掲載内容一覧_2 ”健康づくりメモ” (2016年~2020年)

  健康づくりに役立つと思われる事柄を毎月定期的に掲載しています

 [ 2020年 ]

 □ 2020年3月 → ”灸の効用”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_灸法33項を抜粋して記載しています。~
   人の体に灸をするのは、如何なる理由からだろうか?
   人間が生きているのは、天地の元気を受けてそれを根本にしているからである。
   元気は陽気であり、陽気は暖かで火に属している。また、陽気は良く万物を生成する。
   ところで、陰血もまた元気から生じる。元気が不足して停滞して巡らないと、気が減って
   病気になってしまう。血も同じように減ってくる。
   それゆえに、火気をかりて陽を助け、元気を補うと陽気が発生して強くなり、脾胃が調整
   されて食が進み、気血が良く循環し、飲食が滞らないことで、陰邪の気が去るといわれる。
   これが灸の効力で、陽を助けて気血を盛んにすることが病気を回復させる所以であろう。


 □ 2020年2月 → ”鍼の効用”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_鍼31項を抜粋して記載しています。~
   鍼は、気血の滞りを循環させて、腹中の停滞を散らし、手足の頑固な痺れを取り除く効用がある。
   また、外に気を漏らし、内に気を巡らせ、上下左右に気を誘導する。
   積滞(シャクタイ:→未消化物の停滞)や腹痛などの急病に用いると、薬や灸よりも即効性があり、
   回復に導く。
   ただし、症状がない状態で、鍼を刺すと、かえって元気を減らしてしまう。
   ゆえに、鍼に瀉(シャ:→からだの外に流れ出す)あって補(ホ:→不足をおぎなう)なしという。
   鍼を刺して滞りを解消し、気を巡らせて塞がらぬようにすれば、その後は食補も薬補もし易くなる。
   皇帝内経(中国最古の医学書)に鍼を刺してはいけない身体の状態は、盛んなる熱を帯びている、
   脈を打っている、滴るような汗をかいている、大いに疲れている、大いに空腹、喉が渇いている、
   大いに満腹、非常に驚いているときとある。
   さらに、入浴してすぐに鍼をしてはいけない。酒に酔ったとき、また、食べ終わって満腹状態のとき
   すぐに鍼は禁物である。
   鍼医も病人もこれらの事を知って対処すべきである。
   鍼を用いて生じる利害は、薬や灸よりも速やかに現れる。
   ゆえに、良くその利と害とを知っておくべきである。
   強く刺してひどく痛む鍼は良くない。また、上記の禁戒をおかすと気が減り、気が頭にのぼり、
   気が動いて、早く病気を治そうとして、かえって病気が加わる。
   これは、良くしようとして悪くすることである。大いに慎むべきである。


 □ 2020年1月 → ”三分の飢えと寒を与えよ”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_育幼28項を抜粋して記載しています~
   小児を育てるには三分の飢えと寒とを存することが良い、と古人が言う。
   その意味は、子供には少し空腹がらせ、少し寒い思いをさせるが良いということである。
   子供だけではなく、大人もこうあるべきである。
   子供に美味な食物を飽きるほど食べさせ、上等の着物を厚着させて暖め過ぎることは、後に
   大きな禍になる。
   俗人と婦人とは理に暗くて子を養育する道を知らない。
   ただ腹一杯美味な食物を与え、着物を厚く着せて暖め過ぎるので、子供はかならず多病になる。
   或いは短命になる。
   貧家の子供は衣食ともに乏しいので、かえって病気に罹らず長命である。



 [ 2019年 ]

 □ 2019年12月 → ”世俗から去る”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_養老25項を抜粋して記載しています~
   朝は静かな部屋に安座し、香を焚いて、聖人の経書を少し読誦し、心を清め
   俗念を取り去るが良い。
   道が乾いて風が無い時は、庭に出てゆっくりと緩やかに歩いて、草木を愛玩し、
   その時の風景を鑑賞するが良い。
   部屋に帰ってきてからも、閑人として楽なことをすれば良い。
   時には、机や硯の埃を払い、席上や階下の塵を掃除するが良い。
   いつもぼんやり坐ったり、横になって眠ったりしてはいけない。
   また、世俗と広く交際してはいけない。老人には負担になるものだ。


