子 欲 居 日 記

日本の伝統とは何か? 

(新教育基本法成立に思う)


2006年12月20日


 先日、新教育基本法が国会を通過した。とりわけ、その中のいわゆる「愛国心」条項が問題となっている。すなわち、同法第1章「教育の目的及び理念」の第1条(教育の目的)の5「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」である。
 しかし、日本の「伝統と文化」などというが、筆者など何度も言ってきたことだが、その大部分は中国に起源しており、日本独自というものはほとんど無い。つまり、日本の「伝統と文化を尊重」するとは、文化の起源地である中国や、その中国文化の列島への伝播に多大な役割を果たした韓国・朝鮮などのアジア隣国を愛し、尊重するということであり、そう考えてはじめて、「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」という文言が生きるのである。
 もちろん、日本の中には、日本の「伝統と文化」は、狭い「我が国と郷土」だけで「はぐくんできた」ものだなどと思い上がっているものもいるが、これは全く歴史事実に反する謬論である。我が日本の伝統と文化というものは、長期にわたる中国、韓国・朝鮮などアジア隣国との相互交流の中ではじめて誕生し、はぐくまれてきたものである。この認識の中でこそ、初めて本当に日本を愛する心も育成されるのである。
 筆者などは、一部の人に言わせると、「右翼」らしいから、愛国心自体は別に否定しない。この際、はっきり言えば、中国や韓国・朝鮮などアジア隣国を蔑視し、尊重しないものが、口で「愛国心」を言っても、実際には売国的な行動を取って、日本の国益を損なうことは、前の小泉総理の例を見ても明らかであろう。



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