『シールド・メモリーズ』


メイン 見学


楊原 しずる(やぎはら・─)キャラシート)PL:紅井寿甘
楊原 あざみ(やぎはら・─)キャラシート)PL:里村邦彦


目次



プリプレイ



GM:では、枠順に自己紹介をお願いしたく!まずシートのURLを張るので、それに続いて。

GM:PC1:"コルヌ・ベッテ"楊原しずる
GMhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYx_vh4wIM
楊原 しずる:はい。
楊原 しずる:「私は……楊原。楊原よ。"コルヌ・ベッテ"。……下の名前? ……しずる。できれば、楊原で。よろしく」
楊原 しずる:柳原静留(やぎはら・しずる)、15歳。アーカイヴス・エージェント。
楊原 しずる:背まである黒髪と、どこか野性味がある瞳が印象的な少女。
楊原 しずる:戦闘の際には鎧と槍のような強化骨格を持つ姿に獣化します。
楊原 しずる:性格としては反抗期な娘さん。『現代』の色々に興味津々ですが、親の話題はとくに触れられたくない感じ。
楊原 しずる:性能としてはキュマイラ白兵よくばりセットであり、マッハの侵蝕を犠牲に打点をとにかく出していく構成です。
楊原 しずる:以上、よろしくお願いいたします。
GM:は、ではハンドアウトはこちら!


GM:そんなわけで、お母様…もとい。リーダーからの依頼です。はじめてのおつかい、というわけですね。
楊原 しずる:外に出られるなら、まぁいいわ……『命令』だしね、えぇ。
GM:そう、命令です。ただし、キミをご指名の。その意味は……追々!

GM:では続いて!

GM:PC2:"バルドラの蠍"楊原あざみ
GMhttp://pulpfunction.ohugi.com/dx3_tw/dc3_003_n.html
楊原 あざみ:はい。
楊原 あざみ:"バルドラの蠍(アンタレス)"、楊原あざみです。清掃局所属の30歳。
楊原 あざみ:身長149cm。風貌は小中学生なみですが、成人です。市内の証拠のもみ消しに東西奔走しています。
楊原 あざみ:バロール/ハヌマーンの変異種。器用貧乏にいろいろ判定ができるタイプですね。
楊原 あざみ:最近、二十年ごしくらいに春が来ました。忙しすぎて味わってる時間もありませんが…
楊原 あざみ:頑張っていきたいと思います。
楊原 あざみ:以上です。よろしく。
GM:頑張りましょう…。(?) では、ハンドアウトはこちら!


GM:こちらも、ご指名での依頼ですね。どうやら荷物の受け取りのようですが…荷物…。
楊原 あざみ:荷物ですか……あまりいい予感はしませんが、心得ました。
GM:今回はきっと大丈夫…!では、そのような感じで!

GM:始めてまいります!まずは…

OP1


GM:OP:楊原しずる

GM:登場侵蝕をお願いします。
楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+10(1D10->10)した(侵蝕:33->43)

GM:─異相巡航艦オルロイ、司令室。
GM:"アーカイヴス"と呼ばれるキミたちが、活動を開始するにあたり、そのリーダーから指示を受ける場所です。
GM:すなわち。今まで、キミにとっては縁の薄かった場所。
GM:しかし、今。キミは呼び出しを受け、その扉の前に立っています。
GM:呼び出したのは、この部屋の主にして、この艦の、キミたちのリーダー。つまり。
GM:キミの─。
楊原 しずる:(どういう風の吹き回しかしら)訝しげな表情を、隠そうともしないまま。生体認証を通して、扉を開ける。
GM:その先には、当然ながら。キミが予想した通りの人物。
速水やどり:「よく来てくださいました、静留さん。……指定した時刻通り、ですね」
楊原 しずる:「来たわよ……"リーダー"」野性味のある、鋭い目つきで。……あるいは、数年前なら。笑って、おかあさんとでも呼んでいたその影を。睨みつける。
速水やどり:「……早速ですが、あなたに頼みが─いえ」
速水やどり:「命令が、あります」
楊原 しずる:……なんだかんだ言って、直接指令を受けるのは、初めてかもしれない。
楊原 しずる:「……えぇ。聞くわ。私も、アーカイヴスのエージェントだもの」
速水やどり:「─えぇ。では、"コルヌ・ベッテ"」
GM:キミのコードネームを告げながら、傍らの卓上…キミとの歓談を想定していたのか、二人分用意された、合成食料と未開封の飲料パックの横。
GM:厳重に封のされた、ジュラルミンケースめいた手提げ鞄を手にとり、キミに差し出す。
速水やどり:「あなたに、これを預けます。あなたは、これからこの艦を降りて」
速水やどり:「これを、地上の……2020年の、とある人物に届けてもらいます」
楊原 しずる:艦を降りる。その言葉にどきりとする。……これまでの人生は、殆どこの艦の中で過ごしてきた。それを、外へ。
楊原 しずる:「……本当に、子供のおつかいね」小さく、嗤いながら。
速水やどり:「……大丈夫ですよ。大きな事件の兆候は、今のところありません。先方……届け先にも、確認済みです」
楊原 しずる:わざわざ、本当に今までしまい込んできた自分を。こんなことに指名する意味も分からないが。
GM:キミの、昏さを滲ませる笑み。その意志を知ってか知らずか、ゆっくりと説き伏せるように。
楊原 しずる:「えぇ。命令とあらば、受けましょう。"リーダー"。それで、届け先は?」
速水やどり:「届け先、受取人は─」
GM:そこでようやく。自分とよく似た色の、キミの瞳を見る視線が。ほんの僅かに、揺れて。
速水やどり:「─受取人の名は、速水やどり」
楊原 しずる:……その名を聞いて、こちらも。僅か、瞳が揺れる。
速水やどり:「2020年の私……正確には、彼女から信任を受けた人物に、ですが」
速水やどり:「必ず、これを届けてください」
楊原 しずる:「……えぇ、分かったわ」鞄を受け取る。
楊原 しずる:「どんなものだか、知らないけど。『外』の見物がてら、しっかり届けてこようじゃない」
速水やどり:「……ごめんなさい、静留さん」
GM:何に、というわけではないのだろうけれど。そんな、謝罪の言葉が漏れる。
楊原 しずる:「謝らないで。私も、あなたも。惨めな気持ちになるから」苦々し気に呟いて。
速水やどり:「……えぇ。そうですね。少なくとも、見送りに相応しい言葉ではありませんでした」
GM:声色は、やはり申し訳なさそうで。僅かに頬の筋肉が緩んでいることだけが、どうにか笑みを浮かべようとしたことを物語る。
楊原 しずる:「……それじゃ、行ってくるわ。"リーダー"」
速水やどり:「……はい。"コルヌ・ベッテ"、どうか、無事の帰還を」
GM:そう見送られて、還ることのなかった仲間が、キミには─キミたちには、たくさん。
GM:─たくさん、いた。
楊原 しずる:(……相手は"オーガン"なんかじゃない。こんな気軽に艦を降りて。私は)背後の人影に、あるいは自分に。僅かな憤りを感じながらも。
楊原 しずる:一呼吸。
楊原 しずる:(やっとたどり着いた世界の果て。……どうせなら、しっかり見てやろうじゃない)手に提げた鞄の重みを、ほんのちょっとだけ感じながら。歩き出す。

楊原 しずる:なんだろ、これ/"速水やどり"への届け物/〇好奇心/嫌悪 で取得!
GM:シーンエンド!

