【Music Holiday】  やっぱり日曜の昼より日曜の夜でしょう、似合うのは……
      =徒然なる岩石音楽〜第1回、ザ・バンド=    

2000/7/9

northern_lights_southern_cross.jpg (20641 バイト)    思わぬところで思わぬ音楽を耳にして腰を抜かしそうになる、という経験はないだろうか? というのは、最近、僕はやたらとザ・バンドを聴いているだが、それは、先々週の日曜に買物に行ったダイエーで『It Makes No Difference』が流れていたからなんである。まあ、今までもいろんな意表を突いたところで、意表を突かれた曲を聴いてきたが、今回のザ・バンドは、プライマル・スクリームの『カム・トゥゲザー』が、京都なんとかポルタとかいうところのバーゲンのTVCMに乗っかって流れてきて以来の衝撃だった。いや、ホント、マジで。

   日曜の昼間というスーパーが一番ごった返す時に、あのボワーンとしたザ・バンドの曲が流れてくるのだ。それもボワーン度のより研ぎ澄まされた『It Makes No Difference』が。あんな曲(>褒め言葉)が頭上から降ってきたら、血眼になって接客してる店員はやる気なくすわ、客は眠たくなって何も買わずに帰ろうとするわ、とシチュエーションにそぐわないこと甚だしい。だって、邦題は『同じことさ!』なんだもん。そんなにバタバタしないで、家でゆっくり寝てようぜ、というような歌詞では別にないのだが、曲全体のゆっくりもったりほんわかムードが、何となく聴く者をそういう気持ちにさせるのだ。

   その邂逅がきっかけとなって、このところすっかりザ・バンド漬けの毎日が続いている。といっても、僕はそれほど熱心なファンというわけではないので、聴くのはベスト盤・超名作のファースト・個人的真打盤『南十字星』くらいになるのだが、やっぱいいです。『The Weight』とか『Stage Fright』『Acadian Driftwood』、『Unfaithful Servant』なんかあたりは、体中が弛緩しきる程素晴らしい。そして『同じことさ!』の至高のハーモニー。古いとか新しいとかいう次元を超越した “いい音楽を聴く時のこの上ない幸福感” をひたすら実感する。この手の音楽となると、全く他の追随を許さないザ・バンドである。

   そういえば、“ウッドストック94”で観た再々(?)結成ザ・バンド(当然ロビー・ロバートソン抜き)は、ひたすらダラダラと退屈で、どうしようもねえなぁ、という感じだったのだが、今はどうなってるんだろうか? もっともリックもリチャードももうこの世にはいないんだけど…… 余談だけど、『同じことさ!』の “!” に当時の担当者氏の深い愛情を感じたりします。

wb01627_.gif (253 バイト)Seeker's Holiday Camp