Goodbye , Dear My ──
メイン 見学
PC1:速水やどり(キャラシート)PL:紅井寿甘
PC2:真神コルト(キャラシート)PL:かあねりあん
PC2:楊原あざみ(キャラシート)PL:里村邦彦
目次
プリプレイ
GM:それでは、まずトレーラーから!
GM:【トレーラー】
GM:今日が終われば、明日が来る。
GM:そんな当たり前が当たり前でなくなった世界から、彼らはやってきた。
GM:けれど、彼らにも願いはあって。
GM:その願いが、どう足掻いても叶わないと知ったのならば。
GM:─その時は、どうか。彼らもまた、君たちと同じ人間なのだと、思い出してほしい。
GM:だから、せめて。
GM:どこまでも相容れない俺から君に、さよならを。
GM:Double Cross The 3rd Edition
GM:『Goodbye , Dear My ──』
GM:ダブルクロス。
GM:それは、裏切りを意味する言葉。
GM:それでは、HOの順番(やどりちゃん→コルトさん→あざみさん)で自己紹介をお願いしたく。
GM:まずこちらでシートのurlを貼るので、それに続いて流してもらう形で!
GM:HO1:速水やどり
GM:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY0rrutwIM
速水やどり:はい!
速水やどり:「当然です。……外見こそ子供でも、支部長ですから」
速水やどり:N市第九支部・支部長、速水やどり(はやみ・やどり)、11歳。
速水やどり:コードネーム"リトル・ライト・ブルー"。常にタブレット端末を抱えている小学生支部長です。
速水やどり:性格はカタいくらいに真面目。色々な巡り合わせによって支部長をしているのだから、それらしくならねばならないと背伸びしている部分も。
速水やどり:性能としては支援特化。《弱点看破》と《アドヴァイス》をお届けします。《常勝の天才》も今回はついている。
速水やどり:色々な意味でてんやわんやな年末、今回はなにがおこるやら。人間関係もこじれきっているぞ。
速水やどり:以上、皆様よろしくお願いいたします。
GM:うどんはカドが立った方が美味しいと言いますし。(?) ではそんなやどりちゃんのハンドアウトがこちら。
GM:シナリオロイス:"シューラ・ヴァラ"矢神秀人(男性、17歳?、アーカイヴスエージェント)
GM:変わってしまった日常、掴み取るべき未来。キミの前には問題が山積みだ。
GM:それでも、愛しい人と過ごすひとときは、キミにとって─色々と思うところはあるにせよ─心安らぐ時間だった。
GM:しかし、少年は姿を消した。
GM:それに関わっていると思わしき、"アーカイヴス"リーダーから情報提供のあった者。
GM:"シューラ・ヴァラ"矢神秀人。それは、かつて彼が二度関わり、二度別れた者の名だった。
GM:というわけで、お馴染み矢神。ただし企画内では"シューラ・ヴァラ"になることなく死んだ矢神でございます。
速水やどり:矢神……
GM:ともあれOP前半は平和に過ごして頂く予定ですので、お楽しみに。
速水やどり:わぁい! 楽しみます!
GM:イエア!では続いて!
GM:HO2:真神コルト
GM:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY_N6KmAMM
真神コルト:真神(まがみ)コルト、二十歳。コードネームは“ジャガーノート”。
真神コルト:北欧系のハーフですが日本人です。
真神コルト:一般見習いシスターでしたが、ある事件で覚醒後、UGNイリーガルを経てエージェントに志願。
真神コルト:無事に就職し、今は第九支部エージェントとして東奔西走しています。
真神コルト:既に信仰は断っていますが、R案件に立ち向かう覚悟と決意を込めて今も修道女の格好を正装にしています。
真神コルト:性能は白兵、一手で距離を詰めてケモ(獣王の力)パンチします。
真神コルト:最近ガード値にぐぬぬることが多かった(?)ので今回は《浸透撃》を採用。ガー不パンチです。
真神コルト:ミドルはいつも通りコネとお金で戦います。そのためのパトロン。
真神コルト:今回は……今回はどうなってしまうんだろう……
真神コルト:とにかくよろしくお願いします!
GM:どうなって…しまうのか!ではハンドアウトがこちら!
GM:シナリオロイス:シスター・チェスカ(女性、10代後半、アーカイヴスエージェント)
GM:キミがとある出来事を経て、この街で、世界でこれから起こることを知ってから少しの時が過ぎた。
GM:相変わらず仕事は減らず、支部に泊まり込む日も少なくなく、未来への不安は消えず。
GM:けれど、キミにとっては充実した日々と言える、そんな日常の中。キミは支部で、ひとりの少女と出会う。
GM:キミが大切な人から教えられた、未来から来たという異邦者、その連絡役のひとりだと名乗る少女。
GM:─その服装が、キミが慣れ親しんだ修道服であること以上に。彼女の蠱惑的な視線は、キミの心をざわつかせた。
GM:というわけでダブルシスターです。(?)
真神コルト:シスター・チェスカ……一体何者なんでしょう……
GM:頑張って情報収集(R:じんもん)しましょうね。(※そういう話ではありません)
真神コルト:全年齢的にがんばります!
GM:イエア!では続いて!
GM:HO3:楊原あざみ
GM:http://pulpfunction.ohugi.com/dx3_tw/dc3_003_n_add34.html
楊原あざみ:楊原あざみ。コードネームは"バルドラの蠍"。清掃局のエージェントです。
楊原あざみ:ワーカホリックで二十年知覚過ごしてきましたが、色々ありまして、ここ一年ほどで人生が変わりました。
楊原あざみ:まあワーカホリック自体は治っていないんですが。そんなものです。
楊原あざみ:時間速度を変化させる能力を持つバロール/ハヌマーンの【変異種】で、130点よりはいろいろ地味に能力が上がっている程度。
楊原あざみ:見た目は幼いですが、30歳です。以上。他に、何かありますか?
GM:2019年クリスマス時点で30歳なら今は……イエナンデモナイデス。
GM:ではあざみさんのハンドアウトはこちら!
GM:シナロイロイス:天城康介
GM:世界がどうあろうとも、裏方としての、"清掃局"職員としてのキミの仕事は忙しい。
GM:その日、キミが派遣されたのは、第4支部が管理するラボのひとつ。
GM:何者かに襲撃され、半ば廃墟と化したそれの"片付け"が概ね完了した時、キミに追加の指令が下る。
GM:曰く、第9支部に向かい、とある事件の対策チームに合流せよ、と。
GM:訝しむキミに、指令を伝えた車椅子の少女は言う。
GM:これは、キミの大切なひとに関わる案件であり、キミの参加は「協力者」からの指名なのだ、と。
GM:そんな感じで、今日もお仕事です。
楊原あざみ:はい。
GM:シナリオロイス…は初期ロイスと重複してるので、初期ロイスと同枠扱いとなります。
楊原あざみ:はい。固定で。
GM:ヤー、では……。
オープニング1
GM:シーンプレイヤー:真神コルト
GM:登場:不可
GM:登場侵蝕をお願いします。
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+10(1d10->10)した(侵蝕値:36->46)
真神コルト:ギョエーッ
GM:初手から昂っておられる。
GM:─2020年、晩秋、某日。N市UGN第9支部。
GM:相も変わらず、誰も彼もが忙しくしているそこで、キミにとって変わったものといえば、やはり。
GM:未来への認識、だろうか。
真神コルト:(──未来。そうは言いましてもね……)
真神コルト:缶コーヒーを啜って、ほう、と息をつく。
真神コルト:日ごとに冬の足音は近付き、今年が終わる頃には世界が滅びるのだと言う。
真神コルト:大切な人から聞かされた、大切な話。
真神コルト:もちろん、頭から信じている。信じてはいるのだけど。
真神コルト:相変わらずに日々の業務はあり、おまけに事件も起き、駆り出されて、駆け回って。
真神コルト:(このまま、『いつも』通りに毎日を消化して、そのまま年が明けてしまいそう)
真神コルト:もう一度、ほう、と大きく息をついた。
GM:そんな風に、キミが文字通り一息ついた、そんな時。
チェスカ:「─こんにちわ」
GM:キミの対面、廊下の向こう側からやってきた、見慣れたシルエット。
GM:けれど、缶コーヒーを手にするキミは、その顔には見覚えはなく。─あるいは、支部で何度か見かけた程度かもしれない。
GM:少なくとも。こうして声をかけられるのは初めて、のはずだ。
真神コルト:「……ええ、こんにちは」声音が少し、硬くなる。
真神コルト:その姿は、どうしても、見知った──そして失った──人たちを想起させて。
真神コルト:それでもどうにか笑顔を作る。
チェスカ:「ふふ。……やっぱり、珍しいですか?自分以外がこういう服を着ているのを、ここで見るのは」
GM:応じる笑顔は、柔らかく、どこか人を惹き付けるような雰囲気があって。
真神コルト:「それは、もう。いくら第九支部が人員の拡充をしていると言っても……」
真神コルト:そっと胸に手を添えて。
真神コルト:「このような出で立ちをしている者は、そうそういませんからね」
真神コルト:どことなく知っているような。この空気感は誰だったか……。
真神コルト:そんな感覚を覚えながら、苦笑いで返す。
チェスカ:「そうでしょうね。ええ、私がいたところでもそうでした」
GM:そうして、笑みを浮かべたまま。
チェスカ:「……ああ、私としたことが、失礼しました。私はチェスカ……仲間たちからは、シスター・チェスカと呼ばれています」
チェスカ:「あなたたちが"アーカイヴス"と呼ぶ者たち、そのひとりです。……初めまして」
チェスカ:「真神、コルトさん」
GM:修道服の左右の裾を、左右の手でつまんで。優雅に…服装には似つかわしくないけれど…一礼する。
真神コルト:その名前、その組織、その存在は、知っている。連絡員が支部にいることも。
真神コルト:(でも、こんなに早く出会うなんて……)
真神コルト:頭の片隅に可能性としておきながら、実際にそうなってみると、少なからず驚くものだった。
真神コルト:「……え、ええ。初めまして。おっしゃった通り、真神コルト。この第九支部の、エージェントです」
チェスカ:「……ふふ、そんなに警戒しなくても。速水支部長から、聞いておられるんでしょう?」
GM:そっと、殆ど足音を立てることなく、キミの傍へと歩み寄って。薄い笑みを、微笑みに変える。
真神コルト:「はい、それは、まあ。……と」その笑みを受け。
真神コルト:先程の既視感のせいか。肉体の緊張が思ったより少ないことに気付く。
真神コルト:「……あ……」
真神コルト:「あの、それで」
チェスカ:「あ、はい。……すみません、実のところ、特に用事はないんです」
GM:あっけらかんと、悪びれることなく。悪戯を見つかった子供のように、そう言って。
真神コルト:「え……?」
チェスカ:「ただ……ええ、こうして一人でいるのを見つけて、ついつい」
チェスカ:「……これまで、こっそり遠巻きに見るだけで。お声がけすることもできませんでしたから」
真神コルト:「……ええと。それは、何か用事がある、と言うのでは?」
チェスカ:「……ふふ、本当はそうかもしれません。けれど、今日はこうして」
チェスカ:「私を、あなたに知ってもらえた。それだけで満足ですとも」
真神コルト:「そう……ですか」ややクエスチョンを含んで語尾が上がる。
GM:そうですよ、と。修道服姿の少女はふわりと微笑んで。
チェスカ:「……お仕事中に、あまり引き留めてもいけませんね」
チェスカ:「それでは、真神コルトさん。……これからもきっと、お会いすることもあろうかと思います」
チェスカ:「その時は─」
チェスカ:「─仲良く、してくださいね?」
GM:─微笑みの中、猫のような…あるいは、小さな肉食獣のような、キミとどこか似た色の瞳が。
GM:じっ…と、キミを見つめて─。
真神コルト:「ええ、それはもちろん……」金色の瞳に視線を吸い込まれながら。
真神コルト:「そのように念押しなどしなくても。そうですね──」
真神コルト:「いずれ、お茶でもしましょうか。歓迎しますし、きっとされますよ」彼女と同じように、ふふ、と笑う。
チェスカ:「ああ……噂の、副支部長のお茶会も楽しみにしていましたけれど」
チェスカ:「このお誘いも、ええ、とても嬉しく思います。……はい、いずれ」
チェスカ:「必ず」
GM:最後にもう一度、微笑みを浮かべて。それでは、と短い言葉を残して。
GM:長い裾を、ひらりと翻して。少女は、通路の曲がり角、その向こうへと消えてゆく。
真神コルト:彼女の背を見送りながら、頭の中では先の言葉の意味を考えている。
真神コルト:アーカイヴス。未来からの訪問者。
真神コルト:その身分を明かしたこと。そして、お会いすることもあろうか、と。
真神コルト:それは未来に関わる戦いの話であろうか、とも思いながら、懸念の中心はそこにはなく。
真神コルト:彼女のふふ、という声が耳にこだまして離れない。
真神コルト:それに、彼女の纏ったあの空気は。
真神コルト:疑問は尽きず、困惑も尽きず。その中で消えない既視感が浮き沈みを繰り返している。
真神コルト:そんな不思議な心地と、すっかり冷めたコーヒーだけが、後に残った。
GM:─そうして、しばらくの間。いくつかの事件、何度かの出撃。そこに彼女の姿はなく。
GM:─再会は、冬のとある日。支部長の懐刀として、キミが参加を要請された、とある事件でのこと─。
オープニング2
GM:シーンプレイヤー:速水やどり
GM:登場:不可
GM:
GM:登場侵蝕をお願いします。
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+5(1D10->5)した(侵蝕値:33->38)
GM:─時期は少し遡って、秋。市内某所、とあるアパート。
GM:星辰館高校での期末試験を控えた少年のため開かれた「勉強会」、その一環として。
天城康介:「これで……どうだ……!」
GM:キミが作成した「模擬試験」の回答を、満身創痍といった体で差し出す少年が、ひとり。
GM:その、内容は─。
GM:1d50+50
DoubleCross : (1D50+50) → 13[13]+50 → 63
GM:─正答率、およそ6割。以前と比べ、格段に良くはあるが─。
速水やどり:「まる。まる。ここは書き方がよくないですね、さんかく。……後半、集中力が落ちてますね? ばつ、ばつ、まる……」ぶつぶつと呟き、赤ペンをきゅっきゅと入れながら回答を目で追っていく。
速水やどり:伊達眼鏡をくいっと上げて。
速水やどり:「試験ならば、可。……つまり、赤点の回避くらいはできるでしょうけど……それくらい、とも言えますね」
天城康介:「ぐっ……」
天城康介:「……今はともかく。来年はもう、赤点取らなきゃOK、ってのは駄目だよなあ……」
速水やどり:「えぇ、UGNから推薦する大学にー、というのもありますが……当然、ゲタを履いても転んじゃうような学力では、やっぱり無理に捻じ込むことはできませんので」
天城康介:「そりゃそうだ。……いやまあ、最後の手段として考えなかったワケじゃあないけど」
天城康介:「……そういうこと、やどりにさせちゃいけないだろ、やっぱり」
GM:あーーー、と小さく呻きながら。疲労困憊、といった風に。
GM:キミの隣に座っていた少年が、そのままぱたりと、仰向けに寝転がる。
速水やどり:「……」その様子をみて、すすす、と近づいて。
速水やどり:そっと、頭を持ち上げて。己の膝を滑り込ませる。
天城康介:「や、やどり……!?」
GM:一瞬、少しばかり…どころではなく。大いに狼狽していたけれど。
天城康介:「……ええと、その」
天城康介:「…………ありがとう、な」
速水やどり:「お疲れさまです。……前よりも、よくなっているのは事実ですから。しっかり休んでから、復習して。次はもっと、よくなりますように」君の顔を見下ろしながら、頭を撫でる。
天城康介:「…………うん」
GM:布地越しに、キミの太ももから伝わる温もりに身を委ねるように。少年は、ゆっくりと目を閉じる。
速水やどり:少年が瞳を閉じたのを確認してから、脇にのけて置いたタブレット端末を拾い上げ、資料を表示しては記憶しての作業に入る。
速水やどり:……少年が期末試験に立ち向かう頃には、自分たちは。もっと大きなうねりと、戦っている事だろう。知ってしまったあの時から、戦い続けているだろう。
速水やどり:それでも、今は。少しばかりの休息を、彼に。そして、私に。
速水やどり:膝にかかる重みを感じながら、薄く笑みを浮かべて、タブレットを操作していく。
GM:─そうやって、キミがひと時の安らぎと、未来への備えを並列させる最中。
天城康介:「──やどり」
GM:半ば以上夢の中にいながら、少年が呼ぶ名は、キミと。
天城康介:「────あざみさん」
GM:今、ここにはいない人の名で。
天城康介:「おれ、は────」
GM:何かを求めるように、手は虚空に伸ばされて─。
速水やどり:その手をきゅっと握って、あたたかさを伝えてから。少年の胸元へと、優しく戻す。
速水やどり:「……大丈夫です。大丈夫ですよ。私も……あの人も。あなたといっしょですから……」小さく、呟いて。
速水やどり:きっといつか、未来が来ても。その想いだけは、同じはずだから。
速水やどり:西日が部屋に差す。もう、空が短い。
GM:─あれから、また少しばかりの時が流れて。いくつかの事件を駆け抜けて。
GM:今キミは、すっかり通い慣れたアパートの一室、その前にいる。
GM:今回は、降って湧いたように空いた時間。事前に示し合わせたわけではないが、少年がこの日、何の予定もないことをキミは知っている。
速水やどり:すっかり、鍵の置き場所まで勝手知ったるものだ。かちゃりと鍵を回して、扉を開く──
GM:室内は、明るい。電灯はついたままで、玄関から見える居間、そこの卓上には飲みかけのココアが入ったコップがあって。
GM:─だからこそ、キミは、はっきりと知覚する。
GM:アパートの狭い玄関に残る、まだ固まっていない血だまり。
GM:室内に、それ以外に、人の痕跡はない。いつもなら、驚きながらもキミを暖かく迎え入れる少年の笑顔も、いまは。
速水やどり:「……!」息を飲み、ほんの数瞬の放心。そして、唇を真一文字に結ぶ。
GM:イリーガルエージェントが、一名行方不明。事態を簡潔に表現すれば、ただそれだけのこと。
GM:けれど─キミの、個人的な事情を差し引いたとしても─行方を晦ませたのは、"特異点"であること。
GM:その事態に対して、キミは─。
速水やどり:《完全演技》。泣き叫び戸惑う少女の顔は必要無い。今、必要なのは。思考しろ。そして行動しろ。
速水やどり:わたしに今動かせる全てを使って、取り戻せ──叶うのなら。
速水やどり:端末を叩いて、支部にコール。……まずは、そこからだ。
GM:─以後、UGN第9支部において、この行方不明事件が取り扱われることとなる。
GM:─"特異点"とはいえ、支部長直々に指揮を執ることとなるのだが、その理由は個人的なもの…だけでは、ない。
GM:─克肖機関マゴイ、通称"アーカイヴス"から情報提供と、捜査協力の申し出があったためだ。そして。
GM:─情報提供のあった、この件に関与していると思わしき、"アーカイヴス"エージェントの名は。
GM:【矢神秀人】
オープニング3
GM:シーンプレイヤー:楊原あざみ
GM:登場:不可
GM:登場侵蝕をお願いします。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+1(1d10->1)した(侵蝕値:31->32)
