子 欲 居 日 記

ある日韓政治比較論

2006年12月25日


 韓国(朝鮮)が日本に植民地化されたのは、当時の韓国(朝鮮)政府の政治が悪かったからだという見解がある。確かに、時の李朝政府は腐敗を極めていた。一方、日本の方は、徳川幕府が倒され、明治維新が成功し、植民地化の危機からは脱した。しかし、その後、日本がアジア侵略に転じ、韓国(朝鮮)を植民地にしたのは、もっと悪い政治の結果であった。結果として、日本はほぼ全世界を相手に戦って敗北して、焼け野原となった。

 先日、ある人の「講演」を聞いた。その人は、江戸末期から明治初期にかけてのヨーロッパ人の観察を借りて、当時の韓国(朝鮮)人に対する日本人の勤勉性を上げ、それをヨーロッパ人の言を借りてであるが、両国の政治の違いに求められた。つまり、この両国民の差は、当時の日本の政治が腐敗していなにの対し、韓国(朝鮮)の政治は腐敗していたからだという。
 しかし、現在の韓国人は、留学先でもよく勉強するといい、その人は現在の韓国の政治の良さを賞賛された。それに対し、日本人の留学生、特に男性は全然勉強しないという。その人はそこまでは踏み込まれなかったが、やはりこの両者の違いは、現在の日韓両国の政治の善し悪しの差にあるのであろうか?韓国人がよく勉強するのに、日本人が勉強しないというのは、現在の韓国の政治が善いのに対し、日本の政治が悪いからであろうか?

 確かに、現在の日本と韓国を比べたら、韓国の政治の善さは、日本をはるかにしのいでいる。民主主義という面でも、韓国の方が、いつの間にか、退行する日本を追い越しているように思えるし、外交面では、両国の差は歴然である。日本が、北朝鮮のみならず、過去の歴史認識の問題から、中韓両国とも対立を深めアジアの中で孤立し、ますます対米従属度を深めているのに対し、韓国は中国と関係を強め、北朝鮮に対しても交流を深め、ほぼ対米従属状態から脱しようととしている。それを象徴するかのように、今度、韓国のパン・ギムン元外交通商相が、ほぼ40年ぶりのアジア出身の国連事務総長に就任する。それに当たっても、中国は積極的に支持をしたし、北朝鮮も反対はしなかった。しかし、これが「日本人の国連事務総長」となると、そうは行かないだろう。実際、はなから、そんな話自体が出て来ないが。

 その人の「講演」の趣旨自体はともかくとして、筆者としては身につまされる話であった。



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