2005.09.21版
お試し版
緊急発刊 平成版
不況脱出術
新堂社会研究室
代表 新堂 照基 著
(1964年生 大阪在住)
目次
はじめに
第1章 日本の現状
会社の景気
個人の景気
日本の会社員
国全体の質の低下
第2章 不況の原因と処方箋
商品の開発力と売上げ高
日本人の傾向
商品の開発
終わりのない商品開発
失敗の商品開発
太平洋戦争後の高度成長
新民主主義の幕開け
いち早い行動を
おわりに
はじめに
バブル景気がはじけてから、15年になろ
うとしている。
しかし、まだまだ日本経済は不況のままだ。
大卒の人であれば、37歳までの人が景気の
良いときを知らない。
学生時代のアルバイトの時給が、やたら高か
ったというところだろうか。
なかには、景気は今が絶好調だという人がい
るので、ここでは景気の良い状態を特に「ハ
ッピー状態」と呼び、GDPが直近の5年間
を平均して3.5%以上であるとする。
数字だけではイメージしにくいので、具体的
なことをあげよう。ほとんどの所帯は、家族
で1年に2回くらいは温泉に出かけ、数年に
1回は海外旅行を楽しむ。
冬はスキーにも行きたい。
月に2回はゴルフのコースをまわり、家はロ
ーンはあるがもちろん持ち家だ。
でも残念ながら現在多くの人たちは、そのよ
うな状況ではない。
どうすれば、ほとんどの人たちが「ハッピー
状態」になるのかを述べたのが本書である。
本書を読んでひとりでも多くのひとたちが
「ハッピー状態」になることを願う。
ここでは第1章で日本の現在の状況をみて、
第2章ではその原因と解決方法をあげ、あな
たを「ハッピー状態」の入り口にご案内する。
第1章 日本の現状
会社の景気
トヨタ自動車は絶好調だし、鉄鋼業も造船
業も過去最高に景気が良い。商社の景気も良
いようだ。
しかし、鉄鋼業の売上の増加分のほとんどは
中国向けで、2008年の北京オリンピック
や上海の万国博覧会の頃には、需要が一段落
するといわれている。
2005年に入って既に、自動車向けの特殊
鋼板を除いた、ほとんどの鋼材の受注が減少
してきている。
中国で建設された工場が自国の需要をまかな
いつつある。
造船業もいま建造しているのが、鉄鋼の価格
が高くなるまえの、2年前の見積り額で仕事
をしている。
少なくとも向こう2年間は利益があがらない。
主に原油の価格の上昇が、商社の利益を増や
した理由だ。
トヨタ自動車が好調なのは、主に北米での売
上増の貢献が大きい。
日本の日経平均株価は、アメリカの株価(ナ
スダック)にほぼ連動している。
将来的に「ハッピー状態」になる要素はみつ
けにくい。
政府は不況を解決済みの案件としている。
竹中大臣は不況に関して政府としてやれることは
やったのだからあとは民間でがんばってくださいと
2004年に発言している。
そもそも政府や学者が不況を解決するということは
不可能なことなのだ。
ここで一席。
日本の経済とかけて、野球の現在のYみうり
巨人軍ととく。
そのこころは。
どちらも、実力と技術があるのに、結果が全
くでません。
実力と技術以外に、なにが足りないのかは、
第2章で詳細に述べる。
個人の景気
設備投資と個人消費は景気の両輪といわれ
るだが、その伸びは全くかんばしくない。
ここまで長年に渡って不況が続くと、将来設
備投資が単独で景気を引張っていくとは思え
ない。
むしろ個人消費が景気を引張っていくと、考
えたほうが現実的である。
しかし、個人消費の伸びが、大幅に改善され
る見込みはない。
若い人を中心に、ジーパンをはく人が多い。
以前は男性しかはかなかった。
このごろでは学生や社会人に限らず、多くの
女性もはいている。ジーパンは他の衣服より
も安く、しかも丈夫で長持ちする。
ジーパンはズボンであるから、パンティース
トッキングは、はかない。
事実、パンティーストッキングの売上げは減
っている。
ジーパンだから、靴も安いスニーカーでまに
あう。
つまりジーパンをはいている女性の被服代は、
以前よりも縮小している。
百貨店は特に、婦人ものに力をいれている。
1階には靴と化粧品、2階から4階は婦人服
売り場だ。
男ものは5階になる。
ただし、同じ階にスポーツ売り場や家電売り
場があるから、男ものの売り場は実際のとこ
ろ、1フロアの半分になる。
つまり婦人ものの売り場は、男ものの売り場
の8倍になる。
だが、婦人ものの売上げはジーパン効果(だ
けではないだろうが)により、低迷が続いて
いる。
税金が引上げられようとしている。
ここ数年、国の予算は年間30数兆円ずつ、
赤字を出している。
現在の5%の消費税で、10兆円の税収にな
る。
所得税やその他の税目に、分散されるかもし
れないが、全て消費税でまかなおうとすると、
消費税は現在の5%から20%になる。
100円均一の商品は120円になり、12
0円の缶コーヒーは140円になる。
年金の国庫負担が1/3から1/2に増やされ
る。
年金の保険料も少子化、フリーターの増加、
サラリーマンの減少、未払い者の増加などで
、次回の政府年金見直しのときに増える可能
性がある。
医療費の国庫負担も増える。
現実的に15年後の個人負担を考えてみると、
全て消費税でまかなうとして、現在の5%が
40%になる。
2005年8月の財務省のホームページによ
ると、社会保障費が
