Web拍手ログ11


過去にWeb拍手で公開していた小ネタたちです.
本編ネタばれもあるので,ご注意ください.


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ここから先は,12−3話の「みゆとセシリアによるガールズトーク」の没ネタをお楽しみください.

セシリア「姉さまは元メイドで,なかなか結婚できなかったのだけど.」
みゆ「メイド?」
「うん.それもバウス兄さま専属のメイドだったの.」
「ええ? 専属?」
「そうよ.仕事もほかのメイドたちとちがったの.とにかく兄さまのお気に入りで,ぜんぜんそばから離さなかったの.」
「えええええ.じゃ,そのときから恋人同士だったの?」
「ちがうわ.兄さまは,マリエ姉さま以外のいろいろな女の人をとっかえひっかえしていたの.」
「マリエさんがいるのに? しかもとっかえひっかえ?」
「うん.」
「さいってー.つまり本命のマリエさんをキープしながら,浮気を繰り返していたのね.」
「そういうことになるわね.」
「私,今度からバウス殿下のことは,ナンパで不誠実な男性として認識するわ.ウィルは絶対に,そういうことはしないもの.」
「そうね.スミもしないと思うわ.」

セシリア「そんなこんなで,マリエ姉さまは城から出て行ってしまったの.」
みゆ「つまりバウス殿下があまりにも浮気をするから,彼に愛想をつかして,専属メイドを辞めたのね.」
「そんで,あわてて兄さまが追いかけたの.」
「ふんふん.」
「兄さまは姉さまを図書館で見つけて,言い寄ったのですって.」
「図書館で? すごく周囲に迷惑じゃない.」
「ええ,スミも困ったと言っていたわ.」
「スミ君も巻きこまれたの?」
「そうよ.さらにマリエ姉さまの弟まで現れて,バウス兄さまに『この痴漢! 変態! 浮気男め,恥を知れ!』とののしったのですって.」
「めちゃめちゃ修羅場じゃない.」
「でもスミは,一生懸命にバウス兄さまを擁護したの.」
「えー,かばわなくていいのに.」
「弟さんに,『殿下の面倒を見られるのは,マリエさんだけなんです.』と平謝りしたそうよ.」
「うわぁ,スミ君ってば苦労したのね.」
「最終的には,マリエ姉さまは図書館に迷惑がかかるからと言って,城に戻ってきたの.」
「いろいろあったのねぇ.私,バウス殿下を見る目がすっかり変わったわ…….」


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ここから先は,12−8話のおまけをお楽しみください.

セシリア「スミ! 大変なことが起こったの!」
スミ「何? 今,いそがしいから,手短に説明して.」
セシリア「ミユがすごいの! 普通じゃないの! 背中から,」
スミ「分かった.ミユさんはいつもどおりなんだな.安心したよ.」
セシリア「え? いつもどおり?」
スミ「あの人は,常に普通じゃないの,異常なの.俺たちにとっての非常識が,ミユさんの常識なんだよ.」
セシリア「えええええ?」
スミ「あのウィル先輩の恋人になって,百年以上も誰も行けなかった神聖公国へ行けた女性だぜ.さらに結界をやぶって,俺とウィル先輩を神聖公国に引き入れた.」
セシリア「確かに,尋常じゃないわ…….」
スミ「そ.平凡じゃないのが,ミユさんにとっての平凡なの.じゃ,俺はバウス殿下のおともで,城外へ出るから.」
セシリア「分かったわ.いってらっしゃい.がんばってね.」


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ここから先は,12−9話のおまけ「昨日のマリエの家」をお楽しみください.

