だから,私は…….


長い髪が好きだと言われた.
だから私は髪を染めない.
静かな落ち着いた口調が好きだと言われた.
だから私は,はしゃがない.

あなたが好きだから,あなたのために生きる.
でも,ときどき不安になるよ.

ねぇ,教えて.
私のどこが好きなの?
その口で,その声で.
私を望んで欲しい.

笑い皺をつくる,あなたの優しい目元.
聞きたくないから,そっとあなたの口元を両手で覆う.
口付けを落として,私の手の平に.
ありのままの君が好きだと勇気付けて欲しい.

だから,教えてあげないと意地悪を言うあなたの頬を軽くつねる.
答えは一つ.
たった一つだけだから.
あなたの望みのままに,私は変わるのに.

体温を感じて,耳元に.
甘く囁かれる言葉は,私には分からない.
だから,教えて.
私だけに.

「君のすべてが好きだけど,それらにこだわりは感じない.」
ほら,あなたの言うことは難しくて分からない.
だから私は背伸びをする.
あなたの頬に触れるために,あなたの心に触れるために.
でも,やんわりと止められる.
まだ,子供のままでいいのだと.

一生懸命にがんばるところが好きだと言われた.
ほんの少し抜けているところが好きだと言われた.
だから,私は…….

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