illus
Onslaught 249/350 Uncommon
Creature - Elf、Wizard 1/1
Casting Cost - 1G
TEXT -
T:クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それが選ばれたタイプのクリーチャー・カードの場合、それをあなたの手札に加える。そうでない場合、それをあなたの墓地に置く。
about Limited
デッキの中の種族が画一でないとディスアドバンテージの方が大きくなりそうなこのカード、リミテッドでの使用はどうしても厳しいものになります。
1/1という貧弱なP/Tのおかげで、基本的に、能力を使うかチャンプブロックするかの2択しかすることがありません。
ただ、一応、《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》とか《賛美されし天使/Exalted Angel》とか《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》とか「勝ちに直結するクリーチャー」がデッキに潜んでいる場合は、膠着さえさせてしまえば、こやつで一気に辿りつかせることも可能です 。(もちろん、目的のもの以外をすべて犠牲にする覚悟は必要ですが)
ちなみに私は過去3回、このクリーチャーが能力起動しているのを見たことがあります。
1度目で叫ばれた種族は、「ビースト」。デッキは赤緑でした。
相打ちと除去の後、お互いの場も手札も消耗しつくしていたため、3回くらい起動され2回ヒットして負けました。でも、このクリーチャーがオフカラー変異だったとしてもたぶん負けてたとは思いますが。
2度目は青緑。場にはとても都合の良いレア《未来予知/Future Sight》が置かれていました・・・・・・。このコンボで、2枚のドローが約束されたようなものになってしまい、さすがに負け。
(他に《全能なる者アルカニス/Arcanis the Omnipotent》と2枚の《ケンタウルスの地/Centaur Glade》が入っていたような気がします。あっという間に《ケンタウルスの地/Centaur Glade》に辿りつかれて負けてました。)
3度目は、1回目と同じく赤緑。「ビースト」と指定されましたが、その時は起動して除去がめくれてくれたおかげで勝ちました。
てなわけで、基本的にこのカード自体が強いのではないということは事実。普通ならデッキに入れるべきものではないでしょう。
強い瞬間と弱い瞬間、どっちのシチュレーションが多いかを、残りのカードから判断してみてください。
それとよくネタになってますが、こやつは一応「エルフにしてウィザード」ですので、《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》で2点砲台になります。
ですが、《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》があるからといって赤緑というデッキにこいつを入れるかというと・・・・・・僕はできればやりたくないですね。
(この観点でいくと、レギオンで上位互換ともいえる《部族の腕力魔道士/Tribal Forcemage》が存在するわけで・・・・・・)
about Constructed
このクリーチャーの特性上、ほぼ単一の種族に染められたクリーチャーデッキでなければ、アドバンテージを生み出すのは難しいでしょう。
当然、追加の条件として、緑マナが出ることと、《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》自身の種族が絡んでくるわけで。
結果的に選択肢はエルフデッキしかありません。
そういうわけで、いざ「エルフデッキ」というものを考えてみると、
《エルフのチャンピオン/Elvish Champion》を中心とした「メタ緑」のビートダウン(スタンダード風味)
マナエルフを中心に序盤で爆発的に展開して、大火力か強化スペルで一撃必殺(エクステンデッド風味)
というパターンが思いつくのですが、この両者に入れるには、《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》はどうしても中途半端な印象がぬぐえませんでした。
前者であれば、必要なものはスピードとパワーであり、そうなれば《エルフの戦士/Elvish Warrior》とか《宝石の手の徘徊者/Gempalm Strider》なんかを押しのけるのは少し難しいものがあります。
後者であれば、マナは唸るほど出るので、もっとましなドロー手段がありそうですし、環境の速さが違うのでこのカードを悠長に回している暇はなさそうです。
てなわけで、個人的にはとても構築戦での使用に足るものではないと早々にあきらめていたのですが・・・・・・。
レギオン導入後のスタンダードで登場したエルフデッキでは、完全に主役の一人となっていました。
しかも、そのデッキは、これまでのエルフデッキとはまた違った思想から作成されたものでした。
Magic Online 2003 Worlds Qualifiers TOP8
16 《森/Forest》
4 《ワイアウッドの番小屋/Wirewood Lodge》
4 《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
3 《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》
2 《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《嘲るエルフ/Taunting Elf》
4 《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》
3 《部族の腕力魔道士/Tribal Forcemage》
4 《幸運を祈る者/Wellwisher》
4 《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald》
