- about Rebecca Guay Illustrations -

《用心深い殉教者/Vigilant Martyr》
2004/8/27(Fri)
 illus
 Mirage Uncommon
 Creature - Martyr
 Casting Cost - W
 P/T - 1/1
 TEXT -
 《用心深い殉教者/Vigilant Martyr》を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とし、それを再生する。
 WW,T,《用心深い殉教者/Vigilant Martyr》を生け贄に捧げる:場に出ているエンチャント1つを対象とする呪文1つを対象とし、それを打ち消す。


about Constructed

 このカードがスタンダードリーガルだった当時、白ウィニーデッキはこんな感じでありました。

 たくさん並べて《十字軍/Crusade》の時代。
 2ターン目生物、3ターン目《浄火の鎧/Empyrial Armor》の時代。

 どちらであっても、デッキの勝ち手段としてエンチャントが使用されていることに変わりはありません。
 改めて見てみると、クリーチャーもエンチャントも守ることのできるこのカード、活躍する機会もあったのではないかと思うのですが、当時の僕自身、かなり白ウィニーをプレイした割にまったく眼中になかったのは事実。
 さらに記憶を探ってみると。

 《十字軍/Crusade》時代は、1マナといえば《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》が磐石の地位を確保。
 《浄火の鎧/Empyrial Armor》は、所詮エンチャントクリーチャー。当然のことながら、こちらには見向きもしません。
 しっかりと効率重視、元を絶つ方向で対策されたわけです。曰く《大クラゲ/Man-'O-War》、曰く《ネクラタル/Nekrataal》。《解呪/Disenchant》されるよりも、こやつらに無理矢理剥がされる方がはるかに多かったわけで、当然こっちの能力は発揮のし甲斐がない、と。
(ちなみにこの頃、白であれば《解呪/Disenchant》はメイン。いつからメインから抜けるようになったんだろう・・・・・・というのはまた別の話)。

 うーん・・・・・・。

 そして、もう1つ、白ウィニーを語るには避けて通れない天敵の存在が圧し掛かってきます。
 同じくミラージュで生み出された凶悪システムクリーチャー、《農芸師ギルドの魔道士/Granger Guildmage》。
 テンペストの登場で猛威を奮った、5CG《貿易風ライダー/Tradewind Rider》デッキの中核として活躍したこのカード、1ターン目に出てくるだけで、白ウィニーの動きは大幅に制限され、正直「ほとんど負け」でした。
 他に《大クラゲ/Man-'O-War》はある、《ハルマゲドン/Armageddon》もあまり利かない、とあまりに相性が散々だった為、ストロングホールド以降、次第に白も多色化の道を進むことになります。
 クリーチャーも最低限必要な《サルタリーの使者/Soltari Emissary》《サルタリーの修道士/Soltari Monk》以外は、タフネス2を維持するような構成になっていきます。
 さらに、ただでさえ、白は2マナ域が充実していたことも逆風。
 結果、そもそも1マナのクリーチャーに割くスロット自体がほとんどなくなっていました。
 次のエクソダス環境となると、《適者生存/Survival of the Fittest》《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》《ドルイドの誓い/Oath of Druids》《禁止/Forbid》と強力カード目白押しでメタゲームが激変。しかも1マナ1/1として《魂の管理人/Soul Warden》が登場した段階で投了です。

 やはり、使わなかったのには相応の理由があるわけでした・・・・・・。

 せっかくなので、5th-MI-VI-WL-TE-ST-EX時代の白ウィニー。(このときの優勝はブライアン・セルダンの「Nightmare/Survival」デッキ)

[White Winny] - Brian Hacker - World 1998 TOP8
 17《平地/Plains》

 3 《コーの遊牧民/Nomads en-Kor》
 4 《魂の管理人/Soul Warden》
 4 《白騎士/White Knight》
 4 《コーの戦士/Warrior en-Kor》
 4 《サルタリーの修道士/Soltari Monk》
 4 《サルタリーの僧侶/Soltari Priest》
 3 《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》
 1 《サルタリーの幻想家/Soltari Visionary》