 □ 2019年11月 → ”老人の養生&徳行”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_養老6項を抜粋して記載しています~
   老人の保養は何よりも元気を惜しんで気を減らさないことである。
   呼吸を静かにして荒くしてはいけない。話もゆっくりして早口ではいけない。
   言葉も少なくし、起居、歩行も静かにするが良い。
   荒々しい言葉で、早口で、声高く張り上げて言うことはいけない。
   怒らず憂うることなく、過ぎ去った人の過失を咎めてはいけない。
   また、自分の過ちを幾度も後悔しないが良い。
   人の無礼で我儘な無理押しを怒り恨んではならない。
   これもみな老人の養生の道である。と同時に老人の徳行、慎みでもある。


 □ 2019年10月 → ”晩年の節度を保つ”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_養老5項を抜粋して記載しています~
   老いて子に養われている人が、若い時から一緒に居るとかえって怒りやすく、欲深く、
   子を責め、人を咎めて、晩節の節度を保たないで、心を乱す人が多い。
   自ら慎んで怒りと欲とを我慢し、晩年の節度を保ち、物事に寛大で、子供の親不孝を責めず、
   いつも楽しんで残った年月を送るが良い。これは老後の境遇に応じた生き方であろう。
   孔子は、年をとり血気が衰えたならば、ものを得ようとする心はいけないと戒められた。
   聖人の言葉は畏れて大切にすべきである。
   世間では、若い時は慎んで節度を守る人がいる。が、老後になるとかえって多欲になり、
   怒りや恨みが多くなり、晩年になって節度を失う人が多い。心得ておかなければならない。


 □ 2019年9月 → ”老人は雑事を避けよ”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第八_養老3項を抜粋して記載しています~
   老いの身は余命も長いことではないと思いやすいので、心配事が若い時の内容と違ってくる。
   心を静かに、雑事を少なくし、人との交際も少なくすることが、老人に適している。
   これらは、老人の気を養う道である。


 □ 2019年8月 → ”薬湯・丸薬・散薬の用い方”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬32項を抜粋して記載しています~
   薬を服用する際に、五臓・手足に達せしめるには薬湯を用い、胃の中に留めて置くときは
   散薬を用い、下部の病気には丸薬が良い。
   急速の病気には薬湯が良く、ゆるやかな病気には散薬が良い。
   もっとゆるやかな病気には丸薬が良い。
   食傷・腹痛などの急病には煎湯を使う。また散薬も良い。丸薬は効き目が遅い。
   もし、使用するならば、細かく噛み砕いて使うのが良い。


 □ 2019年7月 → ”薬の良否”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬9項を抜粋して記載しています~
   薬屋の薬に良い薬とそうでないもの、本物と偽物がある。
   注意して選ばないといけない。性の悪い薬と偽薬とを使用してはならない。
   また、薬の良し悪しに配慮しなければならない。
   その病気に適した処方であっても、薬性が悪ければ効果はない。
   さらに、薬の製法に気を付けるが良い。
   薬性がいかに良くても、製法を誤っていれば無駄になる。
   たとえば、食べ物もその土地によって、また時節によって味が変わるように、
   良い材料も料理が下手であれば美味でなく、食べられないようなものである。
   ゆえに、薬は薬性の良いものを選び、その製法は慎重に正確を期さなければならない。


 □ 2019年6月 → ”衛生の道ありて長生きの薬なし”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬8項を抜粋して記載しています~
   丘処機(別名:長春子、金時代の道士)が、「衛生の道ありて長生きの薬なし」といったのは、
   養生の道はあるけれども、生まれついていない寿命を長く保たせる薬はないという意味である。
   養生とはただ生まれついた寿命を良く保つ道である。
   昔の人も術者に誑かされて、長生きの薬というものを使用した人が多いが、その効果は何もなく、
   かえって薬毒に傷つけられた人がいる。これは長生きの薬などがない証拠である。
   長い間苦労して長寿の薬として飲んでも無益である。信じてはならぬ。
   内欲を制し、外邪を防ぎ、起居振舞を慎み、運動と休息とを適時にすれば、生まれついた寿命を
   保つことができるであろう。
   丘処機の説は千古の迷信を破ったものである。この説は大いに信ずるがよい。
   およそ疑うべきことを疑って、信ずべきことを信ずるのは迷信をなくす道である。


