藤井聡太叡王防衛記念 子ども将棋大会 結果報告

6月18日(土) 北野天満宮文道会館

 Aクラス(有段者)32名、Bクラス(級位者)32名の計64名にて開催されました。
 以下の方が入賞されました、おめでとうございます。

 [Aクラス(有段者)] 
優勝 谷口 泰斗
準優勝 木村 晴悠
三位 加藤 陽翔、志摩 樹


 [Bクラス(級位者)] 
優勝 松本 圭右
準優勝 粂 官次郎
三位 遠山 寛太、松岡 輝真

 新型コロナウイルスの影響で休止になっていた北野天満宮での子ども将棋大会を、本年は無事に開催することができました。さらに今回は、見事、叡王を防衛された藤井聡太叡王をゲストにお迎えすることができ、記念すべき大会となりました。

 将棋にゆかりの深い北野天満宮が舞台、さらに表彰式には藤井叡王がいらっしゃるといういつもとは違う雰囲気の中、子どもたちは精一杯の勝負を繰り広げました。感染症対策のため、保護者のみなさまにはテラスから観戦していただくようにしておりましたが、負けても勝っても晴れやかな表情で保護者のところへ報告に行く子どもたちの表情が印象的でした。

 表彰式では、一人一人に藤井叡王から賞状を授与していただき、その後は子どもたちから叡王への質問の時間を設けました。「苦手な戦法は?」「負けそうな時は?」と忌憚のない質問を叡王にぶつける子どもたちの様子に、取材に訪れたたくさんの報道陣も大笑い。当の藤井叡王は苦笑い…という楽しいひと時でした。

 「将棋をやめたくなったことは」という質問に対して叡王は、「負けた時はもちろん悔しい気持ちだが、それでも将棋はおもしろい。やめたくなったことはない」と、静かに、そして力強く答えられました。子どもたちそれぞれに、何かをつかんでいることでしょう。

 本大会の開催にあたっては、いつにも増して多くの皆様にご協力をいただきました。深く感謝申し上げます。

 


「第7期叡王 藤井聡太 祝賀会」京都 
          
                    京都府支部連合会会長 廣田長己

 六月十八日(土)夕刻、ホテルオークラ京都に百人を越える参加者が集いました。その視線が会場後方の扉に集まります。第7期叡王の防衛に成功した藤井聡太五冠の入場です。「叡王」というタイトルを防衛することに成功したのは藤井叡王が初めてとのこと。藤井叡王が会場の後方を巡る形で壇上に着きました。確か藤井叡王の誕生日は七月十九日、二十歳の節目を一ヶ月後に控えた若者の初々しさの中に王者の風格を纏い始めている姿に、参加者一同の感嘆とお祝いの心がこもった拍手が起こりました。
 壇上には来賓の方々に向かい合う形で藤井叡王が着席、いよいよ祝賀会の始まりです。四人の来賓のお祝いの言葉が始まりました。中でも印象に残ったあいさつは主催の日本将棋連盟の井上慶太常務理事。今回の第7期叡王戦の対戦相手であった出口若武六段の師匠でもあることから、藤井叡王への敬意をこめたお祝いの言葉に弟子愛あふれる言葉を織り交ぜて軽妙な言葉で述べられました。あたかも鮮やかな将棋の指し回しを見る思いでした。魅せられました。そして、もうお一人は、京都での叡王戦第五局開催にあたり大きな力を寄せていただいた月桂冠株式会社の大倉治彦社長です。井上常務理事と個人的な親交をお持ちで将棋有段者でもある大倉社長は、今回の京都開催のスポンサーを快く引き受けていただきました。藤井叡王の3連勝で第五局の開催地であった京都での対戦が見られなかったのは残念でしたが、大倉社長の心からのお祝いの言葉とまた京都でタイトル戦があればまた力添えをしたいという力強い言葉に感動と感謝があります。
 パーティへ参加されていた女性からの花束の贈呈の後は藤井叡王の謝辞となりました。その静かな落ち着いた語り口調に会場が静まり返ります。関係者や祝賀会参加者への謝辞に始まり、今棋戦を謙虚に振り返り、挑戦者の出口六段をリスペクトする姿勢に棋力の充実と人格の高まりを感じずにはいられません。また、今回第五局の開催地に予定されていた菅原道真公をお祀りした「北野天満宮」に日中参拝された折、「将棋にもゆかりのある北野天満宮に今後対局でうかがう機会を持ちたい」と話されました。「北野の天神さん」と京都だけでなく全国の受験生に愛称され親しまれる北野天満宮を地元とする私にとって嬉しい限りでした。また、学問・芸能の神様の御前で更なる上達を願われたのだと思います。藤井叡王の更なる上達と高みを目指す姿勢に感動せざるを得ません。
 次は北野天満宮の門前町にある「上七軒(かみしちけん)」の「上七軒歌舞会」の方々が登壇されました。藤井叡王の防衛を祝して祝舞(しゅくまい)が二舞披露されました。上七軒は京都五花街の一つです。京都ならではの演出に遠方よりお越しになられた皆様も目を細めておられました。華やかで艶やかな舞台にお祝いの雰囲気も最高潮となりました。
 いよいよ祝宴の始まりです。乾杯の御発声は月桂冠の大倉社長。乾杯に供されたお酒はもちろん月桂冠の美酒です。今夜のうれしい時間を彩るおいしさです。その後は和やかな祝宴が続きました。途中、叡王戦五番勝負の振り返りの大盤解説が藤井叡王と井上常務理事のお二人によって始まりました。今まで盛り上がりを見せていた会場が静まり返り、二人の楽しいやりとりと、鋭い分析に聞き入ります。棋戦当日では気がつかなかった手順や解説、また藤井叡王の感じていたことなどを知ることができ、参加者の誰もがこの祝賀会に参加して本当に良かったと思ったのではないでしょうか。
 楽しい時間は早く過ぎるもの、藤井叡王を見送り、この宴も終わりを迎えました。主催の不二家様、協賛の月桂冠様からの素敵なお土産とともに、藤井叡王の力強い筆で「新」と書かれた色紙をいただきました。ああ、藤井叡王はこれからどんな「新(あら)た」を私たちに見せてくれるのだろう。新手、新手順、新六冠の誕生、新たな最年少記録、新しい人生のステージ等々想像は膨らみます。藤井叡王の「新」は私たちの愛する将棋のを新しい発展を意味しています。これからどんな「新(あら)た」で私たちを魅せてくれるのか、今はじっと見守り待ちたいと思います。夢を共にするあらゆる関係者の皆様へ感謝致しています。ありがとうございました。

 


2022年07月06日