OP2


GM:OP:楊原あざみ

GM:登場侵蝕をお願いします。
楊原 あざみ:1d10+31
DoubleCross : (1D10+31) → 6[6]+31 → 37


GM:─N市UGN、第9支部
GM:─支部長室
GM:キミの知人……という言葉では表しきれない間柄ではありますが……である少女が主を務めるその部屋には、いま。
GM:甘く、華やかな香りが。彼女のお気に入りだというハーブティーの香りが、満ちています。
速水やどり:「まずは……突然の呼び出しに応じていただき、ありがとうございます。楊原さん」
GM:にこりと友好的な笑顔をキミに向けるのは、第9支部長、速水やどり。
楊原 あざみ:「いえ。問題ありませんよ。仕事の上の話、ですので」
速水やどり:「私としては、お仕事以外の話でも、機会があれば……と、思っていますが」
楊原 あざみ:「忙しくなってしまいましたからね。だいぶ」
速水やどり:「……難しいですね。立場上も、実務上も。……いつも清掃局にお世話になっている身で、言えたことではありませんね」
楊原 あざみ:「そこは、仕事ですから」
GM:そう言って、キミを労うように、再び小さく微笑む。─その気持ちは、紛れもなく本物で。
楊原 あざみ:「……私用ではない、ということですよね。伺っても?」
速水やどり:「はい。これは、清掃局にも通達済みの、正式な依頼です。とはいえ……」
GM:手の中のティーカップを、かちゃりと皿に置いてから。
速水やどり:「半ば……いえ。半分以上、私個人の─」
速水やどり:「速水やどりから、楊原あざみさんへのお願いです」
楊原 あざみ:「……問題のある部分は、公には聞かなかったことにします」
速水やどり:「助かります」
楊原 あざみ:「第九支部が大変な状態にある、というのはお察ししますが…」
楊原 あざみ:出入りしている、本来の施設量や人員からすると多すぎる資材。人員。
楊原 あざみ:それがふせられている。何かしら異常事態、それは間違いないはずだ。
速水やどり:「……とはいえ。楊原さんにお願いしたいのは、お察しいただいている件とは、直接関係するものではありません」
速水やどり:「とある方から、私宛の届け物。それを、私に代わり、受け取って来ていただきたいんです」
楊原 あざみ:「清掃局に回るような案件で、ですか」
速水やどり:「いえ」
GM:即座に、そしてはっきりと。否定の言葉を口にして。
速水やどり:「わたしから、あなたへの、頼み事です」
楊原 あざみ:「わかりました」
GM:そうあっさりと返答したキミに、僅かな間、目を丸くして。
速水やどり:「……頼んだ身で言うことではありませんが。いいんですか」
速水やどり:「ひょっとしたら……えぇ。今後、私に「有利」に傾く、そんな話かもしれませんよ?」
GM:─何が、とは口にはしないけれど。
楊原 あざみ:「構いませんよ。こちらから持ちかけた話ですから」
楊原 あざみ:「逆でしたら、断りますか?」
楊原 あざみ:……つい先日の事件の内容を、知っているわけではないはずだが。
速水やどり:「いいえ。……あなたと、私の間で」
速水やどり:「遠慮も加減も不要だと。そう、思っています」
楊原 あざみ:「でしたら、そのように。第一、私的な関係でいうなら──」
楊原 あざみ:「──速水さんは子供でしょう。遠慮されたら、こちらが気を遣います」
速水やどり:「……はい」
GM:他の「大人」相手ならまだしも。あなた相手に、大人の仮面は通用しない。それを、この少女は理解している。
速水やどり:「では……楊原さん。楊原、あざみさん」
速水やどり:「届け物を預かるのは、コードネーム"コルヌ・ベッテ"。……UGNと友好関係にある組織のオーヴァードです」
楊原 あざみ:「友好関係?」
楊原 あざみ:妙な言い方をするな、と首をかしげる。
GM:えぇ、今はそう呼ぶしかありません。そう、やはり妙な言い方で応じて。
速水やどり:「先方からは、私個人として信じる人に頼むように、と。そう、言付けがありました。つまり」
速水やどり:「─あなたか、あの人か。そして……えぇ、これも、個人的な事情で。これは、あの人には絶対に頼めません」
楊原 あざみ:「わかりました」
速水やどり:「……ですので。あなたにしかお願いできないことなんです」
楊原 あざみ:頷く。
楊原 あざみ:「請け負いましょう。彼には、できるだけ報せないように」
速水やどり:「……はい。ありがとう、ございます」
速水やどり:「先方との待ち合わせ場所は、こちらに。……アナログですけど、この方法が確実ですから」
GM:卓上に小さな茶封筒、封をされたそれを取り出して、キミの手元へ滑らせる。
楊原 あざみ:メモを受け取って。確認し、折りたたんで。ごつい手帳に挟み込む。
楊原 あざみ:「では、他に何かありますか」
速水やどり:「では、最後にひとつだけ」
GM:すぅ、と。小さく息を吸う音。
速水やどり:「─必ず、無事のお戻りを。……えぇ、この街では」
速水やどり:「何が起こるのか、分かりませんから」
楊原 あざみ:「……ええ。肝に銘じておきます、速水さん」

楊原 あざみ:OP。「依頼人:速水やどり:○庇護/敵愾心」
GM:シーンエンド!

GM:では、ここからはミドル。SSSC方式での進行となります。
GM:使用技能等は下記のとおり。

--------------------------------------------------------------
使用技能:<情報:UGN、噂話><知識:レネゲイド>
目標値 :9(最大達成値20)
プライズ:0/6
シーン数:0/6
--------------------------------------------------------------

GM:なお、一定の進行度でQE(クエストイベント)が発生します、と先にお伝えしておきます。

GM:では早速、ミドル1から!

ミドル1


GM:■ミドル1
GM:全員登場
GM: 
GM:登場侵蝕をお願いします。
楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+1(1D10->1)した(侵蝕:43->44)
楊原 あざみ:1d10+37
DoubleCross : (1D10+37) → 8[8]+37 → 45


GM:それでは、まずは進行判定から参りましょう。
楊原 しずる:では、情報:UGNで、コネ:UGN幹部起動でダイスよっつの固定値1。
楊原 しずる:4dx+1>=9 情報:UGN
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 10[2,5,7,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

GM:……!?
楊原 あざみ:考えどころですが、<知識:レネゲイド>に情報収集チーム。4dの+3。
GM:財産点の投入については、ふたりの判定が終わってから判断してもらってOK!
楊原 あざみ:こちらも頑張ってみましょうか。《アクティベイト》9HPペイ。HP17/26。
楊原 あざみ:4dx+3+9
DoubleCross : (4R10+3+9[10]) → 9[4,4,8,9]+12 → 21

楊原 しずる:お見事。
楊原 あざみ:21叩きました。
楊原 あざみ:侵蝕49。
GM:ワオ。ではPP3点となり、そしてDPについては、2人体制ということで「PPと同値」を付与します。
GM:つまり3点!
GM:では進行度について!

GM:1PP
GM:合流に成功、第9地区にあるケーキ屋「ヌーヴェル・リュヌ」にて、人払いがされている。
GM:互いの待ち人は、そこにいる。

GM:3PP
GM:シーン終了時、何者かの襲撃を受ける。
GM:次のシーンはQE(クエストイベント)となる。

GM:─第9地区某所、ケーキ屋「ヌーヴェル・リュヌ」。
GM:キミが─楊原しずるが、待ち合わせ場所としてそのイートインスペースに入り、注文した品が届いた直後。
GM:《ワーディング》に似た、しかしレネゲイドを喚起するほどではない程度の違和感を、キミは覚えます。
GM:何者かの領域操作による、空間の隠蔽です。
楊原 しずる:(……人払いまで、既に万全。ほんとうにこれじゃ、ただの子供のおつかいね)自分が持ち歩くには少々いかめしい手提げ鞄についても、人目を気にする必要はなさそうだ。
楊原 しずる:不機嫌そうな顔でジュースを啜り、ショートケーキを一口。
楊原 しずる:(……あ、やっぱり味はいい……モルフェウスもそもそケーキなんかとは雲泥の違い……)目を丸くして。
楊原 しずる:(……いや、これでも任務に来てるのよ)しばし後、不機嫌そうな瞳に戻す。
楊原 あざみ:「失礼します」
楊原 あざみ:いきなり声がかかる。
楊原 あざみ:しずるさんより背が低い。ラフな作業着姿。首元についたアクセサリだけがやや浮いている。
楊原 しずる:きっ、と、反射的に声の方向へ睨みかかる。ぎゅっと手提げ鞄の取っ手を握りしめて。
楊原 あざみ:「"コルヌ・ベッテ"さん?」
楊原 しずる:「えぇ。私が"コルヌ・ベッテ"。……貴女が、手荷物受取の代理人ね」
楊原 あざみ:「ええ。"バルドラの蠍(アンタレス)"です」
楊原 しずる:「なるほど、アンタレスさん……アンタレス?」何かを思い出したかのように。
楊原 あざみ:「……何か?」
楊原 しずる:「あの……貴女が? ……うん、でも、確かに合致する……まさか、今の私よりも…‥」おでこに手を合わせて、背を計るような仕草。
楊原 しずる:「……えぇ、えぇ。お会いできて光栄です」不機嫌そうだった瞳が、どことなく柔らかくなる。
楊原 あざみ:「身分の説明が不要なのはありがたいですね。何分、よく誤解されるもので」
楊原 あざみ:表情がやわらかくなる。
楊原 しずる:(最初は、私みたいな年少のエージェントか……チルドレン? を起用したのかと思ったけど)
楊原 しずる:(まさか、『楊原あざみ』に会えるなんて……いや、ここまで"リーダー"の仕込み?)
楊原 しずる:「私が一方的に知っているだけですが。お噂は少々」そう、目の前のひとに答える。
楊原 あざみ:「名前が知られて嬉しい仕事でもないですけどね」
楊原 あざみ:対面の席に腰掛ける。
楊原 あざみ:座ると、ひときわ小さいのが意識される。目線が低いのだ。十代の体格で、年齢による背の差はかなり大きい。
楊原 あざみ:既に配膳されている紅茶には、手を付けようとしない。
楊原 あざみ:「荷物というのは、そちらの」
楊原 しずる:「はい、私も中身までは知らされてませんが。こちらで、間違いありません」
楊原 しずる:封のされた手提げ鞄を差し出して。
楊原 あざみ:職業病で、観察する。大型の鞄ではあるが、何かしら封印が施されているというふうでもない。
楊原 あざみ:「はい。確かに」
楊原 しずる:こっちは純粋な好奇心から観察する。あなた自身を。
楊原 あざみ:持ち上げるよりさきに、卓上で軽く引いてみるが、機械的な重さというわけでもない。書類?
楊原 あざみ:目線がかち合う。
楊原 あざみ:「何か?」
楊原 しずる:「あぁ、いえ。失礼しました。……お噂だけ聞いていたので、実際はどんな方なのかと……興味が先走りまして」
楊原 あざみ:外部協力者。チルドレン、だろうか。UGNとFH以外で、まとまって運用している組織があるという話は聞かないけれど。
楊原 あざみ:「見ての通りですよ。あまり、面白いものでもありません」
楊原 あざみ:「仕事に就いて少し長い、というのが取り柄なくらいで」
楊原 しずる:「ご謙遜を。……私が一見した程度では、気づけるかどうかわかりませんが……魅力的なのだろうと」少々、遺伝上の父親のシュミとかを疑いはじめたが。
楊原 あざみ:「?」
楊原 あざみ:首をかしげる。どうも……反応に違和感がある。
楊原 あざみ:「では、特に他の伝言や、取扱い上の注意などがないなら、私はこれで」
楊原 しずる:「ともかく、噂で聞いていた方が健在なようで、嬉しい限り……と、いうことで」真面目腐った顔で、そんなことを言う。
楊原 あざみ:鞄を取り上げて、席を立つ。素っ気ないにもほどがあるが。
楊原 しずる:「はい。どうぞ、お元気で……」こちらも、干渉しすぎるのは避け、見送って終わろうとしていた。
GM:─そうして、邂逅が終わろうとしていた時だ。
楊原 あざみ:テーブルの上には、旺盛な食欲のあとがあるケーキの皿とジュースのグラス、まったく減っていない紅茶のカップ。
楊原 あざみ:「ええ。ありがとうございます──」
GM:まずはしずるさん。知覚で、目標値2の判定を。
楊原 しずる:1dx+1>=2
DoubleCross : (1R10+1[10]>=2) → 5[5]+1 → 6 → 成功