 □ 2019年5月 → ”自然治癒”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬6項を抜粋して記載しています~
   薬を飲まないでも自然に治る病気は多い。
   これを知らないで、むやみに薬を使い、その薬に当てられて病気を酷くし、食欲をなくして
   長く回復しないで死んでしまうことも少なくない。
   薬を使用することは慎重でなければならない。


 □ 2019年4月 → ”薬より食の大切さ”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬5項を抜粋して記載しています~
   脾胃を養うには、穀類と肉類を食べておけば良い。薬は気を偏らせるものであるから常用しては
   いけない。
   上等の薬であっても、病気に合わないと胃の気の循環を悪くし、かえって病気を引き起こし、食欲を
   無くして害になる。まして攻撃の荒く強い薬が病気に適しないときは、元気を減らすことになる。
   病気のないときには、ただ穀類と肉類を採ることが良い。
   古人は、「薬補は食補にしかず」といっている。
   高齢者はとくに食生活に心掛けて、薬はやむを得ないときに限り服用するべきである。


 □ 2019年3月 → ”良医の投薬”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬4項を抜粋して記載しています~
   良医が薬を使用するときは、臨機応変に病人の寒熱虚実の時機に応じて行う。
   一つの方法に捉われない。例えて言えば、戦上手な大将が、敵に対して巧みに変化に応じるような
   ものである。前もって、戦法を定めておくわけにはいかない。
   とは言っても、古い方法を熟知し、その力も知っていて、現在にしたがい、変化に応じるのが良い。
   古法を知らないで、ただ今の変化に応じようとしても、基本がなくては上手に応じられない。
   「故きを温ねて新しきを知る」のは良医である。


 □ 2019年2月 → ”用薬”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第七_用薬1項を抜粋して記載しています~
   医者には上中下の3種がある。
   上医は病気を知り、脈を知り、薬を知っている。
   この三知をもって病気を治療して大いに社会に貢献する。
   下医はこの三知の能力をもっていない。むやみに投薬して誤診することが多い。
   薬は身体の補瀉寒熱(ほしゃかんねつ)のバランスを調えるものであり、薬用人参のような高価な
   薬をむやみに使用してはいけない。高価な薬でもその病気に適応するか否かで良薬にもなれば、
   毒薬にもなる。病気に適応しないものは、益がないばかりでなく有害になる。
   中医は上医に知識は及ばないものの薬をむやみに用いてはいけないことを知っている。
   それゆえに病気に適応しない薬は決して与えない。これは下医がむやみに薬を使用して人を損なう
   よりは良い。
   病気に罹ったときに、もし良医がいなければ、やぶ医者の薬を服用して身体を痛めてはいけない。
   保養に心掛けて、やたらに薬を用いないで、病気が自然に治るのを待つが良い。こうすれば、
   薬毒に当たることなく、早く治る病気が多い。
   死ぬことが定まっている病気は薬をいかに用いても回復しない。
   世間では病気に罹ると早く良くなろうとして、医者の良否を選ばないで、やぶ医者の薬をしきりに
   飲んで、かえって身体を損ねてしまう。これは、いかにも身体を愛しているようだが、実は身体を
   粗末に扱って害しているのである。
   薬を飲むということは、慎重にして畏れなければならない。


 □ 2019年1月 → ”他医を悪く言わない事”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第六_択医55項を抜粋して記載しています~
   自分より前に病人に投薬した医者の治療が仮に誤っていても、前医を謗って自分の医術を誇示
   するのは小人の悪い癖である。また、医道の本意でもない。その根性が卑しい。
   聞く人に軽蔑されることになり見苦しい。



 [ 2018年 ]

 □ 2018年12月 → ”医者の志”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第六_択医40項を抜粋して記載しています~
   医者になろうとする人は、先ず志を立て、広く人を救済するのに誠心誠意を主として、
   病人の貴賤にかかわりなく治療しなければならない。これこそ医者となるものの本意である。
   医道を明らかにし、医術に通じると、無理に人にへつらい、世間に求めずとも、おのずから
   人に慕われ尊敬されて、限りなく幸福になるであろう。
   もし、自分の利益のみ追い求めるだけで人を救う気持ちがなかったならば、医は仁術の本意を
   失って、天道・神明のおかげもないであろう。