2004年 年金40兆円 医療25兆円 福祉14兆円
の合計79兆円であるが、10年後は
2015年 年金58兆円 医療41兆円 福祉21兆円
の合計120兆円になる。
差額がおよそ40兆円であるから、全て消費
税に換算して20%になる。
現在の5%、毎年の一般会計の赤字分の15
%、10年後の社会保障費の増額分の20%
を合わせて、消費税は40%になる。
これで終わりではない。年々その額は増加し、
2025年には総額153兆円になり、さら
に33兆円増える。
現在、月収20万円の人で12万円分しか消
費できなくなる。
年間で96万円が消費税に消えてしまうのだ。
現状の法人税や所得税が増えない限り、個人
消費の伸びは期待できないことになる。
それでもまだ820兆円の国の借金は残って
いる。
地方の自治体の借金もある。
現在のままでも十分に暮らしていけるではな
いかという人も多いが、2007年から毎年
消費税が5%ずつ増えていくイメージになる。
個人消費の伸びを期待できる状況ではなく、
今のままでは個人消費は大幅に冷え込んでい
く局面であることを、しっかりと受けとめて
いただきたい。
よその国の話ではない。
アフリカの全ての国の借金を、合わせた額よ
りも多い借金のある日本の話なのだ。
景気が現状のまま推移した場合の、まぎれも
ない日本の真実の姿なのだ。
日本の会社員
南本さん(仮名)は、とある従業員100
人ほどの電気製品の会社の納入係である。
お客の注文により、計測器や検査器等を部品
の調達から製造までしている。
お客は経費節減で、在庫を持っていないため
に納期が非常に短い。
さらに金額も前回の注文のときよりも、3割
下げてくれということだ。
部品のほうも前回より安く仕入れるように、
部長のほうからも指示がきている。
南本さんは何日かに分けて普段の作業もやり
ながら、1日3〜4時間かけて8社ほどの納
品業者に見積もりの折衝をする。
3日後に見積書をお客に出したが、値段があ
わないというはなしで、ライバル会社の方へ
まわされてしまった。
南本さんは残業でこの間を乗り越えたが、仕
事が受けられなかったので、南本さんは残業
手当は支給されなかった。
もっとも仕事を受けていても、利益など出て
いないだろうから、残業手当は支給されたか
どうかわからない。
10年前から同じような話が多くなってきた。
納期が短く、値引きも当然のように要求され
る。
10人ほどいた納入係も4人になり、仕事の
内容も残った者に振り分けられ負担が大きく
なった。
会社は苦難の時期を乗り切るまで、皆一丸に
なってがんばろうとかいっているが、いつま
でこんなことが続くのか。
ボーナスも毎回5万円程度だ。
会社としても従業員を確保する売上げをあげ
るのが精一杯で、新しい機械に設備投資する
などの資金のプールなど全く無い。
国全体の質の低下
学生全体の基礎学力の低下が指摘されてい
る。
ひきこもる子供の増加、ニートの増加。
子供への虐待の増加、子供の連れ去り事
案の増加。
満杯な公共の児童を、保護する施設。
就職した新人の3割が3か月以内に辞め
るといわれている。
全国の拘置所や刑務所は満杯で、4人部
屋は布団をとった押入れに2人寝て、7人
が押し込まれている。独房にも2人入って
いる。
戦後生まれの日本人の多くは、会社を経
営できなくなってきている。
宅配や廻り寿司などの新しい大型の業態
が1990年以降登場していない。
景気の減退とともに、日本そのもののパ
ワー不足がうかがえる。
ご案内
お試し版はここまでです。
日本の不況脱出を提案する続きの部分を
希望される方は
次のアドレスにメールでお問い合わせください。
一部、定価3,600円ですが、緊急発刊記念として
特別に、先着100部に限り、半額の
一部、1,800円にて、ご提供します。
メールアドレス kzkt82610@zeus.eonet.ne.jp
入金確認後およそ5日程度で、完全製品番をメールをいただいた
アドレスにワードパットのファイルとして送付します。
発行部数が100部に達し次第、特別価格のキャンペーンは
終了しますので、お早めにお問い合わせください。
おわりに
個人の幸せを追求するあまりに、われわれは隣人とのきづなを
「き薄」にし、世間とのつながりをできうる限り絶つことで、
完全な個人主義が確立するように努力してきたけれども、そちらの
方面にはどうやら、本物の幸せはなさそうである。
第一、多くの世帯に金がまわってこない
急速な少子化で、年金が崩壊寸前である。
よくテレビで政治家に年金はもらえるのかという質問をするが、
常に政治家は、必ずもらえますから安心してくださいと答える。
しかし、1円でも支給されれば、もらえるということなのだ。
我々の聞きたいことの本質は、生活ができる額が支給されるかと
いうことだ。
どうやら幸せは、社会をある程度大切にしないと、実現できない
のかなと、そろそろ気づくべきである。
このままでは20年後あたりに、日本は先進国の座を追われ、
途上国に成り下がることだろう
本書から、過去の例えばなぜローマ帝国は滅びたのか、東インド
会社は縮小していったのか、イギリスの経済は縮小しつつあるの
かの解明に大きく一歩近づくかもしれない。
未来に目を向けると、将来いかなる地域でも国でも人工的に高度
経済成長期が訪れ、景気がよくなることだろう。
(終)