GM:OK!では……。
GM:─ザリ、と。キミの耳にノイズのような音が届いた気が、した。
GM:─実際には、音は発生してはいない。ただ、視界の端に。見慣れぬ地上の風景に。
楊原 しずる:がたりと、こちらも席を立つ。イヤな予感がする。
GM:キミが、キミたちが見慣れた、モザイクめいた欠落が─。
楊原 しずる:「嘘、でしょ……!?」
楊原 あざみ:しずるさんよりほんの僅かに遅れて振り返る。表情からはすっかり笑顔は消えて。
楊原 あざみ:「説明する時間は?」
GM:それは、この時空からは放逐されたはずだ。現れることのないはずだ。けれど─。
楊原 しずる:「あまりないです、まずは逃げの一手で」端的に。
GM:少女の短い応えに続いて。あざみさんの携帯端末に、着信音。
GM:発信者名は、見慣れた名前。
楊原 あざみ:「はい」
楊原 あざみ:ハンズフリーモードで受けて、ジャージのポケットに放り込む。
楊原 あざみ:「現在、襲撃を受けています。お相手も一緒に」
速水やどり:『……はい。こちらでも観測しています。ですので、ひとつだけ』
楊原 あざみ:「どうぞ」
速水やどり:『─逃げてください。それは…これから現れるモノは』
速水やどり:『不死身の、怪物です』
GM:─ザリザリと。大きくノイズが走って。通話はぶつん、と途切れて。
GM:同時。キミたちのレネゲイドを震わせる、《ワーディング》の気配と。
????:「────」
GM:真っ白で、無個性な仮面の─。

楊原 あざみ:MD1。「ビジネス:楊原しずる:好奇心/○隔意」。
楊原 しずる:ロイスは既にあざみさんには取得済みなので、保留。調達はアルティメイド服狙いで。
楊原 しずる:2dx+1>=20
DoubleCross : (2R10+1[10]>=20) → 10[6,10]+8[8]+1 → 19 → 失敗

楊原 しずる:……財産1入れて、買ってあざみさんにトスを……なんだこれ……
楊原 あざみ:購入は……応急手当キットを。
楊原 あざみ:ありがとうございます。いただいておきます……
楊原 あざみ:2dx+3>=8
DoubleCross : (2R10+3[10]>=8) → 4[2,4]+3 → 7 → 失敗

楊原 あざみ:失敗しておきましょう。侵蝕率を支払えば補えますし、財産点は抱えておきたい。
楊原 あざみ:以上です。
GM:シーンエンド

ミドル2


GM:■ミドル2
GM:全員登場

楊原 あざみ:1d10+49
DoubleCross : (1D10+49) → 6[6]+49 → 55

楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+7(1D10->7)した(侵蝕:44->51)

GM:それでは、宣言通りこのシーンはQE(クエストイベント)となります。内容は……。

--------------------------------------------------------------
QEシーン:襲撃者の撃退
使用技能 :<白兵><射撃><RC>(目標値9)
終了値  :0/2(回数制限:なし)
--------------------------------------------------------------
GM: 
GM:倒せないのは承知の上で、逃げるための隙を作るために攻撃を…といった感じです。
楊原 あざみ:なるほど。
GM:まずは判定、演出は纏めて、といこうかと思います。
楊原 あざみ:しずるさんは……だいぶ判定が重いですね。
楊原 しずる:コンセコンバットシステムで、まぁまぁぐらいの。
楊原 あざみ:私が行きましょう。演出面でも、少し考えていることがあります。
楊原 しずる:ありがたし……
楊原 あざみ:《アクティベイト》。HP9点ペイ。能力訓練精神を起動。RC。
GM:どうぞ…!
楊原 あざみ:4dx+14
DoubleCross : (4R10+14[10]) → 10[1,2,7,10]+8[8]+14 → 32

楊原 あざみ:問題なく突破しました。HP8、侵蝕値59。
GM:一撃…!
GM:では問題なく突破!

????:「──我々は。我々は。我我我は我は々はははははは」
GM:白い仮面の人影は、そんな壊れたラジオのような言葉を発しながら。キミたちへと歩みを進めて。
楊原 しずる:(落ち着け。落ち着け。"廟"は出ていない。私たちが抑えた。あれはただの端末、それもきれっぱしのはずだ)
オーガン?:「我、は」
楊原 しずる:「一撃だけ。隙を作って、逃走します」
GM:オーガン。そう呼ばれるハズの存在の人影、その右腕が肥大化。一本の太い、ドリルのような突起を備えた拳が。
GM:唸りを上げて、キミたちへと─
楊原 しずる:息を吸い込む。ばりばりと、強化骨格が現れる。……それはまるで歪な、騎士の鎧のような。突撃槍のような─
楊原 しずる:身を投げるようにしてあざみさんの前に立ち、槍を以て受け止める。
楊原 しずる:「やらせ、ないんだからっ……!!」
オーガン?:「──!」
楊原 あざみ:腕に、螺旋槍を備えた姿。異形の騎士。それと近しいものを、たしかに知っている。
GM:拳と槍がぶつかり、火花を散らす。拮抗する力に、白い仮面が驚愕しているように歪んだのは、果たしてキミたちの錯覚か。
オーガン?:「我々、ハ」
楊原 あざみ:……しかし、符合による衝撃を横に置いて、冷静さを取り戻す余裕はある。それだけが、楊原あざみという人間の才能だ。
GM:同じ言葉を繰り返しながら、拳を引く。それは、次なる一撃への予備動作。
楊原 あざみ:その瞬間に。
楊原 あざみ:小さな体で、騎士の模倣へと変じたしずるさんの身体を抱えるように引いて、走り出す。
楊原 あざみ:周囲に他の敵影はない。殺せない相手。ならばできることは一つだけだ。
楊原 あざみ:許された、周囲より数倍ある時間を利用して、逃げる。それから、体制を立て直す。
楊原 あざみ:「抵抗しないでください」
GM:みしり、と。白い人影の足元にヒビが入る。踏み込みから続くはずの跳躍はしかし、いまのキミたちにとっては、遅すぎる。
楊原 あざみ:しずるさんの視界でも──
楊原 あざみ:周囲の世界がゆっくりと、赤くくすんで色を失っていく。時間加速にともなう、相対的な電磁波周波の引き伸ばしによる赤方偏移現象。
楊原 しずる:(これが……『楊原あざみ』の……!!)能力を体感しながら。
GM:─やがて、赤く染まった世界からの観測でも。ノイズは収まり、気配は遠く。
楊原 あざみ:十分に離れた、と判断した時点で、能力を解除。大きく息を吐く。
楊原 あざみ:「身体の方は、大丈夫ですか」
楊原 しずる:「そ、そちらの方こそ……!! 無理な能力行使をさせて、もうしわけありません……!!」気遣うように。
楊原 あざみ:「いえ、仕事ですから」
楊原 あざみ:壁に身体をもたれさせて、息を整える。見るからに消耗している。それはたとえば、毛細血管が弾けて真っ赤な目であるとか。
楊原 あざみ:「……あれは、そちらが専門の相手ですか?」
楊原 あざみ:「不死身の怪物、ということでしたが」
楊原 あざみ:口調は、ごく落ち着いている。
楊原 しずる:「はい。……名を"オーガン"。我々はあれらに対する専門家……のようなものです」
楊原 しずる:「専門家と言っても、奴らを時空隙に放逐できるだけで、無敵でも完全有利の存在でもないのが歯がゆいところですが」
楊原 あざみ:「今は対処手段がないと。現実的に可能な距離や時間では?」
楊原 しずる:「こちらの母体に連絡して……距離で言うなら、市内から。時間で言うなら、小一時間もしないうちに救援事態は要請できると踏んでいます」
楊原 あざみ:「何よりです。通信妨害があったようですが、いま、連絡は取れますか?」鞄を足元にどさりとおろして。
GM:─事実。要請すれば、人員・物資の手配はされるでしょう。しかし。
楊原 あざみ:息はまだ、かなり荒く、浅い。
GM:視界の中、遠くに僅かに走るノイズ。それは、いずれキミたちへとたどり着く。果たしてそれが、小一時間待ってくれるかは─。
楊原 しずる:「……こちらからも連絡しますし、先程の通話内容からしておそらく救援は既に向かってますね。後は……」あれから、逃げ回るだけだ。
GM:─キミたちがそんな思考を巡らせていた時。ふと気づいたのは、ふたりのうちどちらか。
楊原 あざみ:「第九支部との連携は取れていると。それなら──」
GM:下ろされた鞄の片隅。先ほどの襲撃の余波か、あるいは楊原あざみの加速した時間に耐えられなかったか。
GM:綻んで、中身が垣間見える。それは─。

GM:進行度5
GM:預けられた荷物の中身は、一着の衣服だ。
GM:星辰館高校高等部、男子制服。古びてはいるが丁寧に手入れがされたそれは、しかし。
GM:左胸に大きな穴が空いていて。ドス黒い血の痕が、こびりついている。
GM:─そして血痕は、二人分ある。