 □ 2018年11月 → ”医術の心得”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第六_択医37項を抜粋して記載しています~
   医者でなくても、薬の知識をもっていると自らの養生にも人助けにも役立つものである。
   とはいえ、医療を上手にこなすには医学を専門に学ぶ本業にならなければできにくい。
   そのため、自分で医薬を使うよりは、良医を選んで任すべきである。
   医学生でもないものが、大まかに自分で薬を使うことは危険である。
   ただ、大まかに医術を知り、医者の良否を選び、薬草を弁別し、薬の性質や毒になるかを知り、
   治療書を読んで、日常の場で薬を調合したり、医者の来ないときに急病に対処したり、無医村や
   旅行中でちょっとした病気を治療するのは、自分の養生にはもちろん、人を助けるのに有益で
   あるから、少しでも心得ておくことが良いであろう。
   医術を知らないでいることは、医者の良否をもわからず、ただ世間にもてはやされている人を
   良医と思い、流行らない医者を悪医とみるのである。
   医者の良否を知らないで、やぶ医者に父母の命を任せ、また自分の身体を任せて、誤診されて
   死んだ例は世間に少なくない。恐ろしいことである。


 □ 2018年10月 → ”良医を選ぶ”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第六_択医29項を抜粋して記載しています~
   保養の道は自分で病気にならないように注意することは当然として、もし、病気になったとき
   には良医を選ぶことである。
   かけがえのない父母の身体や自分の身体をやぶ医者に任せるのは危険である。
   医者の良し悪しを知らないで、父母や子や孫が病気をしたときにやぶ医者に任せるのは、
   父母には不幸、子、孫には不慈悲といわれるであろう。
   医者を選ぶには、自分が医療について十分に知らなくても、医術の大意を知っていれば、
   医者の良否はわかるものである。


 □ 2018年9月 → ”湿気に注意”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第六_慎病7項を抜粋して記載しています~
   病人は養生の道を厳格に守って、病気のことをくよくよ考えてはいけない。
   憂鬱になれば気が循環しないで病気が重くなる。
   重症でも気長に良く養生すれば、案外早く回復するものだ。病気を心配しても無益である。
   ただ養生の道に従って慎むことがよい。
   万一、死に至る病気ならば、天命の定めることであるから、憂いても益はない。
   どうにもならぬことで人を苦しめるのは愚かである。


 □ 2018年8月 → ”養生を守ってくよくよしない”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第六_慎病7項を抜粋して記載しています~
   病人は養生の道を厳格に守って、病気のことをくよくよ考えてはいけない。
   憂鬱になれば気が循環しないで病気が重くなる。
   重症でも気長に良く養生すれば、案外早く回復するものだ。病気を心配しても無益である。
   ただ養生の道に従って慎むことがよい。
   万一、死に至る病気ならば、天命の定めることであるから、憂いても益はない。
   どうにもならぬことで人を苦しめるのは愚かである。


 □ 2018年7月 → ”季節と朝起き”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第五_五官29項を抜粋して記載しています~
   寒い時期は遅く起きて、暑い時期は早く起きるのが良い。
   いかに暑い時期でも風に当たって寝てはいけない。眠っているうちに風に当たってはいけない。
   また、扇であおがせてもいけないのである。


 □ 2018年6月 → ”導引”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第五_五官10項を抜粋して記載しています~
   人の心は、常に平静で居ることが望ましい。
   それに反して、身体はいつも動かしている方がよい。
   一日中、安座していると病気にかかりやすい。
   長い間立ったり、長時間歩いたりすることよりも、長時間寝ていたり、座っている方が
   大いに害になるものだ。


 □ 2018年5月 → ”正座”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第五_五官4項を抜粋して記載しています~
   座る時は正座をするべきである。かたよってはいけない。
   休息している時はあぐらをかいても良い。
   膝を屈めているのは良くない。
   ときどき椅子に腰かけることは、気がよく巡って健康に良い。


 □ 2018年4月 → ”部屋は南向き”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第五_五官2項を抜粋して記載しています~
   いつも居る部屋は、南向きで戸に近く明るいところが良い。
   陰鬱で薄暗いところに常に居ては気をふさいでしまうのでいけない。
   また、光が強く明るすぎる場所も精神をおちつかせないのでいけない。
   明と暗とが相半ばしたところが良い。明るいときは簾をおろし、暗いときには簾を上げれば良い。