GM:─N市某所、第4支部が管理するラボ…の、跡地。
GM:半ば廃墟と化したそこの、更に片隅。"解体現場"の休憩所として用意されたコンテナハウス。
楊原あざみ:「ふう……」
GM:一応空調を備えているとはいえ、この季節、寒さが堪えるそこでキミは。"仕事"の休憩中で。
楊原あざみ:自分でなければ対応できない現場、というやつだ。ここのところ途絶えていたが、出てくるときは出てくる。
天城康介:『ああ、その、なんというか……お疲れ様、だよな……』
GM:作業の合間。室内に他に人がいないのをいいことに、端末をハンズフリーモードにして、こうして。
GM:回線の向こうの少年と、言葉を交わしている。
楊原あざみ:「ああ。ごめんなさい、ぼうっとしちゃって」
天城康介:『いや、こっちこそ悪い。……前に、今日は久しぶりに休みになるかもしれない、って聞いてたからさ』
楊原あざみ:「事件が起きたら休みなし、は、部署を限らずエージェントの宿命ですから」
楊原あざみ:「第四の仕事でなければ、よかったかもしれませんけどね」
楊原あざみ:「スケジュールが厳しい代わりに、要請時間は割と普通の出勤時間だから…」
楊原あざみ:深夜だけ、などなら、無理矢理でも時間を作れたかもしれないけれど。そうもいかない。
天城康介:『……それにまあ、あそこの世話になってない奴の方が、この街じゃあ少ないもんな』
GM:声には、苦笑いを浮かべているような色が混じる。
楊原あざみ:「大型の病院と、専門の検査施設を幾つも抱えてますからね。それは……」
楊原あざみ:「…みんなのために、と思えば少しはやる気が出ますよ」
天城康介:『……たまにはさ』
楊原あざみ:「なんです?」
天城康介:『自分のために、って言ってもいいんじゃないか、あざみさんも』
天城康介:『そう言っていいくらい、頑張ってるだろ、いつも……これまで、ずっと』
楊原あざみ:「苦手なんですよ」
楊原あざみ:「それに今は、あなたのために、って言いたいので」
天城康介:『……それを言われちゃあ、俺には』
GM:何も言い返せない、と。困ったような声がして。けれど。
天城康介:『……うん。じゃあ、俺はあざみさんのために頑張る。これで、おあいこだ』
GM:そんな、精一杯背伸びをするような言葉が、スピーカーから漏れる。
楊原あざみ:「期待しましょうか」
楊原あざみ:「今回は駄目でしたけど」
楊原あざみ:「年末までにまた、休みの一日くらい取れるでしょう…」
楊原あざみ:「クリスマスあたりだと、嬉しいんですけどね」
天城康介:『……そうだな。クリスマスで、もう一年だから』
楊原あざみ:「ええ」
楊原あざみ:左の手の甲から、薬指をさする。
楊原あざみ:あの妙な事件から一年。
楊原あざみ:「こんな一年が過ごせるとか、考えたこともなかった」
天城康介:『……もう一年、だけどさ』
天城康介:『これから一年、その次もまた一年。……一年ずつ、まだまだ続いていくんだ』
楊原あざみ:「随分長かった気がするけど。そうでもないのかな」
天城康介:『そうだよ。長いのはこの一年じゃなくて、これからの何年、十何年、何十年なんだから』
天城康介:『……ええと、だから、その』
楊原あざみ:「何ですか。康介くん」
天城康介:『……笑ってくれよ、あざみさん。俺は、大切な人が笑っててくれれば』
天城康介:『それが、幸せなんだから』
楊原あざみ:「…男の子ですねえ」
楊原あざみ:「好きですよ。そういうところ」
天城康介:『ッ!?』
GM:ゴホゴホと、飲みかけの飲み物が気管に入ってむせるような音。
楊原あざみ:すました顔でお茶を飲む。安いお茶っ葉だがとにかく温かい。
楊原あざみ:「じゃあ、そろそろとりかからないと、残りの作業量が厳しいので…」
楊原あざみ:「…大丈夫ですか?」
天城康介:『……くそ。見てろよ、次の休みの日にはあっと驚かせて……』
GM:そんな、強がりのような言葉の向こう。微かに聞こえる、呼び鈴の音。
天城康介:『……っと、悪い。大丈夫。……でも、うん。こっちも、お客さんみたいだ』
楊原あざみ:「はい。それでは、また後で」
楊原あざみ:「楽しみにしてますよ」
楊原あざみ:通話を切る。
GM:ああ、また、と。いつものように、通話は切れて。
GM:そうしてキミは、また普段のように。キミにしか出来ない仕事へと向かい─。
GM:─数時間後。まさしく、ギリギリ定時と言える時間。
GM:首尾よく全ての作業を終えたキミは、やはり他に人のいない休憩所で片づけを終え、帰路に着こうとして─。
楊原あざみ:作業着で出歩くことは少なくなった…と思う。少し変わったのはここ一年位で…
日馬美礼:「やあ、ちょっといいかな」
GM:思考を遮るように、車椅子の少女が。キミに、声をかけた。
楊原あざみ:「……日馬支部長。お疲れさまです」
楊原あざみ:珍しいこともあったものだ。大概、支部にこもり切りのはずなのに。
日馬美礼:「そちらこそ、お疲れ様。いつも悪いね、あちこち引きずり出して」
楊原あざみ:「いえ。それこそ仕事ですし。最近は人員も増えて、前よりはずいぶん割当も減りましたから」
楊原あざみ:「…それで、御用の方は?」
日馬美礼:「そう言ってもらえると助かるよ。何せ、オンリーワンの技能は再現が難しくてね」
GM:低い視点から、けれど小さなキミの背丈とさほど変わらない高さから向けられる笑顔はそのままに。
日馬美礼:「うん。ひと仕事終えたばかりで悪いけど、追加オーダーだ」
楊原あざみ:確認していた部内の通信を思い起こす。
楊原あざみ:「……第四地区で、大きな事故は起こっていなかったと思いますが」
日馬美礼:「うん、ウチじゃない。もう一つ言えば、片付けの類でもない」
日馬美礼:「更に言えば、清掃局にも話は通してある。加納さんは、またですか、なんてため息を吐いてたけどね」
楊原あざみ:姿勢を正す。
日馬美礼:「担当は第9支部。楊原さんの参加は、第9支部の……正確に言えば、その協力者からのご指名だそうだよ」
楊原あざみ:「つまり、通常の任務だと……」
楊原あざみ:第九の。それも協力者となれば、思い当たるフシは……まあ、率直に言えば、ある。
楊原あざみ:「……わかりました。しかも、支部長からでないと伝えられない内容であると」
日馬美礼:「察してもらえたようで助かるよ。……うん、じゃあこれも伝えておこうかな」
楊原あざみ:「はい?」
日馬美礼:「つい3時間くらい前の話だ。イリーガルエージェントがひとり、行方不明になった」
日馬美礼:「行方を眩ませたのは"モノケロス"。第一発見者は"リトル・ライト・ブルー"」
日馬美礼:「そして、最後に"モノケロス"と接触していたのは、他ならぬ楊原さん」
楊原あざみ:息が止まる。
GM:─車椅子の少女がキミに向ける視線は。真摯ではあったけれど、どこか、楽しむような色もあって。
楊原あざみ:「……わかりました。合流場所は第九支部に?」
GM:うん、と少女はひとつ頷いて。
日馬美礼:「急ぐといいよ。あまり、小学生を遅くまで働かせるものじゃぁないしね」
楊原あざみ:「ええ。ありがとうございます」
GM:オープニング分、ロイス設定ないし保留であればその旨宣言を!
真神コルト:チェスカ嬢に 連帯感/●困惑 でひとまず。
速水やどり:ロイスはひとまず保留で!
楊原あざみ:ロイス保留。
ミドル1
GM:シーンプレイヤー:速水やどり
GM:全員登場
GM:各位、登場侵蝕をお願いします。
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+7(1D10->7)した(侵蝕値:38->45)
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+8(1d10->8)した(侵蝕値:32->40)
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+1(1d10->1)した(侵蝕値:46->47)
GM:─N市UGN第9支部、会議室。
GM:ここに集ったのは、とある少年が行方を晦ませた、そのことへの対応のため、であるのだが─。
春日雪:「……その前に、ひとつ。改めて伝えておかなければいけないことが、ありますね?」
GM:この場の進行を買って出た副支部長が、順番に視線を巡らせる。とりわけ。
チェスカ:「────」
GM:"連絡役"としてこの場にいる修道服姿の少女と、そして。
GM:楊原あざみ、キミに対して。紅い瞳を向けて、小さく頷いて。
春日雪:「……わたしから、あるいはチェスカさんから説明してもいいんですが」
楊原あざみ:「…………」速水さんを見る。
GM:どうしますか、と問いかける視線は、この支部で彼女にとってただ一人の「上司」に向けて。
速水やどり:「私から説明するのが筋でしょう」その視線を受けて、こくりと頷く。
春日雪:「はい、では─」
チェスカ:「お願いしますね」
GM:タイミングを計ったように揃って、にこりと二人微笑んで。
速水やどり:「えぇ。これを知る者も……今では、そこそこに多くなってしまいましたし」
速水やどり:「なによりも。以前の任務で、楊原さんは相当な部分までお察しいただいていると思いますが」
速水やどり:そして、語り出す。未来からの来訪者。遠からず訪れる破滅の未来。それを変えるために、今していること。
楊原あざみ:「ええ」
速水やどり:「……いくらお察しいただいているとはいえ、こうもあっさり受け入れられると、ちょっと拍子抜けな気もしますが」
楊原あざみ:「疑ったところで意味もないですし…」
楊原あざみ:「裏方からは見えやすいこともあるので」
速水やどり:「いずれにしても結構です。前にもお伝えした通り、遠慮も加減もありません。これが今、市を挙げて動いている、一つの事実です」
春日雪:「このことをどういった形で知らせるかは、ある程度、支部長級職員の裁量に任されています。…例えば、任務の中で知ってしまったり」
春日雪:「─各支部長が、これはと見込む……あるいは、私的に信頼する部下に知らせる、という場合もあるそうですよ」
GM:ね、と微笑みを向けるのは、この場にいる、もう一人の修道服姿の女性。
楊原あざみ:「記憶処理の義務化がない、というだけで十分です……それで」
楊原あざみ:「初対面でしたか?」
真神コルト:「そうなりますね。……自分がどの枠か、自己申告するのも気恥ずかしいものがありますが」
真神コルト:「はじめまして。第九支部エージェント、真神コルトです。先のお話は、速水支部長から直接伺いました」
楊原あざみ:「清掃局の楊原あざみです。……よろしくお願いします」
真神コルト:「はい、こちらこそ。ええと……」
真神コルト:「そちらも、天城くんの関係者の方……ということになるのでしょうか?」
楊原あざみ:「そうですね。一応、交際させていただいています」
真神コルト:「……こうさい」
真神コルト:いつだったか、彼には好きな人が二人いると聞いたことがある。
真神コルト:やどりちゃんを見て、楊原さんを見て。
真神コルト:「……なるほど?」背格好だろうか。
楊原あざみ:「ええ」
速水やどり:「コルトさんに向けるものとは少々意味合いが異なりますが、えぇ。私のもっとも信頼する人の一人ですので」
真神コルト:「なるほど」
真神コルト:「……ああ、交際のこと自体は」
真神コルト:「天城くんから聞いてますから、はい。その、はい。大丈夫です。はい」
チェスカ:「……あまり大丈夫なようには、見えませんよ?」
GM:いつか支部で出会った時と同じように、ふわりと微笑みを浮かべて。
楊原あざみ:「よければ、話を進めませんか」
真神コルト:「その……はい。そうしましょう」実際に目の当たりにしたインパクトが強すぎた。
速水やどり:「そうですね、挨拶も済んだところで、本題にさっそくとりかかりましょうか」
春日雪:「そうですね。……ええ、気が気ではない、というのは」
春日雪:「みなさん、同じでしょうから。では……」
春日雪:「まず、こちらをご覧ください」
GM:壁にかかったモニターに表示されるのは、画質の荒い映像。それなりの遠距離から撮影したと思われる、監視カメラのそれ。
GM:そこに映っているのは、キミたち3人─速水やどり、真神コルト、楊原あざみにはそれぞれ見覚えのある場所。
GM:天城康介宅、安アパートの廊下と、玄関扉だ。
春日雪:「"特異点"のひとりであること。そして何より、第9支部長、速水やどりの"個人的な"関係者であること」
春日雪:「……ですので、あの人には。プライバシーを極力侵害しない形で、監視がつけられていました」
楊原あざみ:「なるほど」
楊原あざみ:別段、おかしな話ではない。
春日雪:「では、再生しますね」
GM:副支部長がひとつ頷いて、端末を操作すると─。
GM:2020/XX/XX -01:28 矢神秀人と思われる男性が、天城康介宅のインタフォーンを押す
GM:2020/XX/XX -01:19 応対に出た天城康介が、驚愕の表情を浮かべる(矢神秀人の表情はカメラの死角に入っている)
GM:2020/XX/XX -01:01 天城康介と矢神秀人が、口論らしき会話を交わしている
GM:2020/XX/XX -00:32 矢神秀人が上着のポケットからナイフを取り出し、天城康介の腹部に突き刺す
GM:2020/XX/XX -00:05 天城康介は何かを語り掛けながら倒れ、意識を失う
GM:2020/XX/XX -00:00 カメラの存在を知覚した矢神秀人により、カメラが破壊される
GM:時間にして、およそ1分30秒。その程度の、短い映像だ。
真神コルト:「な……」
楊原あざみ:「……使用された毒物などに関しては?」
春日雪:「現場に残っていた血液から、それらしき反応はありませんでした。……ただ、出血量は相当のものです」
楊原あざみ:「そうですか」ごく短く。
春日雪:「失血による意識喪失。ただし、オーヴァードである以上、深刻な状態ではない。……それが、現状の見立てです」
真神コルト:「……彼は……ええと、襲撃者の方ですが、あの男性については?」
真神コルト:「天城くんの様子からして、顔見知りでしょうか」
春日雪:「……ええ。あるいは、やどりちゃんやあざみさんは、名前は聞いたことがあるかもしれません」
春日雪:「矢神秀人。星辰館高校2年生。天城康介さんの"知人"であり、そして」
春日雪:「1年以上前に、亡くなっておられます。……R関連事件において、天城さんの目の前で」
楊原あざみ:「名前は……なるほど」
速水やどり:「……」自分にとっては、資料で知る名であり。彼にとっては、おそらく消えない傷の一つだろう。
春日雪:「ですが……今回ばかりは。死者が蘇った、誰かが模倣している、そういったことではなく」
チェスカ:「……"シューラ・ヴァラ"矢神秀人」
チェスカ:「わたしと……わたしたちと、同じく。ここではないどこか、いまではないいつかからやってきた、"アーカイヴス"の仲間です」
楊原あざみ:「生き延びた未来があったということですか?」
春日雪:「"アーカイヴス"のみなさんは、様々な可能性の世界から集ったのだと。そう聞きました」
春日雪:「わたしたちが考え得る限り。いえ、想像の及ばないような可能性も、その中にはあるのでしょう」
真神コルト:「今とは違う流れからやってくる、ということもあるわけですか」改めて映像を見る。
真神コルト:「映像から顔は分かりませんね。せめて口論の内容が分かれば……」
速水やどり:「……何故、"アーカイヴス"のメンバーが彼を、というのは疑問ですが……目下、彼を追うのが手掛かりになるというのが分かっているのは不幸中の幸いです」
チェスカ:「……はい。可能な限り情報は提供するし、協力は惜しまない、と。わたしたちのリーダーからは、そう言伝を預かりました」
楊原あざみ:「であれば、ありがたい限りです」
速水やどり:そうですよね、と相槌を打つ。……二重にそうだろう。身内から出た事件であり、そして『彼』に関することなのだから。
春日雪:「こちらでも、得た情報の解析にすぐ取り掛かれるよう準備をしておきます。……それでは、やどりちゃん?」
速水やどり:「はい。……それでは、捜査を始めましょう」ぱちん、と手を打って鳴らす。
GM:シーンエンド
GM:ロイス設定と購入!
楊原あざみ:ロイスは「恋敵:速水やどり:誠意/敵愾心」。購入は……
楊原あざみ:アルティメイド狙いますか。《アクティベイト》9点ペイ。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+4した(侵蝕値:40->44)
楊原あざみ:2dx+12>=20
DoubleCross : (2R10+12[10]>=20) → 9[1,9]+12 → 21 → 成功
楊原あざみ:出ました。装備。
楊原あざみ:まあ、今回はグラ変えなしで。
真神コルト:お見事すぎる。
速水やどり:ロイス、矢神秀人/執着/〇猜疑心で。
速水やどり:応急手当、買っておきますか。
速水やどり:2dx+3>=8 応急手当
DoubleCross : (2R10+3[10]>=8) → 8[7,8]+3 → 11 → 成功
速水やどり:あざみさんに。
真神コルト:ロイスはひとまず保留。お買い物はやどりちゃん用のボデマかな。
真神コルト:2dx+2>=12
DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 9[1,9]+2 → 11 → 失敗
真神コルト:1点入れて購入。やどりちゃんにシューッ!
速水やどり:ありがたく。
GM:次シーンからはリサーチ。登場は任意、まずは現時点でリサーチ可能な項目を提示します。
GM:■"シューラ・ヴァラ"矢神秀人について:その1 <情報:UGN>7
GM:■シスター・チェスカについて:その1 <情報:UGN><交渉>7
GM:■矢神秀人の動向 <情報:UGN>7
GM:以上3項目となります。
ミドル2
GM:シーンプレイヤー:真神コルト
GM:登場:可能
GM:では各位登場侵蝕を振ってもらってから、まずはリサーチの判定からと参りましょう。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+9(1d10->9)した(侵蝕値:44->53)
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+1(1D10->1)した(侵蝕値:45->46)
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+6(1d10->6)した(侵蝕値:47->53)
GM:それでは、どの項目を判定するか宣言のち判定を!
速水やどり:ではリサーチにとりかかって。……頭から行きましょう、”シューラ・ヴァラ”矢神秀人について:その1を。
速水やどり:コネ:UGN幹部使って情報:UGNで判定。
楊原あざみ:では矢上の動向ですね。
速水やどり:4dx+4>=7
DoubleCross : (4R10+4[10]>=7) → 10[2,4,10,10]+3[3,3]+4 → 17 → 成功
楊原あざみ:情報処理チームを使用して素振り。
楊原あざみ:2dx+5
DoubleCross : (2R10+5[10]) → 6[5,6]+5 → 11
楊原あざみ:問題なく成功。
真神コルト:では、シスター・チェスカその1をば。
真神コルト:情報:UGNにコネを入れてどん。
真神コルト:(2+2)dx+2>=7
DoubleCross : (4R10+2[10]>=7) → 5[2,5,5,5]+2 → 7 → 成功
GM:情報強者どもめ……!
真神コルト:あぶな!成功!
GM:では上から順番に開示!
