エピローグ

 あれから由佳は順調に回復した。
 オレイアスは時々、由佳に会いにやってくる。
 まあいろいろとあったけど、二人は楽しくやっている。

 例えば、期末テスト事件。
 試験に出る問題をオレイアスに聞こうとした由佳だが…。
 オレイアスは「由佳がテストで何点取れるかなら教えてやる」と意地悪。

 例えば、加奈子と霧嶋事件。
 由佳に失敗して、今度は加奈子に目をつけた霧嶋。
 加奈子はそれが迷惑で、由佳に相談してきた。
 由佳はオレイアスに相談。未来が分かるオレイアスに的確な作戦を練ってもらった。
 そしていざ作戦実行。
 オレイアスの作成通りに行動した由佳と加奈子だが…その結果は何故か加奈子と霧嶋はゴール・イン。
 加奈子曰く「彼の一途な所が…ね」らしい。
 オレイアスのアイデンティティーにキューピッドが更に付け加えられた。


 そして、今日は由佳とオレイアスの遊園地デートの日。

 「もう、その指輪は必要ないよな」

 ソフトクリームを食べながら、オレイアスは言った。

 「そんなことないよ」

 由佳は、意味ありげに笑う。

 「運命が変わった瞬間から、この指輪は契約の証から愛の証になったんだから。
  ―――あ、次はあれに乗ろ!」

 由佳は、オレイアスの手を強引に引っ張った。

 「待てよ、俺はまだソフトクリームを―――あ…」

 オレイアスのソフトクリームが、なんだかガラの悪いおっちゃんにクリティカルヒットしたのだ。

 「おい、どこに目ぇつけとんねん! 血ぃ見たいんかい我!!」

 いきり立つおっちゃん。
 オレイアスと由佳は顔を見合わせ、ニッと笑う。
 そして二人は、おっちゃんの方に向き直って、ビッと指さし、口を揃えて言った。

 「アンタ、いい死に方できないぜ」

おしまい

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