差し伸べられた少年の手を取って,これが最初で最後の触れ合いだと,少女は涙を流した.


「心の瞳」


この世界は,産業革命前のヨーロッパってところかな.

君は王には逆らえないようにできているのだから…….

いつか,必ず故郷に帰してあげるよ.

私はついて行く,私の忠誠はあの方のものだからな.

その瞳に見つめられて,僕は強くなったんだ.

初めて会ったときも,そう言われた.

その瞳を見つめると,私なんだってできるような気がする.
守ってみせる,あなたもあなたの大事なこの国も…….

この少年がガロード王子.将来,彼らの王となるべき少年だ.

そうして,少年と少女は再び出会う.
もう離れないという決意を胸に秘めて…….

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