GM:■"シューラ・ヴァラ"矢神秀人について:その1
GM:克肖機関マゴイ、通称アーカイヴス所属のエージェント。
GM:異相巡航艦オルロイが数多の世界を渡り歩く中で参加した、いわゆる合流組のひとり。
GM:他者を見下す言動が少なくない、決して好人物とは言えない男だが、戦闘能力は高い。
GM:艦内での人間関係は希薄だったが、ごく一部の人物には親しく(つまり嫌味混じりに絡む形で)接していた。
GM:そのうちの一人が、シスター・チェスカと呼ばれる少女である。
GM:─その他、キミたちがシスター・チェスカから聞き出した人柄は、矢神秀人…既に亡くなった少年のそれと、一致したパーソナリティと判断できる。
GM: →"シューラ・ヴァラ"矢神秀人について:その2 <情報:UGN>8 がリサ―チ可能になりました。
GM:■シスター・チェスカについて:その1
GM:克肖機関マゴイ、通称アーカイヴス所属のエージェント。
GM:異相巡航艦オルロイが数多の世界を渡り歩く中で参加した、いわゆる合流組のひとり。
GM:現在はN市UGNとアーカイヴスの連絡役として、第9支部に派遣されている。
GM:誰にも丁寧かつ親切に接し、そして美人。第9支部の中でも隠れファンがちらほらいるのだとか。
GM:しかし自分の素性については、やんわりと誤魔化すなどして、これまで語ったことはない。
GM: →シスター・チェスカについて:その2 <情報:UGN><交渉>8 がリサーチ可能になりました。
GM:■矢神秀人の動向
GM:異相巡航艦オルロイ艦内で、主として人事と研究関連の事務を行っていたが、突如出奔。
GM:天城康介宅を訪問した後、何らかの会話を交わした後、彼を拉致し行方を晦ませた。
GM:そして、天城康介と接触する数時間前、単独でN市UGNの施設を訪れている。
GM:"アーカイヴス"の…研究協力者としての身分で入場した後、何らかの研究成果物を強奪、施設を破壊。逃走した。
GM:楊原あざみが「片付け」をしていた現場こそが、まさにその施設だ。
GM: →第4支部ラボでの研究 <情報:UGN>8 がリサーチ可能になりました。
GM:以上となります。
GM:─N市UGN第9支部、会議室。
GM:ひとまずは情報整理のため、と割り当てられた部屋で、キミたちが資料を探る、連絡を取る等していた最中。
チェスカ:「……こちらの世界でも、矢神さんは変わらないんですね」
GM:資料に目を落としていた少女が、ぽつりと言葉を漏らす。
速水やどり:取り寄せた星辰館の内部の内申資料を、こちらでも目で追って。
速水やどり:「……思うところがおありですか」……正直、あまり人間として良くは書かれていないその内申書に、表情に出さず心で苦笑しつつ。
楊原あざみ:「親しかったと?」
チェスカ:「ええ。確かに、あまり人に好かれるタイプの殿方ではありませんけれど……」
チェスカ:「ネチネチと嫌味を言いながら、それでも話を続けようとするのは。どこか、可愛らしくもありました」
チェスカ:「……わたし以外にも、同じように絡まれていた人は、そうは思わなかったようですけれど」
楊原あざみ:「こちらで起こした襲撃事件について、思い当たることは」
楊原あざみ:第四区の事件について。
楊原あざみ:「そちらでの扱いをあたる必要があるなら、それこそ、内部資料を調べさせてもらいたいですが」
チェスカ:「そうですね……矢神さんは、わたしには知り得ない情報を取り扱う立場でもありました」
チェスカ:「内部資料については、リーダーに連絡しておきますね。おそらく、問題ないと思います」
真神コルト:「……私たちがどこまで触れて良いものやら、という気もしますけど、そうも言っていられませんね」
楊原あざみ:「遠慮はなしで行きましょう」
真神コルト:「そうですね。彼のことを思えば、手は抜けません」
楊原あざみ:「ええ。手をこまねいている場合ではない、という言い訳はいくらでもできますし」
チェスカ:「……ふふ」
GM:そういった風に、着々と話を進めるキミたちを─とりわけ。
GM:楊原あざみの様子を、楽しそうに、嬉しそうに眺めながら。小さく微笑みを浮かべる。
真神コルト:「………」その様子を視界の片隅に入れながら。
真神コルト:「……矢神さんがN市に来る前後の動向はどうでしょう?」
真神コルト:「オルロイから何か持ち出したりはしなかったか。 直前までのアクセス履歴。あとは……」
真神コルト:「天城くんの所に来るまでに寄り道などはなかったか、といった所でしょうか」
チェスカ:「……そうですね。持ち出しの記録があるのは、一般的な市街用装備……偽造身分証であるとか、プリペイドカードであるとか。それと」
チェスカ:「"アーカイヴス"としての……そして、UGNの外部協力研究員としての、正規の身分証」
楊原あざみ:「今は使用できないはずですね。手に入れるのにもルートが要る」
楊原あざみ:「そう大きく動くことはできないはずですが…」
真神コルト:「その身分証で出来ることをした、あるいはする、ということですよね」
真神コルト:うーん、と指を顎に当て。
真神コルト:「身分証のIDをきちんと管理してあれば、持ち出された身分証がどれか分かりますよね。であれば」
真神コルト:「そのIDで照会すれば、どこかで使われていれば引っ掛かるのでは。……と、思いますが」
楊原あざみ:「事件自体は…」
楊原あざみ:「はっきりしています。失礼、こちらを」
楊原あざみ:第四区で起こった襲撃事件。
楊原あざみ:「何を持ち出したのかは今の所不明。手がかりを残さないくらいに、徹底的に破壊されていましたから」
楊原あざみ:「ただ、内容をリストアップした上で、持ち出す理由のあるもの、あるは破壊する理由があるものを洗い出せば…」
速水やどり:「……彼がこの時代で欲するようなものが、そこにあったのでしょうか……?」
楊原あざみ:「ええ。彼が何を考えていたか、推し量ることはできるかもしれません」
速水やどり:「手をかける価値が十二分にありそうですね。引き続き捜査を進めましょう」
チェスカ:「はい。わたしも、引き続きお手伝いさせてもらいますね」
楊原あざみ:[]
楊原あざみ:「…………」チェスカさんを見る。
楊原あざみ:「ええ。よろしくお願いしますね」
GM:視線を注がれた微笑みは、柔らかくはあったけれど。どこか、硬い仮面のようでもあって。
GM:ふふ、と漏れた声は。果たして、誰に向けたものであったのだろう。
真神コルト:「……そう言えば」資料を改めて手に取って。
真神コルト:「矢神さんの素性は少し明らかになった所ですが」
真神コルト:「シスター・チェスカ。貴方も彼と同じ、合流組……という立場になるのですね?」
チェスカ:「はい。滅んだ世界の、最後の生き残りということになります」
真神コルト:「……う。それはその、不躾な質問でしたね」
真神コルト:すみません、と小さく頭を下げる。
チェスカ:「いえいえ。……興味を持たれるのは、嬉しいことですから」
GM:それに、と。一言置いて。
チェスカ:「聞いて欲しくないことは、聞かない。そういう気遣いをしてくれる方々だと、知っていますから」
GM:微笑みと言葉で、まるで予防線を張るように。
真神コルト:滅んだ世界の、ということは。矢神さんも同じような経験をして、この世界にやってきたということ。
真神コルト:我々の知らない──あるいは、やどりちゃんだけは知っている──未来を見てきた人たちが、この世界を見て、何を思うのか。
真神コルト:『知っていますから』
真神コルト:その一言が、どうしてか。彼女の張った予防線の上に突き立っているように見えた。
GM:シーンエンド、ロイス・購入等!
楊原あざみ:「同行者:真神コルト:○誠意/隔意」。
楊原あざみ:購入は……必要なものありますか?
速水やどり:ロイスは 真神コルト/〇信頼/悔悟 、 楊原あざみ/〇信頼/敵愾心 で。
速水やどり:購入……ジュラルミンシールドを狙うかなあぐらい……?
真神コルト:やどりちゃん用のジュラルミンシールドくらいかな……?
楊原あざみ:とりあえずブルーゲイル狙いましょうか。《アクティベイト》9点ペイ。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+4した(侵蝕値:53->57)
楊原あざみ:2dx+12>=20
DoubleCross : (2R10+12[10]>=20) → 6[4,6]+12 → 18 → 失敗
楊原あざみ:財産2で成功。コルトさんに渡しておきますか。
真神コルト:わぁいおクスリ!ありがとうございます!
楊原あざみ:以上かな。
速水やどり:自分ではじゃあジュラルミンシールドを。
速水やどり:2dx+3>=12
DoubleCross : (2R10+3[10]>=12) → 3[1,3]+3 → 6 → 失敗
速水やどり:そのまま失敗しておきます。以上!
真神コルト:ロイスはあざみさんに ●尽力/なるほど? にて取得。
真神コルト:こちらもジュラルミンシールドチャレンジ。
真神コルト:2dx+2>=12
DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 7[6,7]+2 → 9 → 失敗
真神コルト:微妙な数字……ここは失敗にしておきましょうか。
真神コルト:こちらも処理は以上です。
ミドル3
GM:シーンプレイヤー:楊原あざみ
GM:登場:可能
GM:まずは各位、登場侵蝕を!
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+4(1D10->4)した(侵蝕値:46->50)
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+7(1d10->7)した(侵蝕値:53->60)
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+10(1d10->10)した(侵蝕値:57->67)
GM:では、改めて項目を列挙!
GM:■"シューラ・ヴァラ"矢神秀人について:その2 <情報:UGN>8
GM:■シスター・チェスカについて:その2 <情報:UGN><交渉>8
GM:■第4支部機密ラボでの研究 <情報:UGN>8
GM:上記3項目となります。
楊原あざみ:ラボでの研究を行きましょうか。情報収集チームを入れて素振り。
楊原あざみ:3dx+5>=8
DoubleCross : (3R10+5[10]>=8) → 8[7,7,8]+5 → 13 → 成功
楊原あざみ:通しました。
真神コルト:引き続きシスター・チェスカ、その2行きましょう。
真神コルト:情報:UGNにコネを合わせてどどん。
真神コルト:(3+2)dx+2>=8
DoubleCross : (5R10+2[10]>=8) → 10[2,2,5,9,10]+1[1]+2 → 13 → 成功
速水やどり:"シューラ・ヴァラ"矢神秀人について:その2を。コネ:UGN幹部使って情報:UGNで判定。
速水やどり:4dx+4>=8
DoubleCross : (4R10+4[10]>=8) → 8[2,3,4,8]+4 → 12 → 成功
GM:みんなダイスの出目もいいね?
真神コルト:イェイイェイ
GM:では開示!
GM:■"シューラ・ヴァラ"矢神秀人について:その2 <情報:UGN>8
GM:その容姿は「この世界」での矢神秀人…既に死亡している少年と同一であり、外見年齢もほぼ同じ。
GM:しかし、実年齢は37歳。様々な手段で外見年齢の維持を行っており、例としては下記のようなものがある。
GM: ・UGNでの長年の研究に基づく、安定したレネゲイドコントロールとレネゲイドの鎮静化(Dロイス:安定体を所持)
GM: ・FHに由来する技術による肉体と精神の強化手術(Dロイス:不死者を所持)
GM: ・とある目的で保存されていた、古代種オーヴァードの血液の摂取(Dロイス:古代種を所持)
GM:これらにより、なんとか「オーヴァードとして自我を保っている」状態であったが、非常に不確かな状態でもあった。
GM:なお、これらの処置は矢神が"アーカイヴス"に合流した時点で既に施されていたものである。
GM:■シスター・チェスカについて:その2 <情報:UGN><交渉>8
GM:フルネームはチェスカ・スプリングフィールド。年齢は10代後半と思われるが、後述の経歴のため断定はされていない。
GM:誕生から"アーカイヴス"合流までの経歴は次のとおり。
GM: ・202X年、[削除済み]と[削除済み]の長女として誕生。
GM: ・20XX年、両親と別離。義母である[削除済み]に養育される。
GM: ・20XX年、義母と別離。数年間を[削除済み]として過ごす。
GM: ・20XX年、[削除済み]教会に身を寄せる。以後、スプリングフィールド姓を名乗る。
GM: ・20XX年、世界滅亡。アーカイヴスに合流。
GM:このように、経歴の一部(あるいは大部分)は伏せられている。これは本人の希望を、"アーカイヴス"リーダーが受諾したためである。
GM:■第4支部機密ラボでの研究 <情報:UGN>8
GM:ラボで行われていたのは、様々な理由で遺体を確保できなかったジャームの再生実験であった。
GM:僅かな肉片、僅かな血痕から肉体を再生する技術は、"アーカイヴス"との接触でもたらされたもの。
GM:再生させたジャームの肉体そのものから情報、あわよくば記憶─脳以外にも記憶が宿るとすればだが─を得る目的があった。
GM:しかし、第4支部長の判断で研究は中断、成果物も破棄される予定だった。中断理由のうち、主なものはふたつ。
GM:ひとつ、再生ジャームには知性も記憶もなく、ただ命じられるままに力を振るうだけのものであったこと。
GM:ふたつ、倫理的な観点によるもの。
GM:試験的に再生されたジャームは"グリムリーパー"、"リプロダクター"、"エリゴス"等。
GM:─その中に、ひとつ。見落とせない名前を発見した。
GM:【アンタレス】
GM:─N市UGN第9支部、支部長室。
春日雪:「……チェスカさんには、少し席を外していただきました。お願いしたい用事もありましたし」
楊原あざみ:「ええ」
GM:副支部長室から持ち込んだものだろうか。卓上には、人数分の紅茶と、そして。
春日雪:「こっそりお茶とお菓子を楽しんでいたと思われたら、怒られてしまいそうですけれど」
GM:おやつと軽食の間のような菓子類、そして紙ベース、タブレットに表示された電子データ、様々な形の資料がある。
真神コルト:「いずれお茶をしようと約束していますから、その時に埋め合わせるとしましょう」
楊原あざみ:「問題のある話を方を先にお願いします」
春日雪:「それで、やどりちゃん。……チェスカさんに、自然な形で席を外してもらうようにしたということは」
春日雪:「彼女の、あるいはみなさんの私的な部分に関わる話だということですね?」
速水やどり:「はい、そうなりますね」先にオルロイからの内部資料を観ていたコルトさんに目をやる。
真神コルト:「……まず、私と彼女は今回が初対面ではなく。と言っても、廊下で一度話した程度なのですが」
真神コルト:「その時と今。どうも、彼女の態度に含み……と言うより」
真神コルト:「何かを知っていて、伏せている。そう感じたもので」
春日雪:「はい。……彼女は、"アーカイヴス"リーダーの信任を受けてここに派遣されています。であれば、悪意はないのでしょうけれど……」
真神コルト:少なくとも私のことは知っている。もしかしたら、楊原さんのことも。
真神コルト:「無理に暴くものでもないのかもしれません。けど、彼女のことも少し、調べてみました」
楊原あざみ:「私的な事情である、と考えて話を進めましょう。少なくとも今のところは」
楊原あざみ:「何か問題が出ているわけではないでしょう」
真神コルト:「……それが。彼女の経歴の大部分が、伏せられているんです」
真神コルト:「両親、関係者、身を寄せた施設。アーカイヴスの持つデータ上で、いずれも削除されている」
楊原あざみ:「ですから、私的な事情だろう、ということです」
真神コルト:「……そう、ですね。それでも信を得てここにいることは、確かですから……」
速水やどり:「……"アーカイヴス"のリーダーが」つまり、わたしが。「許容しているというのなら、なおさらですね」
春日雪:「……経歴を伏せるのは、決して珍しいことではないそうですよ。あちらは、UGN(わたしたち)以上の、寄り合い所帯だそうですから」
春日雪:「そのうえで、それが許されているのなら。ひとまずの問題はなく、そして─」
真神コルト:「すみません。今、追うべきは矢神さんと第四の施設の方ですよね」切り替えるように頬をパチンと叩く。
春日雪:「それを赦した方に、思う所が……」
GM:あったのでしょう、と言いかけて。
春日雪:「……はい、そうですね。……まず矢神さんの方は、いかがです?」
速水やどり:「えぇ。矢神ですが……外見年齢がアーカイヴスの所属時期と乖離していると思いましたが、これは"古代種"によるものですね」
速水やどり:「その上で、他にも。様々な事情から、『どうにかしてオーヴァードとしての形を保っている』ような……不安定な状態だったようですね」
速水やどり:「突然出奔したのも、なにかしらの衝動に抗えなくなったのかもしれません」こういった話を、親しかったという彼女に聞かせるのも難だろう。席を外してもらったのには、そういう意味もある。
速水やどり:「あるいは、第四の施設の方によほど魅力的なものがあったか……どうです? 楊原さん」
楊原あざみ:「魅力的というか…」
楊原あざみ:「あちらで行われていたのは、リザレクトに関する所見を応用した、ジャームの再生実験です」
楊原あざみ:「主な目的は、尋問による情報収集。ただし、記憶の再生についてはすべて失敗、技術的にはその点で打ち切られたとありますね」
春日雪:「倫理的にも……ええ、日馬支部長の判断で。むしろそちらの方が大きな理由ではないかと思えますけれど」
楊原あざみ:「あちらの人柄は知らないので……目的を果たせなかったという点だけでも十分だと」
楊原あざみ:「兵器として使用可能なクローンまでは作成できたそうですが、これはFH系の組織で既に実用化されているようなものですし」
楊原あざみ:淡々と。彼には、あまり聞かせたことのない声だ。
楊原あざみ:「研究対象になっていた中には、私の細胞もあったそうですが。まさか、これを狙ったというわけでもないでしょう」
楊原あざみ:「…機能的に必要だった可能性はありますが」
春日雪:「……以前に、やどりちゃんと天城さんが関わったという、あの事件ですか」
真神コルト:「え……?」目をぱちくりとさせて楊原さんを見る。
楊原あざみ:「ええ。アーカイヴスの方とは違うのですが」
楊原あざみ:「別の時間から来た、ジャーム化した私自身に襲撃されたことがありまして」
楊原あざみ:「まあ、それだけの話です。異なる可能性の情報を得ようという目的だったんでしょう、再生対象に含まれていたのは」
真神コルト:「な、なるほど……」
楊原あざみ:「少なくとも、彼の延命の役に立つ研究には思えませんね。何か、他の事情があったのかもしれません」
真神コルト:「そうなると……ここからは彼自身の考えを探る必要がありますか」
春日雪:「……ええ。もし、彼が既に衝動に屈しているとしたら。その考えは、理性よりもむしろ─」
楊原あざみ:「感情面ですね」
楊原あざみ:「彼の過去に何があったのか。康介くんとの間について。…むしろ」
楊原あざみ:「チェスカさんに伺うべきかもしれませんが。これは」
春日雪:「そうですね……となると、やはり」
春日雪:「……やどりちゃん。チェスカさんには、お客様の出迎えをお願いしていたんです」
GM:この事態、そして迎えに出た者。であれば、キミには。
GM:"お客様"もまた、未来から来た誰かであろうということが、想像できるだろう。
GM:事実として、その通り─。
チェスカ:「失礼します。ただいま戻りました。それと─」
チェスカ:「……ほら、こっちこっち。お待たせしちゃいけませんから、ね?」
GM:修道服姿の少女に手を引かれて。どこか、苦いものを噛み潰したような顔で入室したのは。
楊原しずる:「……どうも。初めまして。"アーカイヴス"エージェント、"コルヌ・ベッテ"楊原しずるです」
楊原しずる:「……えぇ、そして。ご無沙汰しています」
GM:戸惑い半分、といった風に。楊原あざみに対して、一礼。
楊原あざみ:「お疲れさまです」
楊原あざみ:「…意外な顔といえばそうですが。事情はお話しいただけますか?」
速水やどり:「えぇ、説明いたしましょう」
楊原しずる:「ただし、場所を変えさせていただきます。……"アーカイヴス"リーダー、曰く」
楊原しずる:「皆様をご招待します。……速水支部長にとっては、初めての場所ではありませんが」
チェスカ:「はい。……どうか、揃ってお越しくださいね。わたしたちの家にして砦、異なる世界とのフロントライン」
チェスカ:「異相巡航艦オルロイへ。そこで、リーダーが」
チェスカ:「みなさんを、お待ちです」
GM:シーンエンド、ロイス&購入!
楊原あざみ:購入は……もうひとつブルーゲイル。
楊原あざみ:リミテッドイモータル10回復アクティベイト9点ペイ。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+6した(侵蝕値:67->73)
楊原あざみ:3dx+3>=20
DoubleCross : (3R10+3[10]>=20) → 9[3,5,9]+3 → 12 → 失敗
楊原あざみ:もとい、+9なので成功です。これもコルトさんに。念の為。
真神コルト:何から何まで……お世話になります。
楊原あざみ:ロイスは……PC向けは確保してあるので保留します。以上。
速水やどり:ジュラルミンシールド狙いで。
速水やどり:2dx+3>=12
DoubleCross : (2R10+3[10]>=12) → 8[8,8]+3 → 11 → 失敗
速水やどり:財産1点ペイして購入、装備。
真神コルト:フルアーマーやどりちゃんに。
真神コルト:ロイスは今回も保留。お買い物は……応急かな。
真神コルト:3dx+2>=8
DoubleCross : (3R10+2[10]>=8) → 10[4,5,10]+8[8]+2 → 20 → 成功
速水やどり:ロイス保留の以上!