楊原 あざみ:「……?」
楊原 あざみ:なにかの事件資料だろうか。しかし、それにしては色々と妙なところがある。
楊原 あざみ:保存してあるなら、手入れする意味はない、どころかむしろ有害だ。
楊原 しずる:「……」これがなんなのかは、理解できる。これを届けなければならない意味は、まだ飲み込めないが。
楊原 あざみ:「どの程度汚してはいけない、とか、そうしたことは聞いていますか?」
楊原 しずる:「いえ、中身が何かすら聞いていなかったので。……ただまぁ、なるべく汚さずに届けたい品、ということだけは」
楊原 しずる:「無論、命に代えるべくもないですが」
楊原 あざみ:「そうですか」
楊原 あざみ:頷いて、作業着の上着を脱いで鞄をくるむ。小柄ではあるが、それに十分な大きさはある。
楊原 あざみ:Tシャツ一枚の、ひどく華奢な(痩せすぎな)上半身が顕になる。
楊原 あざみ:ファスナーで固定して、袖で括って。
楊原 あざみ:「でしたら、これでいいでしょう」
楊原 しずる:「えぇ、ありがとうございます」
楊原 あざみ:「……あちらの特性については、私はまったく把握していませんから」
楊原 あざみ:「指示をお願いします」
楊原 しずる:「はい。とりあえず、場所を変えましょう。支援を受けるにしろ、逃げ続けるにしろ。もう少し、良い場所まで」
楊原 あざみ:「ええ」頷いて。鞄を肩に担ぐ。足取りは、見る限りしっかりしている。

楊原 あざみ:ロイス設定は保留。購入は、再度応急手当キットを。
楊原 あざみ:2dx+3>=8
DoubleCross : (2R10+3[10]>=8) → 4[4,4]+3 → 7 → 失敗

楊原 あざみ:出ませんね……まあ、これで保留。
楊原 あざみ:以上です。
楊原 しずる:敵/オーガン/執着/〇脅威で取得。調達は応急手当キットを。
楊原 しずる:2dx+1>=8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 5[1,5]+1 → 6 → 失敗

楊原 しずる:こっちの財産は吐いてしまっていいでしょう、2点吐いて購入して、あざみさんへ。
GM:即座に使っていただいて大丈夫です。
楊原 あざみ:ありがたい。いただきます。で、使用して……
楊原 あざみ:2d10+8
DoubleCross : (2D10+8) → 9[5,4]+8 → 17

楊原 あざみ:17まで治りました。あと一回は判定できる。
GM:シーンエンド

ミドル3


GM:ミドル3
GM:全員登場

楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+8(1D10->8)した(侵蝕:51->59)
楊原 あざみ:1d10+59
DoubleCross : (1D10+59) → 8[8]+59 → 67

GM:伸びるなあ…!
楊原 あざみ:まあ、いつものことです。
GM:さて、それではこれまでと同じく、進行判定から参りましょう。現在、PP累積は5/6
GM:メインは引き続き情報:UGNか噂話ですが、ここでサブトピックがひとつ生えます。
■サブトピック:制服の血痕
--------------------------------------------------------------
使用技能:<情報:UGN、噂話><知識:レネゲイド>
目標値 :6(最大達成値10)
プライズ:0/1
--------------------------------------------------------------

GM:これは、判定しなくても進行・シナリオの内容に影響はありません。
楊原 あざみ:なるほど。
楊原 しずる:かしこまりました。どっちがどっち行きましょうね。
楊原 あざみ:高達成値を叩けるのは私のほうなので、メインを狙いたいところではありますが……
楊原 しずる:内容的にお気づきになられたい。
楊原 あざみ:そこですね。進行はそちらがスムースだと。
GM:メインのPPは残り1点なので、成功さえすればOK,となりますね。
楊原 しずる:では、私がメイン担当で。サブ、先にお願いしましょう。
楊原 あざみ:わかりました。行きます。情報収集チーム入の知識判定。
楊原 あざみ:4dx+3
DoubleCross : (4R10+3[10]) → 4[1,1,3,4]+3 → 7

楊原 あざみ:アクティベイト乗せておくべきでしたね……一度しずるさんが叩いてくれるなら十分でしょう。財産3入れて通します。
楊原 しずる:ではメイン、コネ入れて情報:UGNで判定……の前に、いっこだけジェネシフト。
GM:は、ではサブは成功のDP+1点!
楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+7(1D10->7)した(侵蝕:59->66)
楊原 しずる:DB乗っけてダイス5個の固定値1。
楊原 しずる:5dx+1>=9
DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 10[4,5,7,7,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

楊原 しずる:財産2点入れて乗っけます。
GM:は、メインも成功!
楊原 あざみ:お見事です。
GM:そしてDP、PPと同値を入れる運用なので、サブで+2点のメインで+3点となります。(訂正)
GM:既存のと併せて、お二人とも8点になります。
GM:では、まずサブの方から開示!

GM:サブトピック:制服の血痕
GM:二人分の血痕は、僅かずつの差ではあるが、それぞれ違う時期に付着したもののようだ。
GM:胸に空いた穴とその周辺─この服を身に着けていた者自身の血痕は、その他より後に付着している。
GM:後者は制服の前面、特に腕部分に多く付着している。
GM:─あるいはそれは。誰かの血塗れの骸を抱き締めた、その痕跡だろうか。

GM:続いてメイン。
GM:進行度6
GM:「オーガン」は現在、この時間軸からは放逐されており、現れたのはその残滓だ。
GM:「特異点」の因子を強く発現し、それ故に総体から排除され、霧散するはずだった個体。
GM:それが、縁深い人物と物品が揃ったところに滲み出たもの。
GM:─故に。キミたちであれば、それを滅ぼすことが適う。
GM:※このエネミーはDロイス「特異点」を所持していますが、既に効果を使用済みであるものとします。

