「竜を探して」後書き


異世界純愛ファンタジー「竜を探して」完結しました.
最後まで読んでくださってありがとうございます.

この小説のテーマは恋愛です.
ただひたすら恋愛のみです.
途中でクランが中央突破だの背面展開だの言っていますが,気にしないでください.
なんせ別名「サラとセイのいちゃいちゃファンタジー」ですから!

何があっても自分だけを愛してくれる,そんな人がいればすごく嬉しいと思いせんか?
もうそれだけで生きていける,その人が自分の傍にいてもいなくても,永遠に自分の魂は救われる,そんな気持ちがしませんか?

まぁ,セイの場合はかなり極端な例でしょうが…….
それに比べるとサラはすごく単純ですね.
ある程度予備知識があるとはいえ,わけの分からない世界に飛ばされてきて,自分を守ってくれる男に惚れる.

ただし惚れたら惚れたで,一途にむしろ頑固に自分の想いを貫く.
そして好きだから離れたくないと言う.
そして好きだから守りたい,死なせないと思う.
すごく単純明快なんですね.

しかし最後には銀竜を支配してしまうし,末恐ろしい少女です.
いや,この場合,女と表記した方が適切でしょうかね.

そして章タイトルのとおり,この小説はサラに始まり,セイに終わります.
「竜を探して」の意味,お分かりいただけたでしょうか?
求める気持ちには気付かなくても,彼はずっとそんな存在を探していたのです.

カイ帝国の宗教については詳しくは触れていませんが,宗教というのは結局のところ心のよりどころなのですね.
ラストでセイがなんとも思わずに開祖の墓を暴くことができるのはサラのためです.
宗教などに頼らなくても,彼には別のよりどころがあるからなんです.

ガロードと水鳥について,
「心の瞳」既読の方へ……はっはっは,出てきました.やって来ました,レニベス王国まで.
「心の瞳」未読の方へ……この小説に出てきたガロード王の王子時代のお話が「心の瞳」です.こちらは少年の成長物語ですので,「竜を探して」とは少し雰囲気が異なると思います.

また「心の瞳」のイメージは満天の星空の,夜の砂漠だったのですが,この小説のイメージは暗い森の中,もしくは草原でした.
うっそうと茂った樹木に囲まれて口付けを交わすセイとサラ,果てしなく続く草原で佇む銀竜とサラ.

クランはラストで彼自身が国王になってしまいます.
本当は国王となったフィローンの傍にいたかったのでしょうが…….
権力は人間を腐敗させます,弱い心だと簡単に侵されていってしまいます.
クランはフィローンの心を守ることができなかったのですね.

ちなみにクランの名づけは王冠のクラウンからです.
セイの本名はセイラム・アイファン・カイ,意外に雅な名前です.

それでは長々とお付き合いいただき,ありがとうございました.
「竜を探して」ハッピーエンドで完結です!

柔らかい髪,暖かい頬,甘く見つめる眼差し.
ずっとお前だけを探し求めていた…….

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