真神コルト:これはあざみさんにパスしておきます。必要でしたら使っていただく方向で……
楊原あざみ:ありがとうございます。
真神コルト:こちら、処理は以上で。
ミドル4
GM:シーンプレイヤー:速水やどり
GM:登場:可能
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+2(1d10->2)した(侵蝕値:60->62)
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+10(1D10->10)した(侵蝕値:50->60)
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+8(1d10->8)した(侵蝕値:73->81)
GM:こればかりは機密です、ご容赦を。目を閉じたキミたちにそんな言葉がかけられて、一瞬の浮遊感があって。
GM:目を開けば、無機質で真っ白な壁と床。明らかに現代のものではない造りの通路。
GM:そこを、こちらです、と案内する楊原しずるとシスター・チェスカ。二人について歩むキミたちが辿り着いた、ひとつの扉の前で。
楊原しずる:「…………」深呼吸を、小さくひとつ。そして、備え付けのインターフォンを押して。
楊原しずる:「……入るわよ、"リーダー"」
GM:どうぞ、と声が返ってきて。扉が開き、入室したキミたちの視線の先にいたのは─。
速水やどり(アーカイヴス):「……ようこそ、異相巡航艦オルロイへ。お久しぶりです、速水さん。そして─」
速水やどり(アーカイヴス):「─初めまして。楊原あざみさん。真神コルトさん。克肖機関マゴイ、あるいは"アーカイヴス"リーダー」
楊原あざみ:「はじめまして」
速水やどり(アーカイヴス):「コードネーム"リトル・ライト・ブルー"。速水やどりです」
真神コルト:「……はじめ、まして」その姿は、いつかの事件で見た。髪の色こそ違うけれど。
速水やどり(アーカイヴス):「……そして、えぇ」
楊原あざみ:「"バルドラの蠍"、楊原あざみです」
GM:その声は、絞り出すように。
速水やどり(アーカイヴス):「……敢えて、言わせてもらいますね。─お久しぶりです、と」
真神コルト:「……っ」
真神コルト:「そう、なるんですね……」聞かされてはいたことだけれど。
速水やどり:「……」『わたし』が経験した、幾つもの別れ。人の命に軽重なんてないけれど、敢えて使うなら。特に重かっただろう、それを思う。
真神コルト:本当なら、今すぐ駆け寄って、抱き締めて。ごめんなさい、と言いたい。
真神コルト:でも今は、そうする時ではないことは、分かっている。
速水やどり(アーカイヴス):「……ごめんなさい。本当は、たくさんお話をしたいのですが」
速水やどり(アーカイヴス):「今は、それが出来る状況ではないと理解しています。……まずは」
速水やどり(アーカイヴス):「わたしの仲間が。……矢神さんがご迷惑をおかけしたことを、申し訳なく思います」
楊原しずる:「……リーダーの指示通り、矢神さん……と、あの人の行方はUGNと協力して捜索中よ」
楊原あざみ:「……いえ。選べる状況ではなかったろうというのは、こちらのUGNの人間でもよく理解できるので」
速水やどり:二重の意味で気が気でないだろうに、冷静なのは、やはり自分なのだと感じる。
速水やどり(アーカイヴス):「そう言っていただけると、助かります。……ずいぶん昔にも、同じようなことを楊原さんに言ったような気がしますね」
楊原あざみ:「苦労話はいつものことなので、実際にあったのか、そちらだけなのか、わかりませんね」
楊原あざみ:「……いいですか。速水支部長」
速水やどり:「はい」
速水やどり:「責任の追及は後にして、今はできることを。ですよね。……ここに招いてまで、話したかった事。お聞きしましょう」
速水やどり(アーカイヴス):「はい。……みなさんが知りたいのは、矢神さんのこと。そして」
速水やどり(アーカイヴス):「……チェスカさんのことも、気にかけていただいている。そうですね?」
チェスカ:「………………」 張り付いた微笑みは、いっそ能面にも似ている。
真神コルト:「それは、どちらかと言うと私が……」と言いかけて。
真神コルト:「……彼女のことも、この事件に関係する……の、ですか?」
速水やどり(アーカイヴス):「……えぇ。それに、もし関係なかったとしても。真神さんが気にかけていることを、速水やどりは無碍にはしません」
速水やどり(アーカイヴス):「……でしょう、速水さん?」
速水やどり:「えぇ、それは勿論。コルトさんも、私にとって大切な方ですから」
GM:リーダーは、その言葉に、表情に僅かな安堵と喜びを滲ませながら。
速水やどり(アーカイヴス):「では──」
GM:そしてここで、情報項目を開示します。
GM:■"シューラ・ヴァラ"矢神秀人の世界について <情報:UGN><交渉>10
GM:■チェスカ・スプリングフィールドの世界について <情報:UGN><交渉>10
GM:上記ふたつが判定可能です。
速水やどり:では、シューラ・ヴァラ"矢神秀人の世界について。コネ:UGN幹部を起動して、情報:UGNで。
速水やどり:5dx+4>=10
DoubleCross : (5R10+4[10]>=10) → 1[1,1,1,1,1]+4 → 5 → ファンブル
GM:!?
速水やどり:!?
真神コルト:!?
楊原あざみ:では、矢神の世界について。こちらが。
真神コルト:た、頼みます
楊原あざみ:難易度10だと…そこそこ厳しいですね。《アクティベイト》4点ペイ。情報収集チーム起動。
楊原あざみ:5dx+9
DoubleCross : (5R10+9[10]) → 6[1,1,4,6,6]+9 → 15
楊原あざみ:通しました。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+4した(侵蝕値:81->85)
真神コルト:では、チェスカ・スプリングフィールドの世界について行きます。情報:UGNにコネを合わせてどどどん。
真神コルト:(3+2)dx+2>=10
DoubleCross : (5R10+2[10]>=10) → 9[1,2,4,5,9]+2 → 11 → 成功
真神コルト:OKです。
GM:は、では…!
GM:■"シューラ・ヴァラ"矢神秀人の世界について <情報:UGN><交渉>10
GM:2016年、崩落戦の発生とN市UGNの再編までは、概ねこの世界と同じタイムラインが進行していた。
GM:大きな違いは2017年頃、天城康介がイリーガルとして最初に就いた任務において、FHイリーガルであった矢神秀人と交戦したこと。
GM:─このとき、天城康介および、共に戦った楊原あざみが死亡。矢神秀人は行方を晦ませ、世界滅亡まで姿を消すこととなる。
GM:無論、その後の出来事─天城康介と速水やどりとの出会いは起こらず、そして真神コルトはオーヴァードにならかなった。
GM:そして2021年、オーガンが出現。どの世界よりも速やかに全生物がオーガンと同化し、世界は滅亡した。
GM:─隠れ潜んで生き延びた矢神秀人が"アーカイヴス"に合流するのは、その十数年後のことである。
GM:■チェスカ・スプリングフィールドの世界について <情報:UGN><交渉>10
GM:2020年までは概ね、この世界と同じタイムラインが進行していた。
GM:が、「楽園の13人」への対処が完全には行われなかったため、オーガンが出現。
GM:UGNを中心として抗戦するも、徐々に戦況は不利な方向へ傾いてゆく。
GM:─その中で、速水やどり、楊原あざみの両名が、早期に落命。
GM:真神コルト、天城康介の両名も、数年後に生死不明となった。その直後、オーガンが爆発的に増加。
GM:世界は滅亡し、最後のひとりとなったチェスカ・スプリングフィールドが辛くも"アーカイヴス"に合流した。
速水やどり(アーカイヴス):「……以上が、まず皆さんにお伝えできる「事実」です。知りたいこと、知らなければならないことが別にあることは、理解しています」
速水やどり(アーカイヴス):「ですが、それは後程、然るべき者から伝えさせます。必ず」
速水やどり(アーカイヴス):「……その前に、ふたつ。わたしたちから、お伝えしたいことがあります」
速水やどり:「どうぞ」言葉の先を促す。わざわざ前置きするということは、それなりに重たいことなのだろうか。
速水やどり(アーカイヴス):「……ひとつめ」 小さく、首肯を返して。
速水やどり(アーカイヴス):「世界が滅びる直接の原因は、オーガンの出現と全生物の同化。けれど、わたしたちがこれまで巡ってきた世界で、その滅びの速さには明確な差異がありました」
速水やどり(アーカイヴス):「矢神さんの世界と、チェスカさんの世界がそうであったように。……そして、世界の在り様に影響を与える力を、わたしたちは昔からこう呼んでいました」
速水やどり(アーカイヴス):「特異点、と」
楊原あざみ:「…一人ではないはずですね。その数が、世界に影響を及ぼしていると?」
速水やどり(アーカイヴス):「はい。……正確に言えば」
速水やどり(アーカイヴス):「より良い未来を望む"特異点"の存在こそが、世界を延命させる力である。それが、わたしたちが立てた仮説です」
速水やどり(アーカイヴス):「─では、もしも。特異点の数自体が減り、そして。その特異点が」
速水やどり(アーカイヴス):「現在(いま)に、未来(あす)に絶望しながら死ねば─」
真神コルト:「そのネガティブが、より強く、世界に作用する……?」
楊原あざみ:「矢神は、それを望んでいると?」
速水やどり(アーカイヴス):「……いえ。矢神さんは、わたしたちの目的に……みなさんがいる、この世界を救うという目的に賛同して合流しました。そこに、偽りはないと思います」
速水やどり(アーカイヴス):「それに、何より。矢神さんは……自分があの人を。あの人と、楊原さんを手にかけたことを。とても、気にしているようでした」
速水やどり(アーカイヴス):「……そう、ですね。この中では、ご存知なのは楊原さんだけでしょうか」
速水やどり(アーカイヴス):「楊原さんと出会ったばかりのあの人は、今よりも随分、昏い部分が多かったのだと聞いたことがあります」
楊原あざみ:「…そうですね」
楊原あざみ:ごく端的に。
速水やどり(アーカイヴス):「それが直接の原因でないにしろ。世界を存続させる力を、その支えになるかもしれない人を殺してしまったことを」
速水やどり(アーカイヴス):「……矢神さんは悔いているようだと。彼と親しかった者から、聞いたことがあります」
楊原あざみ:「直接、見知った……彼にとっての"康介くんの希望"は、私だったということになりますね」
速水やどり(アーカイヴス):「えぇ。……ひょっとしたら、その先にはまた別の出会いもあったのかもしれません。けれど、矢神さんの世界では、そうはならなかった」
楊原あざみ:「……基本的に、クローニングプラントは、初期投資もランニングコストも莫大なものになる」
楊原あざみ:「事故と失敗の結果とはいえ、無傷で安定して取り扱える"楊原あざみ"を手に入れるために、あの研究所は千載一遇の機会だった」
真神コルト:「本人に直接接触するより、ですか……。筋は通りますね」
楊原あざみ:「極たまにあるんですよ。こういう任務は」
楊原あざみ:死んだはずの人間、あるいはジャーム化した人間を、記憶操作と情報操作で別の人間と"入れ替える"。
楊原あざみ:日常を繕う上での、最後から三番目程度の手段。長いこと後処理の仕事を続けていれば、一度くらいは触れたことはある。
速水やどり(アーカイヴス):「……少なくとも。今生きているあの人にとって、大切なのは」 ─視線は、順番に。
速水やどり(アーカイヴス):「幸せであって欲しい、と願うひと」 ─楊原あざみへ。
速水やどり(アーカイヴス):「互いに「あなたがここにいてほしい」と肯定しあえるひと」 ─速水やどりへ。
速水やどり(アーカイヴス):「大切な人の傍にいて、共に幸福を掴もうとしてくれるひと」 ─真神コルトへ。
速水やどり(アーカイヴス):「そんな、今を生きる皆さんが、この先の未来も生きていることなのだと、わたしは思います」
楊原あざみ:「齟齬があると」
速水やどり(アーカイヴス):「はい。……その点において。矢神さんは、誰かのためでなく、自分のため。自分の衝動を満たすためにだけ、行動している」
速水やどり(アーカイヴス):「その思考は、人のものではなく。既に、ジャームのそれと断じるべきでしょう」
楊原あざみ:「……そちらで把握している限りの"シューラ・ヴァラ"の能力で、周囲と隔絶した空間を手に入れるとしたら」
楊原あざみ:「想定できる手段は何か、ありますか?」
楊原あざみ:「今伺った仮説にはひとつ、穴というか、"常人ならばそうは考えないだろう"という抜け穴がある」
楊原あざみ:平静すぎるほど平静な声だ。
速水やどり(アーカイヴス):「……どうぞ。伺いましょう」
楊原あざみ:「"特異点が絶望しながら死ねば、世界は滅亡への抵抗力を失う"」
楊原あざみ:「けれど、あなたがたの来た世界でもまた、特異点である"その世界の天城康介"は、タイムラインの早期で死亡しているはずですね?」
楊原あざみ:血で汚れた制服。
楊原あざみ:「その世界だけが、オーガンに対する抵抗勢力として生き残った。これが矛盾でないと、彼が納得したとしたなら…」
楊原あざみ:「…"未来への希望を抱いたまま、特異点が死んだ"場合は、何が起こるのか」
速水やどり(アーカイヴス):「……あるいは、矢神さんは。それを確かめたいのかもしれません」
速水やどり(アーカイヴス):「今生きているあの人は、間違いなく。他のどの世界のあの人よりも、可能性を夢見ています」
楊原あざみ:硬い声だ。演技、というわけではない。ある意味ではこれが、楊原あざみという人間の本質でもある。
楊原あざみ:「いずれにせよ、やるべきことは変わりませんが」
楊原あざみ:付け加えるように。
速水やどり(アーカイヴス):「えぇ。……隔絶した空間を得る手段、と仰いましたね。結論から言えば、矢神さんにそのような能力はありません。行方を探るのに、そう時間はかからないでしょう」
楊原あざみ:頷く。
速水やどり:「得心がいくかどうかは別として、仮説は認識しました。……それでは、ふたつめのほう。お聞かせください」
速水やどり(アーカイヴス):「はい。……では、チェスカさん?」
チェスカ:「……っ」 視線を向けられた少女の微笑みが、一瞬。ピクりと引きつって。
楊原しずる:「……元々、そのつもりで第9支部駐在を志願したんでしょう、チェスカ」
チェスカ:「……しずるちゃん。……ええ、ええ」
GM:こくりと頷く修道服姿の少女。その視線が向けられるのは。
GM:真神コルト、あなただ。
真神コルト:その視線を受け止めて。穏やかな笑みを浮かべる。
チェスカ:「……この中には、これまでのお話で察していただいた方もおられるかもしれません。ですが」
チェスカ:「改めて、自己紹介をさせていただきますね。……チェスカ・スプリングフィールド。仲間からは、シスター・チェスカと呼ばれています」
チェスカ:「スプリングフィールドは、わたしを育ててくれた二番目の義母から頂いた名。そのひとつまえ、ひとりめの義母からは、名だけを呼ばれて育ちました」
チェスカ:「……最初にもらった名。両親から受け継いだ、フルネームは」
天城チェスカ:「……天城。天城チェスカと申します」
GM:キミと初めて会った時と、同じように。修道服の左右の裾をつまんで、一礼。
真神コルト:「なるほど」さして驚いた様子もなく。
真神コルト:「確認、ということになるのでしょうけど」
天城チェスカ:「……はい」
真神コルト:「お母様の、お名前は」
天城チェスカ:「……」 ほんの少し、躊躇うように。
真神コルト:大丈夫だから、と。頷いて。
天城チェスカ:「真神、コルト。……すでに戸籍などあってないような世界でしたから、天城の名を名乗ることは、なかったのだと聞いています」
天城チェスカ:「……ですが、少なくとも。父との……天城康介との仲は。決して悪いものではなかった、とも」
真神コルト:「現時点で言えば、少し年の離れた友人で、同じ願いを持った人、なんですけど」
真神コルト:「……そんなことも、あるんですねぇ」ふふ、と笑う。
真神コルト:初めて出会った日、彼女がそうしたように。あるいは、普段自分がそうするように。
天城チェスカ:「……わたし個人としては」
天城チェスカ:「どうか、わたしが生まれる未来が訪れないようにと。ずっと、願ってきました」
真神コルト:コツ、コツ、と靴音を響かせ、彼女の前に。手袋を外し、さほど変わらない白い手で、彼女の頬に触れる。
GM:僅かに見上げるように、"母"の─自分と同じ色の瞳に、視線を固定する。
真神コルト:そして、同じ金色の瞳で見つめ。
真神コルト:「……そんな、悲しいこと言わないで」
真神コルト:「貴方の生まれる未来は、滅びと絶望に塗り潰されてしまうものかもしれない」
真神コルト:彼が二人を選ばない、と言うことは。余程のことがあったのだろうから。
真神コルト:「多くの人が。私が望む未来でさえ。貴方の生まれる未来には繋がらないのかもしれない」
真神コルト:「だから、私にこんなこと、言う資格はないのかもしれないけど……」
真神コルト:「どうか、貴方が生まれて、ここまで生きてきたことまでは、嘆かないで」
真神コルト:「きっと、貴方を世界に生み落とした私と彼は、貴方を祝福したと思うから……」
真神コルト:ね、と頬をさする。
天城チェスカ:「…………」 十数年越しの、祝福の言葉に。返された言葉は、短く。
天城チェスカ:「……はい、お母様」 硬く、張り付くようだった微笑みを。くしゃりと、半分泣き顔に変えて。
真神コルト:よしよしと。溢れそうになる涙を指ですくい上げる。
速水やどり(アーカイヴス):「……チェスカさんから初めて、素性を聞かされた時には。驚いたという言葉では表しきれませんでしたけれど」
速水やどり(アーカイヴス):「同時に。可能性の広さを思い知らされました」
楊原しずる:「……私は、チェスカの"父親"に塩を掴んで投げつけてあげたくなったけどね。いきなり妹だか姉だかが出来たんだもの」
速水やどり:「……えぇ。私も、現在進行形で形容しがたい感情に襲われていますが」
真神コルト:「それはまあ……ふふ」苦笑い。
速水やどり:「それだけ多くの世界を渡り歩いて、あなた方が戦ってきたことの証左でしょう」
楊原あざみ:「まあ、そういうものだと思って納得するしかないのでは」
速水やどり(アーカイヴス):「……そうですね。色々な形があるということは、確かで、そして喜ばしいことだと思います。……それでは」
速水やどり(アーカイヴス):「ふたつめ。……皆さんに、もう一人。会っていただきたい人がいます」
速水やどり(アーカイヴス):「先ほど申し上げた、矢神さんのことをお伝えする、然るべき者です。……そろそろ指定の時刻ですので」
GM:もう来るはずですが、とリーダーが口にした直後。インターフォンが鳴る。
GM:それに、キミたちにそうしたのと同じように、どうぞとリーダーが応えて。開いた扉の、向こうには。
????:「……どうも」
GM:何とも、テンションの低い青年。年の頃は、見たところ20かそこらだろうか。
????:「……ええと。自己紹介とか、した方がいいかな」
楊原あざみ:「はじめまして。ええ、できれば伺えたらと」
楊原しずる:「……あんたね。ここにいる人の殆どが初対面だから、当たり前でしょう」
天城チェスカ:「ええ、ええ。……本当、そのやる気のなさ、誰に似たんでしょう……」
????:「わかった。わかったよ、姉さん」
GM:そうして、"姉さん"と呼んだ二人よりも、僅かに年上に見える青年は。
????:「……克肖機関マゴイ所属。コードネーム、"コルヌ・ウェネヌム"」
天城紫苑:「名前は、シオン。天城紫苑。……初めまして、久しぶり」
天城紫苑:「お母さん」
GM:そう、楊原あざみに呼びかけた青年の髪と瞳の色は。
GM:キミの─楊原あざみのそれに、よく似ていた。
楊原あざみ:「はじめまして。……いないのかと思っていたんですが」
楊原あざみ:動揺はない。直前に、よくないほうのスイッチが入っていたせいもあるだろう。少しだけ寂しいが。
楊原あざみ:「よろしくお願いします」
天城紫苑:「うん、よろしく。……それじゃあ」
天城紫苑:「ついてきて。お母さんたちに、渡すものがある」
GM:それだけ告げると、くるりと踵を返して歩き出す。
速水やどり(アーカイヴス):「……お願いします。えぇ、いつもあんな感じなんです、彼は」
楊原あざみ:「まあ判ります。血の繋がりを感じる程度には」
速水やどり(アーカイヴス):「……そういうものですか。親子いうものは」
速水やどり(アーカイヴス):その言葉は、どこか実感が欠けているようではあったけれど。
真神コルト:「確証はなくても確信する、と言いますか」
速水やどり(アーカイヴス):室内の皆を順番に見渡す視線─特に、ひとりの少女に向けるそれは、暖かいもので。
楊原しずる:「……追いかけないと、あの子、勝手に行きますよ。そのくせ、ついてこない君たちが悪い、みたいな顔をするんですから」
楊原あざみ:「行きましょうか」
GM:─それを受けた少女は、誤魔化すようにそう告げて。それでも、決して悪い気分ではないようだった。
楊原あざみ:席を立つ。
速水やどり:「置いていかれては敵いませんね。……えぇ、行きましょう」
真神コルト:「はい」
天城チェスカ:「わたしたちは、やれることを進めておきます。……えっと、あの」 ─そうっと、"母"から身を離しながら。
天城チェスカ:「……いつか、お茶会にお招きいただいた時には、その。……また、わたしとお話しをしてくれますか……?」
真神コルト:「ふふ。もう忘れてしまったんですか?」
真神コルト:「歓迎しますし、されますよ。ええ、目一杯、お話ししましょう」
真神コルト:つん、と彼女の鼻先を突いて、席を立つ。
真神コルト:ひとときの邂逅は終わり、ふたたび追跡がはじまる。
GM:シーンエンド、ロイス設定&購入!