 4 《税収/Tithe》
 3 《解呪/Disenchant》
 4 《浄火の鎧/Empyrial Armor》
 4 《大変動/Cataclysm》
 1 《沈黙のオーラ/Aura of Silence》

 3 《中断/Abeyance》
 3 《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
 3 《呪われた巻物/Cursed Scroll》
 3 《魂の絆/Spirit Link》
 1 《解呪/Disenchant》
 2 《ハルマゲドン/Armageddon》

about Limited

 1マナ1/1、3マナ2/2、5マナ3/3。

 といえば、クリーチャーの基準サイズ。
 が、実際、こんな感じのバニラクリーチャー(※)がリミテッドで使用されることはほとんどありません。
 基準、というだけあって、ほとんどのカードはこれらになしかしらのアレンジが加えられています。アレンジ=強化となるわけですから、このレベルは正直なところ「デッキに入れたくない」最低基準のものというわけですね。
 で、その基準値の中から、今回のお題がお題だけに、1マナ1/1に絞ってみましょう。
 そもそも1/1という生物、基本的にこれより弱いモノが出てこないため、戦闘でカードアドバンテージは取れません(当たり前ですが、最低でも1:1)。  結果、初手に引いても所詮数点、引かなければただのチャンプブロッカーという運命しか待っていないわけです。カードアドバンテージの観点からは、致命的とも言える効率の悪さですね。

 しかも、ただでさえ貧弱なくせに、使用する段になると1マナ1/1は結構インパクトがある存在なのです。
 何せ、初手に来ていれば一番最初に登場させざるをえないわけで、そのおかげで、明らかに弱いカードが出てくると、それがそのまま相手の印象に直結してしまう羽目になります。

 例えば、初対面の相手に、1ターン目《電結の働き手/Arcbound Worker》を出されるのと、《マイアの月帯び/Myr Moonvessel》を出されるのとで、どれだけ気持ちに違いがでるかという話ですね。(僕は後者であれば正直ほっとします、そんなもんです)

 実際、リミテッドで1マナ域の生物は別に必要ではありません。2マナ域がしっかりしていれば序盤に出遅れすぎることはないので、特にリミテッドに不慣れだと思う人は、1マナ1/1を入れようと思ったとき、その強さについてちょっと考え直してみるのもいいんじゃないかと思います。

 ちなみに《用心深い殉教者/Vigilant Martyr》の場合は、入れても問題ない、程度ですか。
 便利なシチュレーションはあると思いますが、取ったから必ず入れるというレベルではありませんね。


※カードテキスト欄にフレーバーしか書かれていない、まったく他の能力を持たないクリーチャーのこと。
 例としては2マナ2/2の《灰色熊/Grizzly Bears》。
 別にバニラ=弱いわけではなく、あくまでマナコストとパワー/タフネスの兼ね合いです。

(文中からすると、デュエルをしている上でまったく関係のない能力を持っている場合も、意味合いは同じです。装備のないデッキに入っている《オーリオックの長刀使い/Auriok Glaivemaster》は、実質「バニラ」)


about Illustation

 ミラージュのRebecca画は、どうも趣が違うと思っていたのですけれども、改めて見てみると、《聖なる報復者アズマイラ/Asmira, Holy Avenger》と《記憶の欠落/Memory Lapse》が手抜きっぽいイメージ違うだけのような気がしてきました。
 《用心深い殉教者/Vigilant Martyr》については「男を描いている」のがアレなだけで決して他と違うということはないみたいです。
 ・・・・・・じーっと観ていたら、《聖なる報復者アズマイラ/Asmira, Holy Avenger》と同じように背景が気になってきます。何かの口?に見えなくもなく、もない。


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