GM:─N市、UGN第九支部管轄区域内某所。
GM:そこは、第九支部が確保しているセーフハウスの中でも、物理的・RC技術的に最も秘匿性が高い場所のひとつ。
GM:第九支部からの案内で、ひとまずキミたちはそこに落ち着いて─。
GM:やっと一息。そんな折に、楊原あざみの携帯端末に着信音。
GM:発信者は、速水やどり。プライベートではなく、支部長としてのアドレスからだ。
楊原 あざみ:「はい。"アンタレス"です」
楊原 あざみ:鞄の修復は諦めた。セーフハウスにあった予備のケースに、受け取ったモノを詰め替えている。
速水やどり:『─ああ、良かった。お二人とも、ご無事ですね。……すみませんが、まず、通話をハンズフリーに』
速水やどり:『端末も、卓上にお願いします。……お二人の顔が、こちらからも見えるように』
楊原 あざみ:「はい」
楊原 あざみ:ハンズフリーモードに設定。カメラを引き起こす。
楊原 しずる:(これが、『2020年』の"リーダー"……)興味深げに覗き込む。
速水やどり:『ありがとうございます、これで大丈夫です。……では』
GM:視線はまず、端末の主ではなく。その隣。
速水やどり:『─"コルヌ・ベッテ"』
GM:楊原しずるに向けられ、呼びかける声もまた同じく。
楊原 しずる:「……はい」努めて平静な声を出して、返事をする。
速水やどり:『つい先ほどまで、あなた方の”リーダー"とお話をしていました。「オーガン」が出現した件、そして』
速水やどり:『─あなたのこと。あなたのお名前。あなたの……出自』
楊原 しずる:「っ……」苦虫を噛み潰したような顔に。
楊原 しずる:「今回の任務には、まぁ。関係ない事かと存じますが」とげとげしい態度で返答する。
速水やどり:『はい。それに……えぇ。私の口から、それを語ることは』
速水やどり:『フェアではないと思います』
GM:ちらりと一瞬、視線は楊原あざみへと向いて。すぐに戻る。
楊原 あざみ:「…………」
楊原 あざみ:何かを考えている様子。
速水やどり:『ですから、この場では。私はあなたを、"コルヌ・ベッテ"と呼びます。……ごめんなさい』
GM:申し訳なさそうに揺れる蒼い瞳は、楊原しずるが良く知るものと、とても似ていて。
楊原 しずる:「……謝らないで。今朝も言ったばかり……いいえ、なんでもありません」
GM:その言葉に、画面の向こうの少女は。何か声をかけようとしていたようではあったけれど。
速水やどり:『……それでは、用件に移りましょう。お二人の前に現れたモノのことについて』
楊原 あざみ:「ええ。何ですか、あれは。複製体の類にも見えませんでしたが──」
速水やどり:『名称と、そして根本的な対処が難しい存在であること。それは、既に"コルヌ・ベッテ"から聞いていただいた通りですが─』
速水やどり:『……あれは、この先、私たちが辿る「かもしれない」歴史の可能性』
楊原 あざみ:「……何の比喩です?」
速水やどり:『字義通りですよ』
速水やどり:『このことは……えぇ。支部長・副支部長級職員と、各支部長の裁量で「知るべき」と判断した者以外には、機密扱いです』
速水やどり:『未来からの侵略者と来訪者。破滅を確定させるために、そして破滅を回避させるために現れた者たち』
速水やどり:『前者が、先ほどお二人が遭遇した「オーガン」と呼ばれるモノであり─』
楊原 あざみ:しずるさんを視ます。
楊原 しずる:「えぇ。後者が私たち」
速水やどり:『未来からの《異邦者(タイムトラベラー)》。もしもの歴史からやってきた協力者』
楊原 しずる:「複数呼び名はありますが、この時代では『アーカイヴス』の名が一番通っています」
楊原 あざみ:少し間があって。
楊原 あざみ:「そういうものとして理解します。それで……」
楊原 あざみ:「……速水支部長。あるいは"コルヌ・ベッテ"さんのほうが適切かもしれません。確認したいことがあります」
楊原 あざみ:「あれは感染性ですか?」
速水やどり:『……あれが、総体の端末として、今も「繋がっている」のであれば、あるいは。ですが─』
速水やどり:『「オーガン」はこの世界からは放逐され、現在、こちらに干渉することはできません』
楊原 あざみ:「つまり、万全の状態であれば」
速水やどり:『しかし、"アーカイヴス"のリーダー曰く。放逐しきれず、しかし遠からず霧散するであろう残滓のようなものが』
速水やどり:『何らかの触媒…縁、と言い換えてもいいですが。繋がりを辿り、実体化する可能性はある。そして─』
GM:えぇ、と。あざみさんの言葉に、神妙に頷いて。
速水やどり:『─まさしく。万全の状態……放逐された本体との繋がりを取り戻す可能性も、ゼロではないそうです』
楊原 あざみ:通話画面越しに、速水支部長の顔をじっと見つめる。
楊原 あざみ:「速水支部長ではなく──」
楊原 あざみ:「速水やどりではなく、"コルヌ・ベッテ"が担当すべき相手である。そう認識して構いませんね?」
速水やどり:『…………』
GM:僅かな沈黙。その表情は、苦しげに─あるいは、悔しそうに見えるかもしれない。
速水やどり:『……えぇ。きっと、「もしも」の私は』
速水やどり:『楔にはなれなかった』
楊原 あざみ:「混乱はしていますが」
楊原 あざみ:「事情は概ね察しました。詳しい説明は……」
楊原 あざみ:「彼女の方から?」
速水やどり:『はい。……お願いします、"コルヌ・ベッテ"。あなたなら』
速水やどり:『あなたが。楊原さんが。─その"荷物"が揃っているなら』
速水やどり:『─あの「オーガン」が、何であったのか。お分かりですね』
楊原 しずる:「……えぇ、えぇ」苦々し気に。
楊原 しずる:「……天城、康介」絞り出すように、口にする。"父"の名を。
楊原 あざみ:「…………」
GM:その声、その表情に。画面の向こう、少女の表情は、いっそ痛々しいくらいに歪んでいて。
GM:それでも─。
速水やどり:『……以後、対象を「オーガン:ビースト」と呼称。"アーカイヴス"リーダーからの委任と、第9支部長としての権限により命じます』
速水やどり:『"アンタレス"。"コルヌ・ベッテ"。対象の、速やかな殲滅を』
楊原 あざみ:「了解しました」ごく短く応える。
楊原 しずる:「……ここまで縁に頼って実体化してるなら、こっちからなんとかもできるハズ」不死身の例外。縁者との接触による、自壊に近い崩壊。
楊原 しずる:「分かりました、"コルヌ・ベッテ"……拝領します」
速水やどり:『……えぇ。お願い、します。……以後の通信は秘匿開戦に切り替えを』
GM:絞り出すような言葉を最後に、通信は一旦切れる。
GM:必要事項の伝達のため、回線が繋ぎ直されるまでの間。ほんの少しの、間隙。
楊原 あざみ:「名前を、聞かせていただいても構いませんか」
楊原 あざみ:「天城ですか。それとも、速水?」
楊原 しずる:「私の、名前は」蒼い瞳が、一瞬伏せられて。
楊原 しずる:「楊原。楊原しずる。そう、名乗らせていただいています」
楊原 あざみ:一瞬、驚いたような顔をして。
楊原 あざみ:「亡くられたんですか。速水さんは」
楊原 しずる:「……成程、そういう風に捉えられますか……」僅か、考えて。
楊原 しずる:「健在です」短く、事実だけを告げる。
楊原 あざみ:「…………」
楊原 あざみ:「どういう事情があるのかはわかりませんが。理解できないとは言いません」
楊原 あざみ:「……私も、母親は嫌いですから」
楊原 しずる:「……そこまで見透かされているとなると、参りますね」母の日誌にもあった。隠し事は通用しなかったと。
楊原 あざみ:「見透かすも何も。これだけ材料が揃えば嫌でも理解できます」
楊原 あざみ:血まみれの制服の入ったケースを見て。
楊原 あざみ:「話が残っていないかも知れないですが……」
楊原 あざみ:「星辰館の新制服ができたのは、いまから四年前。……それが、少なく見積もっても十年は保管されている」
楊原 あざみ:「そこに二人分の血痕。わざわざ自分が指名で派遣されている。そのうえしずるさん、あなたが未来から来たとなれば」
楊原 あざみ:「一人しか生き残らなかったのだろう、というのは露骨すぎるくらいでしょう。それに……」
楊原 あざみ:「そう思って見れば、血の繋がりくらいは、さすがに察しが付きますから」
楊原 しずる:「十分明察の類に当たると思いますが。えぇ。およそ、未来はあなたの考えている通りで」
楊原 しずる:「……私たちは、私は、そんな未来が気に食わないから、ここまで流れ着いてきました」
楊原 あざみ:「それはそうでしょうね。もし、過去を変えることが可能なら、誰でもそうします」
楊原 あざみ:冷静な口調。まるで、事実を知ってからかなり時間が経ったかのような。
楊原 しずる:「私はね、あなたが勝ち続ける未来こそ、って思っているんですよ。いろんな意味で、こんなことを言えた立場ではないですが」
楊原 あざみ:「……生きていれば、何かしら、いいこともあるかもしれませんよ」
楊原 あざみ:「それこそ、私が言えたことではないですが」
楊原 しずる:一度訪れてしまった結末を、知っているから。私の母は、確かに楔になれずに……負けたのだからと。
楊原 しずる:「えぇ。生きていればいいことがある。……その通りです。だから、生かします。明日の為の、今日を」
楊原 あざみ:「つもる話は、後にしましょう。ともかく、あれを……"オーガン・ビースト"を処理する必要があります」
楊原 あざみ:「一体だけで、今ならば殺すことが出来る。そう理解して構いませんね?」
楊原 しずる:「はい、その通りです」
楊原 しずる:「……辛い戦いになるとは思いますが。よろしくお願いします」
楊原 あざみ:「……こちらこそ。話は聞いているようですが、私は、大物の相手は苦手なので」
楊原 しずる:「アレ相手に大物小物の区分が通用するか怪しいものなので。ともかく、頼りにしています」
GM:再びの、そして先ほどとは異なる着信音。ある意味耳障りなそれは、秘匿回線による通話を示すもの。
GM:─準備は、整った。

楊原 あざみ:ロイス設定。「大切な人:オーガン・ビースト:遺志/○殺意」。
楊原 しずる:ロイス取得 これがこの時代の/2020年の速水やどり/〇好奇心/憐憫
楊原 しずる:調達は応急手当キットで。
楊原 しずる:3dx+1>=8 調達
DoubleCross : (3R10+1[10]>=8) → 9[5,8,9]+1 → 10 → 成功

楊原 しずる:あざみさんにパス。
楊原 あざみ:いただきます。使用しても?
GM:どうぞうどうぞ。<即座仕様
楊原 あざみ:2d10+17 では。
DoubleCross : (2D10+17) → 7[6,1]+17 → 24

楊原 あざみ:24まで戻しました。よしよし
楊原 あざみ:購入追加は……しずるさんはFPAありですしね。なしで
楊原 あざみ:以上です。
GM:シーンエンド!

クライマックス


GM:■クライマックス
GM:全員登場
GM: 
GM:登場侵蝕をお願いします。
楊原 あざみ:1d10+67
DoubleCross : (1D10+67) → 5[5]+67 → 72

楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+1(1D10->1)した(侵蝕:66->67)

GM:─星辰館高校、校庭。
GM:決戦の、或いは「釣り出す」場所として指定されたのは、そこだった。
GM:─曰く。"アーカイヴス"からの情報提供によれば、そこが最も相応しい場所なのだという。
GM:…キミたちは、知る知識から。届け物の中身から。察することができるだろう。
GM:ここは、今ではないいつか、誰かが命を落とす場所なのだと。
GM: 
GM:果たして、そこには。人払いと、領域操作による封鎖が完了した、校庭の中心には。
オーガン:ビースト:「────」
GM:表情など伺い様のない白い仮面。個性のない白い装束。しかして、歪み切ったそれらを纏った、白い人影。
楊原 あざみ:「……動きませんね」
楊原 しずる:「暴れ回られるよりは良いとして、なら。こちらから仕掛ける」こくりと、生唾を飲み込んで。ほとんど初めての『実戦』を前に、震えかける膝を律して。
楊原 あざみ:「ええ。相手が、今のところは特殊性のないジャーム相応というなら、それが妥当かと」
楊原 あざみ:着込んだお仕着せ(セーフハウスに用意してあった)の手袋の感触を確かめるように開閉する。
楊原 あざみ:「大丈夫です。そう、難しいものでもありませんよ」
楊原 しずる:「……心強いですね、落ち着いた方が隣に居ると」
楊原 しずる:「えぇ。行きましょうか」
GM:─キミたちが校庭に。待ち受けるモノの知覚範囲に足を踏み入れると、同時。
オーガン:ビースト:「──我々は」
GM:楊原しずるにとっては、ソレが発するものとして当然と捉えられる言葉と、そして。
オーガン:ビースト:「我々は─我々は、我我我々はははははは我─」
オーガン:ビースト:「──俺、は」
GM:決してあり得ない、「個」としての言葉と。悔悟と嘆きにも似た、レネゲイドを喚起せしめる衝動が解き放たれる。
GM:衝動判定、意志で目標9!
楊原 しずる:3dx>=9 意志
DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 10[2,5,10]+9[9] → 19 → 成功

楊原 あざみ:4dx+1>=9
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 10[1,5,9,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

楊原 あざみ:問題なく。
楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+14(2D10->5,9)した(侵蝕:67->81)
楊原 あざみ:2d10+72
DoubleCross : (2D10+72) → 9[8,1]+72 → 81

楊原 しずる:丁度いいところ。
GM:侵蝕もいいところに…!
楊原 あざみ:同値ですね……DPは、これなら注がなくてもいいでしょう。
楊原 しずる:DPはそのままで。
GM:OK!では…

GM:エンゲージはしずるさんとあざみさんでひとつ。そこから5m離れてオーガン:ビーストが1体。
GM:問題なければラウンド進行に移ります!