速水やどり:ロイスは保留の、調達は応急手当キット!
速水やどり:3dx+3>=8
DoubleCross : (3R10+3[10]>=8) → 7[3,4,7]+3 → 10 → 成功
速水やどり:これはあざみさんに。
楊原あざみ:ロイスは保留。
楊原あざみ:ありがたいですね。自分でも手当キットを買って…
楊原あざみ:4dx+3>=8
DoubleCross : (4R10+3[10]>=8) → 10[1,5,6,10]+9[9]+3 → 22 → 成功
楊原あざみ:はい。で、一つ使いたいのですが大丈夫でしょうか
GM:は、即座に、そして複数追加で使用するのもOKです。
楊原あざみ:ではまずひとつ。
楊原あざみ:2d10+4
DoubleCross : (2D10+4) → 9[1,8]+4 → 13
楊原あざみ:13……もうひとつ。
楊原あざみ:13+2d10
DoubleCross : (13+2D10) → 13+9[1,8] → 22
楊原あざみ:OK。これで十分でしょう。一つはとっておきます。
楊原あざみ:以上、かな。
真神コルト:チェスカ嬢へのロイスを ●納得/困惑 に変更。
真神コルト:天城くんに ●尽力/なるほど? で取得。これで残り1枠。
真神コルト:お買い物。何か……何かあります?あざみさんも盾とか?
真神コルト:またアクティベイトするかもだし応急にしておこう。
楊原あざみ:敢えて買うならクリスタルですけど、ううん。
真神コルト:3dx+2>=8
DoubleCross : (3R10+2[10]>=8) → 10[5,6,10]+6[6]+2 → 18 → 成功
楊原あざみ:ちょっと考えます。ありがとうございます。
真神コルト:なんか回った……
GM:高級応急手当キットだな…?
真神コルト:盾は次回以降検討しましょ。とりあえず応急をパス!
楊原あざみ:ありがたい。いただきます。
真神コルト:こちら、処理は以上です。
GM:OK!
ミドル5
GM:シーンプレイヤー:真神コルト
GM:登場:可能
GM:まずは登場侵蝕から。
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+9(1d10->9)した(侵蝕値:62->71)
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+8(1D10->8)した(侵蝕値:60->68)
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+5(1d10->5)した(侵蝕値:85->90)
GM:天城紫苑。そう名乗り、楊原あざみを母と呼んだ青年は。キミたちがついて来ているのを、ちらりちらりと一応気にはしながら。
GM:通路の突き当り、エレベーターの扉を開いて。キミたちが乗り込んだのを確認すると、下りを示すパネルに触れる。
GM:振動も浮遊感も奇妙に少ないそれが下り始めて、少し時間が経った頃。
天城紫苑:「念のため、言っておくけど」
天城紫苑:「僕らが……ああ、僕やしずる姉さん、チェスカ姉さんみたいな人が、複数同時にいる世界っていうのは。僕らが知る限り、なかったからね」
楊原あざみ:「そうですか」
楊原あざみ:「……まあ、そんなものかもしれませんね」
真神コルト:「なるほど」目を閉じて、噛み締めるように。
速水やどり:「……そうなんですね」きっと。この世界でも、そうなるのだろう。
天城紫苑:「甲斐性、って言っていいか分からないけど。僕が知ってるお父さんは、まあ、うん」
天城紫苑:「正直な人では、あったから」
真神コルト:(そこは変わらないんだなぁ……)
楊原あざみ:「何をもって正直とするか、というと、それこそよくわかりませんが」苦笑い。
楊原あざみ:「…まあ、そのままに受け取っておきます」
GM:そうだね、と。苦笑いを浮かべているであろう青年の背丈は、今を生きる少年よりも少し大きくて。
GM:あるいは、キミたちの中には、違和感を覚えた者もいるかもしれない。
GM:どう見ても、少女たち……楊原しずるやチェスカ・スプリングフィールドより年上のこの青年が、彼女らを姉と呼ぶことに。
速水やどり:「あの。どうして、姉さん……なんですか? 艦に乗った順番などでしょうか?」
真神コルト:「そうですね。見た感じ、貴方の方がお兄さんに見えます」
天城紫苑:「それは、文字通り。……うん、そうだな」
天城紫苑:「僕はお母さんから、能力を受け継いだけれど、体質は受け継がなかった。そう言えば、分かってくれるかな」
楊原あざみ:「ああ。なるほど」
楊原あざみ:「…主観的には、同じようなものだと思いますけどね」
天城紫苑:「そういうこと。……僕に特別な才能はなくて。短い時間の中で、人よりたくさん動けるだけで、その間も普通に年は取る」
天城紫苑:「実年齢で15歳、肉体年齢で……20歳くらい、かな。もうちょっと上かも」
天城紫苑:「……まあ、おかげで。単純な作業とか、計算とか。そういうことを任せられることになって」
楊原あざみ:「ええ」
天城紫苑:「今、研究班の子が街の方に拠点を移しててさ。そっちの仕事もこちらに回されて……」
楊原あざみ:「無理はしないように、と言っても聞かないでしょうけどね」
天城紫苑:「そうだね。そこも、お母さんからの遺伝だと思うよ」
楊原あざみ:「両親ともですよ。性格が遺伝するかどうかは知りませんが、影響はあるでしょう」
天城紫苑:「影響、っていう話なら。……お父さんとお母さんだけじゃあ、ないかもね」
GM:ゼロに等しかった浮遊感が、僅かな重圧に変わる。エレベーターが減速し、終点に近づいている。
天城紫苑:「速水さんも、真神さんも。……第9支部や、他のUGNのみんなも」
天城紫苑:「結構、頑張ってさ。……永く持ちこたえた方だったみたいだよ。僕の世界は」
GM:そして自分だけが生き残った、と。言葉にはしないけれど。
真神コルト:「結果、こうして私たちが出会えたというのであれば」
真神コルト:「……ちゃんと、意味はあったんですよ」その頑張りにも。命の終着にも。
楊原あざみ:「ええ」
楊原あざみ:少し考えて。自分よりずっと背の高い「息子」の背中に手を触れる。
楊原あざみ:「よく頑張りました」
天城紫苑:「…………」 振り向きはしなまま、少し、俯いて。
天城紫苑:「……うん」 絞り出した言葉は、少しだけ、震えていたけれど。
GM:─ふいん、と柔らかい音がして。エレベーターが止まる。
楊原あざみ:「…………」
天城紫苑:「……さ、着いたよ。ここは、異相巡航艦オルロイ、その艦艇部分」
天城紫苑:「研究設備、そして格納スペースのひとつ。僕の仕事場」
GM:開いた扉の向こう。薄暗いそこは、確かに何かの研究所めいた雰囲気で。
GM:こっち、と告げて歩き出す青年の背中は。先ほどの初対面の時と同じように、ついて来る者のことをまるで気にしていない風であって。
GM:けれど、足取りは、幾分か軽く。
GM:─異相巡航艦オルロイ、研究施設。天城紫苑のデスク。
GM:そこに連れてこられたキミたちに、青年が差し出したものは。
天城紫苑:「これ。……矢神さんがね、いなくなる前に僕に預けていったんだ。もちろん、リーダーには知らせてあるし、中身も見てもらった」
天城紫苑:「あの人の、日記」
楊原あざみ:「内容として、怪しげなところは?」
GM:どこにでもあるような、それこそ現代で売っているような。そして、ボロボロになった─十数年の時を経たような、ルーズリーフ。
天城紫苑:「特には。……ただ、うん」
天城紫苑:「あの人が何を考えていたのか、その手がかりにはなると思う」
GM:どうぞ、と。卓上のルーズリーフを、キミたちの方へと押す。
速水やどり:「失礼します」受け取り、見る。
真神コルト:邪魔にならない位置から覗き込む。
GM:─日記のはじまりは、2021年。世界の滅びが始まったその年。
楊原あざみ:眉をしかめる。
GM:─恐らくは、逃亡中の手記めいたもの、その続きとして書かれたものだろう。
GM:─驚き、戸惑い、けれどもただ逃げて生きるだけの日々を綴ったそれは。どこか虚無感のあるもので。
GM:─けれど、途中から。内容は徐々に乱れ、支離滅裂になってゆく。
GM:─世界を滅ぼす存在、その情報の片鱗。
GM:─偶然観測されたという、並行世界と、世界を渡る者たちの存在。
GM:─そして。
GM:─数多ある並行世界であれば。この世界で死んだ者が生きていることも少なくないという可能性。
GM:─さらに、後半に移るにつれ。ページの片隅に、短い言葉が記されるようになってゆく。
GM:─「ごめん」
GM:─その3文字が、少しずつ、少しずつ。増えて、続いて、ページを埋め尽くして。
GM:─けれど最後のページだけは、ほとんどが白紙で。また片隅に、小さく。
GM:─「ごめんなさい」
GM:─そんな言葉だけが、あった。
天城紫苑:「……矢神さんが、妙に絡む相手がいた、っていう話は聞いてるんだっけ」
真神コルト:「ええ。……彼女から」チェスカをちらりと。
天城紫苑:「その相手が、しずる姉さんと、チェスカ姉さんと、僕」
楊原あざみ:「天城康介と因縁があった、という話は聞いています」
天城チェスカ:「紫苑くんは、堂々と天城を名乗っていますし。しずるちゃんについては……艦内では、よく知られた話です」
天城チェスカ:「わたしは、ええ。……自分から名乗ったわけでは、ないですけれど。矢神さん曰く、よく似ている、と」
天城紫苑:「……僕はそうは思わないけれどね。とにかく、矢神さんは僕らを通して……」
天城紫苑:「天城康介を。自分が殺した人を、見ていたんだと思う」
楊原あざみ:「…………」
楊原あざみ:「…これだけでは、補強にはなりますが、目的までは読みきれませんね」
天城紫苑:「うん。だから、これは僕の……僕らの、想像だけど」
天城チェスカ:「…………」 小さく、頷いて。
天城紫苑:「矢神さんは、怒って欲しかったんだと思う。僕に。僕らに。僕らの中の、天城康介に」
楊原あざみ:「…………」
天城紫苑:「けど、僕らは天城康介じゃない。そして、僕の知るあの人は」
天城紫苑:「……お父さんは。自分のために怒るっていうことが、とても苦手な人だった」
楊原あざみ:「ええ」
速水やどり:「……えぇ。そうですとも。私の知る、あの人も」
真神コルト:「そうですね。誰かのために、という姿は覚えがありますが」
天城チェスカ:「わたしは、ほとんどお父様のことは覚えていませんけれど。おばさま……ああ、最初にわたしを引き取ってくれた人も」
天城チェスカ:「そんなことを言っていました」
天城紫苑:「うん。……だから、まあ。矢神さんが、いろいろ手を講じて、今生きているあの人に会いに行ったとしても」
天城紫苑:「矢神さんが望む言葉を受け取ることは、きっとなかった」
真神コルト:(それがあの、玄関先での出来事……)
楊原あざみ:「帰ってきたのは…」
楊原あざみ:のぞみとは反対の言葉だったろう、と、いうところまでは、口に出さずに飲み込んだ。
楊原あざみ:「…とすると、彼が望んでいるのは」
楊原あざみ:「やり直し、ということになりますか」
真神コルト:「んん。天城くんを連れ去ったのはともかく……」
真神コルト:「楊原さんのクローンを奪ったことも、ですか?」
楊原あざみ:「ええ」
楊原あざみ:「彼が天城康介を殺したときには、楊原あざみもそこにいた。そうですね?」
速水やどり:「自分が殺したふたりともに、ですか」
楊原あざみ:「どこまでを望んでいるのかはわかりませんが…」
真神コルト:「……ああ、そうか」なりふり構わずにピースだけを揃えた、といった所だろうか。
天城紫苑:「……そもそも。違う世界でやり直しをしよう、なんて考え方は。僕らにとっては、タブーに等しいことだ」
天城紫苑:「やり直しを。繰り返しを。同じ結末を認めたくない。それが、僕たちが集った理由だ」
天城チェスカ:「……もちろん、人によって想いは違いますけれど。わたしたちは、みなさんにバトンを託すために旅をしてきました」
天城紫苑:「だから、矢神さんに、繰り返させるわけにはいかない」
天城紫苑:「……仲間が発端の事件だから、というのはもちろんだけど。リーダーが自分から協力を申し出たのは、そういう理由なんだと思う」
速水やどり:「えぇ。えぇ……そうですね」深く、頷く。
楊原あざみ:「…………」
楊原あざみ:日記の文面に目を落とす。ここには書かれてはいないことだが
楊原あざみ:「…紫苑、確認したいことがあります」
天城紫苑:「……うん。どうぞ」
楊原あざみ:「"シューラ・ヴァラ"の世界で、天城康介と楊原あざみが死んだ場所がどこか、わかりますか?」
天城紫苑:「もちろん。……実際、そこに目星をつけて捜索してる」
天城紫苑:「……交戦が始まったのは街中。戦況が不利に傾いた
天城紫苑:"シューラ・ヴァラ"は、共闘していた"ディアボロス"に足止めを任せ逃走」
天城紫苑:「"ディアボロス"への対応を仲間に任せ、ふたりは"シューラ・ヴァラ"を追って、追い込んだのが─」
GM:青年が手を軽く振ると、空中に淡く光るホロディスプレイが浮かぶ。
GM:そこに表示された地図の上、光点が辿り着いたのは。N市郊外、山中。
GM:─そこは。
天城紫苑:「……この世界で、天城康介と矢神秀人が─オーヴァードになり、光を奪われた矢神秀人が出会った場所でもある、ここ」
楊原あざみ:「事後処理で回ったことがあります。複数のFHセルの拠点があったはずですが…」
楊原あざみ:「…いまはいずれも壊滅して、空白地になっている場所ですね」
天城紫苑:「事後処理が終わって、調査され尽くしたからこそ、逃げ場としては意外と盲点……と考えた、というよりは」
天城紫苑:「……そこを選んだ理由は。お母さんが想像している通りだと、僕も思う」
楊原あざみ:「ええ」
楊原あざみ:気持ちは……わからなくもない。
楊原あざみ:ちらりと速水さんを見る。
速水やどり:その目線を捉えて。ぱちりと目を伏せる。
楊原あざみ:「…ある意味で、彼の望みを叶えることになるのかもしれませんが」
楊原あざみ:「渡すわけにはいきません。そうでしょう?」
速水やどり:「勿論ですとも」
真神コルト:「……私の望む未来に、彼もいてもらわなくては困るんですよね。そうでないと、きっと笑顔ではいられないから」
真神コルト:「私も、取り戻しにいかなくては。良いですよね?」
速水やどり:「えぇ。コルトさんが居てくだされば、百人力ですもの」
楊原あざみ:「信用していますよ。…康介くんもですが、他の私は、どうやら信じていたようなので」
楊原あざみ:「片付いたら、親睦でも深めましょうか」
真神コルト:「ああ、良いですね。お酒などは?」
楊原あざみ:「いいですね」
真神コルト:「では、是非。同僚から良いお店を教えてもらいましたから」
楊原あざみ:「ええ。喜んで。では…」
真神コルト:「やどりちゃん」
速水やどり:「はい。行きましょうか」
天城紫苑:「……僕らも行くよ。僕と、チェスカ姉さんと、しずる姉さん。相手の数が多いんだから、こっちも多いに越したことはない」
天城紫苑:「それと、速水さん」
GM:動き出そうとしたキミたちを、呼び止めるように。
速水やどり:「? なんでしょう?」
天城紫苑:「リーダーから、あなたに預けるものがあるって。……タブレットを少し貸してもらっても?」
速水やどり:「はい……どうぞ」今回は体に何かされるわけではないんですね、と呟きながら。
GM:ありがとう、と応じて。タブレットを受け取った青年が、何やら操作をして。
天城紫苑:「……うん。確かに。じゃあ、速水さん」
天城紫苑:「あなたに、彼を預けます」
GM:空中のホロディスプレイ、今度は地図ではなく、スイッチのようなものが表示されたそれをタッチすると。
GM:エレベーターがそうであったように。音も、振動もなく。今まで無機質な金属だった壁の一面が、透明化する。
GM:─そこに、あったのは。白銀の装甲。螺旋を描く槍が一体化した右腕。獣を…一角獣を思わせる意匠。
天城紫苑:「"コルヌ・ファンタズマ"。通称「ベスティア」。アーカイヴスリーダー、速水やどりの…本来、戦う力を持たないあの人のための騎士」
天城紫苑:「この艦から離れられない自分の代わりに、彼を連れて行ってほしい。……といっても、実際にここから出すというより、音声入力での瞬間的な顕現になるけれど」
速水やどり:「……いいんですか?」ちょっと、眉をひそめて。いや、確かにある意味で、わたしのものですが、と。
速水やどり:「……えぇ、では。存分に使わせていただきます」
天城紫苑:「いいんじゃないかな。リーダーがそうしてくれ、っていう話だし、それに」 どうぞ、とタブレットを返却しながら。
天城紫苑:「彼も、ある意味。きょうだいのような、ものだから」
天城チェスカ:「……わたしと、しずるちゃんと、紫苑くん。3人が受け継いだものと、あの人が残したもの。それを少しずつ、組み合わせてあるんですよ」
天城紫苑:「って言っても、制御ユニットの生体部品の素材、っていう程度だけどね。もちろん、彼に自意識はない…と、思うし。でも、うん」
天城紫苑:「連れて行ってもらえると、僕らも、嬉しい」
速水やどり:「はい、ありがたく」
天城紫苑:「……うん。ありがとう、速水さん……真神さんと、そして、お母さんも」
天城紫苑:「……僕らのお父さんを、頼みます」
GM:─"弟"の、その言葉に。
天城チェスカ:「…………」
GM:"姉"は、何とも言えない、複雑な心境をそのまま表したような微笑みを浮かべていて─。
GM:シーンエンド!購入はラストよー
速水やどり:ラスト購入……といっても皆大分揃ってますよね
楊原あざみ:ですね。大体のものは。
速水やどり:ロイスは保留で、調達は……クリスタルシールド行ってしまいますか。
真神コルト:クリシーチャレンジでしょうか。
楊原あざみ:念の為、クリスタルシールド行きます。こちらも。
速水やどり:3dx+3>=25
DoubleCross : (3R10+3[10]>=25) → 8[3,3,8]+3 → 11 → 失敗
速水やどり:財産14ペイ。購入して装備で。
楊原あざみ:ここまで来たら100超え前提なので、アクティベイト全開
楊原あざみ:9HPペイ。
楊原あざみ:12dx+3>=25
DoubleCross : (12R10+3[10]>=25) → 10[1,1,3,3,4,4,5,6,9,9,10,10]+10[6,10]+10[10]+6[6]+3 → 39 → 成功
速水やどり:すんごい。
GM:回る回るよ。
真神コルト:とんでもないことに。
楊原あざみ:よし。買いました。装備して……応急手当をひとつ。
楊原あざみ:2d10+13
DoubleCross : (2D10+13) → 15[6,9]+13 → 28
楊原あざみ:OK
真神コルト:てことは買うの特にないかな。ケモるまで用のボデマくらいか
真神コルト:3dx+2>=12
DoubleCross : (3R10+2[10]>=12) → 8[2,8,8]+2 → 10 → 失敗
真神コルト:財産2点入れて成功に。1ラウンド目だけ頑張っておくれ
真神コルト:で、あざみさんのロイスを ●尽力/約束 に変更して、処理は以上です。
GM:ヤー、以上かな!
