キングダム!05


大学生というものは基本的にサークルやバイトに夢中で,授業に命をかけている人は居ないと思う.
もしも居るとしても,そうゆう人は少ないと思う.

私,坂下規子は,実は少数派の方に属する.
今日もがんばって,法律のお勉強をするのだ.
いろいろな資格も取りたいし,司法試験にもチャレンジしたい.
「規子は弁護士になりたいの?」
友人からの問いかけに,私は曖昧に首を振る.
「え? だってすごい勉強してんじゃん!?」
……実はこれ,就職対策だったりする.
だって私,卒業後は結構難しいところに就職するつもりだから.

私の未来の職場は,すでに家族に紹介してある.
のん気な父と母は「まぁ,いいんじゃない.」と言ってくれているけど,意外に常識人の弟はいまだに反対をしている.
「やだよ,あいつら.何かといえば,すぐに万歳三唱するじゃん!」
私はへらっと笑って見せた.
「大丈夫,そのうち慣れるよ.」
私なんて王様と手をつないだだけで,されたもんね.

日に一回,地球と元アニマルキングダムをつなぐ,魔法の定期便は走る.
いつかこれに乗って,私は遠い異国の地へと嫁ぐのだ.

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おまけ