GM:ラウンド1
GM:セットアップ!
オーガン:ビースト:こちら、ありません。
楊原 しずる:《フルパワーアタック》Lv3。
楊原 しずる:ラウンド中攻撃力+15、行動値0に。
楊原 しずる:侵蝕+4して85まで。
楊原 あざみ:こちらも宣言なし。
GM:OK,では行動値順に処理!
GM: 
GM:まずはあざみさんから。
楊原 あざみ:はい。マイナー、《アクティベイト》、ペイ9HP。侵蝕85のHP15。
楊原 あざみ:メジャー。《サイレンの魔女》《クロックアップ》に能力訓練使用宣言。
楊原 あざみ:8dx+4+3+9+1
DoubleCross : (8R10+4+3+9+1[10]) → 8[3,3,4,4,5,7,7,8]+17 → 25

楊原 あざみ:達成値25の射撃攻撃です。
GM:リアクション、素手によるガード!
GM:このガードに《魔人の盾》を使用、ガード値+20
楊原 あざみ:硬いですね。ダメージ行きます。
楊原 あざみ:3d10+20 装甲無視
DoubleCross : (3D10+20) → 16[1,6,9]+20 → 36

楊原 あざみ:出目はそこそこ。36点です。
GM:OK,装甲は無し!ダイス目分が通りました。
GM:軽減なし、演出どうぞ!
楊原 あざみ:手のひらの上に呼び出した赤い魔眼から、光条が走る。時間を強制的に加速させる、という、それだけの効果だが。
楊原 あざみ:「…バロールエフェクトによる抵抗。不安定だというのは本当ですか」
楊原 あざみ:「それとも、そこにいるんですか」小さく、聞こえるか聞こえないか程度の声で。
楊原 あざみ:以上。
オーガン:ビースト:「……!」
GM:抗う声は無く、ただただ朽ちてゆく身体を、何かが繋ぎ止めている。
GM:それは、時を超えて現れた存在故か、あるいは─。
GM: 
GM:では続いて、行動値3のオーガン:ビースト!
オーガン:ビースト:《完全獣化/破壊の爪/ハンティングスタイル》 素手のデータを変更しつつ戦闘移動
オーガン:ビースト:PC2人のエンゲージに突入。
オーガン:ビースト:メジャー、《C:キュマイラ/獣の力/獣王の力/巨人の斧》、対象単体の白兵攻撃
オーガン:ビースト:判定前に《拡散する世界》、HPを20消費して対象をシーン:選択に。
オーガン:ビースト:判定!
オーガン:ビースト:14d7x+4
オーガン:ビースト:14dx7+4
DoubleCross : (14R10+4[7]) → 10[1,3,3,4,4,6,6,7,7,8,8,9,10,10]+10[1,3,3,4,8,8,10]+10[1,4,9]+6[6]+4 → 40

GM:40に乗った!リアクションを。
楊原 しずる:ドッジ。
楊原 しずる:5dx>=40
DoubleCross : (5R10[10]>=40) → 10[2,4,6,7,10]+9[9] → 19 → 失敗

楊原 しずる:無理。
楊原 あざみ:ドッジ。
楊原 あざみ:3dx>=40
DoubleCross : (3R10[10]>=40) → 10[2,3,10]+5[5] → 15 → 失敗

楊原 あざみ:無理ですね。ダメージを。
GM:では…!
オーガン:ビースト:5d10+36
DoubleCross : (5D10+36) → 45[7,10,10,10,8]+36 → 81

GM:殺意!
楊原 しずる:なすすべもなく。《リザレクト》。
楊原 しずる:楊原 しずるの侵蝕を+4(1D10->4)した(侵蝕:85->89)
楊原 あざみ:1d10+85 リザレクト。
DoubleCross : (1D10+85) → 3[3]+85 → 88

楊原 あざみ:HP3です。
GM:では演出!
オーガン:ビースト:「……我々は」
GM:再び、声からは感情が失せて。白い人影が歪み、歪な騎士甲冑めいた─楊原しずるの、あるいは彼のそれに似た─を取った直後。
GM:それが、ぐずりと崩れる。大雑把なヒトガタと、そして。
GM:─右腕。半ばで折れた剣槍が回転する螺旋槍。そこにのみ、面影を残して。
オーガン:ビースト:「─我、ハ─」
GM:跳躍。キミたちの至近に着地したそれが、理性など感じさせない挙動で右腕を滅茶苦茶に振り回す。
楊原 あざみ:楊原あざみの時間加速は、自分から機を起こす必要がある。そのため、対応にはまったく向かない。
楊原 あざみ:回転運動する異形の螺旋に弾き飛ばされ、くの字に折れて地面に転がる。胴の離断するような致命傷を避けられたのは、防具のお陰だ。
楊原 あざみ:生き延びるには、まだ、余裕があった。だから。
楊原 あざみ:「……しずるさん!」
楊原 しずる:「っ、くっ……!!」ガードに回した腕が吹き飛ぶのを、リザレクトで強引に繋ぎとめる。
楊原 あざみ:名前を呼ぶ。呼び戻すために。
楊原 しずる:「えぇ!!」呼びかけに強く答える。意識を保つように。戦意を繋ぐように。

GM:そして行動値0、しずるちゃんの番!
楊原 しずる:はい。マイナー。
楊原 しずる:《完全獣化》Lv1+《一角鬼》Lv1。
楊原 しずる:【肉体】ダイス+3個、素手データ変更。
楊原 しずる:侵蝕+9して98まで。
楊原 しずる:メジャー。
楊原 しずる:▼一角獣=「素手(一角鬼)」+《C:ノイマン》Lv2+《コンバットシステム》Lv1+《神獣撃》Lv3。
楊原 しずる:8dx8 命中
DoubleCross : (8R10[8]) → 10[1,1,2,3,5,6,10,10]+10[7,10]+6[6] → 26

オーガン:ビースト:こちら、リアクションは《竜鱗》!装甲値20を得る!
楊原 しずる:(3+5)d10+6+15 ダメージ
DoubleCross : (8D10+6+15) → 46[6,8,10,8,2,1,1,10]+6+15 → 67

楊原 しずる:侵蝕+7して105まで。
オーガン:ビースト:47点もらって…まだ倒れない!
GM:演出、どうぞ!
楊原 しずる:「はぁぁ……!!」獣化を展開する。……直接会ったことのない父親に、よく似ていると言われた、その強化骨格。歪なる騎士甲冑と、捩じれた剣槍。
楊原 しずる:「せ、りゃあああああ!!!」突進。力任せに剣槍を捻じ込む。爆発する力に耐えられず、甲冑と剣槍が自壊するまで。
オーガン:ビースト:「……!?」
GM:部分的に再構成した甲冑が、砕けて爆ぜる。─その後の抵抗も、あるいは出来たのかもしれないが。
GM:虚ろな肉を抉る剣槍が自壊するまで、獣は声なき咆哮を上げるのみ。

GM:クリンナップ!こちらはなし!
楊原 しずる:こちらもありません。
楊原 あざみ:ありません。
GM:うす、では!

GM:ラウンド2
GM:セットアップ
オーガン:ビースト:引き続きなし!
楊原 しずる:《フルパワーアタック》Lv4。
楊原 しずる:ラウンド中攻撃力+20、行動値0に。
楊原 しずる:侵蝕+4して109まで。
楊原 あざみ:宣言なし。
GM:OK!

GM:先ほどと同じく、行動値順。こちらの割り込みはないので、あざみさんから!
楊原 あざみ:マイナー。《リミテッドイモータル》《アクティベイト》。HP回復10を先に処理、さらにHP9点ペイ。HP4、侵蝕率94。
楊原 あざみ:メジャー。《サイレンの魔女》。
楊原 あざみ:5dx+16
DoubleCross : (5R10+16[10]) → 8[1,3,5,6,8]+16 → 24

楊原 あざみ:Dロイス効果いただけますか、しずるさん。
楊原 しずる:Dロイス「異邦者」を宣言。その達成値に+20.
楊原 あざみ:ありがたい。では、達成値44です。
オーガン:ビースト:リアクションはガード、オートアクションなし!
GM:ダメージをどうぞ!
楊原 あざみ:はい。ダメが…
楊原 あざみ:5d10+15 装甲無視
DoubleCross : (5D10+15) → 24[1,10,5,7,1]+15 → 39

楊原 あざみ:う、出目が低い。39点の装甲無視です。
オーガン:ビースト:ガードで1点軽減しての、38点、それは…倒れる!ので!
オーガン:ビースト:《魔獣の証》、HP20で復活!
GM:演出どうぞ!
楊原 あざみ:魔眼からの光の投射を止めない。このまま、押し切る。
楊原 あざみ:「……あなたは」
楊原 あざみ:「私たちの未来ではない。だから、ここで」
楊原 あざみ:時間切れです。と。
楊原 あざみ:本体との同期が切れたままの状態で、ただただ時間が経過する。それは。
オーガン:ビースト:─被害の可能性を考慮しなければ。放置すればいずれ、世界に希釈されて消える。それだけの存在だ。
楊原 あざみ:一度確定したはずの世界の終わり。だが、それを許さないものが、確かにいる。
楊原 しずる:「……」黙って、その存在を観測している。未来を識る者として。確かに、それを一旦は放逐したものとして。
楊原 しずる:「これで、終わって……!」祈るような声。
オーガン:ビースト:異邦者の観測を以て、結果は確定する。即ち、滅び。
オーガン:ビースト:─しかし。
オーガン:ビースト:「…………」
オーガン:ビースト:「……俺は」
オーガン:ビースト:「ここに、いる」
GM:白い肉塊は崩れ去って。黒く、細く、歪な。それでも、面影を残す騎士甲冑めいた姿が。
GM:そこに、残っている。
GM: 
オーガン:ビースト:では行動値順にこちら!攻撃の対象は…
オーガン:ビースト:…うん。こっちだな。あざみさんだ。
オーガン:ビースト:マイナーなし、メジャーで攻撃、組み合わせは先ほどと同じく《C:キュマイラ/獣の力/獣王の力/巨人の斧》
オーガン:ビースト:14dx7+4
DoubleCross : (14R10+4[7]) → 10[1,2,2,3,4,5,6,6,7,8,8,8,9,10]+10[2,3,3,7,10,10]+10[1,2,10]+10[10]+2[2]+4 → 46