マスターシーン
GM:─N市郊外山中、某所。
GM:日も落ちかけ、薄暗いそこで。ふたりの少年が対話をしていた。
天城康介:「……お前の言ってることは分かった。未来だとか、世界が滅びるとか……お前が、別の世界から来たんだとか。でも」
GM:そう呼びかける少年は、樹の幹に背中を預けて、高校の制服を朱色に染めている。それは、もう塞がった腹部の傷と、そして。
矢神秀人:「……でも。でも、何だって言うのさ、天城」
GM:"対話"の最中、もう一人の少年…の姿をした男が、気まぐれのように投擲する槍が。
天城康介:「ッ、あ……!」
GM:ぐさりと、肩を貫いて。砂に還り、ざらざらと崩れる。そうしてできた、数多の傷のため。
GM:─それでも、なお。
天城康介:「俺が、お前を殴る理由がない。俺の知ってる矢神は、もう─」
矢神秀人:「どこいないんだろ。知ってるよ。……けどさあ、こうして攻撃されてるのに「でも」って繰り返すのは」
矢神秀人:「ちょっとおかしいよ、お前」
天城康介:「……かもな。それでも、お前に手を挙げるよりはマシだ」
矢神秀人:「……そうかよ。ならさ」
矢神秀人:「こういうのは、どうだ」
GM:男が、懐から何かを─モルフェウスシンドロームの錬成能力を応用し、小さく「折り畳んで」いたものを、ふたりの間の地面に放り投げる。
GM:折り畳みを解除され、出現したのは。人ひとりが丁度収まる程度の、ガラスの円筒。
GM:─中に収まっているのは、女性の裸体。焦茶に近い肩あたりまでの黒髪と、閉じられたままの瞼の下には、青い瞳があるであろう、それは。
天城康介:「……矢神、お前……!」
矢神秀人:「……そうだよ。俺は、お前のその顔が──」
GM:男の手の中、もうひと振りの槍が錬成される。それが、円筒に向けて投擲されようとした時。
GM:─血塗れの少年は。その傷に似つかわしくない素早さで駆け出して─。
GM:シーンエンド。
クライマックス
GM:全員登場
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+2(1d10->2)した(侵蝕値:94->96)
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+9(1d10->9)した(侵蝕値:71->80)
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+10(1D10->10)した(侵蝕値:68->78)
GM:─N市郊外山中、某所。
GM:オルロイ艦内から、アーカイヴススタッフの協力で転移をしたキミたち6人だったが、既にそこには。
天城チェスカ:「……辺り一帯にジャームのにおい。矢神さんが盗んだ再生ジャームでしょうか」
楊原しずる:「たぶんね。私たちが来るのは予想済みでしょうし」
天城紫苑:「たぶん、僕らがここに出たことも、すぐに補足されると思う。……囲まれる前に矢神さんたちがいるところに、といきたいけれど」
真神コルト:「彼はもう手段を選んでいません。そういう意味でも時間を掛けられませんね」
楊原あざみ:「隘路ですからね。道を塞ぐだけならそう難しくない」
楊原あざみ:「速水さん。どう考えますか」
速水やどり:「……戦力を分けますか。再生ジャームといえど、放置はできない。首謀者である矢神も止めなければならない」
速水やどり:「2つの目的を達成するには、2つのチームが必要になる」
楊原しずる:「……えぇ。異存はありません。なら─」
天城チェスカ:「ここはわたしたちにお任せを。つまり、囲まれる前にここに集めて、足止めをすればいいんですね?」
速水やどり:「……はい。お任せいたします」
天城紫苑:「うん。能力の多様性っていう点でも、矢神さんたちはお母さんたちにお願いした方がいい。僕らは、うん」
天城紫苑:「戦い方は、みんな。お父さん似だから」
楊原あざみ:「わかりました」
楊原あざみ:「……くれぐれも無理はしないように。一度入り込めば、あとは乱戦になったほうがありがたいくらいですから」
真神コルト:「……分かりました。無茶も禁物ですからね」三人のこどもたちを見る。
天城チェスカ:「もちろん。……ふふ、この先の楽しみもあることですし、ね?」
真神コルト:「もちろんです。……チェスカ」
真神コルト:出立前にそうしたように、今一度、彼女の頬に触れ。
真神コルト:「私たちの出会いがあなたがたを祝福し、守られますように。……行ってきます」
天城チェスカ:「─はい。行ってらっしゃいませ、お母様」
天城チェスカ:「わたしたちのお父様を─そして、矢神のおじさまを。お願いします」
速水やどり:「かならず、無事で戻るように。いいですね」凛とした声で。子供たちと、皆に語り掛ける。
GM:はい、と応える声が重なって─。
楊原しずる:「……ああは言ったけど。チェスカ、本当はあっちに行きたかったんじゃないかったの」
天城チェスカ:「ふふ、そうですね。お母様と肩を並べて戦いたかったし、矢神のおじさまに一発叩き込んで差し上げたかったけれど……」
天城チェスカ:「こうして、お母様に会えて。その上お父様にも会ったら、わたし」
天城チェスカ:「きっと、我慢できませんから」
楊原しずる:「……何の我慢かは、聞かないでおいてあげる」
天城紫苑:「賢明だと思うよ、それが。……さ、しずる姉さん、チェスカ姉さん」
天城紫苑:「お仕事の時間だよ」
GM:そうね、と。はい、と。応じると同時、ワーディングが展開されて─。
GM:─隘路を辿り、木々の間を縫って。レネゲイドの気配と、血のにおい。そして、そこだと当たりをつけた知識を辿って。
GM:山中、何処か不自然に開けた─そこでかつてオーヴァード同士の戦闘と、その後始末が行われた場所。
GM:そこに、少年の姿を保ったままの青年と、そして。
GM:その視線の先。樹に縫い留められたように、右胸に槍が刺さった少年がいて。
楊原あざみ:「ッ、康介くん!」
GM:─そして、少年を貫く槍には、もうひとり。
GM:既に、その半身は─かつての彼女が消えた時のように、崩れかけて。けれど。
GM:見覚えのある髪色と背丈の、裸体の女性が。少年に庇われるように、貫かれていた。
矢神秀人:「……ああ。この世界のUGNか。おかしいな、もうちょっと時間がかかると思ってたんだけど」
GM:少年に注いでいた視線を─どこか虚無感のある瞳を、キミたちに向けながら。
真神コルト:「な、何でこんな……。これじゃ、本当に『やり直し』になるじゃないですか……!」
真神コルト:かつて“シューラ・ヴァラ”が経験してきたことの、本当のやり直しに。
矢神秀人:「そうだよ。俺は、そのために生きて、生き延びて」
矢神秀人:「年まで、色々やっていじってさ。だってそうだろ、40手前の男が、矢神秀人だって名乗っても。あいつは分かっちゃくれない」
楊原あざみ:「満足は行きましたか」
矢神秀人:「……は」
GM:馬鹿にするように。自嘲するように。そして、落胆するように。
矢神秀人:「駄目だ。何をしたって、戦う理由がないんだとさ。……違うだろ。俺の知ってるこいつは、天城康介は」
矢神秀人:「もっと捨て鉢で、やけっぱちで。……いつも何かに怒ってて」
矢神秀人:「─だから、俺は。こいつに─」
速水やどり:「……だめですよ、もう。あなたが今望んでいるものは、手に入りません。きっと」
速水やどり:「捨て鉢にも、やけっぱちにも、なれなくしてこそ私たちなんですから」ちょっと、遠い目をして。
速水やどり:「……今はまだ。今はもう。どっちでしょうか? いずれにせよ、少なくとも。あなたの知るあの人では、ない」
矢神秀人:「……そうだよな。こいつは、変わってしまった。アンタらが変えた」
矢神秀人:「きっと、これからも変わっていくんだろう。……ならさあ」
矢神秀人:「─アンタらがいなくなれば。こいつは、怒るかな。悲しむかな。……どっちもかな」
楊原あざみ:「どちらもですよ」
楊原あざみ:「敵にも味方にもなれないあなたと違って、私たちは今も、康介くんにとっての誰かですから」
楊原あざみ:ひどく平静に聞こえる声。
真神コルト:「そうですねぇ。……そして、だからこそ。私たちは、誰一人、欠けることは決して、ない」
真神コルト:「彼から希望を奪わせないために」
矢神秀人:「そうか。……そうか。じゃあ」
矢神秀人:「返してくれよ」
矢神秀人:「俺が殺したあいつを」 ─樹に縫い留められた少年を。
矢神秀人:「俺が殺したアンタを」 ─違う世界で、同じ姿をしていた楊原あざみを。
矢神秀人:「あいつが、怒って、悲しんでいた未来を」 ─邂逅することのなかった、速水やどりと真神コルトを。
楊原あざみ:「あなたに返す筋合いはありませんね」
楊原あざみ:「それは康介くんのものだから」
矢神秀人:「─そうでなきゃ、俺は。終われない」 キミたちを、血走った目─目尻に皺、ヒビが生じつつある、険しい視線で睨みながら。
真神コルト:「ええ。それに、私たちも返してもらいに……」
真神コルト:「違うか。そう、奪い返しに来ました」
真神コルト:「私たちの未来を」ぐ、と右の拳を突き出して構える。
速水やどり:「はい。奪い返しましょう。えぇ……渡しませんとも!!」ばっと、手を翳す。
矢神秀人:「……は、はは。そうかい。そうだよなあ、なら俺も」
矢神秀人:「こいつに繋がる全部…そう、全部だ。全部ぶっ壊して、そして─」 ─そして、と。その言葉の続きは。音として発されることはなく。
GM:矢神が握った拳からこぼれ落ちた何かが、広がり、割れて。大まかに人型としか呼べない何か─出来損ないの再生ジャームとして、まろび出る。
GM:2体の再生ジャーム、そして何よりも。矢神自身から、レネゲイドを喚起する咆哮が発せられた。
GM:衝動判定、意志で目標値9!
真神コルト:3dx>=9
DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 6[5,6,6] → 6 → 失敗
真神コルト:いつも通り。暴走!
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+11(2d10->10,1)した(侵蝕値:80->91)
楊原あざみ:6dx+1>=9
DoubleCross : (6R10+1[10]>=9) → 10[2,3,5,5,7,10]+3[3]+1 → 14 → 成功
楊原あざみ:成功して、
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+3(1d10->3)した(侵蝕値:96->99)
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+8(1d10->8)した(侵蝕値:99->107)
速水やどり:7dx>=9
DoubleCross : (7R10[10]>=9) → 10[3,4,7,8,8,10,10]+10[7,10]+10[10]+10[10]+4[4] → 44 → 成功
速水やどり:?
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+12(2D10->9,3)した(侵蝕値:78->90)
GM:いしが つよい
真神コルト:勝ち取れ未来(意志)
GM:OK,では…。
GM:
GM:ラウンド進行に移行します。エネミーは矢神、再生ジャームA、Bの3体。
GM:PCは1エンゲージ、そこから10mの距離に、それぞれ個別エンゲージの矢神、再生ジャームA、Bがいます。
GM:(エネミー3体、それぞれ1体で1エンゲージ)
GM:また、この戦闘中、NPCカードが使用できます。
GM:【NPCカード:"ベスティア"】
GM:対象:単体 タイミング:オート
GM:ダメージロールの直前に使用。対象が与えるダメージを+4D10する。1シナリオ1回。
GM:【NPCカード:????】
GM:対象:単体 タイミング:オート
GM:判定の直後に使用。その判定の達成値を+20する。1シナリオ1回。
GM:※使用条件:矢神秀人を1回戦闘不能にするまで使用不可。
GM:というわけで、進めてまいります!よろしいでしょうか!
速水やどり:ヤー!
真神コルト:イエス!
楊原あざみ:はい!
GM:■ラウンド1
GM:セットアップ!こちらはあります。
矢神秀人:《サポートデバイス》 感覚を使用した判定ダイス+8個
速水やどり:セットアップあります。
速水やどり:《常勝の天才》Lv3
楊原あざみ:こちらは……そちらの行動値によります
速水やどり:対象のラウンド中攻撃力+12。自身以外の味方2人が対象です。
再生ジャーム:再生ジャームはA、Bともになし。
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+6した(侵蝕値:90->96)
真神コルト:ブルーゲイルを使用。侵蝕率と行動値+5、侵蝕率96に。
真神コルト:(行動値は8に)
GM:あ、失礼。行動値が表に反映されないままだった!
GM:こうなります。(矢神15,再生ジャーム13)
楊原あざみ:13ですか。……自分に《赤方偏移世界》。行動値12に。
楊原あざみ:あ。違う、ごめんなさい
楊原あざみ:いいんだな。行動値11に(訂正)
GM:は、では!
GM:■イニシアチブ
GM:エネミー側はなし。行動値順に、まずは矢神から。
速水やどり:アッちょっと待ってくださいね
GM:おッ待ちます。
速水やどり:イニシアチブに割り込み。Dロイス「触媒」。対象はあざみさん。イニシアチブに行動済みにならないメインプロセスを直ちに行わせます。
GM:は、了解です!では!
GM:行動権を得たあざみさんから!
楊原あざみ:はい。では、まずマイナーアクションで《アクティベイト》。HPペイ12
楊原あざみ:メジャーアクション。《クロックアップ》《サイレンの魔女》。
楊原あざみ:10dx+24
DoubleCross : (10R10+24[10]) → 10[1,2,3,3,5,7,7,8,10,10]+4[2,4]+24 → 38
楊原あざみ:一回回りましたね。達成値38のシーン攻撃。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+15した(侵蝕値:107->122)
GM:固定値…!では、それぞれ…ええい、今は素ドッジしかない!
矢神秀人:5dx+1
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[5,6,8,8,10]+2[2]+1 → 13
再生ジャーム:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 9[1,2,3,7,7,9]+1 → 10
再生ジャーム:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 10[1,2,5,7,9,10]+9[9]+1 → 20
GM:が、頑張ったぞ…!?だが全員被弾!
速水やどり:ではそこにオートアクション。NPCカード:"ベスティア"。
速水やどり:ダメージロールの直前に使用。対象が与えるダメージを+4D10する。1シナリオ1回。
GM:OK、ではダメージブースト込みで算出を!
楊原あざみ:よし。
楊原あざみ:4d10+4d10+23+12 装甲無視
DoubleCross : (4D10+4D10+23+12) → 30[6,7,10,7]+23[7,6,1,9]+23+12 → 88
楊原あざみ:高めに寄りました。装甲無視の88点。
GM:グワーッ!!
再生ジャーム:再生ジャームA、Bは共に戦闘不能。復活エフェクトはございません。
矢神秀人:その横で矢神は瀕死!
GM:ひとまず、こちらの割り込みはありません。演出どうぞ!
楊原あざみ:手の上に浮かべた赤い魔眼が、走査光を放つ。
楊原あざみ:仕込みは既に終わっている。速水やどりという人間の才能は、特に意識させることなく"最も効率よく敵を撃てる位置"へこちらを配置する。
楊原あざみ:癪に障らないことはないが、今は気にしている場合でもない。
楊原あざみ:無機物と、レネゲイドによる干渉効果にのみ、超高速の時間経過を発生させる楊原あざみの能力は、
楊原あざみ:複製体。合成体。そして、不自然な改造を幾度も施した不安定な生体などには殊更に、激烈な効果を発揮する。
楊原あざみ:「退け」
速水やどり:その機を逃さない。叩ける敵は徹底的に叩く。タブレットを叩き、呼ぶ。騎士の名を。
速水やどり:「来てください、"ベスティア"……!!」
銀騎士:かつてキミの前で、彼女の呼びかけに応えてそうしたように。それが、現界する。
銀騎士:空間を捻じ曲げ、遠く離れた領域同士を繋げるように。槍のような、剣のような─角のような、白銀の輝きが。
銀騎士:再生を試みた、"老化"したモノを。3つ同時に、穿つ。
GM:─なりそこないのようなジャームたちは、その一撃……否、二連撃で霧散した。
矢神秀人:「……ッ、くそ、お前……お前ら……」
矢神秀人:「……アンタもか、リーダー……!」
矢神秀人:遥か遠く、空の上。決して見えぬ、届かぬそれに、咆える。
GM:では、続いて再びイニシアチブ!防具を脱いでも矢神の行動値は越えられないはずなので、こちら!
矢神秀人:マイナー、《ハンドレッドガンズ/ジャイアントウェポン/シールドクリエイト》 攻撃力+13の射撃武器と、ガード値8の白兵武器を作成
GM:メジャー、《C:モルフェウス/カスタマイズ/ギガンティックモード/創造の御手》、判定直前に《砂の加護/砂塵霊》
GM:攻撃力+25の射撃攻撃、対象:範囲(選択)を行います。対象は同一エンゲージに固まっているPC3名!
GM:22dx7+4
DoubleCross : (22R10+4[7]) → 10[1,2,3,3,3,3,4,5,6,6,7,7,7,8,8,9,9,9,9,9,9,10]+10[1,3,4,7,8,9,9,9,9,9,10,10]+10[1,6,6,6,6,7,7,9,10]+10[1,4,8,10]+10[1,8]+5[5]+4 → 59
楊原あざみ:ガード。クリスタルシールド。
矢神秀人:達成値59、各位リアクションを!
速水やどり:ガード、クリスタルシールド。
真神コルト:暴走リア不!
矢神秀人:ではダメージ!
矢神秀人:6d10+25
DoubleCross : (6D10+25) → 28[5,9,3,8,2,1]+25 → 53
矢神秀人:装甲有効、53点!
真神コルト:死!リザレクト!
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+10(1d10->10)した(侵蝕値:96->106)
真神コルト:グワーッ!?
速水やどり:装甲8点のガード値12点を抜いて33点入って……死ぬ!
速水やどり:リザレクト!
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+10(1D10->10)した(侵蝕値:96->106)
GM:コルトさん!?やどりちゃん!?
真神コルト:あら、お揃いね?