父「よかったー.あんな女好きと結婚しなくてすんで.」
弟のユージーン「何を言っているんだよ,父さん!? もう二年以上も待たされているのに.」
母「今日の夕飯は何にしようかしら?」
マリエ「がっつりと食べられるものがいいわ.――父さん,殿下は私と付き合ってから,まったく浮気をなさっていないわよ.」
父「たとえ浮気をしなくても,王子と結婚したら苦労するに決まっている!」
ユージーン「あの殿下は,姉さんとのことをまじめに考えているのか!?」
母「ご近所さんから,じゃがいもをたくさんいただいたのよ.」
マリエ「ならポテトグラタンね.――父さん,ユージーン,落ち着いてちょうだい.」
ユージーン「いつになったら姉さんは結婚できるんだよ? 姉さんはすでに年増,」
しゅぽーーん!!
ユージーン「……ねねね姉さん,なんで包丁を投げるんだよ?」
マリエ「じゃがいもの皮の代わりに,あなたの顔の皮をむこうかしら?」
ユージーン「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃ!!」
祖母「何年かかっても,愛し合う二人が結婚する.まるでロマンス小説のようね.」
祖父のナールデン「その場合,われわれは名脇役だね.さて,明日,城へ行こうと思うのだが,」
父「うちの娘は渡さないと言っておいてください!」
ユージーン「はやく結婚しろと言っておいてください!」
ナールデン「……善処するよ.」


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ここから先は,12−11話のおまけをお楽しみください.

ユージーン「君とウィルのことは覚えているよ.まさかウィリミアが,少年だとは思わなかったけれど.」
みゆ「ウィルの女装は,かわいかったですものね.」
ユージーン「本が好きで,おとなしくて,清貧で,かれんで,秘密めいた雰囲気で,」
みゆ「…….」
ユージーン「かわいかったのになぁ.本気でほれていたやつもいたのに.」(しくしく)
みゆ「…….」


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ここから先は,12−16話のおまけをお楽しみください.

マージ「ミユ様.調理場の者が,体を温める作用のあるハーブティーを持ってきてくれました.」
みゆ「ありがとうございます.おいしいですね.」
キース「ミユー.なぜか廊下に,ひざかけが置いてあるんだけど.しかも相当立派で使いこまれているものが.」
みゆ「何でしょう? 誰かの忘れものでしょうか?」
キース「誰かが落としたというよりは,ミユに対する贈りものっぽい置き方だよ.」
みゆ「贈りものですか? ……まさかラート・サイザーでしょうか?」
キース「俺もそんな気がする.けれど,なんで直接,渡さないのだろう.」
みゆ「そうですね.……もしかして,ハーブティーもラートの指示でしょうか?」
マージ「そうかもしれません.私からは何も言っていないのに,いきなりハーブティーを持ってきましたから.」
みゆ「ごんぎつねっぽいですね.」
キース「ごんぎつね?」
みゆ「私の故郷にある絵本です.結末はとても悲しいものです.同じ結末にならないように,今からラートにお礼を言いに行きます.」
キース「俺もついていくよ.」

みゆ「ハーブティーとひざかけをありがとうございます.」
サイザー「何のことかしら?」
みゆ「ひざかけを置いたのは,ラート・サイザーではなかったのですか?」
サイザー「べ,別に私は,あなたの部屋の前の廊下を通っていないわ.」
みゆ「…….」(やっぱりラートが置いたんだ…….私は“廊下に”ひざかけがあったとは発言していないし.)
サイザー「それに,あんなに古いものはうれしくないでしょう?」
みゆ「いえ.暖かいので,とても助かります.」
サイザー「そう.何度も言うけれど,体を冷やしては駄目よ.」
みゆ「ありがとうございます.気をつけます.」(ラート・サイザーはツンデレ…….)


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ここから先は,12−17話のおまけをお楽しみください.