オーガン:ビースト:結構頑張った。
楊原 あざみ:ガード。ダメージどうぞ。
オーガン:ビースト:5d10+36
DoubleCross : (5D10+36) → 24[10,3,4,5,2]+36 → 60

GM:キリよく60点!
楊原 あざみ:倒れますので、《リザレクト》です。
楊原 あざみ:1d10+99
DoubleCross : (1D10+99) → 9[9]+99 → 108

楊原 あざみ:HP9
楊原 あざみ:侵蝕108に。
オーガン:ビースト:砕けた剣槍が回転を止め、五つに割れる。今だ鋭い刃でもあるそれは、しかし。
オーガン:ビースト:楊原あざみに向けて伸ばされる手のようで。
オーガン:ビースト:─無論、凶器であることに変わりなく。触れれば肉を裂き、骨を砕くであろうそれを、キミは─
楊原 あざみ:避けることなく、受け入れた。
楊原 あざみ:お仕着せが引き裂けて、肉が裂け、骨が砕けて、鮮血が飛び散る。
楊原 あざみ:「大丈夫です」
楊原 あざみ:小さな声。
楊原 あざみ:「私はここにいます。まだ」
楊原 あざみ:リザレクトで傷が塞がるまえ。血と傷でかすれた声。
楊原 あざみ:「だから。心配しなくても、いいですよ」
オーガン:ビースト:小さな体が手から零れ落ちて、応えられる声は、意志は無く─。
楊原 あざみ:届いたかどうかは知らない。ただ。
楊原 あざみ:是非は問わず。ビーストの動きが止まった、という事実が残る。

GM:イニシアチブ順、行動値0でしずるちゃん、どうぞ!
楊原 しずる:は。
楊原 しずる:マイナー。
楊原 しずる:《完全獣化》Lv2。
楊原 しずる:侵蝕+6して115まで。
楊原 しずる:メジャー。
楊原 しずる:▼一角獣=「素手(一角鬼)」+《C:ノイマン》Lv3+《コンバットシステム》Lv2+《神獣撃》Lv4。
楊原 しずる:10dx7 命中
DoubleCross : (10R10[7]) → 10[1,1,2,3,3,4,5,7,7,8]+6[3,5,6] → 16

楊原 しずる:ひ、ひくい
オーガン:ビースト:再びの…竜鱗!
楊原 しずる:(2+6)d10+7+20 ダメージ
DoubleCross : (8D10+7+20) → 48[7,10,1,7,6,3,9,5]+7+20 → 75

GM:殺意が たかい
オーガン:ビースト:装甲20、HPは20!その他の軽減なし!
オーガン:ビースト:戦闘不能、復活エフェクトは、もうありません。
GM:演出をどうぞ!
楊原 しずる:……二人の間に、割って入るのに気が引けたのは、頭の片隅でだけ。
楊原 しずる:体はとっくに、動きを止めた標的に向けて走り出している。
楊原 しずる:再びの獣化。螺旋槍がその手に生み出される。
楊原 しずる:「……さよなら、─」呟いた言葉は、槍が空気の壁を突き破る轟音にかき消されて。
オーガン:ビースト:何かを取りこぼしたように、5つに裂けて割れた、折れた剣槍に注がれていた視線は。
オーガン:ビースト:その瞬間だけ。確かに、キミに向いていて。
オーガン:ビースト:硬いものと肉を砕く手応え。自壊するキミの剣槍と甲冑。
楊原 しずる:蒼い瞳が、確かにその視線と絡むのを感じながら。
GM:─キミの視界が、甲冑越しのそれから。普段のものに戻った時には、もう。
GM:そこには。キミと、小さな先達が立つのみだった。

GM:戦闘終了です!バックトラックへ!

GM:■バックトラック
GM:今回、Eロイスなし!DP分の減少をするか決めた上で、ダイスを!
楊原 あざみ:108の6本。素で振ります。
楊原 あざみ:108-6d10
DoubleCross : (108-6D10) → 108-32[7,3,6,7,5,4] → 76

楊原 あざみ:よし。5点域です。
楊原 しずる:最終メジャー含めて122から、DP8点減少し、114からの5本、等倍振り。
楊原 しずる:114-5d10
DoubleCross : (114-5D10) → 114-13[4,5,2,1,1] → 101

楊原 しずる:うっそでしょ追加振り
楊原 しずる:101-5d10
DoubleCross : (101-5D10) → 101-34[9,6,9,8,2] → 67

GM:ひッ
楊原 しずる:0点です……
楊原 あざみ:お疲れさまです。
GM:あるんだなあこんなこと……怖い……。
GM:では経験点は、シナリオ目的で5点、他の1点積み上げで5点、Dロイスで1点。
GM:寿甘さん11点、里村さん16点、GM10点で!
楊原 あざみ:はい。
楊原 しずる:はい。

エンディング1


GM:■ED1

GM:事は為った。後処理─とはいえ、文字通り「跡形もなく」消滅したため、そう大したものではないだろうが─の手配も万全。
GM:となれば、この後、キミたちが別れたならば。
GM:言葉を交わす機会は、今後果たして─あるものだろうか。
楊原 あざみ:「では……」
楊原 あざみ:セーフハウスで詰め替えたケースを下げて。裂けたお仕着せは、もう作業着に着替えている。
楊原 あざみ:「確かに、楊原あざみが受け取りました。そう、そちらの上長さんにお伝え下さい」
楊原 しずる:「えぇ。ただのおつかいのはずが、大事になってしまい。申し訳ありませんでした」
楊原 あざみ:「いえ。そちらの責任もあるかもしれませんが、いずれにせよ処理しなければならない問題だったと」
楊原 しずる:「……あの人が、どこまで考えて。この任務を決めたのか、問い詰めておきます」
楊原 あざみ:「…………」しずるさんの顔を見る。
楊原 あざみ:「聞くまでもないような気はしますが。あなたに限っては」
楊原 しずる:「……はい」苦笑い。
楊原 あざみ:「あと……十年ですか、二十年ですか。そんなところだと思いますけど」
楊原 あざみ:「よく似ていますよ。今の速水さんと。不本意でしょうが」
楊原 しずる:「……そう、ですか」まぁ、確かに不本意だと。そう表情で表明しながら。
楊原 しずる:「でも、今の私は楊原しずるです。そうある過去を、あなた達にとっては未来を望んだ名前」
楊原 しずる:「未来を変えられるのは、今を生きるあなた方だけ。どうか、思う未来を掴んでください」
楊原 あざみ:「ありがたい限りですね。ええ、もちろん。そのつもりですよ」
楊原 あざみ:「いろいろ事情があるとは思いますが、次に会うときは朗報でもお届けします」
楊原 しずる:「はい、お待ちしています」笑顔で応える。
楊原 あざみ:「それでは。お元気で」
楊原 しずる:「はい。いつか、また」
GM:─そうして、キミたちは別れた。いつかまた会う日が来るのか、それは分からないけれど。
GM:奇縁、と言うのであれば。そもそもが、キミたちを結び付けたものこそ。奇縁の最たるもの。
GM:であるならば。やはりまた、いつか─