楊原あざみ:回復しても倒れてましたね。……矢神へのロイスを「憐憫/憤懣」で取って即時昇華。復活。(6枠目)
GM:OK、では演出!
矢神秀人:─"シューラ・ヴァラ"。英雄が携えた投げ槍の名が示すとおり、矢神秀人の能力は。錬成した武器を投擲する、シンプル極まりないもの。
矢神秀人:だからこそ。滅びた世界で、二十年を生きる中で磨き上げられたそれは。
矢神秀人:「俺から奪うって言うならさ。いいよ。それじゃあ」
矢神秀人:「死ねよ」
矢神秀人:空中に砂粒が。砂粒が練り合わされた塊が。その中から、磨き上げられた大槍が。
矢神秀人:─そして、キミたちにも見覚えのある。誰かの右腕に似た剣槍と化したそれが、十数本に分かたれて。キミたちを穿つ。
楊原あざみ:避ける手段などは持ち合わせていない。お守り代わりに持ち込んだ防具も易易と貫かれる。
楊原あざみ:「断ります」
楊原あざみ:「あなたには、何も、渡さない」
楊原あざみ:倒れない。リザレクト限界を超えているはずのRVが更に再生を繰り返す。
速水やどり:「倒れません。ここで、死ぬわけには、いかない」貫かれたシールドを放り捨てる。キッと矢神を睨み返す。
真神コルト:「ええ、同感です」
真神コルト:全身を貫かれ、苦悶の声と血を吐き出してなお、修道女は踏みとどまる。
真神コルト:「何一つ、渡してたまるものですか……!」
真神コルト:為すべきを見据え、金色の瞳が細まる。明確に敵意を帯びる。
GM:では続いてイニシアチブ、ここで割り込みひとつ。
矢神秀人:《レネゲイドアクセル》 行動済みの時に宣言、未行動になり行動値が0になる。
GM:というわけで、矢神が未行動になりつつの、本来の行動値であざみさん!
楊原あざみ:はい。
楊原あざみ:マイナー。《アクティベイト》10HPペイ。メジャー。《サイレンの魔女》《クロックアップ》。
楊原あざみ:10dx+22
DoubleCross : (10R10+22[10]) → 10[2,3,4,6,6,7,8,8,9,10]+6[6]+22 → 38
楊原あざみ:一度回りました。38。
楊原あざみ:楊原あざみの侵蝕値を+13した(侵蝕値:122->135)
矢神秀人:こちらのリアクションはガード!そして素サイレンなら希望はある。
矢神秀人:オートアクション、《ディスマントル》。ダメージロールを-12してください。
楊原あざみ:はい。
楊原あざみ:4d10+23+16-12
DoubleCross : (4D10+23+16-12) → 17[1,5,5,6]+23+16-12 → 44
楊原あざみ:低めに振れましたね。44点です
矢神秀人:44から、作成した武器のガード値8を引いて…36!戦闘不能!
矢神秀人:オートアクション、《イモータルライフ》。戦闘不能から回復、HPを2d10点回復。
矢神秀人:2d10
DoubleCross : (2D10) → 14[9,5] → 14
矢神秀人:HP14で復活!
GM:演出どうぞ!
楊原あざみ:身体を貫いていた剣が、砂に戻り、その砂すら分解して崩れ落ちる。
楊原あざみ:…最初から、戦闘向けの能力者ではない。細かな戦闘の機微にも縁はない。
楊原あざみ:照射を止めない。根比べだ。
楊原あざみ:何年を待ったかは知らないが。
楊原あざみ:無為な時間に耐え続けることだけでなら、まだ、負ける気はしない。
楊原あざみ:「……辛そうですね」
矢神秀人:不老と化したはずの身が、朽ちてゆく。変わってゆく。それを押し留めようと、自らの肉体を"錬成"し続ける。
矢神秀人:「そう、見えるかい。……俺には、アンタの方が」
矢神秀人:辛そうに見えると。そう、吐き出しかけた言葉は。老いて、衰えた声帯が振動を止めて、音にはならず。
矢神秀人:「ッ、く……まだ」
矢神秀人:「まだ、終わりじゃあない。俺はまだ…!」
楊原あざみ:咳き込む。身体から離れた血が、落ちる前に一瞬で乾いて、黒い粉末に変わる。
楊原あざみ:「……速水さん」
速水やどり:「はい」血を滴らせながら、こちらも答える。
GM:
GM:イニシアチブ!ここで割り込みがもうひとつ。
矢神秀人:《加速する刻》。メインプロセスを1回行います。
GM:
矢神秀人:マイナー、《ハンドレッドガンズ》。攻撃力+13の射撃武器を作成。
矢神秀人:メジャー、《C:モルフェウス/カスタマイズ/ギガノトランス/創造の御手》 攻撃力+25の射撃攻撃、対象:シーン(選択)
矢神秀人:対象は勿論PC3人!
矢神秀人:22dx7+4
DoubleCross : (22R10+4[7]) → 10[1,1,1,2,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,8,9,9,9,10]+10[1,1,1,3,3,4,4,9]+10[10]+10[8]+10[10]+10[8]+1[1]+4 → 65
矢神秀人:今回は頑張ったよ……。
楊原あざみ:ガード。
速水やどり:こっちもガードで。
真神コルト:暴走リア不!
矢神秀人:ヤー!ダメージが……
矢神秀人:7d10+25
DoubleCross : (7D10+25) → 40[5,3,6,5,4,7,10]+25 → 65
矢神秀人:奇しくも達成値と同じだ。
真神コルト:《子羊の歌》。あざみさんのダメージを引き受けます。
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+4した(侵蝕値:106->110)
速水やどり:死! ロイス取得、アーカイヴスの子供たち/〇純愛/不安 で最後の枠を埋めて、矢神のロイスをタイタス化、昇華して復活!
真神コルト:そして死!矢神ィに 憐憫/●憤懣 でロイスを取得して即タイタス昇華。HP15で復活!
GM:OK!
矢神秀人:「……そうだ。アンタらが死ねば、俺は、あいつに……!」
矢神秀人:古代種のレネゲイドがもたらす不変性を、一時的な不死性に変換する。それにより死を免れ、代わりに得たのは。
矢神秀人:─不可逆の侵蝕と、押し留めていた老化の進行。
矢神秀人:声は枯れ、手には皺が刻まれ。それでもなお、レネゲイドの力─オーヴァードとしての出力は、衰えることなく。
矢神秀人:─先ほど投擲され、砂となって地面に散った無数の剣槍。それが再びカタチを取り戻して。足元から天に向けて、キミたちを穿つ。
速水やどり:「か、ふッ……」足元から腹を貫かれ、呼気を漏らす。リザレクトも既に限界だが……私は。
速水やどり:「……えぇ、屈しなんか、しませんとも……!」あくまでも平静な顔をして、立ち続ける。
真神コルト:「死にません、ってば」
真神コルト:声と共に、少女然とした女性の前に黒い影が立ち。その肉体をもって槍を押しとどめる。
楊原あざみ:「一人だけでもありませんしね。…ありがとうございます」
真神コルト:「いいえ。約束も、ありますからね」痛みを堪えながら修道女は微笑む。
真神コルト:──本当の本当に、自身の欲だけを言うのならば。割り込むのはあちらの方だった。
真神コルト:でも。それでも。ここで倒れ伏して良い理由など、どこにもない。
真神コルト:私にも。貴方にも。私たちは誰一人、欠けてはいけないのだと。
GM:
GM:ではここからはPCの手番が続きます。まずやどりちゃん!
速水やどり:はいな!
速水やどり:マイナー、5mバックステップしてエンゲージ切り。
速水やどり:メジャー。
速水やどり:《弱点看破》Lv6+《アドヴァイス》Lv8+《戦場の魔術師》Lv3
速水やどり:対象のラウンド中攻撃力+18、次のメジャーのC値-1・ダイス+8個。
速水やどり:対象は一応自身含む三人で。
速水やどり:演出!
速水やどり:「良い判断です、コルトさん」私はまだ立てる。なら、欠けないのが一番の選択だ。
速水やどり:「皆さん。まだ、行けますよね。……否と言おうと、押し通るまで。耐えてもらいます」ちょっとだけワガママな声音を滲ませつつも。
速水やどり:凛とした声が戦場に響く。あたたかな勇気を振り絞らせる、そんな声が。
速水やどり:「……お願いします、コルトさん」私の、騎士の一人。「奪い返しましょう。叩きつけてあげましょう」
速水やどり:「行ってください、"ジャガーノート"!!」標的を、指す。
速水やどり:速水やどりの侵蝕値を+10した(侵蝕値:106->116)
真神コルト:「“ジャガーノート”、了解」
真神コルト:「……行きますっ!!」
真神コルト:マイナー、《完全獣化》《破壊の爪》
真神コルト:【肉体】技能の判定ダイス+4個、同時に素手のデータを変更(攻撃力10)
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+9した(侵蝕値:110->119)
真神コルト:続いてメジャー、《超侵蝕》《コンセントレイト》《獣の力》《獣王の力》《一閃》《浸透撃》
真神コルト:対象は矢神。ガー不パンチだ!
矢神秀人:がっガード対策を!?
GM:割り込みありません、判定どうぞ!
真神コルト:命中判定!
真神コルト:(8+4+8)dx6+14
DoubleCross : (20R10+14[6]) → 10[1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,6,6,7,7,8,9,9]+10[1,1,1,3,4,9,9]+3[1,3]+14 → 37
真神コルト:あっ!
真神コルト:NPCカード!NPCカード使います!
GM:押忍、では達成値が+20されて…57!
GM:57!?
矢神秀人:ガードできないのでドッジを試みる…!
矢神秀人:5dx+1
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[2,3,5,9,10]+3[3]+1 → 14
矢神秀人:回ったけど駄目!!
真神コルト:ちょっと頑張ってる
真神コルト:ではダメージロール!
真神コルト:6d10+44+16+18 装甲有効
DoubleCross : (6D10+44+16+18) → 40[10,2,6,9,6,7]+44+16+18 → 118
GM:ひゃくじゅうはち。
矢神秀人:装甲も焼け石に水!戦闘不能!復活エフェクト…なし!
GM:演出どうぞ!(NPCカード演出でちょっとだけ割り込みます)
真神コルト:真神コルトの侵蝕値を+11した(侵蝕値:119->130)
真神コルト:「貴方は貴方の咎を知り、己の前にその罪を見た」
真神コルト:傷口から槍を引き抜いて。一歩、二歩と踏み出しながら。
真神コルト:「貴方の後悔と苦しみがどれほどであったか。その一端には触れたとて、察するには余りありますし……」
真神コルト:獣の姿に変じながら。
真神コルト:『可能ならば、それが癒されて欲しい、とも思っていました』
真神コルト:その口から、人の言葉が溢れ出る。
真神コルト:『でもね』
真神コルト:ただ、瞳に帯びた敵意だけは変わることなく。
真神コルト:『救いか、あるいは罰か。貴方がそう望む一心でこんな……』
真神コルト:『こんな、誰かを、その誰かに連なる人たちを傷つけるやり方を選ぶのなら』
真神コルト:『それは、甘えん坊と言うんですっ!!』
真神コルト:黒い暴風を纏って銀狼が跳ぶ。その刹那。
矢神秀人:「─言われなくても。でも、こうしなくちゃ俺は…!」
矢神秀人:─これを凌げば、もう一撃。あるいは、単に足掻いただけか。どちらにせよ、致命傷を避けようと動き出した身体が。
矢神秀人:「ッ、が……!?」
矢神秀人:何かに縫い留められたように、ぴたりと動きを止める。
矢神秀人:─その腹部からは。背中側から貫通したであろう、剣槍の切っ先。
矢神秀人:─矢神秀人の後方およそ5m、そこから伸びた─
天城康介:「─いい加減に、しろよ」
天城康介:「ばかやろう」
矢神秀人:「……テメェ……!」
矢神秀人:少年の右腕が、剣槍が。僅かな間、矢神秀人の動きを、押し止めて。
真神コルト:その一瞬の間に、銀狼は男の前に降り立って。
真神コルト:同時に衝撃が男の肉体を貫く。剣槍とは反対に、今度は前から。
真神コルト:──獣の腕が、男の背から、血に塗れて覗いた。
矢神秀人:「がッ……」
矢神秀人:銀狼の腕に貫かれ。己を縫い留めていた剣槍が、ずるりと抜けて。
矢神秀人:限界を超え、執念─あるいは妄念でつなぎ止められていた身体は。穴が開いた腹部から、ボロボロと崩れてゆく。
矢神秀人:「……くそ。最後に食らった説教が「甘えん坊」だなんて。締まらない」
矢神秀人:「けど、ああ。……ここまでか。とても」
矢神秀人:─ながかった、と。そう、満足するように。そして、悔いることはなく。
矢神秀人:貫かれた身体も。滴る血も。全てが二十年、それ以上の時を経たかのように。
矢神秀人:ひび割れ、崩れ、渇き、砕けて。
矢神秀人:呼吸ひとつの間に、消えてなくなった。
GM:戦闘終了!続いてバックトラックへ!
GM:■バックトラック
GM:まず、Eロイスについて。矢神秀人はEロイスなし。
GM:再生ジャームA、Bがそれぞれ《悪夢の鏡像》を所持。
GM:Eロイス分低下を振る場合、ダイス2つとなります。
GM:残ロイス数宣言のうえ、バックトラックのダイスをどうぞ!
速水やどり:Eロイス低下ぶん、振らせてもらいましょう。まず2d。
速水やどり:116-2d10
DoubleCross : (116-2D10) → 116-13[7,6] → 103
速水やどり:そのまま残ロイス5本、等倍振りで。
速水やどり:103-5d10
DoubleCross : (103-5D10) → 103-23[3,4,3,8,5] → 80
楊原あざみ:使います。……最後。「天城紫苑:幸福感/隔意」でロイス生成宣言してから。
速水やどり:5点で帰還で。
楊原あざみ:135-2d10
DoubleCross : (135-2D10) → 135-16[6,10] → 119
楊原あざみ:残りロイスが5本。んー……
楊原あざみ:等倍。
楊原あざみ:11-5d10
DoubleCross : (11-5D10) → 11-28[9,8,2,3,6] → -17
楊原あざみ:もとい、28は89。帰還です。
真神コルト:こちらもEロイスを振ります振ります。
真神コルト:130-2d10
DoubleCross : (130-2D10) → 130-12[2,10] → 118
真神コルト:こちらも残りロイスは5本。さて……
真神コルト:等倍行ってみよう。
真神コルト:118-5d10
DoubleCross : (118-5D10) → 118-17[5,4,3,2,3] → 101
真神コルト:ギャー!
GM:ぬわー!?
真神コルト:追加!追加で振る!
GM:ヤー!
真神コルト:101-5d10
DoubleCross : (101-5D10) → 101-34[7,7,8,6,6] → 67
真神コルト:ふひー。
GM:よかった……。
GM:では経験点!いつもの簡易計算で!
GM:チェック5つ+目的達成で10、矢神のDロイス3つ(安定体、古代種、不死者)で3、ここに侵蝕分を足して
GM:あざみさんやどりちゃんが23点、コルトさんが18点!
GM:GMは22点イタダキマス。
速水やどり:いただきます、めしあがれ!
真神コルト:いただきます。もぐもぐ!