4 《ワイアウッドの養虫人/Wirewood Hivemaster》
4 《ワイアウッドの誇り/Wirewood Pride》
2 《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》
2 《エルフの抒情詩人/Elvish Lyrist》
1 《部族の腕力魔道士/Tribal Forcemage》
3 《たい肥/Compost》
3 《クローサ流再利用/Krosan Reclamation》
4 《帰化/Naturalize》
2003 German Championship Winner
Dirk Baberowski
8 《森/Forest》
4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
4 《ワイアウッドの番小屋/Wirewood Lodge》
4 《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
2 《嘲るエルフ/Taunting Elf》
4 《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald》
4 《ワイアウッドの養虫人/Wirewood Hivemaster》
4 《幸運を祈る者/Wellwisher》
4 《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》
4 《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》
4 《ワイアウッドの誇り/Wirewood Pride》
4 《天光を求める者/Seeker of Skybreak》
1 《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》
1 《旗印/Coat of Arms》
4 《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur》
1 《山/Mountain》
4 《鋭い痛み/Flaring Pain》
1 《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》
1 《旗印/Coat of Arms》
2 《帰化/Naturalize》
2 《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》が膨大なマナを生み出すように、最近のエルフたちは仲間の分だけ巨大化したり、ライフ回復したり、虫が沸いたりと相互依存することで強力な力を発揮するようになっています。
MAGIC Onlineで開催された世界選手権予選。そのTOP8に残ったエルフ単。
そして2003年のドイツ選手権で優勝したDirk Baberowskiのデッキ。
これらはエルフ種族の持つシナジーを最大限発揮させるというアプローチを採って成功を収めました。
リミテッドではお馴染みともいえる種族シナジーですが、これを存分に生かしたデッキが、トーナメントで勝ち抜けるまでの力を持っている、というのは驚きでした。
《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》は、土地を切り詰めているこのデッキにとって、マナを使用せずタップだけで弾が補充できる貴重なドローエンジンとして機能しています。
入っているカードはほとんどエルフか土地。もともと余計な土地はいらないのですから、能力によって土地が落ちた場合はデッキが圧縮されているということになります。
ただこのデッキ、そのテーマに純粋に従っている結果、あまりにもクリーチャーの単体性能が悪すぎます。
デッキの弱い部分を引いた場合の戦闘力は皆無に等しいですし、キークリーチャーのほとんどがタフネス1.序盤の《激発/Violent Eruption》、《めった切り/Slice and Dice》サイクリングで戦線が壊滅してしまう可能性は否定できません。
もちろんその分、青緑など除去能力の薄いデッキに対しては、《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》《幸運を祈る者/Wellwisher》といったシステムクリーチャーが唸りを上げて活躍するという面もあるのですけれど。
非常にメタゲームに左右されるわけで、使用する際にはある程度の見切りが必要でしょう。
about Illustration
Rebeccaといえば天使もしくはエルフ。
最近あまり登場しなくなった天使にくらべ、オンスロートでも2枚のエルフが登場し、着々と勢力を拡大しています。
これまでたくさんのエルフを世に送り出しているわりに、トーナメントで使われた実績があるのは、《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》と《エルフの抒情詩人/Elvish Lyrist》、百歩譲って(《土地譲渡/Land Grant》が出てくる前)《ウッド・エルフ/Wood Elves》くらいだったのですが、ここにきてスタンダードのエルフデッキのおかげでオンスロートの2種の姿もトーナメントでちょくちょく見受けられるようになりそうです。
この波がエクステンデッドに波及するかどうかは微妙なところですが、いつかRebeccaエルフ単が組める日が来るかもしれません。
(強さを無視すれば今でも無理ではないですけどね)
Postscript
初めてUPしたときは、とてもトーナメントでの使用に足るクリーチャーとは思っていなかったため、全く別内容を掲載していました。
が、MO世界選手権だけであればともかく、ドイツ選手権の優勝ともなると、さすがにネタとして噛み合わないため、全面改稿しました。
それにしてもこのデッキ、非常にリミテッド風味で、こういうアプローチのエルフデッキというのが登場したことは非常に興味深いですね。
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