 □ 2018年3月 → ”色欲の自制”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第四_慎色欲61項を抜粋して記載しています~
   養生の道は、腎を養うことを重んじることである。腎を養うことは、薬をたよりにしてはいけない。
   ただ、精気を保って、腎気を整えて動かさないようにするのが良い。
   血気が盛んであるのを頼んで、色欲を慎まないと、必ず礼法に背いて法を犯し、恥をかいて面目を
   失うことがある。あとで後悔しても無意味である。後悔しないように礼法をかたく守るのが良い。
   精気を浪費し、元気を減らすのは寿命を短くするもとである。大いに慎まなければならない。
   飲食の欲と男女の色欲とは人間の大欲である。それゆえ、ついつい自制できなくなりやすいので、
   このふたつの欲には特に注意しなければならない。


 □ 2018年2月 → ”酒は天の美禄”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第四_飲酒44項を抜粋して記載しています~
   酒は天から与えられた美禄(有難い贈り物)である。ほどよく飲めば陽気を助け、血気をやわらげて
   食物の消化を良くし、心配事を取り去り、興を生じてたいそう利益になる。
   ところが、多く飲むと人を害する。たとえて言えば、水や火は人間を良く助けるが、同時に災いを
   もたらすようなものである。
   人の病いは酒害によって生じるものが多い。酒を多く飲んで飯を少なくする人は短命である。
   多く飲むと天からの美禄もかえって身を滅ぼすことになる。悲しいことである。


 □ 2018年1月 → ”少食の効用”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第三_飲食上58項を抜粋して記載しています~
   食べることが少ないと脾胃の中にゆとりができて、元気がめぐりやすく、食物が消化しやすく、
   すべて身体の養分になる。したがって病気になりにくく、身体も強くなる。
   これに反して、多食して満腹になると、元気のめぐる道をふさいで、すき間もなくなって消化
   しにくい。食物が脾胃に滞って循環しないために元気の道をふさぐことになり病いに陥りやすい。
   大酒、大食する人は間違いなく短命である。
   特に老人は胃腸が弱いので度を過ごす飲食を慎むべきである。



 [ 2017年 ]

 □ 2017年12月 → ”過酒食と薬”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第三_飲食上17項を抜粋して記載しています~
   酒食を過ごして腹痛になったときに、強い薬を服用して消化を助けるケースを想像してみよう。
   薬を用いて食物を消化させるのは、自分の腹中を敵味方の戦場とするに似ている。
   飲食した酒食が敵と化して、わが腹の中を攻め破るのみでなく、自分が用いた強い薬も病気を攻撃
   しようとするから元気も減ってしまう。敵も味方もわが腹中で乱戦し、元気を甚だしく減らす。
   敵を自分の領内に引き込んで戦うよりは、領外で防ぎ、侵入させないことが最も良い。
   強い薬を用いてわが腹中を敵と味方の合戦場にすることは、胃の気を損なってしまう。
   残念なことである。


 □ 2017年11月 → ”飲食は程良い加減に”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第三_飲食上7項を抜粋して記載しています~
   飲食は、飢渇にならないためにするものであり、欲張ってほしいままに食べ過ぎることはいけない。
   飲食の欲を制することが出来ない人は義理を忘れる。口腹の人といわれていやしまれる。
   好物に出会っても節度を守り、度が過ぎないように自制することが大切である。
   腹いっぱい食べると苦しく禍のもとになる。満腹を避けて慎めばあとの禍はない。


 □ 2017年10月 → ”飲食および脾胃の大切さ”
   ~貝原益軒「養生訓」巻第三_飲食上1項を抜粋して記載しています~
   身体は元気を天地から受けて生れ出たものであるが、飲食の養分がないと、元気は飢えてなくなり
   命をたもつことが出来ない。それゆえに、飲食の養分は毎日欠くことの出来ない大切なものである。
   とはいうものの、飲食は人間の大欲であって、好みに任せて食べ過ぎると、脾胃を傷つけて諸病を
   ひき起こし、命を失うことになる。
   五臓が生じるのは腎からであるが、それ以降は脾胃が中心になり、飲食すると脾胃が受けて消化し、
   その養液を内臓に送り出す。
   それゆえに、養生の道は、先ず脾胃を調える必要がある。それが身体における第一の保養である。
   そして、飲食を適度にして身体を養うことが肝要である。
   (注:東洋医学(中医学)における“脾”は、消化器系の機能全般を指しています。)

