由佳とドイツ観念論

はい、久しぶりです!
兵庫県からドラフト三位でやってきました、みんなの由佳でーす!

こういう文体、作者は「キモイから嫌だ」って言ってたんだけれど、
ヘーゲル様の偉大さを語りつくすことが作者には無理だったみたいで、
しょうがないってことで、全て私に一存してくれるんだってさ。
だから、やりたいようにやらせてもらいます。

間違いとかあっても、全部私の責任らしいけどね。
そんなのアリなのかなあ。

ま、いいや。さっそく行ってみよう。

テーマ1;ヘーゲルと言えば

由佳「さて、ヘーゲルといえばなんでしょう」
オレイアス「ドイツ観念論の完成者。世界を絶対精神の自己展開の仮定ととらえ、その発展の論理として弁証法を提唱」
由佳「うん、正解♪」
オレイアス「……」
由佳「……」
オレイアス「……」
由佳「……うん?」
オレイアス「いいのか、これで?」
由佳「え、なにが?」

(少しお待ち下さい)
リテイク。

由佳「さて、ヘーゲルといえばなんでしょう」
オレイアス「知らん」
由佳「ヘーゲルで重要なのが弁証法ってフレーズだよ。これテストに出るよ」
オレイアス「なんだ、それは」
由佳「うーん、具体的に説明してみるね」

長方形であり、かつ、円でもあるもの。これなーんだ。
無理だよね、こんなの。二つの条件が矛盾しているんだから。
でも、二つの矛盾をくっつけると……。
(テーゼ;長方形)+(アンチテーゼ;円)=(ジンテーゼ;円柱)
ね?
円柱って、横から見れば長方形だし、上から見れば円でしょ?
弁証法っていうのは、二つの矛盾をくっつけて、矛盾をなくすの。
しかも注目してほしいのは、次元が一個上がるの!
長方形も円も2次元でしょ?
弁証法でくっつけると、3次元になる。
こうやって、弁証法でどんどん矛盾をくっつけていくと、どんどん高次になっていく。
そして最終的にはあらゆる矛盾を全て説明する「絶対精神」へとなるんだ。
すごいね。

ちなみに「二つの矛盾をくっつける」ことを専門用語で「アウフヘーベン」っていうよ。
日本語では「止揚」と言います。これは現国でも重要になるフレーズだね。

オレイアス「なんとも主観的な考え方だな。客観性の欠片もない」
由佳「そうだね。でも主観を大切にしたのがこのドイツ観念論なんだ」
オレイアス「ドイツ観念論?」
由佳「そそ。客観よりも主観を重視するの。これまでの哲学をひっくり返すからコペルニクス的転回って呼ばれるよ」
オレイアス「なるほど、天動説から地動説への変革になぞらえてるわけだ」

テーマ2;ドイツ観念論、そしてカント

客観的な判断っていうのは大切だよね。
近代自然科学っていうのは、客観によって発展したとも言えるんだから。
だけどね、ここでまた主観を持ち出してきたのが、ドイツ観念論者たちなの。
ヘーゲルはその完成者なんだけれど、その前に先駆者がいるんだ。
ドイツ観念論者の始祖。
その名はカントです。

オレイアス「ヘーゲルの次はカントか」
由佳「ヘーゲルの師匠にあたるわけだね」
オレイアス「カントのキーワードは何だ?」
由佳「ヘーゲル様は弁証法でOKだけど、カントは難しいね……。格率、道徳法則、人格、目的の国家……」
オレイアス「まずは道徳法則について説明した方がいいな」
由佳「え、そうなの?」
オレイアス「道徳法則で、定言命法を説明し、それから目的の国家について話すれば、意味が通りやすい」
由佳「私とキミの対話形式って、間違ってるよね」

道徳法則。
なんとなくイメージできると思うけれど、説明しにくい言葉だね……。
結局、「道徳」と同じ意味なんだけれど、これもまた抽象的でさ。
なんで殺人はいけないのー?みたいな話なんだよ。
ダメなものはダメ!ってことなんだけれど……説明できてないよね。
オレイアスなんかはこう言うだろうけれどね。「殺せ。そうすれば貴様が殺される」と。
自分がされて嫌なことはするな!ってことなんだろうけれど、これもまたピンとこない。

閑話休題。

二つのケースを挙げてみます。どちらが道徳的か考えてみてね。
1、恩を売っておけば、後で役に立つかもしれない、と考えて人助けをした。
2、無条件に、ただそうするべきだと感じて人助けをした。
1みたいに目的のための手段のような行為を仮言命法と言います。
2みたいに無条件でかつ普遍妥当性(普通に考えてやってもOKなこと)を持つものを定言命法と言います。
普遍妥当性っていうのがまた主観的なんだけどね……。

もう一つ同じようなケース。
3、いい大学に入って幸福になりたいので、勉強した。
4、ただそうすべきだと感じて、勉強した。
3が条件付なので仮言命法。
4が無条件なので定言命法なわけです。

そんでもって、この定言命法に従って行動することを道徳法則と言うんだよ。

オレイアス「女王ヘルのために人を殺すのは仮言命法なのだな」
由佳「そうだね。道徳的とは言えないね」
オレイアス「ただ無条件に人を殺すことならいいのか?」
由佳「確かに無条件だけど、普遍妥当性がないからやっぱりダメだよ」
オレイアス「普遍妥当性というのが厄介だな」
由佳「普遍妥当性っていうのは理性によって打ち立てられるんだ。正確には実践理性によってね」
オレイアス「実践理性とか理論理性とか自由とかは説明しない方が無難だろう」
由佳「霊魂の不滅とか神の存在とか、面白いところなんだけれどね」

テーマ3;目的の国家

ここまで読んでもらえたら分かるかもしれないけれど、カントは手段とか条件とかを嫌ったんだ。
キリストの教えを守るために施しをしよう、とか。殺されたくないから殺人はやめておこう、とか。
こんな仮言命法よりも、ただ善く生きよう、とかそういう定言命法に乗っ取った道徳的な生き方を好んだ。
人々がお互いを手段として見るのではなく、目的として見れば……。
そんな理想な国家を「目的の国家(王国)」と言います。

オレイアス「テーマ3はこれだけか」
由佳「うん。ここは結びとしての意味合いが強いから」
オレイアス「さっさと終わろう。うんざりだ」
由佳「次回はエピクロスについて!」
オレイアス「……え?」

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