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有田川町の精神科・心療内科  藤内(ふじうち)メンタルクリニック                


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高齢者における抗うつ薬治療の転帰について    

   高齢者のうつ病は非高齢者に比べていくつかの点で違いがみられ特徴があると言われています。
身体症状の訴えが誇張され、不安焦燥感、心気症状など神経症的色彩が見られることも多い。また高齢者の薬物治療に関しては肝機能・腎機能低下等により通常成人量の半分程度から開始し、慎重に調整していくのが原則です。
 今回、抗うつ薬の治療を受けた75歳以上の302名(当クリニック、H22年8月〜H26年7月)について、認知症との関連、効果、転機、治療継続率について調べました。75歳以上の全受診者は690名でその44%に抗うつ薬をしています。  302名(男性6名、女性233名)のうちで認知症を合併するのは119名、4割を占め、その殆どがアルツハイマー型認知症でした。うつ病発症のきっかけが身体疾患であったのが46名(15%)でその半数が、骨折・打撲など整形外科的疾患であり、運動機能の低下や痛みを伴うことが関係していると推察されます。  うつ病の症状としては、身体的愁訴が40%と最も多く、続いて、不安焦燥18%、意欲低下12%であり、従来から高齢者の特徴として指摘されてきたことと一致します。また、認知症を有する群ではやや身体的愁訴が少なく、不安焦燥を訴える割合が高いという結果でした。
使用した抗うつ薬はミルタザピン、ディユロキセチン、エスシタロプラムの順に多く、随伴する不眠・食欲低下の改善を期待してミルタザピン、痛みの改善や鎮静を避ける目的でのディユロキセチン、薬剤相互作用の問題回避やシンプルなSSRIの特徴を持つエスシタロプラムが高齢者の特徴に合わせやすかったものと思われます使用量においては全般的に低用量でした。  
改善率については、薬剤間の差は殆どなく、軽度改善以上が70%、不変26%、副作用等での中止が4%であり、非高齢者の一般的な結果に比べて、やや改善率が高く、副作用での中断率が低いという結果でした。また、認知症を有しない群ではさらに好成績(軽度改善以上75%、中止1%)でした。  抗うつ薬の継続率では6ヶ月で60%であり、岩田らの報告による全般的な継続率30.5%に比べて高い結果でした。  今回の調査により、高齢者の抗うつ薬治療は非高齢者に比べ、投与量は少量であっても改善率、継続率も高く、副作用による中断は少ないという結果であり、高齢者に対する抗うつ薬の治療は積極的であって良いと思われました。


       
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