   注)<参考文献> →「養生訓」貝原益軒著/伊藤友信訳 講談社学術文庫 (以降、記載省略)


 □ 2017年9月 → ”体温力”
   体温が1度上がると免疫力は約6倍アップします。
   逆に体温が下がると代謝を悪くし、免疫力を低下させ、病気の原因や要因になってきます。
   体温低下の要因として、次のようなことが考えられます。
    ①運動不足(筋力低下)、②塩分不足、③ストレス、④過食、⑤体を冷やす食物、
    ⑥化学薬品、化学調味料、食品添加物
   体温アップの実践的方法としては、次のようなものが挙げられます。
    ①筋肉運動(ウォーキング、サイクリング、スクワットなど)
    ②入浴(薬湯、半身浴、サウナなど)
    ③体を温める食べ物(冬が旬の野菜、赤身の魚、牛肉など)
   良好な体温を維持するために、日頃の運動や食事の内容にも気を配りましょう。


 □ 2017年8月 → ”BGM”
   施術中は、BGM(バックグラウンドミュージック)をCDにて流しています。
   リラックスできて、気持ちが落ち着く心地良い音楽が適当と判断しています。
   但し、好みがあることや常連の方々に飽きが来ないように、選別した数曲を月単位で順繰りに
   替えています。
   BGMは、部屋の温湿度管理と同様に、良好な環境を作り出す大切な要素となります。


 □ 2017年7月 → ”リフレッシュの旅”
   見知らぬ土地で、温泉に浸かって美味しいものを食べてのんびりする旅。
   日常から一時解放されて時間を気にせず、自由気ままに行動する旅。
   車の渋滞、事故などに神経をピリピリさせず、身を委ねられる列車やバスで移動する旅。
   そんな旅が、リフレッシュできて、楽しく面白い。
   いろいろな思い思いの旅(景勝地めぐり、グルメ、異国探訪etc)があって良いと思います。
   それぞれ目的は違っても、心から楽しめて癒される旅がベストです。


 □ 2017年6月 → ”納豆との組み合わせ”
   納豆は、体に良い食べ物として広く知られていますが、さらにその効果を高めるためとして、
   納豆に加えた方が良い食品に“キムチ+オリーブ油”をテレビ番組で紹介していました。
   物は試しと、今までのネギに加えて、“キムチ”を入れて、さらに、“オリーブ油”を垂らして
   良く混ぜて食べてみました。これが、なかなか美味しく絶妙な味でご飯がすすみます。


 □ 2017年5月 → ”ウォーキングPart_3”
   朝のウォーキングを続けてきたことで、最近の体調すこぶる良好です。
   ウォーキングPart_2で“地面をつかむ感覚で歩く”ことを述べましたが、さらに強調しておきたい
   具体的ポイントを補足します。
   歩く動作は、後方の足の足指部分で蹴り出し、前に踏み出した足の踵で着地する一連の繰り返しに
   なりますが、この蹴り出し力点を足の親指の付け根(膨らんだ部分)に置いてみてください。
   この部分は、加重への耐力が大きく、強い蹴り出し力を発揮でき、前方への大きな推進力になって、
   自然と大股でスピード感溢れる歩行フォームを実現できて、理想的なウォーキングになります。


 □ 2017年4月 → ”温湿度の管理”
   自宅の整体施術時における部屋の温湿度管理には、気を使っています。
   これまでの経験から、長時間過ごし易い温度としては、夏場は25℃~27℃、冬場は21℃~23℃、
   春、秋は、なりゆきまかせになりますが、その中間あたりが良いと感じています。
   また、湿度は四季を通して、45%~60%あたりが適していると感じています。
   特に冬場、部屋を乾燥させないことは、衛生面からも重要なことです。
   身体に掛けるタオルの種類なども、季節に合わせて切替えるようにしています。
   温湿度管理は、リラックスして過ごせる環境づくりの大切な要素となります。


