,カリヴァニア王国の攻撃.

一番バッター,ウィル.
ちょっと電波な元暗殺者,野球を知らない.
「とにかくバットにボールを当てて,一塁まで走ってください!」
常識人スミのアドバイスを受けて,バッターボックスへ.
先発ピッチャー,セシリア.
ちょっと箱入りのお嬢様,野球は初めて.
「とにかく投げるだけでいいから.もしもボールが返ってきたら,よけなさい.」
過保護なライクシードとバウスのアドバイスを受けて,マウントに立つ.

ピッチャー,振りかぶって投げた!
しかしボールは山なり,スローボール.
カキーン!
打った!
いい当たりだ,――外野を高く抜けて,ホームラーーーーン!

「何ぃ,許さん!」
ベンチで怒り狂う監督のバウス.
「兄さん,落ち着いてください.セシリアは初心者ですから.」
兄を止めようとするピッチングコーチのライクシード.
「ちがう! 俺が怒っているのはウィルだ!」
「え? ウィルですか?」
「セシリアが一生懸命に投げた球を,簡単に打つなんて許せん! しかも初球を狙いやがって! あいつ成敗してくれる!」
「…….」


ホームランなのに,なぜか一塁で止まるウィル.
「なんで,ここにいるんだ?」
塁審の翔が問いかける.
「スミに頼まれたから.」
ベンチではスミが一人,頭を抱えている.
ホームベースまで走るように言うべきか,翔は悩む.
「まぁ,いいや.面倒くさい.」
審判団は日本人.
異世界に召喚されたはいいが,なぜ野球をやっているのか理解できない今日このごろ.

二番バッター,スミ.
ツッコミもボケもできる器用な選手,ツンデレ属性もあり.
ここからは,彼の心の声をどうぞ.

どうしよう.
ピッチャー,セシリアなんだよなぁ.
打ち返すのは,かわいそうだ.
てゆうかピッチャーがセシリアである以上,こっちが勝つに決まっているよな.
なら俺は見送り三振か,四球でいいや.
死球の可能性も高いよな,セシリアだし.
よし,バッドは振らないでいよう!

ばぁん! とキャッチャーミットに収まるボール.
しかし,どこからどう見てもストライクゾーンを外している.
余裕だなとスミが思った瞬間,
「すとら〜いく!」
「ええーー!?」
驚いて球審を見ると,そこに立っていたのはみゆ.
「ミユさん,今のはボールですよ!」
「え? そうなの?」
彼女はとまどっている.
「キャッチャーがキャッチしたらストライクじゃないの?」
「何ですか,そのピッチャーに有利すぎるルールは!?」
みゆは,野球のルールをほとんど知らなかった.

スミ,(審判の誤審により)見送り三振.
ワンアウト,ランナー一塁.


ベンチで腕を組む監督のドナート.
「よし,黒猫に盗塁するようにサインを出そう.」
右手で胸を一回たたき,左手で右ひざを二回たたき,右手で帽子をきゅっきゅっと動かして,左手で左肩に触れる.
――ランナーは二塁まで走れ.
不思議な動きをするドナートに,ウィルは不思議な踊りを始める.
「変な子…….」
三塁側塁審は百合.
当然,やる気はない.
「なんてかわいいんだ,ウィル!」
キャッチャーは,親ばか・息子ラブ・ガチでシスコンのルアン.
当然,勝つ気はない.

ぐだぐだなゲーム展開のまま,めでたしめでたし……?

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