楊原あざみ:いただきます。
エンディング(合同)
GM:─異相巡航艦オルロイ、リーダーの私室。
GM:普段、あまり人を招くことはないというそこに、キミたち3人は迎え入れられていた。
GM:他の"アーカイヴス"の面々はいない。あくまで私的な会合という意味合いだからか、あるいは他に意図があるのか。
GM:─それは、ともあれ。
速水やどり(アーカイヴス):「……みなさん。今回は、本当に」
速水やどり(アーカイヴス):「ありがとう、ございました」
GM:声色には、言葉通りの感謝と、労いと。そして、僅かに寂しさと、悔悟の色。
楊原あざみ:「いえ。こちらの問題でしたので」
楊原あざみ:本来なら、速水さんが答えるべきなのだろうが。
真神コルト:二人の『速水やどり』を順に見る。
真神コルト:……もう、何も取り零したくはないのだと。そう、白い髪の彼女の前で口にすることは憚られた。
速水やどり:「どうしたって、こういうことは起こりますから」終わったことだと、努めて冷静に。
速水やどり(アーカイヴス):「……えぇ。こうした形で仲間と別れたのは、確かに。初めてのことでは、ありません」
速水やどり(アーカイヴス):「けれど、いつか起こることだと覚悟はしていても。……慣れることだけは、決してないのでしょうね」
速水やどり:「……はい、そうですね」自分より多くの別れを重ねた『自分』に、目をやって。
速水やどり(アーカイヴス):「……大丈夫ですよ、と。軽々には言えない、言ってはいけないことは分かっています」
速水やどり(アーカイヴス):「それでも、敢えて。……あなたたちなら、きっと大丈夫」
楊原あざみ:「決り文句ですね」
速水やどり(アーカイヴス):「えぇ。お決まりの強がりです」
速水やどり:「……ふふ、『私』ですよ? この面子を前にして、そう言うしかないに決まってるじゃないですか」笑顔を浮かべて。
真神コルト:「何とも心強いことです。だからこそ、前に立てもするというもの」ふふ、と。つられていつもの笑みに。
楊原あざみ:「私たち、ですよ」
楊原あざみ:少し笑う。
楊原あざみ:「…一言礼を伝えたいから、というだけではないですよね?」
速水やどり(アーカイヴス):「……はい」
速水やどり(アーカイヴス):「楊原さん。先刻のあなたの問いに、私は曖昧な答えを返しました」
GM:─「けれど、あなたがたの来た世界でもまた、特異点である"その世界の天城康介"は、タイムラインの早期で死亡しているはずですね?」
GM:─「その世界だけが、オーガンに対する抵抗勢力として生き残った。これが矛盾でないと、彼が納得したとしたなら…」
速水やどり(アーカイヴス):「ですが。……アーカイヴスリーダー、"リトル・ライト・ブルー"ではなく。速水やどりとして、告げるべき答えがあります」
速水やどり(アーカイヴス):「それを、伝えたくて。……みなさんに、みなさんだけに聞いて欲しくて。ここに、お呼びしました」
楊原あざみ:「それは、ありがとうございます」
速水やどり:「お聞きしましょう」
楊原あざみ:「事態が事態だったとはいえ、不躾な話をしてしまって」
真神コルト:「……お願いします」
GM:えぇ、と。小さく頷いて。
速水やどり(アーカイヴス):「……私は、結局のところ。想いを捨てることも、忘れることも出来なかった」
速水やどり(アーカイヴス):「あの日抱いた恋心から、別の形に変わったとしても。最後にあの人が見ていたのが、私でなかったとしても」
速水やどり(アーカイヴス):「あの人が。あの人たちがいた世界を守りたい。……えぇ、私たちは日常の盾」
速水やどり(アーカイヴス):「……それこそ、強がりなのでしょう。無駄な足掻きだったのかもしれません。それでも」
速水やどり(アーカイヴス):「いなくなった人の想いを継いで、戦うことはできる。誰かにバトンを渡すために、生きることはできる」
速水やどり(アーカイヴス):「……速水さん。楊原さん。真神さん」
速水やどり(アーカイヴス):「UGNの皆さん。そして、今を生きるオーヴァードと、そうでない人たち」
速水やどり(アーカイヴス):「……そんな、誰かに繋ぐために。私たちは、私たちの世界は、ここまで辿り着いたのだと思います」
速水やどり:「……えぇ。そうですね」未来を信じる力。それはとても曖昧なもので。でも、確かに。私たちの力になるもの。
速水やどり(アーカイヴス):「あるいは、言い換えるなら」
速水やどり(アーカイヴス):「恋に破れた女の子が、かつての自分自身を応援するために戻ってきた。……なんて」
速水やどり(アーカイヴス):「……えぇ。もちろん、誰かに肩入れする気はありませんよ。あの人が誰を選ぶかは、それこそ世界の数だけ結末がありますし、それに」
速水やどり(アーカイヴス):「幸せを願う人が、ひとりでなければいけない。そんなことは、ありませんから」
速水やどり(アーカイヴス):「……だから、えぇ」
速水やどり(アーカイヴス):「─真神さん」
真神コルト:「はい?」
速水やどり(アーカイヴス):「ご存知の通り、速水さんも、楊原さんも。……天城さんも。三人とも、どこか変なところで真面目で堅物なところがありますから」
楊原あざみ:肩をすくめる。
速水やどり(アーカイヴス):「もし皆さんが、何かに迷って立ち止まっているようなら。真神さんが、皆さんを引っ張ってあげてくださいね。……えぇ、大丈夫ですとも」
速水やどり(アーカイヴス):「……あなたの願いは、あなたの大切な人の願いと重なります。他ならぬ私が言うんですから」
速水やどり(アーカイヴス):「─だから、皆さんを。そして、あの子たちを。お願いします」
真神コルト:「……『やどりちゃん』」
真神コルト:「私、貴方のことは前から聞いてて。戦いの前でさえ、謝る言葉しか浮かんでこなくて」
真神コルト:一人ぼっちにしてしまって、ごめんなさいと。
真神コルト:「でも、今は、大丈夫だって伝えたい」
真神コルト:「私たちは負けない。どんな悪意にも負けない。それに、引っ張って行くのでも、背を押して行くのでもない」
真神コルト:「一緒に未来に辿り着くために、私は戦う。貴方が知っているように」
真神コルト:「こうして出会えたこと。言葉を交わしたこと。貴方たちの想いを知ったこと」
真神コルト:「その全部を力にして、戦い抜くよ。みんなと。この街で同じように戦う、仲間たちと」
真神コルト:「だから。私たちに乗り越えられないものなんて、ない」
真神コルト:右手を顔の高さまで持ち上げ、ぐー、ぱーと軽く握って開いて。微笑み掛ける。
速水やどり(アーカイヴス):「……はい。それでこそ、"ジャガーノート"。速水やどりの、大切なひと」
GM:応じるように浮かべた微笑みは。嬉しそうで、眩しそうで。
GM:─ほんの少しだけ、何かを懐かしむようでもあって。
速水やどり(アーカイヴス):「……どうか、みなさんが辿り着く、いつかの明日に」
速水やどり(アーカイヴス):「笑顔と、幸福があることを祈って……いえ」
速水やどり(アーカイヴス):「信じています」
GM:二十年分の想いを、託すように。もう一度、微笑みを。
エンディング:速水やどり
GM:─N市UGN、第9支部。
GM:ひとつの事件は終わり、となれば付随する作業は当然のように発生する。
GM:事後処理の手配であったり、経費の精算であったり。支部同士の連絡であったり。そして、今回は。
GM:この度、非常勤の連絡員から、正式に駐在員としての立場に変わった、ひとりの少女の人事案件がそこに加わっていた。
GM:そして、増えた作業を少しでも分担するべく─。
春日雪:「今更ですけど、やどりちゃん」
速水やどり:「なんでしょう、雪ちゃん?」
春日雪:「最終チェック以外は、わたしや他の人に任せてもいいんですよ。……あの人、今日はオフなんでしょう?」
GM:キミと書類の山を半分こしていた"部下"が、少し不本意そうに。確認と押印を手早く繰り返しながら、問いかける。
速水やどり:「……えぇ、そうですけども。今日はめずらしく、あっちの方も休暇が取れてるんです」手を止めずに、答える。
速水やどり:「私はこの前『勉強会』を愉しませてもらった分、こんどは向こうの番……というわけでもないですが」
速水やどり:「……実際、『最終チェック』が必要な部分が多い案件ですからね」情報の多くはアーカイヴスが関わる案件として、高ランクの秘匿がなされている。
春日雪:「なるほど。……やどりちゃんもあざみさんも、まさかここまでフェアにやりあうとは、わたしも予想外です」
春日雪:「こうなったらいっそ。クーデターを起こして、やどりちゃんに代わってわたしが支部長の椅子を頂きましょうか。そうしたら、オールタイムフリーですよ?」
速水やどり:「冗談でもやめてください。この時期にそんなことされたら、いくら私でも本気で怒りますよ」タブレットの映すタブの一つ。表示されているのは、全部で"13件"のチェックリスト。
速水やどり:既に半分近くが埋まった……半分近くしか埋まっていない……それは、各支部で最優先目標として情報の共有が為されているものだ。
速水やどり:「明るい未来がやってくるのかどうか、相当瀬戸際なんですから」
GM:はい、ごめんなさい、と。小さく微笑みながら、そう応えて。
春日雪:「ええ。……一歩踏み外せば、そこは真っ暗闇で。道も本当に正しいのか分からないまま、走っていて」
春日雪:「─でも。信じているんでしょう?」
GM:何を、とも。誰を、とも。具体的で明確な何かを、定義することなく。
速水やどり:「えぇ。勿論ですとも」
速水やどり:曖昧なそれに対して、自信だけはたっぷりに答える。
春日雪:「なるほど。……そして、当然」
春日雪:「その"先"を勝ち取る算段も?」
速水やどり:「はい。どこまでも、未来を見据えて。動いていますとも」
春日雪:「……ほほう。ほほう」
GM:書類の確認が一段落ついたのか、目の前の束を、ついと横に滑らせて。机の対面にいるキミに向けて、身を乗り出す。
春日雪:「となると。"大人になるまで待ってくれますか"作戦ではなく」
速水やどり:「……少々、あの人には気の毒な気もしますが。倫理的に少々……問題があるかもしれないことでも」
春日雪:「ふふ、そのくらいが丁度いいと思います。……真面目な男の子には、ええ。少しくらい強引に迫る方が」
速水やどり:「……そういう雪ちゃんは、真面目な男の子に強引に迫り過ぎて迷惑かけてたりしませんか?」じとっとした目で。
春日雪:「……そうですね。少し前までは、このまま押し切ってしまおうか、とも思っていましたけれど」
春日雪:「今は……あと2年。我慢して、楽しみにしているんですよ。……ああ、でも」
春日雪:「2年よりも、少しだけ早めるかもしれない、なんて。……真面目な分、ちょっと強引なところがあるのは、わたしよりもむしろ……」
速水やどり:「……はいはい、ごちそうさまです。……雪ちゃんがこの街での暮らしを楽しんでいるようで、なによりですよ」呆れながら、微笑みを。
春日雪:「……ふふ、ありがとうございます。……思えば、あの誰もいない街で、やどりちゃんやパイライトくん……いまは、光磨くんですね。ふたりと出会って」
春日雪:「そして、今。世界が続くか滅びるかの際に立っている。……こんなことになるなんて、想像してもいませんでした」
速水やどり:「私も、支部長にこそなれど、こんな事態に直面するなんて、えぇ。思っていませんでしたとも」
春日雪:「はい。……これからもきっと、予想外の出来事が続いていくのでしょうけれど。……でも、やどりちゃん」
GM:キミに向けて身を乗り出したまま。腕が、白い指が、そっとキミに伸ばされて。
GM:机の上。ペンを握ったままの、キミの手に重なる。
春日雪:「やどりちゃんは、きっと、幸せになってくださいね。……いえ」
春日雪:「─わたしたちみんな。幸せに、なりましょう」
GM:紅い瞳に浮かぶのは。妖しい輝きでも、痛み、苦しみに耐える涙でもなく。
GM:キミの、自分の、世界の幸福を願う想いだけが、そこに。
速水やどり:実際。"わたしたちみんな"が、すぐに……幸せになることは、多分。難しいけれど。
速水やどり:それでも、目指すのだ。託された分だけ……いや、そんなものがなくたって、私が。私の意志で。
速水やどり:だから。
速水やどり:「はいっ」
速水やどり:その微笑みは、力強く。
エンディング:真神コルト
GM:─N市UGN第9支部某所、通称「ティールーム」。
GM:普段は誰が使うだの、占領するだのと細かな決まりもないそこだけれど、今日だけは。
GM:キミたちだけが使うことを皆が察したのか、あるいは誰かがそっと手を回したのか。
GM:ともかく、今ここには。
天城チェスカ:「……ああ、これが……本物の紅茶と……」
GM:テーブルの上に並ぶものに目を輝かせている少女と、そして。
真神コルト:「本物のお菓子、ですよ。ふふ、張り切っちゃった」
真神コルト:クッキー、フィナンシェ、パウンドケーキ、シュークリーム……
真神コルト:いずれも今日のお茶会のために作ってきた物だ。
天城チェスカ:「どうしよう……しずるちゃんと紫苑くんに自慢したら、たっぷり恨まれちゃいそう……」
真神コルト:「あの子たちも一度、お招きした方が良いのかな。私が時間を作れれば良いんですけど」
天城チェスカ:「うふふ、呼んだらふたりとも、とっても喜ぶと思います。……ああ、でも」
天城チェスカ:「お母様が……みなさんが時間を割けるようになったら、でいいと思います。……つまり、それは」
天城チェスカ:「未来を勝ち取った、ということですから」
真神コルト:「今ひとまずの脅威から、ね」くすりと笑う。
真神コルト:「まあ、それはそれです。遠慮せずに食べてください。そのために用意したんですから」
天城チェスカ:「はい!」
GM:そう答えるや否や、まずは小さめのクッキーに手を伸ばして。ぱくりと、ひとくち。
GM:味と、香りと、食感を。文字通り噛み締めるように、じっくりと感じて。
天城チェスカ:「……これが、お母様の味」
天城チェスカ:「おばさまが言っていたとおり。とっても、暖かい味がします」
真神コルト:「ええ、私を育ててくれた人から教わった、伝統の味で……」
真神コルト:「おばさま?」
天城チェスカ:「あ、はい。……ええと」
天城チェスカ:「……わたしが生まれてから"アーカイヴス"に参加するまでのことは、簡単にお話ししましたね」
真神コルト:「ええ。大まかには聞きました」
天城チェスカ:「……速水さんと楊原さんが亡くなられて。お父様とお母様が寄り添うようになって。そして、わたしが生まれた」
天城チェスカ:「お父様とお母様も、わたしが生まれてすぐ、いなくなって。そして、わたしを育ててくれたのが、おばさま……」
天城チェスカ:「雪おばさまです。……おばさま、って呼ぶと怒るんですけどね」
真神コルト:「ゆき」
真神コルト:「……かすが、ゆき?」
天城チェスカ:「はい」
GM:─言われてみれば、気付くかもしれない。
GM:ふわりと微笑む仕草に。キミを、皆を、誰かを見つめるその視線に。
GM:どこか、身近で感じた妖しさが、入り混じってはいないだろうか。
真神コルト:「なるほど。どうりで……」初めて言葉を交わした時に覚えた、あの既視感。
真神コルト:それがあまりにも納得のいく答えだったから。
真神コルト:「ふふ……そうか。雪ちゃんも、ちゃんとここに繋がっていたんだなぁ……」
天城チェスカ:「……おばさまが言うには。お父様とお母様は、それはそれは仲が良かったそうですけれど」
天城チェスカ:「幸せそうではなかった、と。……ええ、ええ。わたしが生まれるということは、つまり」
天城チェスカ:「お父様とお母様の想いも。お母様の願いも。どちらも叶わなかったからだ、って」
GM:菓子に伸ばしていた手を止めて。ティーカップを持ち上げて、けれど口をつけないまま。
真神コルト:「……失った者同士がくっつけば、無理もないです。一番大事なものが心から抜け落ちてしまって、それを埋めようとして」
真神コルト:時間が経てば、案外それも形になるのかもしれませんけど、と一呼吸置いて。
真神コルト:「でもね、チェスカ」
天城チェスカ:「─はい」
真神コルト:「貴方は、生まれてきて良かったんです。だってそうでしょう?」
真神コルト:手を伸ばし、ティーカップを持ち上げたままの彼女の手に触れて。
真神コルト:「貴方はここにいて、確かに触れる。言葉を交わすことも出来る。叶わなかったことが、今、叶っている」
真神コルト:「貴方のこれからも、ここにあるんですから」
天城チェスカ:「……ふふ。……ええ、ええ。もちろん。もちろんです、お母様」
天城チェスカ:「わたしは……わたしたちは、生きています。可能性が集った船で。可能性に満ちる街で」
天城チェスカ:「ですから、お母様」
天城チェスカ:「……どうか、お母様も。どこまでも、ご自身のしたいようになさってください。きっと、その先に」
天城チェスカ:「お母様も、お父様も。楊原さんも、速水さんも。……わたしも、しずるちゃんも、紫苑くんも」
天城チェスカ:「─たとえ、そこに存在していなくても。みんな、いるんです」
GM:ね、と。同じ色の瞳が、キミの瞳を見つめている。
GM:重なる手が熱いのは。カップに満ちる紅茶から伝わる熱のせいか、それとも、妖しく輝くその瞳のせいか。
真神コルト:「──とても。ええ、とても、素敵なこと」
真神コルト:またひとつ、生にしがみつく理由が増えた。なればこそ、この日常を守り抜いて帰って来ようと。
真神コルト:そう、決心をあらたにした所で……
真神コルト:ふふ、と修道女は笑った。
真神コルト:「ところで、チェスカ」
真神コルト:「貴方たちの所って、外泊許可、出るんでしょうか?」
天城チェスカ:「……は、はい。街に拠点を置いている子もいますし、人事関係の手続きについてはUGNのそれに準じる準じるそうですけれど……?」
真神コルト:「それなら、良かったら一度うちに来ませんか?」
天城チェスカ:「……ええと。それってつまり」
天城チェスカ:「お母様のおうちに……お泊り……」
真神コルト:「もちろん、貴方が嫌じゃなければ……だけど。どうでしょう?」
天城チェスカ:「ふふ、そんなの……」
天城チェスカ:「嫌なわけないじゃないですか。……ええ、ええ。聞きたいこと、お話ししたいこと、たくさんあるんですよ」
真神コルト:「私もそう思ったから。じゃあ、頑張って時間を作らないと。エージェントの腕の見せ所です」
天城チェスカ:「……ふふ。楽しみにしていますね、お母様。……その日は」
GM:重なった手が、ゆっくりと離れて。紅茶をひとくち。唇を濡らすそれを、赤い舌がちろりと舐めとって。
天城チェスカ:「一晩中、寝かせるつもりはありませんから」
GM:─などと言っていた本人が、話し疲れて寝息を立てることになるのだけれど。それはまた、少し先の話。
真神コルト:──未来の私が伝えられなかったであろうたくさんのことを、この子に伝えたいと思った。
真神コルト:それはもしかしたら、とても残酷なことなのかもしれないけれど。
真神コルト:言葉だけではなく、実感して欲しい。しずるちゃんや紫苑くんにも、いずれ。
真神コルト:貴方たちは、祝福されて世界に産声を上げたのだ、と──
エンディング:楊原あざみ
GM:─N市某所、楊原あざみの自宅。
GM:負傷の療養。レネゲイド鎮静化のため定められたインターバル。年が明ける前に消化しろとしつこく言われた有給。
GM:そんな諸々が重なって。事件後の手続きが終わった今、こうしてなんとか時間が重なったキミたちは。
GM:こうして、久方ぶりにゆったりと過ごすことが出来ている。
楊原あざみ:お互いに…あまり、積極的に話す方でもない。
楊原あざみ:電話のときでもなければ、無言で時間が過ぎるのはよくあることだ。
楊原あざみ:一緒にいる時間のほうが大事だという、それはそうだから。ただ。
楊原あざみ:「わからないものですよね」
楊原あざみ:「あの頃は、天城くんとこうしているなんて、想像もしてなかった」
天城康介:「うん。……あざみさんは半分、通りすがりみたいなものだったし。俺は俺で、まともに挨拶もできなくて」
天城康介:「……だってのに、今こうして二人でいて。そして」
GM:ああ、と。言いにくそうに、僅かに口ごもった後。
天城康介:「……矢神の奴が言うには。未来じゃあ、子供もいるとか」
楊原あざみ:「ええ」
楊原あざみ:「別に、驚くようなことじゃないでしょう」
楊原あざみ:「ただでさえ世界が大変なときに、私の休職だか退職が認められたことくらいですよ」
天城康介:「そこまで言うか。……そりゃまあ、あざみさんは昔も今も、そして未来も引っ張りだこなんだろうけどさ」
楊原あざみ:「そうですよ。引く手数多で」
楊原あざみ:身を寄せて腕を掴む。
楊原あざみ:「行かなきゃいけないところだって多いんですよ」
楊原あざみ:「康介くんは……」
楊原あざみ:ちゃぶ台の上に、揃いの湯呑みが並んでいる。
天城康介:「……いるよ。ここにいる」
楊原あざみ:「それじゃあ足りません」
楊原あざみ:「私を捕まえるか、帰るところになるか。そういう話を聞きたいですね」
楊原あざみ:最初の場所に帰れないのは──ふたりとも、同じことだけれど。
楊原あざみ:指に力がこもる。
楊原あざみ:上着越しに爪が食い込む。
天城康介:「先に答えを用意するのはズルいよ、あざみさん」
GM:腕を掴む手を、掴まれているのとは逆の手で包む。
楊原あざみ:「心配したんですよ」
楊原あざみ:「何を言われたのかは知りません」
楊原あざみ:「聞く気もないです。でも、何を言われたんだろうと」
楊原あざみ:「置いていかないで」
天城康介:「……うん。あのさ、あざみさん」
楊原あざみ:「なんですか」
GM:重ねていた手を離す。その手を、子供のような小さな肩に置いて。そうっと。
楊原あざみ:指から血の気が引いている。
天城康介:「俺、生きるよ。俺の周りにいてくれる人、誰よりも長生きする」
天城康介:「あざみさんがどこかに行きそうなら、引っ張り戻して。……そしてさ」
楊原あざみ:こてん、と首を傾ける。
楊原あざみ:「そして?」
天城康介:「みんなが、ああ、いい人生だったって笑って死ねるように頑張る。俺も、笑って死ぬ」
天城康介:「……だから、その。もしもあの世っていうものがあって、死んだ後、そこでまた会えるんなら」
天城康介:「随分、待たせることになると思う。……その分、死ぬまで一生懸命、あざみさんを幸せにする」
楊原あざみ:「…………」
楊原あざみ:「約束ですよ」
楊原あざみ:小さな声だが、耳には届く。
天城康介:「……うん。多分……これからも、随分心配をかけるだろうけど」
楊原あざみ:「馬鹿」
楊原あざみ:「心配しますよ。年上だから」
天城康介:「なら、一生心配されっぱなしってことじゃないか。……それもまあ、悪くはないけどさ」
天城康介:「たまには、格好つけさせてくれよ。男なんだから」
楊原あざみ:「変わりたいなら、頑張ってください。とりあえず、今は…」
GM:うん、と応じる声と。小さな体を抱き寄せるのは同時で。
楊原あざみ:「…ありがとうね。康介くん」
楊原あざみ:抱き返す。体を寄せる。子供のように。
天城康介:「……こちらこそ、だ。……ありがとう、あざみさん。俺」
天城康介:「頑張るから」 ─生きることを。幸せになることを。幸せにすることを。大事なものを、取りこぼさないことを。
楊原あざみ:「うん」
GM:包み込むように、と呼ぶには。まだまだ小さな腕だけれど。
楊原あざみ:長い時間だろうと、大丈夫だろうと思える。あの部屋で過ごした一人きりとは、もう違うから。
GM:
GM:シーンエンド
GM:
GM:以上にて、「Goodbye , Dear My ──」全日程完了となります。
GM:お疲れ様でした、お付き合いいただきありがとうございましたー!
楊原あざみ:お疲れさまでした。ありがとうございましたー!
真神コルト:お疲れ様でした!ありがとうございました!
速水やどり:お疲れさまでした、ありがとうございましたー!!