 □ 2017年3月 → ”βエンドルフィン(脳内モルヒネ)”
   脳内ホルモンの一種であり、脳内麻薬とも称される神経伝達物質で、モルヒネの6.5倍の鎮痛作用が
   あります。勿論、体内で作られるものであり、身体にとって害を及ぼすものではなく、むしろ有益な作用
   をもたらします。脳を活性化し、精神的ストレスの解消に効果があり、老化を防ぎ、免疫力を強化して、
   自己治癒力を高める作用があります。
   気持ちいい、楽しいと感じたときに分泌されやすくなると言われており、仕事やプライベートにおいて、
   そのような機会および時間を多く持つことが、いつまでも貴方を若々しく元気にしてくれることになります。


 □ 2017年2月 → ”ウォーキングPart_2”
   “地面をつかむ感覚で歩く”ことを心掛けてみてください。
   数十分以上のウォーキング後は、足裏全体から足首にかけてジィーンとくる感覚がやってきます。
   足底部に多く存在する足の内在筋および足の筋肉全体に刺激を与えることで、血行が良くなります。
   この歩き方は、体重移動のとき、踵→足指と順次加重していって足裏全体に体重がかかり、特定部位に
   負担をかけることがありません。また、足の蹴り出しにリズムが出来て、足の運びがスムーズとなり、
   美しいウォーキング姿勢を自然と作り出します。
   常日頃これを実践することが、足裏の感覚を鋭敏にして、人間本来の機能を呼び覚まし、身体を活性化
   することに繋がります。


 □ 2017年1月 → ”腹八分目に医者いらず”
   「お腹いっぱい食べるよりも腹八分目に抑えて食べる方が体に良い」という意味で、暴飲暴食を戒めて
   いうことわざです。江戸時代の儒学者_貝原益軒「養生訓」の奨励項目の一つになっています。
   現在では、次のような効用が、動物実験などの研究によって確認されています。
   ・生命力強化→ 空腹をつくることが生命力を活性化する。
   ・細胞の老化対策→ 一定のカロリー制限によって、細胞の老化を遅らせることができる。
   ・病気予防→ 細胞の機能不全が引き起こす がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病など多くの生活習慣病
          から身を守ることに繋がる。
   常日頃、食べ過ぎていないか振り返ってみてください。無論、暴飲暴食は控えましょう。



 [ 2016年 ]

 □ 2016年12月 → ”酒は百薬の長”
   中国の歴史書「漢書・食貨志下」に出てくる言葉で酒は度をすぎて飲まなければ、どんな薬よりも体に
   効くということ。
   血行を促進し、緊張感を和らげ、食欲増進やストレス軽減に効果を発揮して、体に良い働きをもたらします。
   適度なお酒は寿命を延ばすともいわれています。
   但し、適度に飲むという前提であり、度をすぎると健康を害することになります。
   酒は、諸刃の剣となりえますので、飲み過ぎにはくれぐれもご注意ください。


 □ 2016年11月 → ”山歩き”
   20代~30代前半の頃は、北陸の白山、北アルプスの奥穂高岳といった高い山への”登山”に挑戦して
   いましたが、40歳を超えてからは、比較的低い山への”山歩き”に変わってきました。
   装備を簡略出来て手軽であり、気が向いたらすぐ出掛けられる利点があります。
   普段とは違う景色や空気に触れあうことは、日常生活を逸脱して一時の解放感に浸れます。
   また、心地よい汗を流しつつ、山道を無心に歩き続けることは、頭を空っぽにする雑念払拭の良い機会に
   なりますし、足腰の強化に繋がります。


 □ 2016年10月 → ”足ツボ”
   足ツボマッサージの正式呼称は、「リフレクソロジー」或は「足部反射区療法」といわれるものです。
   足の裏には、脳から出た神経が身体の諸器官を通って、約7,200の末梢神経となって集まっています。
   そのため、足の裏を刺激することは、身体の各部分に働きかけて、身体を活性化して、人間が本来もつ
   自然治癒力、抵抗力、免疫力を高めていくことになります。内臓機能を高め、血液およびリンパの流れを
   良くするとともに、ストレスを軽減してリラックスさせる効果があります。