GM:シーンエンド

エンディング2


GM:■ED2:楊原しずる

GM:─異相巡航艦オルロイ、司令室。
GM:出発する直前と同じように、キミはここでリーダー……キミの母と相対している。
GM:違いがあるとすれば、あの時のような立ち話ではなく、テーブルを挟んで互いに着座であること。そして。
GM:キミと彼女の前には、暖かい飲み物が入ったカップと、ケーキの皿。
GM:ケーキは地上のような「本物」ではないが。カップからは、ハーブティーの良い香りが立ち上っている。
速水やどり:「頂き物です。地上の─速水さんからの」
楊原 しずる:「……これが、『お茶会』……ね」昔の……"現在"の母が頻繁に行っていたという、それを前に。
速水やどり:「えぇ。……旅立って以降、こうして誰かをお招きして……ということも、殆どありませんでした」
速水やどり:「お茶もケーキも、貴重品になってしまいましたからね」
GM:もちろん、理由はそれだけではなく。招く相手自体も、次々と─。
GM:そう、言葉にはしないけれど。
楊原 しずる:「……」そう言外に言われて。この母を嫌ってはいても、椅子を蹴飛ばせるほどの性根ではない。
速水やどり:「……ですから」
速水やどり:「もしこうして、「本物」のお茶が手に入ったら。……静留さん」
GM:碧い瞳が、キミを見つめて。
速水やどり:「あなたを最初にお招きしようと。そう、決めていました」
楊原 しずる:「……だったら、折角の機会なんだから。『本物』のケーキも、おつかいついでにお土産にさせればよかったじゃないの」どこか、呆れた風に。力の抜けた声で。
楊原 しずる:「頭ばっかり巡らせて、気が全然利かない」わざとらしく、棘のある口調で。
速水やどり:「…………」
GM:そんなキミの言葉に。目を僅かに見開いて、何度か瞬きをしてから。
速水やどり:「……ふふ。そうですね。……えぇ、なんでそう頼まなかったのかしら、私」
GM:控えめに、微笑みを崩さない程度に。小さく笑う。
楊原 しずる:「……はぁ」ため息をひとつついて。
楊原 しずる:「……今回の事。どれだけ計算の上だったの」確認するように、神妙な顔になって問う。
速水やどり:「……あなたが、「速水やどり」個人として最も信頼する人を。ただし、これは至極私的な用件でもあります」
速水やどり:「そう、彼女に─速水さんに伝えた時点で。彼女が誰を選ぶかは、自明でした」
速水やどり:「えぇ。何せ、私のことですから」
楊原 しずる:「それはそうね」
速水やどり:「だから、あなたに─静留さんにお願いをしました。あれを」
速水やどり:「─私の未練を、彼女に届けてもらうように」
楊原 しずる:「─未練、ね」そんなこと言ったら、私そのものが未練の塊のようなものじゃない。なんて、口には出さないけども。
速水やどり:「えぇ。……勿論、私の勝手な想いです。出来なかったことを、速水さんに半ば押し付けるような行為でもあります」
速水やどり:「けれど─私には」
GM:そこで一度、言葉は途切れる。どう言えばいいのか。言って良いのか。言う資格があるのか。
GM:そんな風に、迷っていた風では、あるけれど。
速水やどり:「─私には、あなたがいる」
楊原 しずる:「……」まじまじと、瞳を見つめて。
速水やどり:「静留さん、あなたは。打算と、必要性から生まれた存在です」
GM:時代のリーダー。万が一のための、もうひとつの旗印。周囲の大人から、キミがそう言われてきたことを。彼女は知っている。
楊原 しずる:「えぇ。知ってる」そうであるために、この艦にしまい込まれてきたことも、わかっている。
速水やどり:「けれど……あの頃の私は。あの人との間に、証が─あの人が私を愛してくれたという証が、欲しいと。そう、思っていました」
速水やどり:「……ローティーンの女の子にしては、我ながら。早熟すぎると思います」
楊原 しずる:「逆にローティーン(こども)っぽいんじゃないの? まぁ、私には分からないけど」
速水やどり:「そうかも、しれませんね。……えぇ、ですがそれは、叶わなかった」
速水やどり:「─ですから。例え、周囲が求めた存在だとしても。私の、エゴが生んだ存在(こども)だとしても」
速水やどり:「あなたが産まれてきてくれたことは。とても、嬉しかった」
楊原 しずる:「……えぇ、知ってる……分かってるのよ、それだって……」あの日誌を読むまで。『もっと相応しい存在が居たのでは』
楊原 しずる:そう疑問を抱くまで。
楊原 しずる:たしかに、母は。……責務に忙殺されているなかでも、確かに。母だったのだから。
速水やどり:「……分かっています。どれほど語り合ったところで、あなたの思いは、そう簡単に晴れるものではないと」
速水やどり:「─ですから」
速水やどり:「─静流さん。"コルヌ・ベッテ"」
GM:名と、そして角の意を持つコードネームを、続けて呼ぶ。
速水やどり:「あなたの艦内待機を解き、任務を命じます」
楊原 しずる:「……内容は」
速水やどり:「半年間。現在時間で、2020年一杯となりますが」
速水やどり:「現実基底世界での、我々とUGNとの現地連絡員。対外的なUGNでの立場は、他支部からの出向者扱いとなるでしょう」
速水やどり:「……街は、安全ではありません。今回のような、不測の事態も起こり得ます」
楊原 しずる:「……いいわ、受けましょう。"リーダー"」
速水やどり:「はい。……どうかその目で。その耳で。その心で」
速水やどり:「私たちが守りたかった世界を、感じてください。そして─」
速水やどり:「─必ず、無事に帰ってくること。いいですね?」
GM:その語り口は、まるで、出かける子供を心配する母親のようで。
楊原 しずる:「……了解」不承不承の返事を、唇を尖らせて言う様は。……反抗期の娘、そのもので。
速水やどり:「いい返事です。……ああ、それと、静留さん」
楊原 しずる:「なによ」
速水やどり:「"血縁者"との接触は、推奨されるものではありませんが」
速水やどり:「─然るべきカバーストーリーを用意した上であれば。特段、制限はされていませんから」
GM:ね?と。ティーカップを手に微笑む"母"の姿は。
GM:普段より幾分か、幼いもののによう見えた。
楊原 しずる:……まったく。気を回すかと思えば、余計なところにばかり回す。
楊原 しずる:「……そうね」折角だから、今度は。あんな成れの果てではない、『父』を─

GM:シーンエンド

エンディング3


GM:■ED:楊原あざみ

GM:─N市UGN第9支部、支部長室。
GM:事の次第を「依頼主」に報告するため、キミは再び、ここを訪れた。
GM:卓上には、今回の「成果物」。即ち─。
楊原 あざみ:「確認をお願いします」
GM:開封された荷物、血塗れのブレザーと。それに似つかわしくない、いつもと同じ、良い香りを漂わせる琥珀色の液体に満ちたカップが─。
速水やどり:「はい、確かに受領しました。……しかし、なんとまぁ」その血まみれのブレザーを前に、しばらくの間黙考していた少女が、口を開く。
楊原 あざみ:「ええ」
楊原 あざみ:平然とした顔で、いただいていた紅茶をソーサーに戻す。
速水やどり:「未来からのメッセージにしても。もう少し、ショッキングでない形で届けてほしいものです。……こんなに強烈でなくても、イヤというほど伝わっているというのに」
楊原 あざみ:「不安だったんじゃないですか」
楊原 あざみ:再度、紅茶を口に含む。
楊原 あざみ:「一番極端な証拠を手元に伏せたまま、相手に信じてもらえるかどうかが」
速水やどり:「……まぁ、そう。なりますか」まだ、自分と先方のリーダーが同一人物だとは告げていないから、まぁ、そう思っても仕方ないというか。いや。自分でも、そうか。と。
速水やどり:結局のところ、『わたし』が経験するだろう別れの数々は、推し量ることしかできないものだから。
楊原 あざみ:「しずるさんですけど、速水さんとよく似ていましたよ」
速水やどり:「そんなに、ですか」彼女の境遇─出自は知った。しかし、人となりは、共に行動した彼女の方が詳しいだろう。
楊原 あざみ:「ええ。一つ決めたら、あとのことは蓋をしてしまったほうが良い、と考えがちなあたりが」
楊原 あざみ:「経験則ですが、三つ子の魂百までというのは本当ですね。我が身を鑑みても」
速水やどり:「なっ」そんな方面からつつかれるとは思ってなかった。
楊原 あざみ:「親子二代に渡って、"あなたがのほうが良いと思うから身を引きます"と宣言されたほうの身にもなってください」
楊原 あざみ:「似たもの以外になんと言ったらいいんですかあれは」
速水やどり:「はぁ……そんなこと言ってたんですね、しずるさんは……」
速水やどり:「言っておきますけど。『今』の私は、身を引く気なんてないですからね。どこかの誰かさんのおかげで」
楊原 あざみ:「お陰様で、あの未来には繋がらないだろうという希望が持てました」
速水やどり:「はい。ひとつだって取りこぼして、やるもんですか」あの人の行方も、あなたの命も。
楊原 あざみ:小さく笑う。半分ほどに減って、ややぬるくなった紅茶を飲み干す。
楊原 あざみ:「どうします。この制服」
速水やどり:「……そうですね。私の方で、保管します」
速水やどり:未来に対する戒めであり。……いつか、全部を護った未来で、いなくなった可能性の事を、覚えているために。
楊原 あざみ:「そうですか。それは何よりです、こちらは何分家が狭いもので」
楊原 あざみ:「見つからないように隠すのが難しそうですから」
速水やどり:「……この人は、本当に……」
速水やどり:「それでこそ、ですけど」
楊原 あざみ:「ええ。もちろん」
楊原 あざみ:「相手を見て話すことくらいはしますよ。おばさんですから」
速水やどり:「……先日幾分か乱用した職権について、どうやら反省する必要はなかったみたいで何よりです」
速水やどり:「今後も遠慮なくやっていけそうですよ」
楊原 あざみ:「よく言いますね。手を打ったところで、結果まで覚悟の上でしょうに」
速水やどり:「それでも、ですよ」そう言い続けていないと、やっていけないのだ。
楊原 あざみ:くすりと笑う。
楊原 あざみ:「ええ。ひとつ、これは同意が得られると思いますが」
楊原 あざみ:「金輪際、あんなモノに康介くんを渡してたまりますか」
速水やどり:「全くです」
楊原 あざみ:ブレザーを畳んで、ケースに仕舞う。
楊原 あざみ:「では、引き渡しの方は確かに」
速水やどり:そのケースを、確かに受け取って。
速水やどり:「えぇ。ありがとうございました」
楊原 あざみ:「……お茶がなくなりましたね」
速水やどり:「おかわり、ご用意しますか?」
楊原 あざみ:「いえ。せっかくですから」
楊原 あざみ:持ち込んでいたショルダーバッグから、コンビニエンスストアの袋を引っ張り出す。
楊原 あざみ:テーブルの上に置いて。中から取り出すのは、白い飲料缶がふたつ。
楊原 あざみ:ひとつを速水さんの目の前に置く。
楊原 あざみ:「あと半年。今年の冬までの間。共同戦線の、固めの杯というやつです」
楊原 あざみ:「休戦じゃないですよ。念の為」
速水やどり:「……あのですね」ラベルとかを確認しながら。ノれることとノったらマズいことがある。確認。
楊原 あざみ:「そちらはノンアルコールですよ」
楊原 あざみ:「安心してください。私は今、書類上非番ですから、責任者の黙認があれば問題にはなりません」
速水やどり:「……えぇ。えぇ。確認しましたとも」
速水やどり:「……じゃあ、交わしましょうか。杯を」
楊原 あざみ:「ええ」
楊原 あざみ:ぷしゅ、とプルタブを引く音が2つ。
楊原 あざみ:「私たちの未来に」
速水やどり:「はい、私たちの未来に」
楊原 あざみ:ややぬるい缶の中身を、一息で半分ほど飲み干す。
速水やどり:そうして、ぐいと飲み干しにかかったそれは。
速水やどり:「……苦っ」あなたの前でぐらいしか見せない顔で。こどもそのままの意見が出た。
楊原 あざみ:「大人の味ですよ」くすくすと笑って。

GM:─かくして。少女の「はじめてのおつかい」は幕を閉じ。
GM:たたかいは、続いてゆく。

GM:『シールド・メモリーズ』 end

GM:これにて終幕!ありがとうございました!
楊原 あざみ:ありがとうございました。お疲れさまでした。
楊原 しずる:ありがとうございました、お疲れさまでしたー!!