キース「いやぁ,助かるよ.大神殿って出会いがないからさぁ.」
ユージーン「そうなのですか?」
キース「うん.閉鎖的なところだから.ほかの神殿ともほとんど交流していないし.さらに大神殿って,人里離れた場所に建っているだろ?」
みゆ「言われてみれば,そうですね.」
キース「だから,図書館で恋人募集中の若い人たちをいっぱい連れてきてよ.俺も,結婚相手を探している人たちを連れてくるからさ.」
ユージーン「分かりました.どこで会合を開きますか?」
キース「君に任せるよ.ある程度,人数が入れる,おしゃれな飲食店がいいな.多分,首都にあるだろ.」
ユージーン「そうですね.」
みゆ「異世界にも,合コンがあるとは思いませんでした…….」
キース「ゴーコン?」
みゆ「日本では,未婚の男女が恋人探しのために集まることを合コンと言うのです.」
ユージーン「へぇー.便利な言葉だね.」
キース「じゃ,ゴーコンのために人を集めよう! そんでもって,聖女ミユの伝えし異世界の言葉“ゴーコン”を広めよう!」
みゆ「え? そんな大層な言葉ではないですよ.」
ユージーン「今まで,恋人探しの集会を示すための言葉がなかったから,多分,すぐに浸透するよ.」(にこにこ)
みゆ「…….」(どうしよう.うれしくない…….)


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ここから先は,13−1話のおまけをお楽しみください.

進撃のライクシード その一

ライクシード「セシリア,その男の子と妙に仲よくないか?」(疑)
セシリア「…….」(どき)
スミ「…….」(ぎく)
セシリア「実はね,私たちは付き合っているの.」(ライク兄さまに内緒にする理由はないわ.)
ライクシード「……い,今,なんて,言ったんだ?」(動揺)
セシリア「スミは私の恋人よ.」(にこにこ)
ライクシード「……そうか.」
スミ「…….っわーーーっ! 剣を抜かないでくださいよ,殿下!」
セシリア「兄さま,どうして怒っているの!?」(驚)
ライクシード「かわいい妹についた虫は,駆逐してやる.この世から,一匹残らず…….」
スミ「駆逐しないでくださいよ! ほら,俺は重症人ですよ! 右腕が動かないんですよ!」
ライクシード「左は動くだろう? 剣を取りたまえ,スミ.戦わなければ勝てない.」
スミ「そもそも戦う必要がないですよ!」
セシリア「…….」(この世界は残酷だったんだわ.)

進撃のライクシード その二

スミ「俺とセシリアの交際は,バウス殿下公認のものです.」(きりっ)
セシリア「そのとおりよ,ライク兄さま.」
スミ「清く正しいお付き合いをさせていただいています.」(きりっ)
セシリア「スミは私をとても大切にしてくれているわ.」
ライクシード「そうか.それなら…….」
トティ「でも,この前,禁足の森でセシリア様を泣かしていたよな.」(笑)
スミ「…….」
セシリア「…….」
ライクシード「スミ.私の特技は,肉をそぎ落とすことだ.」
スミ「へ?」
ライクシード「かわいい妹を泣かすやつは,肉をそいでそいでそぎまくってやる!」(怒)
スミ「わーーーっ! 落ちついてくださいよ!」
ライクシード「もういい,これ以上聞いてられない.不毛.」

スミとトティの内緒話

スミ「ライクシード殿下ってまだ,ミユさんのことをあきらめてなかったんですね.」
トティ「ミユが妊娠していると聞いて,すっごく驚いていたもんな.――なぁなぁ,ミユって,あの殿下を振って,ウィルと結婚したんだよな?」
スミ「はい.簡単に言えば,そうですよ.」
トティ「男は顔じゃないんだな! 俺は希望がわいたよ!」
スミ「はぁ…….」(ライクシード殿下に対してもウィル先輩に対しても,失礼な言い草だよな.)


バレンタイン小話(バウス&マリエ)

「殿下,チョコレートです.」
「ありがとう,マリエ.君がこのようなものをくれるとは,珍しいな.」
「そうですね.今まで,こういったイベントには興味がなかったので.」
「……マリエ,周囲に言われたから買いましたという雰囲気が,この菓子のそこかしこからするのだが.」
「確かに弟に言われてチョコレートを購入しましたが,私はこのバレンタインを心から楽しんでいます.」
「そうなのか?」 (@_@;)
「チョコレート売り場を見て歩くのはことのほか楽しく,殿下用のチョコレートをひとつ買った後で,自分用のものを十個ほど購入しましたから.」 (にっこり)
「そうか…….」

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