 □ 2016年9月 → ”真向法(まっこうほう)”
   東洋のストレッチいえば、”ヨガ”が世界的に有名ですが、日本生れの”真向法”も、4つの動作を行うのみ
   の非常にシンプルで、場所も取らず道具も不要なストレッチ法です。
   正しい方法は、インターネット等で紹介されていますので、ここでは割愛しますが、股関節を中心に周辺の
   靭帯や下肢の筋肉をストレッチするものです。身体が硬い方は無理しない範囲で少しずつ可動域を広げて
   いくことが最善です。毎日、シンプルな体操を3~5分程度行うことにより、股関節、骨盤(仙腸関節)の
   歪み改善、腰痛、肩こり、血液循環の改善などに繋がります。
   姿勢のゆがみが気になっている方、あるいは、上記症状等を緩和したいと感じている方は、毎日、真向法を
   続けてみてください。早い段階でその効果を実感できるでしょう。


 □ 2016年8月 → ”スクワット”
   毎朝20~30分の体操を日課としていますが、そのラストにスクワットを取り入れています。
   スクワットは、全身の筋肉量の60%以上を占めるといわれる下半身の筋肉を鍛えるのに有効な筋トレです。
   正しいやり方は、インターネット等でも広く紹介されていますが、足を肩幅ぐらいに開いて立ち、大腿部が
   床面と平行になるまでゆっくりしゃがみ込み、ゆっくりスタート位置まで戻る動作を繰り返すものです。
   この際、背を丸めないことや膝を足より前方に出さないことが注意すべきポイントです。
   <参考>主として鍛えられる筋肉
   ・股関節周りの筋肉(大殿筋、半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋)
   ・膝関節まわりの筋肉(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)
   ・足と足関節まわりの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)


 □ 2016年7月 → ”漢方薬”
   推拿の師範から勧められた漢方薬を1ヶ月程服用したところ、腹周り3~4cm、体重3kg程減り、顎の
   あたりもスッキリして、以前より若干引き締まり、身体も軽い感じを得ることができました。
   その自分の体験から、漢方薬の効能を強く認識するようになりました。
   漢方薬は、身体に優しく働きかけるように内臓に作用し、本来の機能を発揮させて、バランスのとれた状態に
   戻すもので、根本的な体質改善および症状改善に向いているといえます。
   漢方薬は、自分の体質、症状に合わせて処方してもらうことが本来ですが、数多い市販のものから選択する場合、
   漢方専門薬局に相談するなど、その見極めが大切なポイントになります。


 □ 2016年6月 → ”サイクリング”
   サイクリングは、行動半径が広がり、陽光を背に風を切る爽快感やサングラス越しに日常生活と違った風景に
   出会える楽しみがあります。また、足腰を鍛えることになって、大いに健康増進につながります。
   用途がはっきりしている場合には、ロードバイク或いはマウンテンバイクの選択となりますが、多用途向けには、
   その中間的なクロスバイクがお奨めです。
   出来るだけ、自転車専用道路の整備されているコース或いは車や人の往来が少なく周りの景色が楽しめるコース
   を走ることがリラックス出来て最高です。


 □ 2016年5月 → ”ウォーキング”
   健康維持/増進を目的にウォーキングしてみませんか? 大切なポイントは、以下の通り。
   ①服装/靴 → 季節に合わせた歩き易く疲れにくい服装および靴が必要です。特に靴は、踵から着地するので、
           踵部分に衝撃吸収作用をもったウォーキングシューズがベストです。
   ②全身運動 → 背筋を伸ばし、伸び上がるように大股で歩いてください。手足の筋肉にとどまらず、体幹の
           筋肉まで鍛えることになり、全身運動となって高い効果を生み出します。
   ③自然融合 → 無心に颯爽と歩く姿をイメージください。自然環境あるいは街の景観に合致して、自然と融合
           することで、貴方とその周囲を生き生きとさせてくれるでしょう。


 □ 2016年4月 → ”はちみつレモンジュース”
   風邪を早く治したいときなどに有効です。ぜひお試しください。
   <作り方>
   レモン2~3個を絞って大きめのコップに入れる。ここに、はちみつをレモン液量の1/3~1/2程度
   入れて軽くかき混ぜる。これに、熱湯を少しずつ注ぎながら良くかき混ぜて2倍程度に薄めて完成です。